太陽光発電は今からでも得?やめたほうがいい人・導入すべき人の違い

失敗しない選び方・比較
この記事の要約

太陽光発電の設置を検討するとき、ふと頭をよぎるのは「もう遅いのではないか」という不安ではないでしょうか。 かつてのような高額売電の時代は終わり、ネットを検索すれ...

太陽光発電の設置を検討するとき、ふと頭をよぎるのは「もう遅いのではないか」という不安ではないでしょうか。

かつてのような高額売電の時代は終わり、ネットを検索すれば「太陽光発電はやめたほうがいい」という意見を目にすることも多くなってきたからです。

とはいえ、実のところ2026年現在の太陽光発電を取り巻く環境は、10年前とは大きく様変わりしています。制度は成熟し、蓄電池は普及段階へ。太陽光発電の役割は、単なる「売電ビジネス」から「家計防衛のインフラ」へと静かにシフトしているのです。

太陽光発電は本当にやめたほうがいいのか。それとも、条件次第では今からでも十分に得なのか。本記事ではデータや事実をもとに、客観的な立場で太陽光発電をやめたほうがいい人と導入メリットの大きな人の違いを説明します。

最後には、簡易チェックリストも用意しました。自分の状況に当てはめながら読み進めてください。あなたにとっての最適解が、きっと見えてくるはずです。

太陽光発電は本当にやめるべきなのか?

太陽光発電はやめたほうがいい、という声が上がるのには、それなりの理由があります。

太陽光発電に関するあるアンケート調査によると、設置した約4割の人が「特に後悔はない」と回答する一方で、「売電収入が少ない」(32.0%)、「電気代が安くならなかった」(29.8%)という回答も見られました。

やはり一番大きな理由は、FIT制度(固定価格買取制度)による売電価格の変化でしょう。2012年の制度開始当初、住宅用の売電価格は42円/kWhという非常に高い水準でした。しかしその後は概ね毎年1〜4円ずつ下落し、2025年度には15円/kWhまで低下しています。そのため、太陽光発電を設置しても元が取れない、と感じる人が増えているのではないでしょうか。

とはいえ、ここで一度立ち止まる必要があります。

「昔より儲からなくなった」ことと、「今から導入すると損をする」ことは、必ずしも同義ではありません。確かに売電単価は下がりましたが、太陽光パネルや周辺機器の価格もこの10年で大幅に低減しました。施工ノウハウも蓄積され、工事効率は向上しています。収益モデル自体が、かつてとは別物になってきています。

そのため大切なのは、「自分にとって」太陽光発電はやめたほうがいいのか、それとも導入するメリットがあるのかをしっかりと見極めることなのです。

太陽光発電をやめたほうがいい理由7選

まずは、太陽光発電が『やめたほうがいい』と言われる代表的な理由を7つ整理します。

理由1:売電価格の下落で「売るほど儲かる時代」ではない

まず直視すべきは、売電価格の長期的な下落トレンドです。FIT制度がスタートした2012年から2025年にかけての推移を下表で確認してください。

■ 住宅用太陽光発電のFIT売電価格推移

年度住宅用(10kW未満)事業用(10〜50kW)備考
2012年42円/kWh40円/kWh制度開始
2016年31円/kWh24円/kWh
2020年21円/kWh13円/kWh
2023年16円/kWh10円/kWh
2024年16円/kWh10円/kWh据え置き
2025年15円/kWh10円/kWh▲1円

出典:資源エネルギー庁「FIT・FIP制度 買取価格・期間等」(2024年3月公表)、経済産業省「令和7年度以降の調達価格等に関する意見」(2025年2月)

2012年に42円だった住宅用売電価格は、2025年には15円と、約3分の1までになりました。売電収益「だけ」を目的とした導入は、かつての前提が崩れているといえます。

なお、2025年10月以降に申請・認定された住宅用太陽光発電については、制度が改定されています。

「初期投資支援スキーム」と呼ばれるこの新しい仕組みでは、FIT買取価格を最初の4年間は24円/kWh、5〜10年目は8.3円/kWhという2段階に設定。一律15円で10年間という従来型とは異なり、初期の投資回収を早める設計になっています。

10年間の平均単価は約14.6円と実質ほぼ同水準ですので、最初の4年間だけの数字を見て売電単価が上がったという判断しないよう注意が必要です。

理由2:初期費用と投資回収のリスク

太陽光発電を設置するには、一般的な家庭でも100万円を超える初期費用が必要になることが多いです。これだけのお金を投資して果たして元が取れるかどうかは、確かに気になるところでしょう。

下に、2025年時点の設置費用目安と回収期間の目安をまとめました。

■ 太陽光発電の設置費用と回収期間の目安(2025年)

設置容量費用目安(新築)費用目安(既築)回収期間目安
3kW約86万円約98万円約10〜13年
4kW約114万円約130万円約10〜14年
5kW(一般的)約143万円約163万円約10〜15年

出典:資源エネルギー庁「太陽光発電について(2024年12月)」/1kWあたり新築28.6万円・既築32.6万円をもとに試算

一般的な5kWシステムの回収期間は10〜15年と幅があります。電気使用量・日照条件・補助金の活用有無によって大きく変わるため、業者に個別シミュレーションを依頼することが不可欠です。

そうしたシミュレーションをせずに初期費用だけに注目すると、本当に元が取れるかどうか不安になるのも当然と言えるでしょう。

とはいえ2012年当時と比較すると、設置費用も大幅に低下しています。売電価格は確かに下落していますが、同時に設置コストも下がっているため、収支構造そのものが極端に悪化しているわけではありません。

理由3:発電量は環境条件に左右される

太陽光発電に不安を感じる別の理由は、天気などの環境条件に左右される不確かさではないでしょうか。

例えば晴天時を100とした場合、曇天ではおおよそ1/3〜1/10、雨天では1/5〜1/20程度まで発電量が落ち込むケースもあります。さらに夜間は当然ゼロ。季節差も無視できません。

加えて、屋根の向きや角度、周辺建物の影、積雪の有無といった立地条件が複雑に絡みます。南向き・遮蔽物なしという太陽光発電にとって理想的な条件を持つ家は、実のところそれほど多くないのです。

事前にどれほどしっかりとしたシミュレーションをしたとしても、自然を100%コントロールすることはできません。特に近年は気象のブレもあるため、発電量は年によって上下する前提で見積もる必要があります。

太陽光発電は「確実な収益商品」ではなく、自然条件という変数を抱えた「長期インフラ投資」。この不確実性を織り込めるかどうかが、分水嶺になるでしょう。

理由4:メンテナンス費を含めたランニングコスト

太陽光発電は精密機器であるため、定期的なメンテナンスが不可欠です。そのため、メンテナンス費用を含めた全体のランニングコストも無視できません。

とりわけ重要なのが、パワーコンディショナー(パワコン)。一般的に15〜20年で交換が必要とされ、費用は20万〜30万円程度が目安になります。

そのほかにも、以下のような維持コストが発生します。

  • 定期点検費用:4年ごとに約2万円前後
  • パネル清掃や鳥害対策:環境により数万円

さらに、落雷や台風、飛来物による破損といった不測の事態も想定しておく必要があるでしょう。保険でカバーできる範囲はどこか。保証期間は十分か。この確認を怠ると、想定外の出費に慌てることになるかもしれません。

もしも、太陽光発電を一度設置すればその後は安泰。と考えているのであれば、思ったよりもお金がかかると、後悔することになるかもしれません。

理由5:将来の撤去費用・廃棄問題

太陽光パネルの寿命は、おおよそ20〜30年とされています。そのパネルの撤去・廃棄費用は条件により変動しますが、数十万円規模になることもあります。

さらに、パネルにはガラスや金属だけでなく、適正処理が求められる部材も含まれます。法律に基づいた処分が義務付けられています。

30年後の話だからと先送りするのは簡単です。しかし、その負担を誰が担うのか。自分か、家族か。ここは確かに考えておきたいポイントでしょう。

もし、しっかりとした出口戦略が描けないとすると、太陽光発電はやめたほうがいい、と感じるかもしれません。

理由6:悪質な訪問販売・業者トラブル

残念ながら、太陽光発電は訪問販売トラブルが目立つ業界でもあります。例えば相場より大幅に高い金額での契約、後出しの追加費用請求、そして施工不良による雨漏りなどの深刻なトラブルなどが実際に報告されています。

とりわけ注意したいのが「実質無料」という宣伝文句です。補助金や売電収入を前提にした試算で、あたかも自己負担がないように見せる手法。しかし前提が崩れれば、当然ながら負担は残ります。

さらに、屋根工事を伴う以上、施工品質は極めて重要です。ビスの打ち方一つ、防水処理一つで、数年後の住宅寿命が左右されることもあります。システム性能以前に、施工力が問われるのです。

優れた設備でも、業者選定を誤れば失敗します。太陽光発電は「商品選び」であると同時に、「業者選び」でもあるのです。

しっかりとした業者を見極める自信がない場合、「太陽光発電はやめたほうがいい」となるかもしれません。

理由7:近隣トラブルの可能性

太陽光発電であまり語られないデメリットの一つが、近隣トラブルの可能性です。

太陽光パネルは角度によって強い反射光を生みます。場合によっては隣家の窓へ直射光が差し込み、「光害」として問題化するケースがあります。実際に、反射光が受忍限度を超えると判断された事例も存在します。

さらに、マンションや団地などの集合住宅では管理組合の承認が必要な場合があります。戸建てであっても、自治体の景観条例に配慮しなければならない場合もあるでしょう。

太陽光発電は屋根の上の設備ですが、その影響が屋根の外にも及ぶことがあります。

経済合理性だけを考えて設置すると、後から「こんなはずではなかった」と後悔することもあり得るのです。

【こんな人は特に注意】太陽光発電に向いていないケース

以上のリスクを踏まえると、太陽光発電が特に向いていない人やケースが見えてきます。自分に当てはまるかどうか、一つひとつ確認してみてください。

日当たりが悪い・周囲に高い建物や木がある

屋根の向きと傾斜は、発電量を左右する最大要因です。一般に南向き・傾斜角30度前後が理想とされており、真北向きの屋根では期待した効果が出にくい傾向があります。

さらに厄介なのが「影」の存在です。パネルの一部に影がかかるだけでも、システム全体の出力が想像以上に落ち込むことがあります。

そのため、周囲に高い建物や樹木がある場合、想定したほどの発電量が得られないこともあり得ます。

このような立地条件では、業者が提示する発電シミュレーションの妥当性を特に慎重に確認すべきでしょう。

立地は、自分では変えられません。 だからこそ、日照条件が明らかに不利な場合、導入を見送るという選択も合理的判断と言えるでしょう。

屋根の面積が小さい・特殊な形状をしている

発電量はパネルの枚数、つまり屋根の面積に比例します。そのため屋根が小さすぎると設置できる容量が限られ、1kWあたりの設置単価が割高になってしまいます。

また、北向きの屋根や複雑な形状をした屋根は、工事費が高くつく割に発電効率が上がりません。せっかく高いお金を払っても、屋根の条件が悪ければ、システムの恩恵を十分に受けることはできないでしょう。

電気使用量が少ない家庭

現在の太陽光発電は、「売って儲ける」よりも「作った電気を自分たちで使う」モデルが主流です。つまり鍵を握るのは、自家消費率になります。

そのためもともとの電気使用量が少ない家庭では、この前提が崩れます。たとえば月々の電気代が5,000円程度の場合、仮に半減できたとしても年間の削減額は約3万円。単純計算でも、100万円超の初期投資を回収するには相当な年月が必要です。

さらに、日中に家を空けることが多い単身世帯や共働き世帯では、自家消費できる時間帯が限られます。余った電力は売電に回りますが、現在の単価では大きな収益にはなりません。

生活スタイルと発電時間帯が噛み合っていない場合、ミスマッチが生じます。電気をあまり使わない家庭にとっては、太陽光発電は過剰設備になる可能性があるため、慎重な判断が求められます。

また当然ですが、数年~10年以内に引っ越しを検討している場合は、太陽光発電の設置を見送ったほうが賢明でしょう。

とはいえ、後でも説明しますが、太陽光発電設置に合わせてEV(電気自動車)やエコキュート、蓄電池を導入する、またはオール電化に切り替えるといった予定があるなら話は別です。ライフプラン次第で、前提は変わります。

重要なのは、今の電気代だけを見るのではなく、今後10年、20年の生活像まで描けているかどうか。ライフスタイルも含めて、どのくらいの電気を今後必要とするかが見通せない場合、より慎重な判断が求められます。

売電収益だけを目的にしている場合

上でも説明した通り、2025年の売電価格は15円/kWh。一方で電力会社から購入する電気料金は、1kWhあたり30〜40円に達するケースもあります。売電だけで大きな利益を出せた時代は、すでに過去のものです。

そのため売電ありきで収支計画を組むと、「想定より利益が出ない」という落とし穴にはまりやすくなります。

現在の太陽光発電は、投資商品というより家計防衛インフラ。軸足は売電ではなく、自家消費にあります。

この視点に立てない場合、期待と現実のギャップに苦しむ可能性があります。発想の転換ができるかどうか。それが分岐点になります。

補助金や制度が使えず、採算が合わない場合

太陽光発電は100万円を超える投資です。ここに補助金が使えるかどうかで、収支は大きく変わります。

国や自治体によっては設置補助や税制優遇が用意されています。しかし、すべての地域で同じ条件が整っているわけではありません。申請時期を逃す、設置条件が対象外になる。それだけで数十万円の差が生じることもあります。

補助金が使えず、さらに屋根条件や日照条件が不利な場合。シミュレーション上の回収期間が20年以上に及ぶケースもあります。ここまで長期化すると、パワーコンディショナー交換や修繕リスクが織り込まれ、実質的な採算は不透明になります。

またローンを利用する場合は、月々の返済額が電気代削減額や売電収入を上回らないか、慎重な確認が不可欠です。キャッシュフローが逆転すれば、本末転倒でしょう。

採算が合わないと判断できたなら、太陽光発電の設置を見送るのが合理的判断となるでしょう。

それでも太陽光発電を設置したほうがいいケース

ここまで太陽光発電をやめたほうがいいケースについて考えてきました。しかし例えば川崎市が実施した調査によると、実に87%もの人が「これから設置を考えている人にお勧めしたい」と回答しています。

では、どんな人が太陽光発電に向いているのでしょうか?いくつかの代表的な例を取り上げます。

自家消費で電気代削減が見込める場合

太陽光発電の最大のメリットは、発電した電気を自宅で使うことで「電力会社から買う電気を減らせる」点にあります。

太陽光パネルで発電した電気のうち、電力会社に売らずに自分の家の中でそのまま使った電気の量(自家消費量)をどれだけ増やせるか(自家消費率)が、太陽光発電導入を検討する重要なポイントとなります。

特に日中の電力消費が多い家庭では、自家消費率が高まり、電気代削減効果が大きくなります。

日中在宅率が高い家とそうでない場合とで、どのくらいの差が出るのかをシミュレートしてみました。

■ 生活パターン別シミュレーション/年(5kW想定)

生活パターン自家消費率自家消費量電気代削減額売電収入メリット
日中ほぼ在宅50%2,500kWh75,000円37,500円112,500円
平均的家庭30%1,500kWh45,000円52,500円97,500円
日中不在多い20%1,000kWh30,000円60,000円90,000円

※概算モデル/発電量はJPEA標準目安の5,000kWh、電気料金は30円/kWh、電力単価は15円/kWhで計算

やはりこのように、太陽光パネルで発電できる日中に在宅する人が多い家庭ほど、経済的メリットは伸びやすくなっています。

売電価格が低下している今、太陽光発電は発電量よりも「生活パターンとの相性」で判断すべき状況になっています。

日中在宅する人が多い家庭ほど、太陽光発電を積極的に検討すると良いでしょう。

蓄電池・エコキュート・EVなどを組み合わせる予定がある場合

昼間は学校や仕事などで日中はほとんど不在という家庭でも、太陽光発電を導入するメリットが大きくなるケースが存在します。

それが、EV(電気自動車)、蓄電池、エコキュートなどの「太陽光発電とセットで利用する設備」を導入する場合です。

昼間に作った電気を蓄電池に貯めて夜間に使う、またはEVへの充電に回すことによって、電力会社への依存度を大きく下げることが可能になります。

特におすすめなのが、エコキュート。それも太陽光発電とセットで利用する「おひさまエコキュート」です。

おひさまエコキュートは太陽光パネルで発電した電気を利用して水を温め、それをタンクに貯湯します。それを夜に使うシステム。

実は、家全体に占める給湯器のエネルギー量はかなりのものになります。環境省の統計によると、家庭における給湯のエネルギー消費量は、家庭全体のエネルギー消費のおよそ25%~30%にもなるとのこと。つまり、家庭で使うエネルギーの約4分の1は「お湯」に使われているわけです。

この分のエネルギーを太陽光発電で賄えば、かなりの電気代削減効果が見込まれるというわけです。

またEVや蓄電池については国や自治体の補助金制度もあるため、これらを上手に利用するとさらに導入メリットは高まるでしょう。

災害時の停電対策としての価値

地震や台風、豪雨などの自然災害によって大規模停電が発生するケースは、近年決して珍しくありません。こうした非常時において、太陽光発電は家庭の「非常用電源」として大きな価値を発揮します。

停電時でも、自立運転(系統遮断運転)モードに切り替えることで、日中は発電した電気を直接使用することが可能です。スマートフォンの充電、冷蔵庫の稼働、最低限の照明の確保など、生活に欠かせない電力をまかなえることは大きな安心材料になります。

さらに蓄電池を併用すれば、夜間や悪天候時にも電力を使用できるため、停電が長期化した場合でも生活インフラを維持しやすくなります。

太陽光発電の価値は電気代削減といった金銭的メリットだけにとどまりません。非常時でも電気が使えるという精神的な余裕は、数字では表せない大きなメリットです。

補助金・税制優遇を活用できる場合

太陽光発電や蓄電池の導入に対しては、国や自治体が引き続き支援制度を設けています。脱炭素社会の実現を後押しする政策の一環として、数十万円単位の補助金が用意されているケースもあります。

これらの補助金を活用できれば、初期費用を大きく抑えることができ、結果として投資回収期間の短縮にもつながります。国の制度と自治体の制度を組み合わせられる場合は、実質的な負担額がさらに軽減されることもあり、回収期間の大幅な削減が期待できます。

ただし、補助金制度は年度ごとに内容が変更されることが多く、先着順で予算が終了する場合もあります。検討中の段階であっても、まずはお住まいの自治体の最新情報を確認することが重要です。

条件を満たして優遇措置を活用できる人にとっては、導入を前向きに検討する十分な理由になるでしょう。

失敗しないための実践ステップ

自分には太陽光発電が向いていると感じた人のために、失敗しないための具体的な行動ステップをお伝えします。

ステップ①:補助金・優遇制度が使えるか確認する

太陽光発電で後悔しないための第一歩は、補助金や優遇制度の確認です。

まずは、お住まいの自治体の公式ホームページをチェックしましょう。国の補助制度だけでなく、都道府県や市区町村が独自に上乗せ補助を行っているケースも少なくないからです。

補助金には予算上限があり、先着順や申請期間限定のものも多いため、情報収集は早いほど有利です。まだ契約していないから後でいいと考えていると、申請期限を逃してしまう可能性もあります。

ステップ②:発電シミュレーションで採算性を事前確認する

次に行うべきは、より具体的な「トータルシミュレーション」です。確認すべきは、発電量だけではありません。電気代の削減額、売電収入、ランニングコスト(メンテナンス費・パワコン交換費など)まで含めた総合的な収支予測が重要です。

信頼できる業者であれば、公的な日射量データをもとに発電量を推計し、実際の電力使用量データと組み合わせたシミュレーションを書面で提示してくれます。「10年で元が取れます」といった口頭説明だけで判断せず、売電単価・買電単価・想定発電量・ランニングコストなどの前提条件が明記された資料を必ず受け取りましょう。

また、屋根の形状や向き、周辺建物による影、地域特有の気候(降雪・塩害リスクなど)も発電量に影響します。可能であれば3Dシミュレーションを用い、時間帯ごとの日照や反射光の影響まで確認するのが理想です。

さらに重要なのは、提示された数字を鵜呑みにしないことです。将来的な電気使用量の変化や、やや厳しめの条件での試算も依頼し、最悪でもどの程度の回収期間になるのかを把握しておきましょう。客観的な数字として採算性を評価する姿勢こそが、後悔を防ぐ最大の防波堤になります。

ステップ③:複数社から相見積もりを取る

太陽光発電には「定価」がありません。同じメーカーの同じパネルであっても、条件次第では数十万円規模の差が生じるケースもあります。1社だけの見積もりで決めてしまうのは、非常にリスクの高い判断です。

最低でも3社以上から相見積もりを取り、価格だけでなく、保証内容、施工実績、アフターサービス、担当者の説明の分かりやすさまで比較検討しましょう。相見積もりを取ることで、おおよその市場価格が見えてきますし、不当に高い提案を避けることにもつながります。

一括見積もりサービスを活用すれば、効率よく複数社を比較することも可能です。ただし、訪問販売などで提示された1社の提案をその場で即決するのは避けるべきです。

太陽光発電は長期にわたる設備投資です。価格の安さだけに飛びつかず、適正価格かどうか、信頼して任せられる会社かどうか、という視点で総合的に判断することが、失敗を防ぐための重要な鍵になります。

ステップ④:0円ソーラー(PPAモデル)も含めて検討する

初期費用の高さがネックという方には、PPAモデル(電力購入契約)という選択肢もあります。施工会社が屋根に太陽光パネルを無償設置し、発電した電気を割引価格で住宅オーナーに販売するスキームです。

初期費用が不要なプランが多く、設備は事業者が所有します。発電した電気は、電力会社より安い単価で購入できるケースが一般的です。ただし契約期間(10〜20年程度)中の途中解約には清算金が発生することが多く、売電収入は事業者側に帰属します。

今すぐ現金を出せないが、電気代は下げたいという方には検討価値があります。ただし、契約内容をしっかり確認してから署名するようにしましょう。

ステップ⑤:信頼できる施工会社を見極めるチェックリスト

見積もりを元に、どの会社に任せるかを選択します。太陽光発電は設置して終わりではなく、20年以上付き合う設備です。施工品質とアフター体制は、価格以上に重要な判断基準になります。

施工会社を選ぶ際は、次のポイントをチェックしてください。

  • メーカー認定施工店であるか(一定の品質基準を満たしているか) 
  • 施工保証・製品保証・発電量保証の内容が書面で明記されているか
  • アフターメンテナンス体制が整っているか(全国対応か、地域密着型か) 
  • 過去の施工実績や具体的な事例を提示できるか 
  • 電気工事士による施工体制が確保されているか 
  • メリットだけでなく、デメリットやリスクも説明してくれるか 
  • 無理な契約を迫らず、質問に丁寧に回答する姿勢があるか 
  • 建設業許可の有無や、賠償責任保険への加入状況など、法令・保険面が整っているか

価格が安いからという理由だけで選ぶのは危険です。施工品質が低い業者の場合、雨漏りや配線不良などのトラブルにつながる可能性もあるからです。

長期的に安心して任せられるかどうか。この視点で総合的に判断することが、太陽光発電を成功させるための最終チェックポイントとなります。

太陽光発電を導入すべきか?確認チェックリスト

ここまでの内容を踏まえ、太陽光発電はやめたほうがいいのか、それとも自分のケースでは導入すべきかを整理するためのチェックリストをまとめました。

■ 太陽光発電の向き不向きチェックリスト

✅ 導入に向いている人❌ 見送ったほうがよい人
南向き・東南向きの屋根がある北向き屋根のみ、または日照が著しく悪い
昼間の電力消費が多い(在宅勤務、共働きなど)電気使用量が非常に少ない(月5,000円未満)
10年以上同じ住宅に住み続ける予定数年以内に建て替えや引っ越しを予定している
電気代高騰・停電への備えを重視する売電収益だけを目的とした「投資」として考えている
国・自治体の補助金を活用できる環境にある資金計画が曖昧で、ローン返済試算をしていない
信頼できる施工会社から複数見積もりを取れる1社の訪問販売だけで即決しようとしている

迷ったときのシンプル判断フロー

STEP1 屋根の向きと日照を確認する

  • 南〜東南向きで大きな遮蔽物がない → STEP2へ 
  • 北向き中心・強い日陰 → 慎重に再検討

STEP2:月の電気代を確認する 

  • 8,000円以上 → STEP3へ 
  • 5,000円未満 → 費用対効果を再試算

STEP3:10年以上住み続ける予定があるか 

  • YES → STEP4へ 
  • NO(転居・建て替え予定) → PPAモデル検討または見送り

STEP4:3社以上の相見積もりと詳細シミュレーションを取得 

  • 回収期間10〜15年以内 → 導入を前向きに検討 
  • 15年超 → 補助金活用・条件見直し・業者再比較

太陽光発電は「全員に得な設備」ではありません。しかし、条件がそろえば堅実な家計対策かつ防災対策になります。自分の状況を冷静に見極めて、判断なさってください。

まとめ

太陽光発電には、明確なメリットとデメリットの両面があります。

売電価格の下落や初期費用の負担、天候による発電量の変動といった理由から「やめたほうがいい」となることもありえます。

一方で、自家消費による電気代削減、災害時の非常用電源としての安心感、補助金活用による負担軽減など、条件が合えば導入効果が大きいのも事実です。

太陽光発電はかつてのような売電で大きく儲ける投資ではなくなりました。しかしエネルギー価格の上昇や防災意識の高まりを背景に、依然として有力な選択肢の一つであることに変わりはありません。

重要なのは、自分の家や自分の生活スタイルに本当に合っているかを冷静に見極めることです。業者の営業トークに流されず、シミュレーションと数字に基づいて判断すること。そうして導き出した結論であれば、導入するにせよ見送るにせよ、それは合理的な選択です。

この記事を読んで自分たちには太陽光発電は向いているかもと感じたら、まずは複数社から具体的な見積もりと試算を取り、慎重に検討なさってください。

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えねこ編集部
監修
えねこ編集部
編集長

日々進化する太陽光発電や蓄電池、補助金や優良企業の情報を包み隠さずお伝えすることを心がけています。