自家発電機とは?その種類や仕組み・メリット・デメリットを解説

自家発電機とは、電力会社から供給される電気とは別に、自宅や事業所で電気をつくったり、備えたりするための設備です。 企業においては、大規模オフィスや工場などで、電力会社からではなく自前で電力供給を得る際に、便利な機能となっ […]
自家発電機とは、電力会社から供給される電気とは別に、自宅や事業所で電気をつくったり、備えたりするための設備です。
企業においては、大規模オフィスや工場などで、電力会社からではなく自前で電力供給を得る際に、便利な機能となっています。
また自宅では、自家発電機により自宅で作った電気を消費することで、電力会社からの購入量を減らすこともできます。国の固定価格買取制度などを利用して、余剰電力を売電することで収入が得られるのは大きなメリットです。
本記事では、自宅や小さなオフィスなどを想定した場合の自家発電機について、主に解説します。なお大規模オフィスでも、本記事で紹介する設備を利用できる場合があります。
自家発電機とは

自家発電機とは、電力会社から供給される電力に頼ることなく、自前で電力を供給する設備です。とくに災害時のバックアップや省エネ目的で設置されています。
自家発電の仕組み
自家発電の仕組みとは、自家発電機と発電のための燃料からなっています。太陽光などを利用する場合は、発電機を介さずに電力を得ることができます。
自家発電機は次に述べるようないろいろな種類があり、それぞれの発電機のための専用の燃料を使用します。このため燃料貯蔵スペースなども設ける必要があり、場合によっては、消防法で規制される容量が必要なときもあります。
自家発電機は、燃料(軽油、ガスなど)を燃焼させ、そのエネルギーで発電機の中のモーターを回転させる仕組みです。磁石の中でコイルを回す電磁誘導の原理を利用することにより、機械的な回転運動を電気エネルギーに変換し、非常電源として電力を供給することができます。
自家発電機の種類
自家発電の主な種類には、燃料用発電機、家庭用燃料電池、さらには太陽光発電などがあります。このうち、燃料用発電機と家庭用燃料電池では、自家発電機を使用します。
まず燃料用発電機では、ディーゼルエンジンやガスタービンなどで駆動する原動機を用いています。それぞれディーゼル燃料や重油、LNGガスなどが用いられ、個人宅などで災害時に簡易に使用する場合に向いています。
家庭用燃料電池は、高効率なエコ機器であり、発電時の熱でお湯も作れるため、省エネ、光熱費削減につながります。また通常電力が停止されたときなど、停電時の電力供給や、お湯による給湯確保に優れています。
自家発電機の選び方
自家発電機は、その使用目的と用途から選択することが大切です。
たとえば省エネ目的では、発電機ではなく太陽光発電や燃料用電池の方を選ぶようにします。災害時の簡易復旧用としては、蓄電池も用いられますが、いわゆる燃料式発電機の方がベターです。
さらに用途として、発電する電力の出力容量がどの程度なのか、あらかじめ計算しておく必要があります。自宅で使用する場合は、必要な機器の合計消費電力(W数)に見合ったものを選ぶことが重要です。小型の発電機器なら200W〜900W程度となります。
また家庭用や住宅地では防音型の発電機が推奨されます。もし燃料にガソリンを使用する場合は、消防法による管理も必要となります。さらに設置環境も大切であり、発電機室が不要なコンパクトな発電機もあるので、目的に応じて選択するようにしましょう。
燃料式発電機による自家発電

燃料用発電機を使用すれば、比較的広範囲の用途で活躍できる自家発電を行うことができます。
燃料式発電機の特徴と使い方
燃料用発電機は、ディーゼルエンジンなどで駆動する原動機を用いて、軽油などの燃料を燃焼させてエンジンを動かし、その動力で発電する装置です。
それぞれ燃料として、軽油やジェット燃料や重油やLNGガスなどを用いる種類があり、用途に応じて発電機を選択します。またカセットボンベを用いた発電機もあり、個人宅などで災害時に簡易に使用する場合に向いています。停電時の非常用電源、キャンプやアウトドア、さらには現場作業など、通常の電力がない場所で使用するときに利用されます。
燃料式発電機のメリット
燃料式発電機のメリットとしては、まず天候に左右されず、安定供給ができることがあげられます。
太陽光や風力とは異なり、燃料さえあればいつでも、どんな天候でも安定した電力を供給できます。
また使用燃料として、ガソリン式やディーゼル式は高出力であり、長時間(モデルによっては連続10時間以上)の連続稼働も可能です。
さらに燃料入手が比較的容易であり、軽油やガソリンはガソリンスタンドなどで、カセットガスはコンビニ等で入手しやすく、簡易に使用することができます。
燃料があれば、安定した大電力と長時間の稼働も可能です。また送電網が不要で、ガソリンや軽油は長時間の連続運用に適しています。このため、災害時や停電時において、安定したバックアップ電源となります。
燃料式発電機のデメリット
燃料式発電機のデメリットとしては、騒音と排気ガスなどの問題があります。
発電時には、一酸化炭素を含む排気ガスが発生する可能性があるため、屋内や換気の悪い場所では使用はできません。たとえば密閉空間などでは、発生した一酸化炭素による事故例も出ており、屋外での使用がとくに推奨されます。
また発電するとき、騒音としてそのエンジン音や振動が大きく、住宅地や夜間の使用は不向きです。さらに重量対策も必要で、燃料を含めると重くなり、持ち運びが困難な機種もあります。
定期的なメンテナンスも必要で、オイル交換や定期的な動作確認を行います。また、とくに使用する燃料の長期保管における劣化対策が大切です。
家庭用燃料電池による自家発電

家庭用燃料電池では、燃料供給の心配が比較的少なく、かつ安心して自家発電ができます。
家庭用燃料電池の特徴と使い方
家庭用燃料電池の代表格である「エネファーム」は、都市ガスやLPガスから水素を取り出し、空気中の酸素と反応させて発電することができます。なおエネファーム以外にも、同様な機能を持つ設備が電力系企業などでも商品化されています。
家庭用燃料電池は、かなり高効率なエコ機器であり、発電時の熱でお湯も作れるため、省エネや光熱費削減につながります。また通常電力が停止されたときなど、停電時の電力供給や、お湯による給湯確保にも優れています。さらに、発電時に静音で環境に優しいことも特徴です。
使用時には、毎日設備を使用することにより、自動的に電気とお湯を作り、電気の使用量や湯切れの心配がないように管理されています。とくに搭載されている簡易なAI制御機器により、家庭ごとの使用パターンを学習しています。このため、運転管理や24時間発電などの場合にも便利です。
家庭用燃料電池のメリット
家庭用燃料電池のメリットとして、先ほど記載しましたように、まず高効率な省エネ設備であることがあげられます。発電時の熱を給湯に利用するため、電力供給と同時にお湯の使用が可能となります。発電時の排熱で、貯湯タンクに約60から80度のお湯を貯め、お風呂や台所で使用することができます。
なお家庭におけるエネルギー消費で非常に高いのが、給湯設備であり、この点を両立できるという優れた機能があります。このため国で推進している脱炭素戦略で重要なエネルギーの消費量削減には、とくに貢献できます。
また経済性にも優れており、自宅で電気を作るため、購入電力量が減り、光熱費が削減できるというメリットがあります。自宅で発電するため、電力会社から買う電気代が削減できるのもうれしいポイントです。
災害時の停電対策にも優れており、停電時も、発電中であれば専用コンセントから電気を供給することができます。もちろん、お湯も使用可能で、停電が発生すると、自動で停電時専用モードに切替り、給湯機能も使えます。電力停電時でも、もしガスと水が供給されていれば、1週間程度は発電・給湯が可能となっています。
家庭用燃料電池のデメリット
家庭用燃料電池のデメリットとしては、まず初期費用が高価であり、本体と設置工事費で少なくとも約150万程度はかかります。このため、10年程度の製品寿命であるとすると、初期費用を回収できないケースもあります。
また空調の室外機に比べて、数台分の設置スペースが必要で、小さな戸建てやマンションなどには向きません。発電用ユニットに加え、給湯ユニットとして専用タンクを設置するため、ある程度の設置スペースが必要です。
発電にはガスを使うため、電気代は下がりますが、ガス使用量が増えることになります。当然ガス代が高くなるので、自宅に供給されるガスの使用費用が高いエリアでは使えません。さらに太陽光発電とは異なり、余った電気を売ることができないというデメリットがあります。
さらに定期的なメンテナンスが必要で、設備構造が複雑になっています。このため他の給湯器より故障が多くなる可能性が高く、高額な修理費が発生する場合もあります。
太陽光発電による自家発電

太陽光による自家発電では、太陽光のため燃料供給の心配がなく、安心して自家発電が可能です。
太陽光発電の特徴と使い方
太陽光発電には、空地などを利用した大規模太陽光発電と、主に自宅で使用する小規模な発電設備があります。
住宅用太陽光発電では、屋根に設置したパネルで太陽光を電気に変換し、家庭で消費と売電ができる自家発電システムとなっています。
太陽光発電では、電気代削減と環境負荷低減、停電時の非常用電源として活用できます。使い方としては、昼間の発電した電気を自宅優先で使用しておき、使用量以外の余剰分を、電力会社への売電または、蓄電池に貯めることになります。
太陽光発電のメリット
太陽光発電のメリットとしては、まず電気代削減や売電による収入増があげられます。
とくに自家消費で電気代を抑えることができ、余った電気は、FITと呼ばれる固定価格買取制度などにより、売電収入が得られます。
災害時の非常用電源としても、燃料を必要としないのでとくに優れています。
停電時も、もし太陽光が出ている昼間なら、専用コンセントから最大1500W程度までの電気が使用可能です。また蓄電池と連携させれば、夜間でも電気の使用ができます。
脱炭素などの環境貢献にも優れており、クリーンエネルギーの利用によりCO2削減に大きく貢献します。
また太陽光発電は長期運用も可能で、パネルの耐久性が比較的高く、25〜30年の出力保証が一般的となっています。さらに屋根の遮熱効果もあり、日差しを遮ることで、夏場の室内温度上昇も抑制できる場合があります。
太陽光発電のデメリット
太陽光発電のデメリットとしては、まず設置のための初期費用が必要となります。
設置費用は容量や機器、工事内容によって異なりますが、数十万円〜百万円以上かかるのが一般的です。
また、屋根の条件にも左右されますが、10年程度でパワーコンディショナーの交換が必要となる場合があります。
定期的なメンテナンスも必要で、太陽光パネルの汚れなどを確認し、発電効率の低下を防ぐことも大切です。また夜間や雨の日は発電せず、発電量が不安定となることがあり、自宅が北向きである場合や、屋根が狭いと設置が難しく、発電効率低下の可能性もあります。
停電時の対応も必要で、パワーコンディショナーの自立運転への切り替え操作方法などを、事前に確認しておくことが推奨されます。また反射光トラブルの問題もあり、近隣への光反射でトラブルになる可能性もあります。
蓄電池を活用した自家発電

蓄電池を活用した自家発電では、夜間電力や他の発電設備との共用により使用します。
蓄電池の役割
工場などで使用する大規模な蓄電池もありますが、家庭用蓄電池では、電気を貯めて必要な時に使用するバッテリーシステムです。
蓄電池の役割とは、自宅に設置した太陽光での余剰電力や、電力量の安い夜間電力を貯めて、自家消費することにあります。このため、電気代を削減でき、停電時などの予備電源として自宅の家電などを使用することができます。
蓄電池のメリット
蓄電池のメリットとしては、まずエネルギーの自家消費や節電ができることです。
安価な夜間電力を蓄電池に貯めて昼間に使うことができ、昼間の太陽光発電の余剰電力を貯めて使うことで電気代を削減します。
また災害時の停電対策としても優れており、停電時でも蓄電した電力を家庭内で使用可能です。冷蔵庫やエアコン、照明など複数の家電を動かせることも魅力です。
太陽光発電との連携も可能で、とくに昼間の発電した電気を効率よく貯蔵して再利用できます。また蓄電池自体が長寿命であり、最近はリン酸鉄リチウムイオン電池が主流で、高い耐久性と安全性を持っています。
さらに電気自動車EVとの連携が可能なのは大きなメリットです。すでに電気自動車を自宅で保有している場合は、電力への充電などにも活用でき、災害時の停電対策としてもとくに優れています。
蓄電池のデメリット
蓄電池のデメリットとしては、まず高額な初期費用があります。本体価格や設置工事費などで、高額な初期コストがかかります。導入には、数百万程度のコストがかかりますが、国や自治体の補助金が利用可能な場合もあります。
なお蓄電池の寿命や経年劣化も考慮しなければなりません。10〜15年程度で寿命が来たり、また蓄電容量が低下したりする可能性があります。設置スペースの確保も必要で、屋外に設置場所(壁面または床置き)があることが必須となります。
電気代の削減だけでは、初期費用を償却するまでには20年以上のかなり長い年月が必要で、停電時の非常用対策として設置する方がよいでしょう。
自家発電のメリット

自家発電機にはいろいろな種類がありますが、主な自家発電のメリットは次のようになります。
メリット①:電気代が削減できる
自家発電の最大のメリットとしては、使用電力が削減できることです。
自家発電機により自宅で作った電気を消費することで、電力会社からの購入量を減らします。また先ほど解説した、固定価格買取制度を利用して、余剰電力を売電することで収入が得られるのは大きなメリットです。
メリット②:災害時や停電時の対策が可能
自家発電では、とくに災害時や停電時には、非常用電源として機能できます。
もし通常の電力がとまっても、災害時の復旧を待つことなく、自宅の安心感が高まります。
地震や台風による停電時でも、自立運転機能を使って自家発電できる場合があります。
メリット③:自宅で環境対策もできる
脱炭素などは、国の政策で個人宅では関係ないと考えがちですが、自家発電では自宅でも環境対策ができます。
たとえば太陽光発電などでは問題となる炭酸ガスを排出することなく、環境負荷低減が可能で結果的に、日本国内での電力消費削減にも貢献できます。もし蓄電池を設置していると、夜間も電気が使え、住宅での昼間電力の削減対策にもなります。
自家発電のデメリット

逆に自家発電の主なデメリットについても、下記にまとめました。
デメリット①:高額な初期費用や部品交換コストがかかる
太陽光発電や燃料電池などでも、比較的高額な初期コストがかかります。
100万円近くの高額な初期費用であり、それ以上のこともよくあります。また太陽光発電などのパワーコンディショナーなどの部品交換は、10〜15年程度で実施され、これにも費用がかかります。
デメリット②:設置場所に制限やスペースが必要となる
自家発電には、設置のための場所制限があったりします。燃料電池や燃料式発電機などは、戸外である程度のスペースが必要です。
太陽光発電では、設置する屋根の補強も必要なときがあり、そのためにはかなりの費用もかかります。また広い面積が必要で、屋根の形状や方角によって設置できない、また屋根の向きによっては、十分な発電量が得られない場合もあります。天候や時間帯にも左右されるため、常に一定の電力を確保することは難しいというデメリットが生じます。
デメリット③:定期的なメンテナンスが必要となる
どの自家発電においても、定期的なメンテナンスを実施しなければならず、放置しておくと故障リスクが高まります。
また、定期的な点検や清掃を行わないと発電効率自体が低下し、結果的にコスト低減効果も見込めません。さらに自然災害などで設備が故障するリスクもあります。
停電対策としての自家発電

このようにデメリットも多い自家発電ですが、停電対策としては有効な設備です。
自家発電による停電対策としては、初期コストは別として、太陽光発電に加えて蓄電池の設置がベターです。昼間は太陽光発電、夜間は蓄電池に貯めた電力で照明や冷蔵庫が使用可能です。さらに蓄電池と連携させれば、夜間でも電気を使用することができます。
たとえば太陽光発電では、停電時でも最大1500Wまで給電することができます。またもし自宅に電気自動車があれば、その活用も効果的で、災害時の停電対策として大きな効果が期待できます。
なお太陽光発電だけでも、停電時に、パワーコンディショナを自立モードに切り替えることにより、専用コンセントから電力を供給することができます。太陽光発電は、停電対策として有効な選択肢のひとつといえるでしょう。
まとめ
自家発電機は、個人や企業において通常電力以外の電源を得る目的で使用します。
自家発電には、燃料用発電機、家庭用燃料電池、さらには太陽光発電などがあります。
燃料用発電機は、ディーゼルエンジンなどで駆動する原動機を用いて、軽油などの燃料を燃焼させてエンジンを動かし、その動力で発電する装置です。燃料式発電機のメリットとしては、まず天候に左右されず、安定供給ができることがあげられます。
太陽光や風力とは異なり、燃料さえあればいつでも、どんな天候でも安定した電力を供給できます。
家庭用燃料電池は、かなり高効率なエコ機器であり、発電時の熱でお湯も作れるため、省エネ、光熱費削減につながります。また通常電力が停止されたときなど、停電時の電力供給や、お湯による給湯確保に優れています。さらに、発電時に静音で環境に優しいのが最大の特徴です。
太陽光発電では、屋根に設置したパネルで太陽光を電気に変換し、家庭で消費と売電ができる自家発電システムとなっています。電気代削減と環境負荷低減などに活用できます。
また災害時の非常用電源としても、燃料を必要としないのでとくに優れています。停電時も昼間なら、専用コンセントから最大1500W程度までの電気が使用可能です。
本記事では、主に自宅や小さなオフィスなどを想定した場合の自家発電機について、詳しく解説しました。自宅での用途を踏まえて、それぞれの特性に応じて利用するようにしましょう。


