中国製ソーラーパネルが安い理由とは?世界シェアが高い理由と注意点

近年、中国製のソーラーパネルの世界シェアが高まっています。また、日本国内でも普及が進んでいる状況です。本記事では、中国製ソーラーパネルが安い理由や世界シェアが高い理由、注意点などを解説します。 中国製ソーラーパネルが世界 […]
近年、中国製のソーラーパネルの世界シェアが高まっています。また、日本国内でも普及が進んでいる状況です。本記事では、中国製ソーラーパネルが安い理由や世界シェアが高い理由、注意点などを解説します。
中国製ソーラーパネルが世界シェアを占めている理由
近年中国製のソーラーパネルが世界シェアを独占しています。この市場シェアの急拡大は、技術革新や巨大な設備投資が大きな要因です。
世界の太陽光発電市場で約80パーセントのシェアを持つ
中国製ソーラーパネルは、世界の太陽光発電市場において約80パーセントのシェアを持っています。国際エネルギー機関をはじめとしたデータを見ても、すべてのサプライチェーンにおいて事実上の世界標準となっているのです。
出典:IEA、太陽光パネル生産地の分散化を呼びかけ|JETRO
また、日本や欧米のブランドであっても、中国の工場で生産されているケースが多くあります。中国の技術なしでは成り立たないほどの独占状態となっているのが現状です。
中国メーカーが市場をリードしている背景
中国のメーカーが市場をリードするようになった背景には、技術革新と巨大な設備投資があります。かつては欧米や日本のメーカーが優位性を持っていたのですが、中国が発電効率を劇的に向上させた結果です。
さらに、AI画像認識センサーや製造ラインの全自動化を導入しました。そのため、圧倒的なスピードで生産できるようになったのです。
日本国内での中国製ソーラーパネルの普及状況
日本国内でも、中国製ソーラーパネルの普及率は年々高まっています。多くの新築住宅に採用されているほか、ハウスメーカーの標準仕様となっています。
また、日本の狭い屋根に設置できるほか、大電力を生み出せる技術も高まっている状況です。そのため、日本の住宅事情に合ったモデルが増えています。
中国製ソーラーパネルの主なメーカー
圧倒的な販売実績を誇るJinko Solar(ジンコソーラー)をはじめ、中国製ソーラーパネルの主なメーカーは次の3社が挙げられます。それぞれに特徴が異なるため、導入を検討されている方は把握しておくとよいでしょう。
Jinko Solar(ジンコソーラー)
世界数十カ国に拠点のあるメーカーであり、圧倒的な販売実績があります。ニューヨーク証券取引所に上場しており、ブルームバーグの金融評価でも最高ランクであるTier1に格付けされているのです。
日本国内でもサポート体制が充実しており安心して導入できます。また、カスタマーサービスセンターや物流倉庫が日本国内の主要都市にあるため、トラブル時の迅速な対応にも定評があります。
JA Solar(JAソーラー)
太陽光セルやモジュールの製造にあたって、世界でもトップクラスのシェアを誇る企業です。高い技術を持ったメーカーであり、特に発電素子の品質や変換効率の高さに定評があります。
また、耐久面も高く、多くの国際認証を網羅しています。そのため、日本の厳しい気候環境にも合ったモデルが多数存在しているのです。
Trina Solar(トリナソーラー)
1997年の創立以来、高品質な単結晶シリコンパネルの製造に特化した老舗のメガソーラーパネルメーカーです。技術革新の展開が早く、光を裏側から吸収して発電量を高める両面発電技術を市場に投入しました。
さらに、大型ウエハによって高い出力モジュールも展開しています。日本国内でも日本法人があり、アフターサポート体制がある点も大きな特徴です。
中国製ソーラーパネルが安い理由
中国製ソーラーパネルが安いのは、次の理由があるためです。
- 原材料から製造までを国内で完結している
- 政府による補助金や産業支援がある
- 大量生産によるスケールメリットを実現している
- 世界中へ販売することでコストを分散している
原材料から製造までを国内で完結している
中国では、原材料の調達から製造にいたるまで、すべてのサプライチェーンを中国国内で完結しています。太陽光パネルの主な素材であるポリシリコンは世界生産量の大半を中国が占めています。
さらに、セルの製造やウエハのカット、強化ガラスの枠組みなどを近隣エリアですべて行うのです。そのため、輸送コストや為替変動などの影響を受けることがありません。
政府による補助金や産業支援がある
中国政府は、再エネ産業を最重要戦略の一つとして掲げ、莫大な財政支援をおこなっています。政府の主導で最新工場を建設する場合は、国営銀行から巨額の融資が実行されています。
また、法人税の減税や電気料金の特別割引優遇など、国がバックアップしています。企業側は資金の負担が少ない状態で、販売戦略を進めることができるのです。
大量生産によるスケールメリットを実現している
中国は大量生産によるスケールメリットも大きな特徴です。中国のトップ企業は1年に日本の市場全体の数倍から数十倍にあたる量のパネルを作り続けています。
さらに、全自動化しているため、24時間体制で製造できることが大きな要因です。このことで、人件費や工場に必要な固定費を大幅に削減できています。そのため、製造原価が引き下げられています。
世界中へ販売することでコストを分散している
中国のメーカーは、国内の需要以外にアジアやアメリカ、ヨーロッパなど世界中に販売しています。市場の多角化をすることで、特定の国の経済状況や為替などによる影響を軽減しているのです。
莫大な数量を安定して販売することで、新製品の開発費用や国際認証を取得するためのコストを分散しています。その結果、技術革新と一枚あたりの価格を抑えることを両立しています。
中国製ソーラーパネルの品質は本当に大丈夫?
中国製のソーラーパネルは、価格が安いことから品質面を心配する人もいるでしょう。しかし、大手企業の製品は日本の安全基準であるJIS規格をはじめIEC規格など世界中の安全基準となる規格を取得しています。
国際認証を取得した製品が多い
中国製のソーラーパネルは、第三者検査機関が発行している国際認証を多く受けています。例えば、日本の安全基準であるJIS規格を取得しているため、日本でも安心して導入することが可能です。
さらに、国際電気標準会議が設定しているIEC規格や、ドイツの認証機関であるテュフ・ラインランドによる安全テストもクリアしています。そのため、品質は世界中において保証されているのです。
世界トップクラスの発電効率を実現している
中国のソーラーパネルメーカーは世界中の研究機関から超一流の技術者に声をかけています。さらに、国として大規模な投資を研究開発にしているため、世界トップクラスの発電効率を実現しています。
パネルの裏側からも光を吸収したり、セルのロスを減らしたりするなどさまざまな技術を展開しているのです。これらの技術を使って、日本の狭い屋根であっても発電効率の高いパネルを導入できます。
長期保証を提供するメーカーも多い
技術に自信があることからも、長期の保証制度を無償で付帯していることが中国メーカーの特徴でもあります。パネル本体の製品瑕疵保証が10年以上であることがほとんどです。
さらに、経年劣化による発電能力の低下に対する保証については、25〜30年となっています。これほどの長期保証を付けられるのは、初期不良の発生率を限りなくゼロに近づけているためです。
日本国内でも多数の導入実績がある
日本でも多数の導入実績があります。日本のメーカーでも、中国企業に製造を委託しているケースがあります。
これらのことから、中国製の品質に対する信頼度が高いことがわかるのです。中国製のソーラーパネルは世界最高水準であると認められています。
中国製ソーラーパネルを導入する際の懸念点
中国製のソーラーパネルの特徴やメリットについて説明してきました。しかし、次の点が懸念点として挙げられます。
- 価格競争によるメーカー再編のリスク
- アメリカや欧州の関税政策の影響
- 人権問題によるサプライチェーンリスク
- 日本市場から撤退する可能性もある
価格競争によるメーカー再編のリスク
中国の太陽光市場は、世界中からの需要に応えており過剰ともいえる増産を続けています。その結果、メーカー再編が続いているのが現状です。
この結果、トップ企業は残ったとしても、中堅や中小企業が市場から姿を消す可能性があります。そのため、購入したメーカーによっては、メンテナンスや製品保証などが受けられなくなるリスクがあるといえるでしょう。
アメリカや欧州の関税政策の影響
アメリカや欧州は中国製再エネ製品に対するアンチダンピング関税や貿易制限の政策を進める可能性があります。この貿易摩擦が発生すると、中国メーカーの輸出戦略に大きな影響を与えることもあるでしょう。
その結果、メーカーの供給戦略に影響を及ぼす可能性があります。例えば、日本向けの製品供給が遅れたり、減産をしたりすることも考えられます。
人権問題によるサプライチェーンリスク
太陽光パネルの主な原材料であるポリシリコンの製造において、特定の地域にて人権侵害や不当な強制労働の懸念が指摘されています。その結果、欧米市場では該当する地域で作った製品の輸入を差し止めているのです。
このため中国メーカー側は、監査対応や原料調達ルートの変更を実施する必要があります。その結果、今後の製造コストや認証手続きなどに影響をもたらすこともあるでしょう。
日本市場から撤退する可能性もある
将来的に、日本市場での採算が合わないと判断した場合には、日本法人が撤退するかもしれません。その結果、アフターサポートを受けられなくなる可能性があります。
そのため、メーカーが撤退した場合に保証がどうなるのか必ず確認しましょう。市場は常に変化しており、発生する可能性はゼロではありません。
中国製ソーラーパネルのメリット
中国製ソーラーパネルの主なメリットは次の3点です。
- 導入費用を抑えやすい
- 発電効率が高い製品が多い
- 選択肢が豊富
導入費用を抑えやすい
中国製ソーラーパネルの最大のメリットは、導入費用を抑えられることです。初期費用を軽減することで、回収する期間が短くなります。
そのため、国の固定価格買取制度(FIT)の期間中に回収できるほか、電気代が純粋な利益へとつながりやすくなります。また、同じスペックであっても価格を抑えられる点も大きな特徴です。
発電効率が高い製品が多い
中国のソーラーパネルメーカーは、発電効率が高いことが特徴です。また、巨額の投資を研究開発に使っているため、常に技術革新が進んでいます。
また、日本の限られた屋根の面積にも対応しており、中国の高い技術を導入できます。そのため、最大の電力を効率よく生み出すことが可能です。
選択肢が豊富
世界市場に展開している中国のメーカーは、あらゆる環境に適応できるように選択肢が豊富です。最新の技術を導入したモデルから、コストパフォーマンスのよいモデルまであります。
また、外観を損なわないスタイリッシュなデザインのパネルも揃っています。新製品をリリースする機会が多く、豊富な選択肢から自分にあったパネルを選べるでしょう。
中国製ソーラーパネルのデメリット
中国製ソーラーパネルの主なデメリットは次の3点です。
- メーカーの知名度が低い場合がある
- サポート体制に差がある
- 将来的な事業撤退リスクがある
メーカーの知名度が低い場合がある
中国製のメーカーは、詳しい人にとっては有名でも一般消費者にとって知名度が低い場合があります。企業名に馴染みがないために、不安になることもあるでしょう。
製品の品質が高くても浸透していないことから、導入しにくいことも考えられます。これは中国のメーカーに限らず海外製品に対する特有の側面だといえます。
サポート体制に差がある
中国のメーカーの中でも世界中に展開していて日本法人まで設立している場合は一部です。中には、日本国内のサポートが充実していない場合も少なくありません。
サポート体制が充実していないメーカーであれば、万が一の際に思ったような対応をしてくれない可能性があります。日本国内のブランドのように、遅くても数日以内に対応してくれるサービスを受けられるとは限りません。
将来的な事業撤退リスクがある
ソーラーパネルは10年以上設置することが一般的です。しかし、将来的に日本市場から撤退する可能性があります。
仮に世界シェアが大きなメーカーであっても、貿易摩擦の激化などによって、日本国内の法人が撤退することも考えられるのです。そのため、第三者による再保険を提供しているメーカーを選ぶことが大切です。
中国製・日本製・欧米製ソーラーパネルを比較
中国製や日本製、また欧米製のメーカーではどのように違うのでしょうか。ここでは、次の点における違いを解説します。
- 価格の違い
- 発電効率の違い
- 保証内容の違い
価格の違い
各国のソーラーパネルを価格面で比較をすると、中国メーカーが比較的低価格です。中国メーカーはすべてのサプライチェーンを国内に一元化しています。そのため、中間マージンがかからないことから低価格を実現しています。
日本製のメーカーは、手厚いサポート体制や国内流通にかかるコストがかかるため海外メーカーと比較すると高めです。しかし、メーカーや性能によって価格を抑えたモデルを選ぶことも可能です。欧米製メーカーは大量生産することで比較的安く購入できるモデルもあるほか、高い技術を使った高額のものもあります。
発電効率の違い
発電効率の面においては、かつて日本製や欧米製の製品が圧倒的でした。しかし、巨額な研究開発費を投資していることで、中国は次々と発電効率の高い製品を発表しています。
さらに、日本製や欧米製(ヘテロ接合技術など)にもそれぞれ特徴がありますが、発電効率においては中国製がリードしている状況です。さらに、技術革新のスピードも早く、今後新しい技術が登場する可能性もあります。
保証内容の違い
出力保証を比べると、中国製や欧米製の方が長く設定している傾向にあります。日本ではメーカーによって幅が広くなっていることが特徴です。しかし、中国製や欧米製を利用していて確実に保証を受けるためには日本法人の基盤の安定や、万が一撤退した場合の再保険バックアップがついているか確認することが必要です。
| 製造元 | 保証内容の期間 |
|---|---|
| 中国製 | 25年(ジンコソーラー) |
| 日本製 | 10~25年(長州産業) |
| 欧米製 | 40年(マキシオン) |
出典:太陽光パネルの保証には2種類あることをご存じですか?|
Tier1メーカーかどうかも確認しよう
各国のソーラーパネルを比較するにあたって、アメリカの金融情報サービス会社であるブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスの企業リストを確認する方法があります。
Tier1とよばれており、四半期ごとに発表されます。
このリストは出荷量のほかに、世界のメガバンクから大規模のプロジェクト融資を無担保で受けられたことが対象です。中国メーカーでは、Jinko Solarをはじめとする主要各社がこのリストに含まれています。
中国製ソーラーパネルはどんな人におすすめ?
中国製ソーラーパネルは、次のような人におすすめです。
- 初期費用を抑えたい人
- 費用対効果を重視する人
- 信頼できる販売店から購入できる人
初期費用を抑えたい人
中国製のソーラーパネルは、導入費用が日本製のものと比べて安く設定されています。そのため、初期費用を抑えたい人におすすめです。
初期費用が安くなれば、導入時の負担を減らせます。また、他の設備と併用しやすくもなるでしょう。
費用対効果を重視する人
経済面のメリットを最大限に受けたい人は、中国製パネルが向いています。中国では太陽光パネルの変換効率向上に取り組んでおり、年々新しいモデルが発表されています。
また、発電効率を上げると売電収入や電気代削減効果も最大限にすることが可能です。また、初期費用の元を取るための期間が短くなり、収益へとつなげやすくなります。
信頼できる販売店から購入できる人
中国製パネルをメーカー指定の手順どおりに設置できる販売店や施工業者を選ぶことが大切です。指定通りに設定できないと、発電効率が落ちる可能性があるためです。
さらに、日本の機器と併用する場合は、導入実績が豊富な業者を選ぶようにしましょう。信頼できる業者に依頼できるのであれば、安心して中国製のパネルを導入しやすくなります。
中国製ソーラーパネルに関するよくある質問
中国製ソーラーパネルについて、よくある質問をまとめました。導入を検討している方は参考にしてください。
中国製ソーラーパネルの耐久性は高い?
中国製のソーラーパネルは、耐久性の面でも世界最高水準であることが証明されています。さらに、全自動ロボットアームやAI画像認識センサーを導入しており、ばらつきが少ないことも特徴です。
さらに、日本独自のJIS規格をはじめ多くの国の国際認証をクリアしています。そのため、日本の過酷な環境下でも利用できます。
日本製の蓄電池やパワーコンディショナと併用できる?
日本製の蓄電池やパワーコンディショナと併用できることが一般的です。しかし、一部で電圧や入力回路数などの違いにより、設計を間違えてしまうと電気のロスが起きる可能性があります。そのため、併用する場合は実績豊富な施工店に依頼することが大切です。
中国メーカーが日本から撤退したら保証はどうなる?
中国メーカーが日本から撤退した場合保証を受けられるか心配になるでしょう。Tier1リストに入っている企業であれば第三者保険と再保険契約を事前に結んでいます。
仮に日本から撤退しても損害保険会社が保証を引き継ぎます。そのため、メーカーを選ぶ際には、再保険契約を結んでいるか必ずチェックしましょう。
おすすめの中国メーカーはどこ?
国内で購入できる中国メーカーでおすすめできるのは、主に次の3社です。
- JinkoSolar
- JA Solar
- Trina Solar
いずれも日本法人を構えており、高い技術力だけでなく、カスタマーサービスも充実しています。
中国製ソーラーパネルは危険と言われるのはなぜ?
中国製のソーラーパネルが危険といわれるのは、一部のメーカーが起こした不具合や偏見が考えられます。しかし、不具合のほとんどが製品ではなく施工時のミスであることがわかります。実際には国際規格を満たしており、世界的にも高い技術を誇っていることが特徴です。
まとめ|中国製ソーラーパネルの特徴を理解して選ぼう
中国製のソーラーパネルは、ネガティブな口コミや噂があります。しかし、実際には世界シェアの大部分を占めており、確かな技術力があることが特徴です。また、中国政府が巨大投資をしていることからも、今後さらに技術革新が進むとみられています。中国製のソーラーパネルの特徴を正しく理解したうえで、導入するようにしましょう。


