太陽光パネルで雨漏りが発生する原因とは?主なリスクと対策を解説

電気代の削減や環境配慮などを目的として、太陽光パネルを設置する方が増えています。しかし、屋根から雨漏りするのではないかと懸念している方は少なくありません。そこで、本記事では雨漏りが起きる原因や修理方法、対策などを詳しく解 […]
電気代の削減や環境配慮などを目的として、太陽光パネルを設置する方が増えています。しかし、屋根から雨漏りするのではないかと懸念している方は少なくありません。そこで、本記事では雨漏りが起きる原因や修理方法、対策などを詳しく解説します。
太陽光パネルで雨漏りは本当に起こる?
太陽光パネルを設置することで、雨漏りが発生する可能性は少なからずあります。しかし、太陽光パネル自体が雨漏りするのではなく、施工不良が原因であることが一般的です。
太陽光パネル設置後に雨漏りするケースはある
太陽光パネルを設置した後に、雨漏りが発生した事例はあります。例えば、施工後に大雨や台風などが原因で雨漏りが発生する場合が少なくありません。
屋根の上に重量のある太陽光パネルを設置するために、屋根材や防水シートを貫通させることがあります。その際に、適切な対応をしていないと屋根材や防水シートが従来の働きをしなくなるのです。
雨漏りの主な原因は施工不良
雨漏りの主な原因には、施工不良が挙げられます。逆に言えば、施工業者が適切に作業を進めていれば、屋根の防水性を損なうことはほとんどありません。
施工不良には、ビスを打つ位置を間違えることで屋根の骨組みを外したり、防水処理を十分におこなわないことなどが挙げられます。太陽光パネル製品が原因となる雨漏りの事例はほとんどないのです。
太陽光パネル自体が雨漏りするわけではない
太陽光パネルが原因で雨漏りにつながるわけではありません。パネルは発電機器であり、屋根の防水機能を直接損なうことがないためです。
例えば、太陽光パネルの下に雨水が流れ込んだとしても、屋根材と防水シートが水を適切に排水します。そのため、雨漏りが発生する理由は太陽光パネル本体ではなく、設置工事の際のプロセスにあることがほとんどです。
太陽光パネル設置によって雨漏りが発生する原因
太陽光パネルの設置が原因となる雨漏りには、次の内容が挙げられます。
- 防水処理を十分にできていない
- 屋根材のズレや割れを放置したまま設置した
- ビスを適切に施工できていない
- 経年劣化した屋根に設置した
防水処理を十分にできていない
架台を固定するビス穴において、適切な防水処理を十分にできていないと雨漏りの原因になりがちです。住宅内部へ水を侵入させないためには、ビス穴をあけた部分に防水ジェルを塗って隙間を埋めることが重要です。
しかし、ジェルを十分に使っていないとわずかな隙間ができます。また、雨の中で作業をしていると、コーキング材(防水材)がうまく密着しない場合もあります。
屋根材のズレや割れを放置したまま設置した
事前調査の時点で屋根材のズレや割れを見逃した、または把握していたにも関わらずそのまま工事を進めた場合は雨漏りにつながりやすくなるのです。くわえてこれらの状況は工事中に発生する可能性もあります。
いずれの場合においても、割れ目から雨水が下地へと直接侵入しやすくなるため雨漏りを起こす原因となります。そのため、十分な事前調査と工事中に屋根材のズレや割れが発生した場合は適切な対処が必要です。
ビスを適切に施工できていない
架台を固定する際に使うビスを適切に施工できていないと雨漏りにつながります。ビスは、屋根の骨組みとなっている垂木に真っすぐ刺すことが大切です。垂木からズレて薄い野地板の部分のみにビスを打つと強度が足りなくなります。
その結果、ビスが安定せず水が伝わりやすくなります。また、ビスが斜めに入っていると、金具とネジの間に隙間ができることで、天井裏へと水が侵入する可能性があるのです。
経年劣化した屋根に設置した
経年劣化が始まっている屋根に十分な補修をせず、太陽光パネルを設置すると雨漏りをはじめとするトラブルになりがちです。屋根材の下に設置している防水シートは、長年設置していると経年劣化します。
一般的に約20年で破れやすくなるといわれています。この状態で太陽光を設置するためにビスを打ち込んでしまうと、防水シートは破損して雨漏りにつながりやすくなるのです。そのため、築年数が経過した住宅に太陽光を設置する場合には、リフォームなどの対処が必要となります。
雨漏りにつながりやすい太陽光の工法
屋根に太陽光パネルを設置する方法としていくつか方法があります。それぞれの特性を理解したうえで、適切に設置することが大切です。
屋根に穴を開ける工法
スレート屋根などであれば、直付け工法やアンカー工法といった屋根に穴をあけて太陽光パネルを設置する必要があります。架台を固定する際に屋根材や防水シートなどに穴をあけてネジを通すためです。
適切にコーティング処理をすれば問題はありません。しかし、誤った処理をしたり、経年劣化によって防水材が劣化したりすると防水力が下がるため対策が必要です。
屋根に穴を開けない工法
太陽光パネルを設置する際に、屋根の防水層に穴を開けると雨漏りのリスクが高まりますが、支持瓦工法やキャッチ工法などによって穴あけをせずにパネルを固定することが可能です。
特にガルバリウム鋼板の金属屋根であれば、金具で金属の継ぎ目を挟んで固定できます。また、瓦屋根であっても一部を金属製の瓦に代えることで下地に傷をつけることがありません。
屋根材ごとの注意点
和瓦や金属、スレートなど屋根材によって、注意すべきポイントが異なります。和瓦の場合は瓦と瓦の隙間に水分が入りづらいような対策が必要です。またひび割れしやすいスレート屋根は、設置時に十分な注意が求められます。
金属屋根は瓦やスレートと比べてサビの発生に注意が必要な点が特徴です。そのため、屋根材に合わせた対策をしましょう。
太陽光設置による雨漏りが住宅に与える影響
雨漏りは、住宅の内部に侵入することで次の影響を及ぼすため早めの対策が求められます。
- 木材が腐食するリスク
- 壁内部の配線や断熱材への影響
- 柱や構造材の劣化
- カビやシロアリ発生の原因になる
木材が腐食するリスク
雨漏りによって雨水が木材に染み込むと、変色するだけでなく腐食するリスクがあります。一般的な日本の木造住宅は木材を乾燥して高強度を維持しており、水分を多く含むとその役割をしなくなってしまうのです。
その結果、梁や桁などに影響を及ぼします。さらに、一度腐ってしまうと元に戻せなくなるため早急な対応が必要です。
壁内部の配線や断熱材への影響
壁の内部まで水が浸入してしまうと、電気配線や断熱材にまで影響を及ぼします。断熱材は水を吸収することで重くなるため、ずれてしまいます。その結果、断熱性能が大きく低下する可能性があるのです。
さらに、電気配線が濡れてしまうと漏電ショートの危険性があります。ブレーカーが落ちるだけでなく、火災の原因にもなるため十分な注意が必要です。
柱や構造材の劣化
雨漏りが住宅の構造材や柱まで進むと、住宅全体の耐震性能に大きく影響します。特に主要な柱に水分がたまることで、大地震や台風などの横揺れに耐え切れなくなるのです。
このため、雨漏りが原因で、建物が歪んだり場合によっては倒壊したりする可能性が高まります。表面だけリフォームをしても、内部の浸食が進んでしまうと安全性を損なうことになります。
カビやシロアリ発生の原因になる
壁の内部や天井裏は湿気がおおくなりがちで、カビやシロアリが繁殖しやすい環境です。カビの胞子が室内に流れることで、住んでいる人にとってアレルギーや喘息などの健康被害があります。
また、シロアリは木材を食い尽くすため住宅の寿命を縮めてしまいます。カビやシロアリが発生した時点で被害が大きくなっていることがほとんどです。そのため、早急な対策が求められます。
太陽光パネルが原因の雨漏りした場合の修理方法
万が一太陽光パネルの設置が原因で雨漏りした場合は、適切な方法での修理が必要です。修理する内容は以下のケースによって異なります。
- 部分補修で対応できるケース
- 屋根の補修が必要なケース
- 太陽光パネルの一時撤去が必要なケース
部分補修で対応できるケース
一部分だけの瓦のひび割れやビス穴が雨漏りの原因であれば、部分補修で対応できる可能性が高いといえるでしょう。補修が必要な部分にコーキング材を追加して隙間を塞ぐ作業や、ひびの入った瓦を入れ替える作業をおこないます。
このように部分修理で済んだ場合は、修理代金はそれほど高額にならないことが一般的です。また、建物の被害にもよりますが比較的簡単なリフォームで対応が可能です。
屋根の補修が必要なケース
雨漏りが進んでしまい、屋根の補修が必要となった場合は大がかりな工事となります。屋根材の下に設置している防水シートや野地板に水が入った場合は、腐食につながります。
そのため、防水シートの敷き直しやスレートをはじめとした屋根材を新しく設置することが必要です。さらに、天井裏の木材の乾燥処理も発生することから、リフォーム代金は高額になりがちです。
太陽光パネルの一時撤去が必要なケース
広範囲に屋根の補修が必要となった場合は、屋根に設置している太陽光パネルや架台の取り外しが必要です。そのため、パネルを取り外して補修後にまた設置するといった工程が発生します。
そのため、屋根の補修費だけでなく、パネルの一時撤去費用がかかるのです。太陽光パネルの脱着(一時撤去・再設置)費用については、下記の関連記事で詳しく説明しています。
エコキュート交換費用の相場は?工事費込みの価格や補助金・安く買い替えるコツを解説
屋根の大型リフォームや、将来的な機器のメンテナンスで太陽光パネルの取り外しが必要になった場合の参考としてください。
雨漏りが発生した場合に取るべき対応
雨漏りが発生した場合、冷静に対応することが必要です。場合によっては、保証の対象外となる、トラブルが発生するなどのリスクもあります。次の流れで行動をするようにしましょう。
- 施工業者へ連絡する
- 保証内容を確認する
- 写真を撮って記録を残す
- 業者に連絡がつかない場合の対処法
施工業者へ連絡する
雨漏りをしているのを見つけたら、まず太陽光パネルを設置した施工業者への連絡が必要です。ほかの業者に先に依頼してしまうと、雨漏りの明確な原因がわからなくなってしまいます。
責任追及を明確にできないと、保証の対象外となる場合もあるのです。そのため、施工業者が現地調査をするまでは出来る限り現状の維持をしてください。
保証内容を確認する
施工業者に連絡したら、太陽光パネルを設置した際の契約書や保証書に書かれている保証内容を確認してください。雨漏りに対する保証対応やサポート内容などの把握が必要です。
また、施工保証が設定されている期間内であるかどうかのチェックも必要です。施工業者によっては、10年以上の施工保証がされています。もし期間内であれば、依頼者の負担ゼロで修繕をしてもらえるでしょう。
写真を撮って記録を残す
業者に依頼するまえに、雨漏りの状況を写真撮影して記録に残すようにしてください。水が落ちている部分だけでなく、天井のシミなど被害が出ている部分も撮影しましょう。
また、雨漏りを発見した日や天候などもメモすることが大切です。はっきりとした証拠を残すことで、修理をスムーズに進めやすくなります。
業者に連絡がつかない場合の対処法
雨漏りで困っているとき、業者に連絡がつかない可能性があります。すでに倒産している場合や、悪質な業者であることもあるでしょう。そんな時は、JPEA(太陽光発電協会)に相談できます。
公的なサポートを受けられるので、焦らず相談するようにしましょう。また、施工した業者が住宅瑕疵担保責任保険に加入している場合は、引き受け会社に連絡することが可能です。
太陽光パネルの雨漏りは保証される?
雨漏りの影響で屋根をはじめ住宅を修理する場合高額になりがちです。そこで、保証制度について、十分に把握しておきましょう。
施工保証で対応できるケース
施工業者の施工ミスが原因で発生する雨漏りは、施工業者が提供している施工保証の対象であることが一般的です。施工業者によっては、10〜15年といった長期間の保証を提供しています。
保証によって対象が異なり、屋根の修繕以外に雨漏りの影響があった部分を修繕してくれる場合もあります。そのため、施工業者に依頼する際に必ず施工保証の内容を確認しましょう。
メーカー保証との違い
太陽光パネルの大手メーカーには、それぞれメーカー保証があります。しかし、メーカー保証はパネル本体が故障した場合が対象であるため、雨漏りは対象外となるため注意が必要です。
そのため、雨漏りについては施工保証の有無が大きく影響します。施工業者によって提供している施工保証の内容は業者によって異なるため、必ず前もって確認するようにしましょう。
火災保険が使えるケース
施工に問題がなくても突風や大型の台風などによって架台が破損する可能性があります。その衝撃で発生した雨漏りであれば、火災保険の対象となることが一般的です。
太陽光システムは建物の一部とみなされることから、自然災害による住宅の損害とみなされるためです。しかし、火災保険によっても適応範囲が異なるため前もって確認するようにしましょう。
太陽光設置時の雨漏りリスクを減らす業者選定法
太陽光パネルを設置するうえで、雨漏りリスクを減らすためには適切な対応をする業者の選択が必要です。そこで、次のポイントを把握して業者を選ぶようにしましょう。
- 入念な現地調査を実施する業者を選ぶ
- 雨漏り保証がある業者を選ぶ
- 有資格者が施工する業者を選ぶ
- 施工実績が豊富な業者を選ぶ
入念な現地調査を実施する業者を選ぶ
工事をするまえに、設置する自宅の屋根の状況を徹底的に現地調査をおこなう業者は一般的に信頼できます。点検口から天井裏に入って、雨漏りの形跡や野地板の乾燥状態まで確認する業者が理想的です。
外からの状態や図面をみただけで簡易的な見積もりを出す業者は、施工も雑におこなう可能性があります。現地調査への取り組みは雨漏りリスクを減らすことにつながります。
雨漏り保証がある業者を選ぶ
製品のメーカー保証以外に、雨漏り保証を提供している業者を選ぶようにしましょう。長期保証をしてくれる業者であれば万が一の時に安心です。
さらに施工瑕疵保険に加入している業者であれば、万が一施工した業者が倒産しても保険会社が補償を継続してくれます。100パーセント雨漏りを防止することが難しいため、雨漏り保証のある業者を選ぶことが大切です。
有資格者が施工する業者を選ぶ
太陽光パネル設置の作業を進めるにあたって、有資格者が担当するかどうかを確認しましょう。例えば、一級建築士や建築板金技能士などの資格をもった職人は屋根に傷をつけない方法を熟知しています。
そのため、太陽光パネルを適切に設置することで雨漏りトラブルの防止が可能です。ホームページなどで有資格者が在籍しているかを確認できます。
施工実績が豊富な業者を選ぶ
施工業者を選ぶうえで、施工実績を確認するようにしましょう。中でも太陽光パネルを設置する住宅と同じ屋根材での設置実績が豊富であれば、十分に特徴を理解しています。
そのため、雨漏りが起きやすい施工の仕方や荷重の分散方法を熟知していることが一般的です。ホームページなどで施工事例や口コミなどを確認して業者を選ぶようにしてください。
太陽光パネル設置による雨漏りに関するよくある質問

太陽光パネル設置による雨漏りについて、よくある質問を解説しますので参考にしてください。
築年数が古いと雨漏りしやすくなる?
一般的に住宅の築年数が古いと、新築の住宅に比べて雨漏りする可能性は高まります。長年雨風にあたることで屋根材が劣化するほか、下地にある防水シートも破れやすくなるためです。
一般的に築15〜20年以上が経っている住宅に太陽光パネルを設置する場合は、リフォームが必要となる傾向にあります。
雨漏りは設置直後に発生する?
雨漏りは台風や大雨などが発生したタイミングで発覚することが一般的です。しかし、ほかにも経年劣化により発生する可能性もあります。施工時にビスがズレていると、だんだんと水滴が住宅の内部に侵入し、数年かけて木材にダメージを与える場合もあるのです。そのため、定期点検をおこない早めの対策をおこなう必要があります。
中国製パネルは雨漏りしやすい?
中国製パネルは雨漏りしやすいわけではありません。雨漏りの原因はパネルそのものではなく、施工時の問題であるためです。中国の主要メーカーは現在世界シェアトップとなっており、国際基準の耐久性を満たしています。
中国製パネルについて詳しく知りたい方は、以下の記事で詳しく解説しているのでご確認ください。
参考:中国製ソーラーパネルが安い理由とは?世界シェアが高い理由と注意点
雨漏りしたら太陽光パネルを撤去する必要はある?
雨漏りの修理をする際に、屋根を全面的に補修したり防水シートの敷き直しをしたりするケースがあります。そのため、屋根に設置している太陽光パネルや架台を取り外すことが必要です。また、修理が完了したら再度パネルを設置しなおすことが一般的です。
まとめ|適切な施工業者を選んで雨漏りを防ごう
太陽光パネルの設置に関連する雨漏りは、適切に工事をおこなう施工業者を選ぶことが防止できます。雨漏りは太陽光パネルの性能ではなく、設置時の対応が問題となるためです。そのため施工業者を選ぶ際は、実績を把握したうえで相見積もりをするようにしましょう。


