BYDの軽自動車RACCO(ラッコ)とは?航続距離や価格を解説

BYDが日本の市場向けにRACCO(ラッコ)とよばれる軽EVを発表しました。日本の軽自動車規格に合わせており、最大320kmの航続距離と、購入しやすい価格設定が特徴です。本記事では、BYDの軽自動車RACCOの特徴やスペック、価格などについて詳しく解説します。
BYDの軽自動車RACCO(ラッコ)とは?

中国のEV大手メーカーであるBYDが軽自動車RACCOを発表しました。日本の利用者に合わせた設計となっています。まだ、従来の軽EVにはないような装備が搭載されており、注目を集めています。
日本市場向けに開発されたBYD初の軽EV
BYDのRACCOは、日本向け専用に開発された軽EVです。BYDは日本国内で需要の高い軽自動車市場への参入を図っています。RACCOはラッコのイメージのほかに、それぞれ以下の意味が込められています。
- Reliable(信頼できる)
- Affectionate(親しみ)
- Clever(賢い)
- Cozy(心地よい)
- Ocean(海)
毎日の生活に馴染みやすいデザインと、親しみやすさが込められた点が特徴です。
RACCOの基本スペック・サイズ
RACCOは、日本の軽自動車規格に準拠したサイズとなっています。
| 項目 | 数値 |
| 全長 | 3,395mm |
| 全幅 | 1,475mm |
| 全高 | 1,800mm |
出典:BYD RACCO | BYD Auto Japan株式会社
床下に薄型のバッテリーを設定することで、高い天井や段差のない足元を実現しています。大人4人が乗車できる十分な室内スペースも特徴の一つです。また、両側電動スライドドアを採用しており、狭い駐車場でもスムーズに乗り降りできます。
RACCOの発売時期
RACCOは2025年秋のジャパンモビリティショーで初公開されました。その後、2026年7月28日に日本での販売がスタートしました。
BYDはこれまでも国内にさまざまな車種のEVを展開していますが、軽EVの本格参入は初めてです。また、全国に正規ディーラーを展開しており、購入後のアフターサービスにも対応しています。
先進ソフトウェアによるアップデートに対応
RACCOは、SDV(Software Defined Vehicle)を初めて本格採用した軽自動車です。ソフトウェアによって機能を常にアップデートできる仕組みです。
車載通信機を通して無線でシステム更新を行う「OTA(Over The Air)アップデート」に対応しています。そのため、運転支援機能やナビゲーション機能を自動的に最新の状態へ更新できます。
BYDの軽自動車RACCOのグレードごとの特徴と価格

RACCOのモデルは、次の通りです。
- エントリーモデル
- 標準モデル
- 上位モデル
エントリーモデル| RACCO 200
エントリーモデルであるRACCO 200は、メーカー希望小売価格が2,145,000円(税込)と比較的購入しやすい価格設定になっています。エントリーモデルでありつつも、両側電動スライドドアや主な運転支援機能が標準で搭載されています。
航続距離はWLTCモードで210kmと、近距離で利用するのであれば十分だといえるでしょう。コストを抑えつつEVを導入したい人に適したモデルです。
標準モデル| RACCO 300Plus
RACCO 300Plusは、バッテリー容量が35.84kWhとエントリーモデルと比べて大幅に増えたモデルです。さらに、航続距離も320kmとRACCO 300Premiumと変わらないスペックとなっています。
このスペックを備えながら、メーカー希望小売価格2,398,000円(税込)に設定されています。普段使いから遠出まで対応できるタイプをお探しの方におすすめだといえるでしょう。
上位モデル|RACCO 300Premium
RACCO 300Premiumは、バッテリー容量や航続距離においてはRACCO 300Plusと変わらないスペックです。これらに加えて、先進の快適な設備や内外装の質感を高めています。
スマートキーによる自動開閉に対応したハンズフリー電動スライドドアが特徴です。また、専用のインテリアや上質な合皮シートなども採用されています。
RACCOのグレードごとの違いを比較
RACCOの3つのグレードを、主要なスペックで比較したので参考にしてください。
| 項目 | RACCO 200 | RACCO 300Plus | RACCO 300Premium |
| 車両重量 | 1,160kg | 1,220kg | 1,230kg |
| 荷室容量 | 280L | 280L | 280L |
| 航続距離 | 210km | 320km | 320km |
| バッテリー容量 | 22.40kWh | 35.84kWh | 35.84kWh |
| メーカー希望小売価格(税込) | 2,145,000円 | 2,398,000円 | 2,497,000円 |
出典:BYD RACCO | BYD Auto Japan株式会社
BYD RACCOで利用できる補助金と実質購入価格

EVを導入するにあたって、国や地方自治体が実施している補助金制度を活用することが大切です。EVは導入費用がガソリン車と比べて高くなる傾向にありますが、補助金によって負担を大きく軽減できる場合があります。
国のCEV補助金
国が提供しているCEV補助金(クリーンエネルギー自動車導入促進補助金)は、高い環境性能があるEVの普及を目的とした制度です。経済産業省が管轄しており、車種ごとの性能などを踏まえて補助金額が決まります。
軽EVも補助金の対象となっています。BYD RACCOを購入する際は、対象となる補助金を確認しておきましょう。
CEV補助金を利用した実質購入価格
CEV補助金を活用すると、RACCOの実質的な導入費用を大きく下げられます。
例えば、RACCO 200を購入する場合は、登録日が2026年8月1日以降であれば15万円の補助を受けられます。
そのため、メーカー希望小売価格であっても2,145,000円-150,000円=1,995,000円となります。なお、これはメーカー希望小売価格から補助金を差し引いた場合の試算です。実際の購入価格は販売店によって異なる場合があります。
地方自治体の補助金と併用した場合
地方自治体でも独自に補助金を設けている場合があります。例えば、東京都ではEVやFCV、PHEVなどの車両導入の際に補助金が適用されます。
また、国の補助金と併用できる場合があり、実際の購入費用を大きく下げられる場合もあるでしょう。購入時に必ず販売店で確認するようにしましょう。
出典:FCV・EV・PHEV車両 燃料電池自動車等の普及促進事業・電気自動車等の普及促進事業|クール・ネット東京
BYD RACCOの航続距離とバッテリー性能

EVを検討する際の重要な要素の一つが、航続距離とバッテリー性能です。BYD RACCOについても、これらの性能を把握しておきましょう。
1回の充電で走れる航続距離
BYD RACCOの航続距離(1回の充電で走行できる距離)は、RACCO 200で210km、RACCO300PlusおよびRACCO300Premiumで320kmです。1日あたりの走行距離を約20〜30kmと考えると、RACCO 200では週に1回程度の充電が必要になります。
RACCO300PlusおよびRACCO300Premiumであれば、10日から2週間に1度程度の充電が目安になるでしょう。また、夏場にエアコンを使ったり、長距離運転をしたりする場合は、充電頻度が増える可能性があります。
バッテリー容量とブレードバッテリーの特徴
BYD RACCOでは、リン酸鉄リチウムイオンブレードバッテリーを採用しています。そのため、軽EVの限られたスペースでも、22.40kWh〜35.84kWhという大容量を実現しました。
さらに、ブレードバッテリーは高い熱安定性を備えており、発火が起きにくい点も特徴です。加えて寿命も長く、長期間にわたる使用にも適しています。
普通充電・急速充電にかかる時間
BYD RACCOは自宅でのAC200V普通充電や、外出先でのCHAdeMO規格に対応した急速充電を利用できます。また、自宅で6kW普通充電器を利用した場合、6時間で充電が完了する仕様です。
外出先で200Aの急速充電器を使った場合は、30分の充電で180kmを目安として走行できます。そのため、日常的な充電から長距離移動まで、幅広い用途に対応しやすいといえるでしょう。
出典:BYD RACCO コンセプトサイト | BYD Auto Japan株式会社
BYD RACCOとほかの軽EVを比較

BYD RACCOの購入を検討するにあたって、ほかの軽EVとの差が気になるのではないでしょうか。ここでは日本の主な軽EVと比較をします。
価格を比較
例えば、日産 サクラは約244万円から約300万円です。国の補助金を利用すると58万円の軽減を受けられますが、それでもほぼ200万円の負担が必要になります。
BYD RACCOのRACCO 200であれば、メーカー側の希望価格が2,145,000円で、補助金は1,500,000円です。補助金適用後は645,000円です。実際の販売価格は変動する可能性がありますが、BYD RACCOは価格を抑えやすいモデルといえるでしょう。
| 車種 | メーカー希望小売価格(税込) | 補助金で受けられる額 |
| BYD RACCOのRACCO 200 | 2,145,000円 | 150万円 |
| BYD RACCOのRACCO 300Plus | 2,398,000円 | 150万円 |
| BYD RACCOのRACCO 300Premium | 2,497,000円 | 150万円 |
| 日産 サクラ | 約244万~300万円 | 58万円 |
出典:BYD RACCO | BYD Auto Japan株式会社
出典:令和7年度補正CEV補助金 銘柄ごとの補助金交付額|次世代自動車振興センター
航続距離・バッテリー容量を比較
BYD RACCOの航続距離は、RACCO 200で210km、そのほかのモデルで320kmです。一方、日産 サクラや三菱eKクロス EVは180kmとなっています。
また、バッテリー容量を比較すると、BYD RACCOは22.40kWhまたは35.84kWhです。長距離運転や頻繁に車を利用する場合でも、BYD RACCOは軽EVでありながら有効な選択肢といえるでしょう。
| 車種 | 航続距離 | バッテリー容量 |
| BYD RACCOのRACCO 200 | 210km | 22.40kWh |
| BYD RACCOのRACCO 300Plus | 320km | 35.84kWh |
| BYD RACCOのRACCO 300Premium | 320km | 35.84kWh |
| 日産 サクラ | 180km | 20kWh |
| 三菱eKクロスEV | 180km | 20kWh |
出典:BYD RACCO | BYD Auto Japan株式会社
出典:eKクロス EV 性能・特長|MITSUBISHI MOTORS
出典:駆動用バッテリーの容量はどれくらいですか。[eKクロス EV(B5AW)]|MITSUBISHI MOTORS
2026年の時点で国内で購入できる主なEVの航続距離と改善方法はこちらをご確認ください。
【2026年(令和8年)】電気自動車の航続距離ランキング|実際に何km走る?改善方法も解説
充電性能を比較
BYD RACCOは国内で普及しているEVと同様に、CHAdeMO(日本の急速充電規格)に対応しています。高速道路のサービスエリアや道の駅、商業施設などで充電できます。
また、自宅充電では最大6kWの高出力充電を受け入れられる仕様です。そのため、効率よく充電できる点も特徴といえます。
室内空間・快適性を比較
BYD RACCOは、日本国内で人気の高い全高1,800mmのスーパートールワゴン形状を採用した軽EVです。そのため、天井が高く開放感のある車内を実現しています。
さらに、多くの軽EVがヒンジドアであるのに対して、両側に電動スライドドアを採用している点も特徴です。乗降がスムーズになるため、荷物を多く積むファミリー層にとっても大きなメリットといえるでしょう。
給電・V2H機能を比較
BYD RACCOには、V2Lによる外部給電機能と住宅との電力の双方向連携が可能なV2H機能が備わっています。車内に蓄えた電力を家電などに供給するほか、自宅への給電にも活用できます。
中でもRACCO 300PlusとRACCO 300Premiumは、35.84kWhの大容量バッテリーを搭載するモデルです。そのため、非常用バックアップ電源としても高い能力を持つ軽EVといえるでしょう。
出典:BYD RACCO | BYD Auto Japan株式会社
BYD RACCOと太陽光発電・自宅充電を組み合わせるメリット

BYD RACCOと太陽光発電や自宅充電を組み合わせることで、次のメリットが生まれます。
- 自宅充電で日々の充電負担を軽減できる
- 太陽光発電の電気で走行コストを抑えられる
- V2HでRACCOのバッテリーを家庭用電源として活用できる
自宅充電で日々の充電負担を軽減できる
自宅に200Vの充電設備を設置すれば、毎晩帰宅後に充電しておくことで、毎朝満充電の状態にすることが可能です。外出先で充電をする必要もなく、充電時の負担を軽減できます。
そのため、充電をする際の負担も抑えられるでしょう。さらに、深夜電力プランを活用することで、日中に充電するよりも走行にかかるコストを軽減できます。
太陽光発電の電気で走行コストを抑えられる
太陽光発電の余剰電力を使ってRACCOに充電すれば、電力会社から電気を購入する必要がありません。そのため、走行にかかる電気代を実質無料に近づけられます。
FIT(固定価格買取制度)が終了したご家庭にとっても、車の充電に充てることで自家消費に活用できるのが特徴です。結果的に家計の負担が減り、電気代の高騰リスク対策にもなります。
V2HでRACCOのバッテリーを家庭用電源として活用できる
V2H(Vehicle to Home)の導入によって、RACCOのバッテリーを家庭用電源として活用できます。太陽光発電の余剰電力をRACCOの充電に利用するほか、車両から自宅への給電にも対応できる仕組みです。
家庭用蓄電池と比べて大容量であるため、十分に充電できていれば、災害による停電時にもエアコンや冷蔵庫などへの電力供給に活用できます。防災の観点からも、V2Hの導入は有効といえるでしょう。
BYD RACCOの安全性能・先進技術

BYD RACCOは軽EVであっても、安全性能が高く最新の技術を導入していることが特徴です。中でも次の点が挙げられます。
- 新開発プラットフォーム「X-PACK」
- ドライバーの運転を支援するADAS
- 幼児置き去り検知機能(CPD)などの安全機能
新開発プラットフォーム「X-PACK」の特徴
BYD RACCOには、BYDが開発したプラットフォーム「X-PACK」が採用されています。ブレードバッテリーを車体構造の一部としている点が特徴です。
電子制御ユニットを車体構造に一体化させることで、強いボディとともに広い車内スペースを確保しています。また、万が一の衝突時にも優れた安全性を発揮できる設計です。
ドライバーの運転を支援するADAS
ADASの導入もBYD RACCOにおける特徴の一つです。ACC(アダプティブクルーズコントロール)によって、前方車両との間を保ちながら走行できる機能を備えています。
また、車線維持をサポートするレーンキープアシストや、衝突被害軽減自動ブレーキなど安全運転を支援する機能も多く搭載されています。さらに、軽自動車としては珍しい4輪ディスクブレーキを採用することで、下り坂や雨天時でも高い制動力を発揮する設計です。
幼児置き去り検知機能(CPD)などの安全機能
上位グレードの車には、幼児置き去り検知機能(CPD)が搭載されています。車内に取り残された子どもの動きをミリ波レーダーで感知した上で、アプリ通知やハザードランプの点滅などでドライバーに知らせる仕組みです。
さらに、急激に室温が上昇した場合は自動でエアコンが作動します。加えてすべての窓には指を挟まないように配慮されています。
BYD RACCOに関するよくある質問

BYD RACCOに関するよくある質問をまとめました。購入を検討されている方はぜひ参考にしてください。
RACCOはいつ発売される?
BYD RACCOは2026年に国内で販売が開始されました。全国のBYD正規販売店にて試乗や見積もり、受注受付に対応しています。
そのため、気になる方は一度試してみるとよいでしょう。
RACCOの価格はいくら?
メーカー希望小売価格(税込)は、グレードによって2,145,000円から2,497,000円となっています。グレードによって航続距離や容量、インテリアなどが異なります。
そのため、自分に合ったグレードを選ぶことが大切です。また、国や地方自治体の補助金を使うことで、初期負担額を軽減できます。
1回の充電で何km走れる?
BYD RACCOは1回の充電でRACCO 200であれば210km、300Plusおよび300Premiumであれば320km走行できます。そのため、日常的な利用だけでなく、長距離運転でも工夫次第で快適に活用できるでしょう。
急速充電に対応している?
BYD RACCOは日本国内の標準急速充電規格であるCHAdeMOに準拠しています。そのため、道の駅やサービスエリアなどに設置された急速充電を利用でき、長距離運転の際にも安心です。
車両・駆動用バッテリーの保証期間は?
BYD購入時には、新車一般保証として6年間または15万km、高電圧システムおよび駆動用バッテリーには8年間または16万kmのメーカー保証が付帯します。さらに有償の延長プランを使うと、バッテリー保証を最大10年間・20万kmまで伸ばすことが可能です。
BYDのアフターサービスは充実している?
BYDは全国に70拠点以上の正規ディーラー店舗やサービスネットワークを展開しています。そのため、点検や車検だけでなく、万が一の故障にも対応できる体制です。専門の担当者が常駐しているほか、24時間365日のロードサービスも提供されています。
RACCOのデザインにはどのような特徴がある?
BYD RACCOのエクステリアやインテリアには、オーシャンエステティック(海洋美学)が採用されています。穏やかでありながらも力強さのある優しいスタイリングが特徴です。
ヘッドライトは水面に反射する光をモチーフとしています。また、リアランプには水滴が連なる様子をイメージしています。このようにBYD RACCOは使い勝手だけでなく、洗練されたデザインも特徴といえる軽EVです。
BYD RACCOは価格・航続距離・充電環境を比較して検討しよう
BYD RACCOは手頃な価格帯でありながら、航続距離や充電環境ともに充実したスペックを備えた軽EVです。また、両側スライドドアをはじめとした使い勝手の良さも魅力の一つといえます。3つのタイプがあり、それぞれ特徴が異なるため、利用状況に合わせて選ぶとよいでしょう。
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