太陽光温水器は今でも使える?メリット・撤去費用・エコキュートとの違いを解説

太陽光温水器は、昔ながらの設備でありながら今でも活用されています。給湯コストの削減のほか、安価で停電対策になる可能性もあります。しかし、課題も存在するため正しく把握しましょう。本記事では、太陽光温水器の特徴や撤去費用、エ […]
太陽光温水器は、昔ながらの設備でありながら今でも活用されています。給湯コストの削減のほか、安価で停電対策になる可能性もあります。しかし、課題も存在するため正しく把握しましょう。本記事では、太陽光温水器の特徴や撤去費用、エコキュートとの違いなどを解説します。
太陽光温水器は今でも導入する価値がある?

エコキュートなどの新しい設備が注目される現在でも、太陽光温水器が再評価されています。太陽の熱を効率よくお湯に変えられることから、現在でも利用されています。
昔ながらの設備なのになぜ今も使われているのか
太陽光温水器が昔ながらの設備なのに使われている理由は、太陽の熱をお湯にできるエネルギー効率の良さです。太陽光発電は太陽光を電気に変換し、その電気を使ってお湯を沸かすシステムです。
そのため、エネルギーのロスがどうしても発生します。太陽が出ていればお湯を沸かせる太陽光温水器の評価が再び高まっているのです。
太陽光発電・エコキュートとの違い
太陽光発電は、太陽光を電気に変えて利用する仕組みです。また、エコキュートは少量の電気に大気中の熱を加えてヒートポンプを使ってお湯を沸かします。
一方で太陽光温水器は、太陽の熱で直接水を温めるシンプルな仕組みです。電力を使わないため、給湯に必要なコストはほとんど発生しません。そのため、太陽光発電やエコキュートとは違うメリットがあります。
どんな家庭に向いている?

太陽光温水器は、南向きに広い屋根があって日当たりのよい一戸建てに向いています。さらに、大家族で住んでいて、毎日お湯をたくさん使う世帯に最適です。
特に、毎月のガス代が高額になっており家計の負担を減らしたいと思っている家庭にとって、節約効果が高くなります。初期費用を抑えてシンプルに光熱費を削減したい人にとって、太陽光温水器は効果的です。
向いていないケース
一方で、屋根への日当たりが極端に悪い住環境であれば、太陽光温水器の効果は十分に得られません。集熱が十分にできず、お湯が温まらないためです。さらに、お湯を使う機会の少ない家庭だと節約効果は十分に出ないでしょう。
例えば、少人数で住んでいたり、1日の大半を外出して過ごしたりするケースが挙げられます。また、屋根に水タンクを設置できない人はそもそも太陽光温水器を利用できません。
太陽光温水器のメリット

太陽光温水器には、次のメリットが挙げられます。
- 給湯コスト(ガス代)を削減できる
- 停電時でもお湯を使える場合がある
- 構造がシンプルで長寿命
- 自然循環型は比較的安価
給湯コスト(ガス代)を削減できる
太陽光温水器を導入することで、毎月のガス代を大幅に削減可能です。家庭で必要なエネルギーの約3割を給湯が占めているといわれており、家計の負担を大幅に減らせます。
春から秋にかけての暖かい季節で晴天の日であれば、お風呂や台所などの湯をすべて賄うことも可能です。中でも、現在ガス代が高額になっている家庭にとって導入するメリットが大きくなります。
停電時でもお湯を使える場合がある
日本は災害大国であり、台風や地震などの災害に備えることが必要です。太陽光温水器の利用によって、停電時でも暖かいお湯を確保できる可能性があります。中でもタンクから自然に給湯する自然循環型であれば電力は不要です。
そのため、自然循環型であれば、タンクに貯まっている水やお湯を使って簡易的なシャワーとして活用できます。さらに、災害時であっても生活の負担を軽減できます。
構造がシンプルで長寿命
太陽光温水器は、集熱パネルで水を温めてタンクに貯めるシンプルな構造です。最新の給湯設備は複雑であるため、経年劣化による影響やトラブルに見舞われがちです。
ガス給湯器やエコキュートの寿命が10年前後であるのに対し、太陽光温水器は15年〜20年利用できます。定期的にメンテナンスをするだけで、長期間活躍してくれます。
自然循環型は比較的安価
集熱パネルと貯湯タンクが一体となっている自然循環型であれば、太陽光温水器を比較的安価で導入できます。自然循環型は電子制御の配管や複雑なポンプを必要としないためです。
近年の最新機能を備えたエコキュートと比べて、本体費用と工事費用の両方を抑えられます。そのため、手軽に光熱費を削減したい人におすすめの方法です。
太陽光温水器のデメリット

ここまで太陽光温水器のメリットを説明してきました。しかし、次のようにデメリットもあるため、導入前に把握するようにしましょう。
- 発電はできず売電収入は得られない
- 天候によって湯温が左右される
- 屋根への負荷や老朽化リスクがある
- 補助金対象外になるケースが多い
発電はできず売電収入は得られない
太陽光温水器は発電ができないため、売電収入は得られません。売電収入とは、余剰電力を電力会社に売却することです。電気を作りたい場合は、太陽光発電システムの導入が必要です。
太陽光温水器はあくまで、水を温めるだけの装置です。そのため、売電やEV(電気自動車)との連携などを考えている人にとっては向いていません。
天候によって湯温が左右される
太陽光温水器は自然の熱をそのまま使うため、天候によって湯温が大きく影響します。晴天が続けば安定してお湯が沸きますが、雨や曇りが続く時期は十分に温まらないので注意が必要です。
天候の悪い日は、従来のガス給湯器などを使う機会もあるでしょう。また、日照時間が短い地域に住んでいる人にとっては、節約が制限される可能性もあります。
屋根への負荷や老朽化リスクがある
太陽光温水器は自然循環型の場合、集熱パネルと数百リットルの水が入ったタンクを屋根に設置します。そのため、建物全体に負担がかかる仕組みです。特に、満水時には屋根の強度や建物の耐震性能などに影響がかかる可能性があります。
また、長年使っていると設置した際の架台やワイヤーなどの老朽化も懸念点です。これらが緩んだり劣化したりしていると、台風や大雨の際にタンクやパネルが落下、また破損するリスクがあります。
補助金対象外になるケースが多い
太陽光温水器は、エコキュートや蓄電池と比べると補助金制度の対象になりにくい傾向があります。国の主要な住宅向け補助金では、省エネ性能の高い給湯設備や蓄電池が対象となるケースが多く、太陽光温水器は対象外となることも少なくありません。
そのため、導入費用は基本的に自己負担となるケースが多く、事前に費用対効果をシミュレーションしておくことが重要です。特に、給湯に使用するエネルギー量や家族構成、設置環境によって削減できる光熱費は大きく変わります。
ただし、一部の自治体では太陽熱利用設備として独自の補助制度を設けている場合があります。地域によって支援内容は異なるため、導入前に自治体の公式サイトや施工業者へ確認しておくと安心です。
太陽光温水器の導入費用と撤去費用

太陽光温水器を導入するにあたって、導入費用や古くなった機器の撤去費用を把握することが大切です。太陽光温水器には2種類あり、それぞれ価格相場が異なります。また、不要になった機器の費用や屋根補修が必要なケースを把握していると、スムーズに導入することが可能です。
自然循環型の価格相場
自然循環型とは、パネルとタンクが一体化したものを屋根の上に設置する仕組みの太陽光温水器です。本体費用と工事費用を含めて約20〜30万円が一般的な価格相場となっています。
自然循環型の太陽光温水器は、お湯を温めると上昇し温度が下がると下降するといった対流現象を活用しています。電気ポンプが不要なため、初期費用を抑えることが可能です。
強制循環型の価格相場
集熱パネルだけを屋根に設置して、貯湯タンクはほかの場所に設置するのが強制循環型です。別々に設置が必要であることから、工事費まで含めて約50〜100万円が相場です。屋根とタンクの設置場所との間に、電気ポンプを設置する費用も含まれます。
水道の圧力をそのまま使えるため、2階の風呂で利用する場合でもシャワーの勢いが落ちることはありません。また屋根への負担を軽減することも可能です。しかし、自然循環型と比べてシステムが複雑になることから、一般相場は高くなります。
撤去・処分費用の目安
太陽光温水器を現在使っていて新しいものに替える場合、撤去費用が必要です。一般的には、約7万円〜15万円が相場となっています。撤去する機器の大きさや屋根の高さなど、条件によって費用が大幅に異なります。
屋根の上での危険な解体作業になるほか、撤去した機器は適切な廃棄処理が必要であるため、高額になりがちです。さらに、クレーンが必要になるなど撤去する際の条件によって追加料金が発生する可能性もあります。
屋根補修が必要になるケース
長年屋根の上に重い機器を置いていると、防水シートの劣化や瓦の割れなど屋根の補修が必要となるケースは少なくありません。また、太陽光温水器を固定するために設置したワイヤーによって、屋根材の形が変わる可能性もあります。
屋根補修が必要となると、数万円から数十万円かかる可能性があります。これらを放置していると住宅に影響が出るため、専門業者に前もって見積もりをとるようにしましょう。
太陽光温水器からエコキュートへ交換する人が多い理由

近年、太陽光温水器からエコキュートに交換する人が増えています。天候に影響される機器から、安定感のある快適な暮らしを求めている人が多いといえるでしょう。主な理由としては、次の点が挙げられます。
- 給湯効率が高くなる
- 補助金対象になりやすい
- 自動湯はり・追い焚き機能が便利
- 交換費用の目安
給湯効率が高くなる
エコキュート導入によって、給湯効率が安定して高くなります。エコキュートは、大気中にある熱をヒートポンプユニットで集めることで、少量の電気でエネルギーを生み出すシステムであるためです。
そのため、エコキュートは太陽光温水器のように、天候に大きく左右されることはありません。冬場や雨の日であっても安定したお湯を作り出すため、生活の負担を軽減することが可能です。
補助金対象になりやすい
エコキュートの導入は、国が進めているカーボンニュートラル政策や自治体が推進している補助金の対象になりやすいです。省エネ基準やモデルに合わせて補助金を受けることで、導入費用の負担を減らせます。
太陽光温水器からエコキュートに切り替える場合はさらに補助金の対象になりやすく、これが切り替える人が増えている要因の1つです。エコキュートは初期費用の負担が大きなネックとなるため、補助金の活用によって導入しやすくなるのです。
自動湯はり・追い焚き機能が便利
従来の太陽光温水器は、お湯をはる際に蛇口を自らひねって水を止める必要があります。そのため、うっかりあふれさせてしまった人も多いでしょう。また、追い焚き機能がなく、長時間お風呂に入れないこともネックでした。
自動的にお湯をはる機能や追い焚き機能を快適に感じることから、エコキュートへの切り替えをするケースも少なくありません。毎日の入浴時の手間を大幅に減らせることで、利便性を高められます。
交換費用の目安
太陽光温水器からエコキュートへ買い替える際は、古い機器の撤去費用とエコキュートの設置費用がそれぞれ必要となります。設置する場所の環境や選ぶ機種によって総額は異なるため、前もって全体の予算を確認しておくとスムーズです。
エコキュート交換費用に関して、詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
前もってシミュレーションをしておくことで、スムーズに導入しやすくなるでしょう。
太陽光温水器の寿命とメンテナンス

太陽光温水器は寿命の長い機器といわれますが、適切なメンテナンスが必要不可欠となります。特に、太陽光温水器は屋根の上に設置するため、普段状況を確認できません。そのため、メンテナンスに必要なポイントを理解しておきましょう。
寿命は何年?
太陽光温水器の寿命は一般的に約15〜20年といわれます。仕組みがシンプルなため、一般的な家電やガス給湯器と比べて平均寿命が長い点が特徴です。
しかし、長期間利用するためには適切なメンテナンスが必要です。見た目ではわからなくても、内部の劣化が進んでいる可能性もあります。そのため、定期的に専門業者による点検を受けるようにしましょう。
故障しやすい部位
太陽光温水器を利用していてもっとも故障しやすいのが、ゴムパッキンの部分です。各パーツをつなぐ役割のあるゴムパッキンは、直射日光や雨風などにより硬化やひび割れなどが発生します。
その結果、水漏れにつながる可能性があるのです。また、お湯が出にくくなったり、止まらなくなったりすることもあるので対応が必要です。そのため、定期的にチェックするようにしましょう。
修理と交換どちらを選ぶべき?
機器に不具合が生じ、修理と交換のどちらを選ぶべきか迷った場合は、設置してからの経過年数を基準にしてください。導入から数年程度であれば、配管部分の補修やパッキンの交換などで済む可能性があります。この場合は、数万円で修理できることが一般的です。
しかし、設置から10年〜15年たっていると一部分だけ修理しても、症状が変わらない、もしくは他の部分の修理が必要となる場合があります。そのため、システムそのものを交換したほうが、経済的だといえます。
長持ちさせるコツ
太陽光温水器を長く使うためには、定期的に専門業者の点検を受けることです。特に、台風のシーズン前には点検しておくとよいでしょう。2〜3年に一度点検をしておけば、大きなトラブルの防止につながります。
また、冬場の寒さが厳しい場所に住んでいる場合は、配管の凍結にも注意が必要です。配管の周辺に保温材を巻きつけるなど、十分な寒さ対策が求められます。
太陽光温水器を撤去する時の注意点

利用していない太陽光温水器を放置すると、建物に悪影響を与える可能性があります。しかし、撤去する際にも、次の点に注意が必要です。
- 撤去工事の流れ
- 悪質業者に注意する
- 撤去後のおすすめ給湯設備
- 撤去費用を安く抑えるコツ
撤去工事の流れ
スムーズに撤去をするためにも、撤去工事の流れを把握することが大切です。まず、タンク内にたまっている水を抜くことで、本体を軽くします。次にワイヤーや配管などをすべて外した後、タンクや集熱パネルを外していきます。
この時、屋根材を傷づけないようにしなければいけません。すべてのパーツを解体できればクレーンやロープで地上へと降ろします。最後に止水処理したあとで、ワイヤーを固定していた金具の跡を埋めて工事が終了します。
悪質業者に注意する
太陽光温水器を撤去する業者の中でも悪質なケースも考えられます。中には突然自宅を訪問して、「すぐに撤去しないと、屋根が崩壊する。」と不安を煽って、法外な工事費を提示するトラブルは決して少なくありません。
このようなケースであっても、その場で契約を決めないことが大切です。実績のある専門業者や地元のリフォーム店などに相談したうえで、見積もり依頼をしましょう。事前に見積もりを出してもらうことで、悪質業者対策となります。
撤去後のおすすめ給湯設備
利用していない太陽光温水器を撤去したあとは、高い省エネ性能があり、利便性も高いエコキュートへの切り替えがおすすめです。利便性を高めるだけでなく、毎月の光熱費を削減できる可能性があります。
初期費用が高額になる点がネックとなりますが、補助金を活用できる場合があります。また、利用しているお湯の量によっては、本体価格が安いエコジョーズ(壁掛け式ガス給湯器)を利用するのもよいでしょう。
撤去費用を安く抑えるコツ
撤去にかかる費用を安く抑えるためには、複数の専門業者から見積もりを取って比較しましょう。合計金額だけでなく、工事内容まで比較してください。提示額が安くても、あとから追加料金が発生する可能性があります。
また、撤去だけでなくエコキュートの新設工事や外壁のリフォームなどと同時に依頼すると、費用を抑えられるケースが多くあります。複数の依頼を同じ業者にすることで、同じ足場を使うなど工事費用を抑えられるためです。
よくある質問(FAQ)

太陽光温水器についてよくある質問をまとめました。今後購入、また撤去を考えている人は参考にしてください。
太陽光温水器は今でも使われている?
現在でも多くの一戸建て住宅で太陽光温水器が使われています。2026年現在、光熱費が高騰しており、燃料を使わずに太陽光を使ってお湯を作れるメリットが見直されているためです。古いタイプの太陽光温水器から、新しいタイプの太陽光温水器に買い替えをするケースもあるほどです。
エコキュートとどちらがいい?
エコキュートと太陽光温水器では特徴や目的が異なります。利便性や天気に左右されずお湯を作りたい場合は、エコキュートがおすすめです。ボタン一つでお湯を沸かせたり、雨や冬でも利用できたりするためです。一方で、太陽光温水器は、給湯に必要な光熱費を抑えたい人に向いています。初期費用を抑えたい場合も、太陽光温水器の方が目的に合っています。
撤去費用はいくら?
太陽光温水器を撤去して処分するためには、約7万円〜15万円必要です。実際には撤去する住宅の状況、本体の重量、設置してからの年数、クレーン車が必要かなど、条件によって大きく変わります。そのため、事前に現地調査をしたうえで、見積もりをとるようにしましょう。業者によって変わるため、合い見積もりをすることが重要です。
冬でもお湯は使える?
冬場でも日光が出ていれば水は温まります。しかし、日照時間が短いうえに、気温も低いためそのまま使うほど十分な温度にならない可能性があるでしょう。
そのため、太陽光温水器で温めた水を、さらにガス給湯器などで追い焚きして利用することになります。冬場に使う場合は、こうしたひと手間や燃料費の追加が必要になる点を把握しておきましょう。
修理はできる?
太陽光温水器を設置して数年であれば、ゴムパッキンの取り換えや配管の補修だけで修理が済む可能性があります。この場合は数万円で終わることがほとんどでしょう。
しかし、設置して10年〜15年経っていれば、一部分を修理してもまた故障箇所が出る可能性が十分にあります。また、修理費用が高額になることから、撤去して新しいシステムを導入するタイミングだといえます。
まとめ|太陽光温水器は「給湯コスト削減」を重視する家庭に向いている
太陽光温水器は、太陽の熱を直接使ってお湯を沸かすシンプルなシステムです。さらに初期費用がエコキュートと比べると抑えられるため、給湯コスト削減を重視する家庭に向いています。日常の利便性や天候に関係なくお湯を沸かしたい場合は、エコキュートが向いている可能性もあります。そのため、導入目的や環境などを明確にしたうえで、選ぶようにしましょう。


