【2026年(令和8年)】広島県の太陽光発電補助金はいくら?金額・条件・申請方法を解説

補助金

最終確認日:2026/08/25

この記事の要約 広島県には個人住宅向けの太陽光発電補助金はありません。県の「課題解決型太陽光発電施設導入事業補助金」は事業者向けの制度で、令和8年度分は既に募集を終了しています。一方で、福山市・呉市・東広島市・廿日市市・三原市など県内の市町では独自に太陽光発電の補助を実施しており、住んでいる市町によって実質負担が大きく変わります。広島市のように太陽光発電本体への補助がなく、蓄電池やV2Hのみが対象という自治体もあります。この記事では、国のセット型支援と広島県内市町村の補助状況、費用シミュレーション、申請の流れまでをまとめて解説します。

広島県でもらえる太陽光発電の補助金はいくら?【結論】

広島県で太陽光発電を導入する場合、補助金は「国+広島県+市区町村」の3層で考えます。この3層で広島県を見ると、次のようになります。

区分補助の目安出典
国(みらいエコ住宅2026等)太陽光単体の補助はなし。GX志向型住宅で最大110万円/戸などのセット型住宅省エネ2026キャンペーン公式
広島県(独自補助)個人住宅向けの太陽光補助はなし。事業者向け「課題解決型太陽光発電施設導入事業補助金」(上限800万円)は令和8年度分の募集を終了広島 令和8年度課題解決型太陽光発電施設導入事業補助金
市区町村(独自補助)市町により異なる。福山市は太陽光10.5万円/kW(上限5kW)、廿日市市は対象経費の10/10(上限7万円/kW)など。広島市には太陽光本体への市独自補助はなし(蓄電池やV2Hの補助金はあり)福山市公式 2026年度(令和8年度)家庭向け創エネ・蓄エネ設備導入補助金交付事業について
廿日市市 令和8年度住宅用太陽光発電設備等導入促進補助金
広島市家庭用スマートエネルギー設備等設置補助金(家庭用燃料電池、家庭用蓄電池、V2H充放電設備、断熱窓)

広島県は瀬戸内式気候で日照条件に恵まれた地域ですが、県レベルでは個人向けの太陽光補助を実施していません。太陽光発電の導入を検討するなら、まずお住まいの市町に補助があるかどうかの確認が欠かせません。まずは国の位置づけから見ていきます。

国の制度:太陽光発電に直接補助はある?【全国共通】

太陽光発電の補助金を国レベルで探すと、まず知っておきたい前提があります。それは、住宅用太陽光発電への「単体の国補助」は現在ありません。かつて実施されていた住宅用太陽光発電導入支援補助金は2014年(平成25年度)で終了しています。

ただし、太陽光発電を含む省エネ住宅・脱炭素設備をセットで導入する場合は、国が支援する制度がいくつかあります。太陽光発電の設置費用を直接下げる制度ではなく、「太陽光を含む住宅要件を満たすと補助が出る」「太陽光と一緒に蓄電池を入れると蓄電池側で補助が出る」といった形です。順に見ていきます。

みらいエコ住宅2026事業(住宅省エネキャンペーン)

みらいエコ住宅2026事業は、国土交通省・環境省・経済産業省の3省連携で実施される「住宅省エネ2026キャンペーン」の柱です。省エネ性能の高い新築住宅の購入や既存住宅の省エネリフォームを対象に、住宅単位で補助金が支給されます。太陽光は「GX志向型住宅」の要件のひとつになっており、住宅全体で高い省エネ性能を満たすことで補助が受けられます。

新築住宅の主な補助上限額は次のとおりです。

  • GX志向型住宅:1戸あたり110万円(温暖地5〜8地域)/125万円(寒冷地1〜4地域)※全世帯が対象
  • 長期優良住宅:1戸あたり75万円(温暖地)/80万円(寒冷地)※若者夫婦世帯・子育て世帯限定
  • ZEH水準住宅:1戸あたり35万円(温暖地)/40万円(寒冷地)※若者夫婦世帯・子育て世帯限定

広島県は北部の中国山地の一部を含めても地域区分5〜8地域(温暖地)の範囲に収まる地域が多いため、GX志向型住宅なら上限110万円が基準になります。太陽光を新築とセットで入れる家庭は、この住宅認定を狙う価値があります。

出典1:みらいエコ住宅2026事業【公式】 

出典2:住宅省エネ2026キャンペーン【公式】 

では、太陽光と組み合わせて使える別の国支援も見ていきます。

DR家庭用蓄電池事業(令和7年度補正・SII)

DR家庭用蓄電池事業は、経済産業省の予算でSII(一般社団法人 環境共創イニシアチブ)が運営する、家庭用蓄電池への補助制度です。太陽光と組み合わせた自家消費・DR(需要側の電力調整)に活用できる蓄電池を対象に、1申請あたり最大60万円が補助されます。

出典:DR家庭用蓄電池事業

ただし、令和7年度補正は2026年5月29日に交付申請額が予算に達したため、公募は既に終了しています(公式に「公募の再開を行う予定はありません」と明記)。令和8年度補正での再開があるかは、経産省・SII公式で最新情報の確認が必要です。太陽光と蓄電池を同時に検討している家庭は、次年度事業の情報が出た段階で早めに動きましょう。

FIT・FIP制度と自家消費への移行

太陽光発電で発電した電気は、FIT(固定価格買取制度)またはFIP制度で電力会社に売電できます。住宅用(10kW未満)はFITが基本で、期間は10年間です。

2026年度から住宅用10kW未満のFIT買取単価には初期投資支援スキームが導入され、次のような二段階の単価になります。

出典:資源エネルギー庁 買取価格・期間等(2026年度以降)

  • 導入から1〜4年目:24円/kWh
  • 5〜10年目:8.3円/kWh

初期の4年間は買取単価を高めに設定し、投資回収を早めるのが狙いです。5年目以降は市場価格に近い水準まで下がるため、この時点から自家消費に切り替える設計が経済的に有利になります。

近年は「4年間で高単価売電をしっかり取り、5〜10年目は自家消費比率を高める」「10年経過後(卒FIT)は蓄電池・EV充電で自家消費に完全移行」という3段階の設計が主流です。蓄電池を併設して昼間の余剰電力を貯める、オール電化やV2H(EV連携)で家庭内消費を増やすことで、電気代削減の効果を長く得られます。

税制優遇(住宅ローン減税・固定資産税減額)

太陽光発電への直接の税優遇ではありませんが、太陽光を要件に含む認定住宅(長期優良住宅・低炭素住宅・ZEH水準)では、住宅ローンの減税や借入限度額が引き上げられ、新築住宅の固定資産税減額の期間が延長されます。

出典:国土交通省 住宅ローン減税

新築で太陽光を検討する場合、住宅認定と組み合わせて総合的な負担軽減を計算するのが得です。

国と自治体の補助金は併用できる?

国のみらいエコ住宅2026事業は、市区町村の独自補助と原則併用できます(自治体により例外あり)。ただし広島県内の一部市では、国・地方公共団体から同一設備への補助・助成を重複して受けることを認めていません。例えば東広島市の要綱では「国、地方公共団体から当該設備の設置に関し補助金、助成金その他の金銭の給付を受けていないこと」が補助対象者の条件になっています。市によって併用可否・計算方法が異なるため、複数の補助を重ねたい場合は契約前に必ず各市の要綱をご確認ください。

広島県・市区町村の独自補助金

広島県は、個人住宅向けの太陽光発電補助を実施していない都道府県です。一方で県内の市町には独自に太陽光発電の補助を設けているところが複数あり、実際にどれだけ活用できるかは市町村の制度を個別に確認する必要があります。

広島県の独自補助(個人向けは実施なし)

広島県が実施する太陽光関連の補助金は「令和8年度課題解決型太陽光発電施設導入事業補助金」です。ただしこの制度は法人格を有する団体が対象の事業者向け補助で、個人住宅は対象外です。

  • 対象者:法人格を有する団体(自家消費型太陽光発電施設の普及・課題解決に資する取り組みを行う事業者)
  • 補助率・上限額:補助対象経費の2分の1以内、上限800万円
  • 対象設備:自家消費型太陽光発電施設(FIT・FIP制度の認定を取得しないことが条件)
  • 募集状況:令和8年度の募集は既に終了しています

広島県公式ページには、個人住宅向けの太陽光発電補助についての記載がありません。広島県で太陽光の補助を活用したい個人は、県ではなく市町村の制度を中心に検討することになります。

出典:広島県 令和8年度課題解決型太陽光発電施設導入事業補助金 

主要市区町村の補助額一覧(令和8年度の実施状況)

広島県内では、市によって太陽光発電への補助の有無・金額が大きく異なります。太陽光発電は屋根の面積・向き・築年数が要る戸建て向けの設備のため、戸建てが多い市ほど活用しやすい制度です。人口規模の大きい市を中心に個別に確認した結果、次の5市で補助を実施しています。

太陽光発電の補助補足条件出典
福山市10.5万円/kW(上限容量5kW、実質上限52.5万円)
出典:福山市公式 2026年度(令和8年度)家庭向け創エネ・蓄エネ設備導入補助金交付事業について
制度名は「家庭向け創エネ・蓄エネ設備導入補助金交付事業」。FIT・FIP認定を受けていないこと、発電電力の30%以上を自家消費することが条件。蓄電池は太陽光と同時設置が必須(単独設置は対象外)。受付は令和8年6月1日から令和9年1月8日まで先着順で、予算超過当日のみ抽選福山市公式 2026年度(令和8年度)家庭向け創エネ・蓄エネ設備導入補助金交付事業について
呉市1kW当たり7万円(上限63万円)+1kW当たり2万円(上限5万円)の合計額
出典:【呉市脱炭素社会推進重点対策加速化事業】住宅用太陽光発電設備等設置費補助金
制度名は「太陽光発電設備等(家庭向け)補助金」。1kW以上10kW未満・戸建て住宅の屋根設置・FIT認定を受けないこと・自家消費30%以上が条件。蓄電池は価格の3分の1(10kWh相当額が限度)+定額5万円。受付は令和8年5月25日から11月30日まで、予算6,780万円の先着順【呉市脱炭素社会推進重点対策加速化事業】住宅用太陽光発電設備等設置費補助金
東広島市対象経費の3分の1、または容量(kW)×5万円
(人口減少地域は7万円/kW)のいずれか低い額
出典:東広島市 住宅用太陽光発電設備導入補助金について
制度名は「住宅用太陽光発電設備導入補助金」。八本松町・志和町・高屋町・黒瀬町・福富町・豊栄町・河内町・安芸津町の人口減少地域は上乗せあり。国・自治体からの他の補助との併用不可。工事契約は令和8年4月28日以降、交付決定前の着工は対象外。受付は令和8年5月25日から令和9年1月29日まで東広島市 住宅用太陽光発電設備導入補助金について
廿日市市対象経費の10分の10以内(上限7万円/kW)

出典:廿日市市 令和8年度住宅用太陽光発電設備等導入促進補助金
制度名は「住宅用太陽光発電補助金」。自ら居住する戸建て住宅への設置、発電電力の30%以上を自家消費することが条件。蓄電池は3分の1(上限5万円/kWh、蓄電容量17.76kWh超は対象外)。受付は令和8年5月22日から11月30日まで、当初予算3,990万円のうち残額2,443万円(令和8年7月22日時点)廿日市市 令和8年度住宅用太陽光発電設備等導入促進補助金
三原市1kWあたり5万円
(上限15万円)
出典:三原市 令和8年度脱炭素社会推進事業補助金(太陽光発電設備、蓄電池、宅配ボックス、高効率空調設備、高効率照明機器など)のご案内
制度名は「脱炭素社会推進事業補助金」。購入・設置の10日前までに交付申請が必要な事前申請制。蓄電池は上限5万円、宅配ボックス・エネルギー管理システムは各上限2万円。受付は令和8年4月1日から令和9年2月26日まで先着順三原市 令和8年度脱炭素社会推進事業補助金(太陽光発電設備、蓄電池、宅配ボックス、高効率空調設備、高効率照明機器など)のご案内

詳しくは各自治体のホームページをご確認ください。上記以外の主要市町村では、次のような状況です。

  • 広島市:住宅用太陽光発電システム本体への市独自の補助はありません。広島市が実施しているのは「家庭用スマートエネルギー設備等設置補助金」で、対象は家庭用燃料電池・家庭用蓄電池・V2H充放電設備・断熱窓のみです(各3万円/台、令和8年度は募集台数490台)。受付は令和8年4月15日から令和9年1月29日まで、募集台数に達すると受付終了です。太陽光そのものへの補助はない点に注意しましょう。

出典:広島市家庭用スマートエネルギー設備等設置補助金(家庭用燃料電池、家庭用蓄電池、V2H充放電設備、断熱窓)

  • 尾道市:住宅用太陽光発電設備に対する補助制度は、尾道市公式ホームページ・環境政策課のページ上に見当たりませんでした。事業用太陽光発電の設置ガイドラインは公開されていますが、家庭向けの補助案内はありません。太陽光の導入を検討する場合は、国の制度を中心に組み立てることになります。

出典:尾道市公式

  • 府中町:「住宅用再エネ等設備導入促進補助金」として、太陽光発電(1kW以上10kW未満)に対象経費の10分の10(上限2万円/kW)、蓄電池・家庭用燃料電池にも各10分の10(上限5万円/台)の補助を実施しています。受付は令和8年4月1日から令和9年3月31日までで、予算に達した時点で受付が停止します。

出典:府中町公式 令和8年度 府中町住宅用再エネ等設備導入促進補助金

  • 江田島市:「住宅用太陽光発電システム等普及促進事業補助金」として、太陽光発電1件につき固定7万円の補助を実施しています。ただし太陽光単体では対象外で、LED照明・断熱材・複層ガラス・窓用熱遮断フィルム・エコジョーズ・エコキュートのいずれか1つ以上の省エネ設備を同時に導入することが条件です。受付は令和8年4月1日から令和9年3月10日までです。

出典:江田島市公式 住宅用太陽光発電システム等設置補助制度のご案内

市町村の制度は更新されやすく、年度途中で予算が追加されたり、逆に早期に受付終了したりする場合があります。お住まいの市町の公式ページで最新の対象設備・金額・申請期限をご確認ください。

国・広島県・市区町村は併用できる?

国のみらいエコ住宅2026事業は、市区町村の独自補助と原則併用できます。一方で広島県には個人向けの補助自体がないため、県との併用を考える必要はありません。市区町村どうし、あるいは市区町村と国の併用については、東広島市のように「国・地方公共団体からの他の補助・助成との重複を認めない」と定めている市があります。福山市・呉市・廿日市市・三原市もFIT・FIP認定を受けていないことを条件にしているものの、国のみらいエコ住宅2026事業との併用可否は要綱ごとに確認が必要です。複数の補助を組み合わせたい場合は、契約前に各市の要綱で併用条件をご確認ください。

広島県の日照時間・気候と太陽光発電の相性

広島県は瀬戸内海に面した瀬戸内式気候の地域で、年間を通じて降水量が少なく晴天が多いのが特徴です。気象庁の広島地方気象台で観測された平年値(1991〜2020年)では、年間日照時間が2,033.1時間、年間降水量が1,572.2mm、年平均気温が16.5度となっています。

出典:気象庁 広島 平年値 

降水量の少なさは瀬戸内式気候の代表的な特徴で、日照時間の確保という点で太陽光発電に向いた地域です。

電気料金は中国電力の供給エリアで、従量電灯Aの第2段階(120〜300kWh)は39.43円/kWh(税込・燃料費調整額等を除く基本単価)です。

出典:中国電力 電気料金単価表 

実際の請求額には燃料費調整額・再生可能エネルギー発電促進賦課金が加算されるため、上記より高くなります。電気代の負担が続く局面では、自家消費比率を上げる太陽光の効果が家計に直結します。

広島県は南部の瀬戸内海沿岸・島しょ部と北部の中国山地で気候条件が異なります。南部は温暖で積雪が少なく太陽光発電に適した地域が多い一方、北部の中国山地に近い地域では冬季の積雪に配慮した設置角度・除雪計画が必要です。また瀬戸内海沿岸・島しょ部(江田島市・廿日市市の宮島周辺など)は海からの塩分を含んだ風の影響を受けやすいため、パネル・架台の塩害対策(耐塩害仕様のフレーム・こまめな洗浄)を施工業者に確認しておくと安心です。

広島県の空き家率は15.8%で、全国平均の13.8%より高い水準にあります。一方、広島市の空き家率は11.7%で広島県平均より低く、市内では一定の住宅需要があります(令和5年住宅・土地統計調査)。

出典:広島市公式 令和5年住宅・土地統計調査結果(概要)

戸建て住宅の新築・リフォームに合わせて太陽光の導入を検討する家庭は、県内各地に一定数存在します。

太陽光との組み合わせが特に効くケース

  • オール電化住宅:昼間の電気を自家消費で賄えるため、電気代削減の効果が大きくなります
  • EV・PHEVを保有:昼間充電で走行コストを下げられます(V2Hを併設すれば災害時にも活用できます)
  • 在宅時間が長い:在宅ワーク・共働きでない世帯は自家消費比率を上げやすくなります
  • 瀬戸内海沿岸・島しょ部の戸建て:日照条件が良く、塩害対策を施した設備なら発電量を安定して見込めます

太陽光発電の容量・パネル選びのポイント(広島県事情)

太陽光を活かすには、屋根に合った容量と、家庭に合った機種を選ぶことが大切です。

  • 容量の目安:3〜4人世帯なら4〜5kW前後、屋根面積が広ければ6〜7kW以上も選択肢に入ります。
  • パネル種別:現在の主流は単結晶シリコンです。屋根の形状や日射条件に応じて、変換効率・保証期間・価格のバランスで選びます。
  • 塩害地域での留意点:瀬戸内海沿岸・島しょ部(呉市・江田島市・廿日市市の宮島周辺等)に設置する場合は、架台・金具に耐塩害仕様の製品を選び、施工業者に塩害対策の実績を確認しましょう。
  • 積雪地域での留意点:北部の中国山地に近い地域(東広島市の人口減少地域を含む山間部等)では、積雪を考慮した設置角度・落雪時の安全対策を業者と相談しましょう。
  • 保証・メーカー:出力保証(25年前後)・製品保証(10〜15年)・自然災害補償の内容を比較しましょう。
  • 屋根の適合性:築年数が古い屋根は葺き替え・補強が必要になる場合があります。施工前の屋根診断が重要です。

蓄電池・V2H・HEMSとのセット導入で補助はどう変わる?

太陽光と組み合わせる蓄電池・V2H・HEMSには、それぞれ補助制度があります。

  • 蓄電池:福山市(太陽光と同時設置が必須、(設備費+工事費)×1/3・上限15.5万円/kWh)、呉市(価格の1/3・10kWh相当額が限度+定額5万円)、廿日市市(1/3・上限5万円/kWh)、三原市(上限5万円)、府中町(10/10・5万円/台)など、市によって条件・金額が異なります。広島市は蓄電池単体でも3万円/台の補助対象です。
  • V2H:EVと家庭の電気を相互に融通する設備です。広島市は家庭用スマートエネルギー設備等設置補助金の対象にV2H充放電設備を含めています。太陽光導入時にEVの保有・購入予定がある場合はお住まいの市の要綱を確認しましょう。
  • HEMS:エネルギー使用量を可視化・制御するシステムです。国のみらいエコ住宅事業ではGX志向型住宅の要件の一部になっています。

国のDR家庭用蓄電池事業は令和7年度補正が受付終了のため、令和8年度動向を要ウォッチです。卒FIT後(10年経過後)は売電単価が大きく下がるため、蓄電池で余剰電力を貯めて自家消費に回す構成が経済的に有利になります。広島市のように太陽光本体への補助がない市でも、蓄電池・V2Hだけは補助対象になっているケースがあるため、太陽光と蓄電池を別々に検討する価値があります。

FIT売電 vs 自家消費:広島県ならどちらが得?

住宅用太陽光(10kW未満)のFIT買取期間は10年間で、2026年度からは初期4年間24円/kWh・5〜10年目8.3円/kWhの二段階単価になります。

出典:資源エネルギー庁 買取価格・期間等(2026年度以降)

一方、家庭の電力量料金は中国電力管内で従量電灯Aの第2段階(120〜300kWh)で39.43円/kWh(燃料費調整額等を除く基本単価)の水準にあり、電力単価は買取単価より家庭の購入電気単価のほうが高いのが実情です。

5kWシステムでの年間試算(目安)

年間発電量を5kW×1,150kWh/kW=5,750kWhと仮定した場合(広島県の日照条件を踏まえた目安値、購入電気単価は税込30円/kWh想定。あくまで概算試算・個別条件で変動します)、次のような傾向になります。

  • 1〜4年目(高単価売電期):発電量の7割を売電(4,025kWh)とすると、4,025×24円=約9.7万円/年の売電収入。自家消費分(1,725kWh)で購入電気を約5.2万円/年削減。合計メリット約14.9万円/年になります。
  • 5〜10年目(低単価売電期):売電単価が8.3円/kWhに下がるため、自家消費比率を上げる方針に切り替えます。自家消費比率を5割まで上げると、売電(2,875kWh×8.3円=約2.4万円)+購入電気削減(2,875kWh×30円=約8.6万円)=合計メリット約11.0万円/年です。
  • 11年目以降(卒FIT):市場価格の売電(8〜10円/kWh前後)または自家消費が中心になります。蓄電池を併設していれば夜間消費にも回せます。

10年間トータルで見ると、初期4年で高単価売電を取り、5年目以降は自家消費比率を高めていく設計が経済合理的です。

広島県で自家消費が特に効く家庭

広島県は電気料金の負担が続く局面で、次のような家庭は自家消費のメリットが出やすくなります。

  • オール電化住宅:昼間の電気を給湯・調理・冷房で回せます
  • EV・PHEVを保有:昼間充電で走行コストを大幅に下げられます
  • 在宅時間が長い:在宅ワーク・シニア世帯は日中の電力消費が多くなります
  • 瀬戸内海沿岸・島しょ部の戸建てに居住:日照条件が良く、日中の発電量を確保しやすい地域です

一方で、日中不在の共働き世帯や、家族構成が変わる予定のある家庭は、初期4年間の高単価売電で回収し、5年目以降に蓄電池を後付けで検討するのも選択肢です。家族構成・在宅時間・EVの有無で、どちらが得かは変わります。

広島県の導入費用と補助後シミュレーション

太陽光発電の導入費用は、2025年設置分・住宅用(10kW未満)の全国平均で29.0万円/kW(既築30.1万円/kW、新築28.9万円/kW)です。

出典:経済産業省 調達価格等算定委員会 第102回 資料1

5kW導入の場合、既築で約151万円が目安です。実勢価格は施工店・機種で変動するため、最終的な見積もりは複数社の相見積で確認しましょう。ここに市区町村の補助を充てると、実質負担は次のように下がります。

ケース実質負担
既存住宅・福山市・太陽光5kW単体導入費用:151万円
151万円−福山市補助52.5万円(10.5万円×5kW:上限容量5kWにちょうど到達)=実質約98.5万円(151万円-52.5万円)
既存住宅・呉市・太陽光5kW+蓄電池8kWh導入費用:太陽光151万円+蓄電池100万円=合計251万円
呉市補助(太陽光):7万円×5kW=35万円+2万円×5kW=10万円→上限5万円のため5万円=合計40万円
呉市補助(蓄電池):100万円×1/3=33.3万円+定額5万円=約38.3万円
実質約172.7万円(251万円-40万円-38.3万円)
既存住宅・東広島市(人口減少地域)・太陽光5kW単体導入費用:151万円
151万円−東広島市補助50.3万円(対象経費151万円×1/3)または35万円(人口減少地域:5kW×7万円)のうち低い額=実質約116万円(151万円-35万円)
既存住宅・廿日市市・太陽光5kW単体導入費用:151万円
151万円−廿日市市補助35万円(対象経費の10/10:上限7万円×5kW=35万円)= 実質約116万円(151万円-35万円)
既存住宅・三原市・太陽光3kW単体導入費用:30.1万円×3kW=約90万円
90万円−三原市補助:15万円(5万円×3kW)= 実質約75万円(90万円-15万円)
既存住宅・広島市・太陽光5kW単体
(市独自の太陽光補助なし)
導入費用:151万円
広島市独自補助:なし(太陽光本体は対象外。蓄電池・V2H・エネファーム・断熱窓のみ各3万円/台の補助あり)
実質約151万円(導入費用そのまま)

補助の有無・金額で、同じ5kWでも実質負担が50万円以上変わるケースがあります。お住まいの市町の制度は必ず確認しましょう。正確な金額は、機種・設置条件・申請時の予算状況・各自治体の補助額で変わります。最終的な見積もりは施工業者に依頼し、補助を含めたシミュレーションを出してもらいましょう。

太陽光発電補助金の申請から受給までの流れ

  1. 業者・機種選び:国のみらいエコ住宅、市区町村の補助のいずれにも対応できる業者を選びます。
  2. 補助金の交付申請:福山市・呉市・東広島市・廿日市市・三原市はいずれも工事着手・購入前の事前申込が必須です。契約前に業者と申請スケジュールを確認しましょう。
  3. 設置工事:交付決定後に着工します。パネル設置・パワコン設置・系統連系工事を行います。
  4. 完了報告・受給:工事完了後、完了報告書と証拠書類(写真・領収書等)を提出し、審査を経て補助金が交付されます。

FIT売電を行う場合は、これと並行してFIT設備認定(経産省への申請)と電力会社との売電契約の手続きが必要です。

申請で失敗しないための注意点

  • 申請の順番を間違えない:広島県内の市町村補助は、事前申請制(着工前・購入前の申請)が基本です。東広島市は交付決定前の工事着工が一切認められず、三原市は購入・設置の10日前までの申請が必須です。契約前に業者とスケジュールを確認しましょう。
  • 予算枯渇による早期終了:福山市は太陽光発電補助金の受付が過去3年連続で受付初日に予算到達した実績があります。令和8年度分も2026年7月24日時点で予算の8割超(蓄電池部分は9割超)に達しているため、検討を始めたら早めに動くのが安全です。廿日市市も残額に限りがあります(2026年7月22日時点で当初予算の約6割を残す状況)。
  • 市の重点区域・条件の確認:東広島市は人口減少地域(八本松町・志和町・高屋町・黒瀬町・福富町・豊栄町・河内町・安芸津町)で補助額が上乗せされるなど、市によって条件が異なります。
  • 他の補助との併用制限:東広島市は国・自治体からの他の補助・助成との重複を認めていません。福山市・呉市・廿日市市・三原市はFIT・FIP認定を受けていないことが条件です。契約前に要綱を確認しましょう。
  • 必要書類・写真の不備に注意:設置前の屋根の写真、施工中の写真、機器の型番写真など、指定書類が細かく決まっています。

太陽光発電導入のメリット・デメリット

メリット

  • 電気代の削減:自家消費で購入電気を減らせます。電気料金の負担が続く局面では効果を実感しやすくなります。
  • 売電収入:FITで10年間、余剰電力を固定価格で売電できます。
  • 災害時の非常用電源:停電時にパワコンの自立運転モードに切り替えれば、日中の発電分を家庭内で使えます。蓄電池を併設すればさらに安心です。
  • 日照条件の良さ:広島県は瀬戸内式気候で降水量が少なく、日照時間を確保しやすい地域です。

デメリット・注意点

  • 初期費用:5kWで約151万円(既築)が目安(経産省2025年統計)。補助でカバーできる範囲には限りがあります。
  • 塩害・積雪への配慮:瀬戸内海沿岸・島しょ部では塩害対策、北部の中国山地に近い地域では積雪への配慮が必要です。
  • メンテナンス:パワコンの寿命(10〜15年)で交換が必要です。パネルは20〜25年前後で徐々に発電効率が下がります。
  • 売電単価の低下:FIT単価は年々下落しており、卒FIT後は自家消費への切り替えが前提となります。

よくある質問(FAQ)

太陽光発電に国からの補助金はもう出ないの?

住宅用太陽光発電システム単体への国補助は2014年で終了しました。ただし、太陽光を要件に含む「みらいエコ住宅2026事業(GX志向型住宅等)」など、間接的に太陽光導入を後押しする国の制度があります。詳細は本文の該当セクションをご確認ください。

広島県の太陽光補助はどこに申請すればいい?

広島県には個人住宅向けの太陽光補助がありません。県の「課題解決型太陽光発電施設導入事業補助金」は事業者向けで、令和8年度分は募集を終了しています。個人が申請するのは、お住まいの市区町村の補助金です。福山市・呉市・東広島市・廿日市市・三原市など、実施している市町の窓口に確認しましょう。

広島市に住んでいるが、太陽光の補助はある?

広島市には太陽光発電システム本体への市独自の補助はありません。「家庭用スマートエネルギー設備等設置補助金」として、家庭用燃料電池・家庭用蓄電池・V2H充放電設備・断熱窓には各3万円/台の補助があります。太陽光を単体で検討する場合は、国のみらいエコ住宅2026事業の活用を検討しましょう。

市によって補助額はどれくらい違う?

同じ広島県内でも市によって大きく異なります。太陽光5kWを既存住宅に設置する場合、市補助だけで比べると福山市は上限52.5万円、廿日市市・東広島市は上限35万円が目安です。一方で広島市のように太陽光への直接補助がない市もあり、その場合は国の制度が中心になります。お住まいの市町の制度は必ず確認しましょう。

申請は工事の前?後?

広島県内の市町村補助は、着工前・購入前の事前申込が基本です。福山市・呉市・東広島市・廿日市市・三原市はいずれも事前申請制で、東広島市は交付決定前の着工が一切認められません。三原市は購入・設置の10日前までに申請が必要です。順番を間違えると補助を受けられなくなるため、契約前に業者と申請スケジュールを詰めておきましょう。

賃貸住宅でも太陽光の補助は使える?

賃貸住宅にお住まいの入居者自身は申請できません。ただし、オーナーが既存住宅のリフォームとして太陽光を発注する場合は、工事発注者として対象になります。集合住宅への設置は建物構造上の制約もあるため、事前に業者と検討しましょう。

まとめ|広島県は市町村の補助を確認して導入できる

広島県で太陽光発電を導入する場合、県レベルの個人向け補助はないものの、福山市・呉市・東広島市・廿日市市・三原市など県内の複数の市が独自に補助を実施しています。一方で広島市のように太陽光本体への補助がなく蓄電池・V2Hのみが対象という市もあり、住んでいる市町によって実質負担が大きく変わります。お住まいの市町の制度は必ず確認しましょう。

広島県は瀬戸内式気候で降水量が少なく、日照時間を確保しやすい地域です。瀬戸内海沿岸・島しょ部では塩害対策、北部の中国山地に近い地域では積雪への配慮が設置時のポイントになります。FIT買取単価は2026年度から初期4年24円/kWh・5〜10年目8.3円/kWhの二段階になり、初期4年は売電で早期回収、5年目以降は自家消費比率を高めていく設計が経済合理的です。

補助金はどれも予算上限・先着順で、福山市のように過去3年連続で受付初日に予算到達した実績がある市も既にあります。検討を始めたら早めに登録業者へ相談し、複数の見積もりを比べるのが近道です。市町村補助・国のセット型(みらいエコ住宅2026)のうちどれを組み合わせるかで、実質負担は数十万円単位で変わります。

監修:えねこ編集部

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