【【2026年(令和8年)】岡山県の太陽光発電補助金はいくら?金額・条件・申請方法を解説

最終確認日:2026/09/29
この記事の要約 岡山県は「晴れの国おかやま」と呼ばれる地域で、降水量の少なさと日照時間の長さから太陽光発電に適した気候です。岡山県は個人住宅向けの太陽光発電・蓄電池への直接補助を実施していませんが、岡山市・倉敷市・津山市・井原市・新見市など県内の複数の市が独自の補助制度を設けています。一方で笠岡市・備前市のように太陽光そのものは補助対象外の市もあり、住んでいる市によって使える補助が大きく異なります。この記事では、国のセット型支援と岡山県内市町村の補助状況、費用シミュレーション、申請の流れまでをまとめて解説します。
岡山県でもらえる太陽光発電の補助金はいくら?【結論】
岡山県で太陽光発電を導入する場合、補助金は「国+市区町村」の2層で考えます。岡山県は個人住宅への直接補助を実施していないため、県レベルの補助はありません。この前提で岡山県内を見ると、次のようになります。
| 国(みらいエコ住宅2026等) | 太陽光そのものへの補助はなく、太陽光を要件に含むGX志向型住宅などのセット型のみ(最大110万円/戸) | 住宅省エネ2026キャンペーン公式 |
|---|---|---|
| 岡山県(独自補助) | 個人住宅向けの直接補助はなし。申請窓口・補助の実施主体は市町村 | 岡山県公式 |
| 市区町村(独自補助) | お住まいの市で決まる。岡山市・井原市は3万円/kW(上限15万円・12万円)、倉敷市・津山市・新見市は2万円/kW台。笠岡市・備前市には太陽光本体への補助はない | 各市公式(後述) |
岡山県は年間の降水量が全国で2番目に少なく、日照時間も全国平均を上回る地域です。県内には太陽光発電の独自補助を実施する市が複数あり、まずは国の位置づけから見ていきます。
国の制度:太陽光発電に直接補助はある?【全国共通】

太陽光発電の補助金を国レベルで探すと、まず知っておきたい前提があります。それは、住宅用太陽光発電への単体の国補助は現在ないということです。かつて実施されていた住宅用太陽光発電導入支援補助金は2014年(平成25年度)で終了しています。
ただし、太陽光発電を含む省エネ住宅・脱炭素設備をセットで導入する場合は、国が支援する制度がいくつかあります。太陽光発電の設置費用を直接下げる制度ではなく、太陽光を含む住宅要件を満たすと補助が出る、太陽光と一緒に蓄電池を入れると蓄電池側で補助が出るといった形です。順に見ていきます。
みらいエコ住宅2026事業(住宅省エネキャンペーン)
みらいエコ住宅2026事業は、国土交通省・環境省・経済産業省の3省連携で実施される住宅省エネ2026キャンペーンの柱です。省エネ性能の高い新築住宅の購入や既存住宅の省エネリフォームを対象に、住宅単位で補助金が支給されます。太陽光はGX志向型住宅の要件のひとつになっており、住宅全体で高い省エネ性能を満たすことで補助が受けられます。
新築住宅の主な補助上限額は次のとおりです。
- GX志向型住宅:1戸あたり110万円(温暖地5〜8地域)/125万円(寒冷地1〜4地域)※全世帯が対象
- 長期優良住宅:1戸あたり75万円(温暖地)/80万円(寒冷地)※若者夫婦世帯・子育て世帯限定
- ZEH水準住宅:1戸あたり35万円(温暖地)/40万円(寒冷地)※若者夫婦世帯・子育て世帯限定
岡山県は全域が温暖地区分に含まれるため、GX志向型住宅なら上限110万円が基準になります。太陽光を新築とセットで入れる家庭は、この住宅認定を狙う価値があります。
出典:みらいエコ住宅2026事業【公式】 / 住宅省エネ2026キャンペーン【公式】
では、太陽光と組み合わせて使える別の国支援も見ていきます。
DR家庭用蓄電池事業(令和7年度補正・SII)
DR家庭用蓄電池事業は、経済産業省の予算でSII(一般社団法人 環境共創イニシアチブ)が運営する、家庭用蓄電池への補助制度です。太陽光と組み合わせた自家消費・DR(需要側の電力調整)に活用できる蓄電池を対象に、1申請あたり最大60万円が補助されます(出典:DR家庭用蓄電池事業)。
ただし、令和7年度補正は2026年5月29日に交付申請額が予算に達したため、公募は既に終了しています。公式に「公募の再開を行う予定はありません」と明記されています。令和8年度補正での再開があるかは、経産省・SII公式で最新情報の確認が必要です。太陽光と蓄電池を同時に検討している家庭は、次年度事業の情報が出た段階で早めに動きましょう。
FIT・FIP制度と自家消費への移行
太陽光発電で発電した電気は、FIT(固定価格買取制度)またはFIP制度で電力会社に売電できます。住宅用(10kW未満)はFITが基本で、期間は10年間です。
2026年度から住宅用10kW未満のFIT買取単価には初期投資支援スキームが導入され、次のような二段階の単価になります(出典:資源エネルギー庁 )。
- 導入から1〜4年目:24円/kWh
- 5〜10年目:8.3円/kWh
初期の4年間は買取単価を高めに設定し、投資回収を早めるのが狙いです。5年目以降は市場価格に近い水準まで下がるため、この時点から自家消費に切り替える設計が経済的に有利になります。
近年は4年間で高単価売電をしっかり取り、5〜10年目は自家消費比率を高める、10年経過後(卒FIT)は蓄電池・EV充電で自家消費に完全移行するという3段階の設計が主流です。蓄電池を併設して昼間の余剰電力を貯める、オール電化やV2H(EV連携)で家庭内消費を増やすことで、電気代削減の効果を長く得られます。
税制優遇(住宅ローン減税・固定資産税減額)
太陽光発電への直接の税優遇ではありませんが、太陽光を要件に含む認定住宅(長期優良住宅・低炭素住宅・ZEH水準)では、住宅ローン減税の借入限度額が引き上げられ、新築住宅の固定資産税減額の期間が延長されます(出典:国土交通省 住宅ローン減税 )。新築で太陽光を検討する場合、住宅認定と組み合わせて総合的な負担軽減を計算するのが得です。
国と自治体の補助金は併用できる?
国のみらいエコ住宅2026事業は、市区町村の独自補助と原則併用できます(自治体により例外あり)。岡山市・倉敷市・井原市・新見市など県内の市の補助要綱では、国庫補助を控除して補助額を算定する、あるいは併用の可否を窓口で確認するよう案内するケースが多く、対応は市によって分かれます。複数の補助を重ねたい場合は、契約前に必ず各市の要綱でご確認ください。
岡山県・市区町村の独自補助金
岡山県には、個人住宅の太陽光発電・蓄電池への県独自の直接補助はありません。県公式ページには「県民の皆様の申請窓口は、補助事業を実施している各市町村になります。(直接、県から設置される方への補助金の交付は行っておりません。)」と明記されています(出典:岡山県公式「各市町村の補助金(家庭向け)情報」 )。県が実施しているのは事業者向けの自家消費型太陽光発電設備導入支援事業のみで、個人住宅は対象になりません。
つまり岡山県で使える補助金は、実質的にすべて市町村の制度です。お住まいの市によって金額・条件が大きく異なるため、まずは主要市の状況を確認しましょう。
主要市区町村の補助額一覧(令和8年度の実施状況)
太陽光発電は屋根の面積・向き・築年数が要る戸建て向けの設備のため、戸建てが多い市ほど活用しやすく、補助の有無や金額も市ごとに異なります。県庁所在地・人口上位の市を中心に個別確認した結果、次の5市で補助を実施しています。
| 岡山市 | 3万円/kW(上限15万円)/出典:岡山市公式 | 制度名は「令和8年度岡山市住宅用スマートエネルギー導入促進補助事業」。太陽光は単体で申請可能ですが、蓄電池側は太陽光との紐付けが必須です。事後申請(令和8年5月1日〜令和9年3月10日)。新築工事に併せた設置は対象外(既築住宅が前提)。申請には市の環境ポイント制度「あっ晴れ岡山エコクラブ」への入会が必要です | 岡山市公式 |
|---|---|---|---|
| 倉敷市 | 2万円/kW(上限8万円・4kWまで)/出典:倉敷市公式 | 制度名は「倉敷市創エネ・脱炭素住宅促進補助」。太陽光は単体で申請可能で、蓄電池(1kWhあたり1万円・上限6万円)は別枠です。既築住宅への設置が対象で、新築工事に伴う設置は対象外。事後申請(電力受給開始日から90日以内)で、受付期間は令和8年4月1日〜令和9年3月31日、先着順 | 倉敷市公式 |
| 津山市 | 2万円/kW(上限10万円)/出典:津山市公式 | 制度名は「津山市スマートエネルギー導入補助金」。令和8年度から太陽光がこの制度に統合されました。FIT・FIP制度による売電は不可で、発電した電気の30%以上を敷地内で自家消費することが要件です。事後申請で、受付は令和8年8月3日〜令和9年2月1日(予算1,540万円・先着順) | 津山市公式 |
| 井原市 | 3万円/kW(上限12万円)/出典:井原市公式 | 制度名は「井原市暮らし向上スマートエネルギー導入補助金」。太陽光は単体で申請可能です。系統連系に係る接続契約書類の提出が必須で、リース・PPAでの導入は対象外。事後申請(設置完了日から3か月以内)、受付は令和8年4月1日〜令和9年3月31日(予算2,800万円・先着順) | 井原市公式 |
| 新見市 | 2万円/kW(上限8万円)市内業者に依頼した場合は2.5万円/kW(上限10万円)/出典:新見市公式 | 制度名は「新見市個人用脱炭素化促進事業補助金」。太陽光は単体で申請可能で、発電した電気が住宅で自家消費される1kW以上10kW未満の設備が対象です。事後申請(電力受給契約日または支払日から90日以内)で、受付期間の規定はなく通年申請可能。令和13年3月31日限りで制度が失効します | 新見市公式 |
詳しくは各自治体のホームページをご確認ください。この5市以外の岡山県内の主要市は、次のような状況です。
- 玉野市:「玉野市太陽光発電設備補助金交付要綱」として、20,000円/kW・上限10万円の太陽光単体補助を実施しています。他市に多い非FIT要件がなく、FIT申請も可能な珍しい制度です。ただし事前申請制で、公式ページには「予算残額(令和8年7月13日現在):0円(終了しました。)」と明記されており、確認時点で実質的に受付が終了しています。交付決定の取消し等で残額が生じた場合はホームページで公表されるため、検討する場合は最新の残額を確認しましょう(出典:玉野市公式)。
- 笠岡市:太陽光発電システムそのものは「令和8年度笠岡市スマートエネルギー導入補助金」の対象機器に含まれていません。対象は既存または新設の太陽光と接続する定置用リチウムイオン蓄電池のみで、補助対象経費の10分の1(上限12万円)です。かつて存在した太陽光単体の補助金は要綱の附則で既に廃止されています(出典:笠岡市公式)。
- 備前市:「備前市ゼロ・カーボンシティ促進補助金」の対象は軽EV・リチウムイオン蓄電池・高効率給湯器の3機器のみで、太陽光発電システム単体への補助はありません。蓄電池は既設の太陽光と接続していることが条件です。令和8年度は申請額が予算に達し、令和8年7月10日時点で受付を終了しています(出典:備前市公式)。
- 総社市:「総社市住宅用スマートエネルギー導入促進補助金交付要綱」では太陽光発電システムを含む10種類の省エネ設備が対象ですが、新築・購入は3種類以上、増改築は2種類以上を組み合わせて導入することが条件で、太陽光単体では申請できません。なお、今年度は同補助金の交付をおこなっておりません。
- 赤磐市:一般の住宅向けに太陽光発電・蓄電池への補助はありませんが、市が所有する分譲宅地を購入して定住する場合に限り、定住促進奨励金の加算が使えます。太陽光発電(0.5kW以上)・蓄電池(1kWh以上)・HEMSの3つをすべて設置すると、1戸あたり20万円が別途加算されます(基本額20万円・義務教育以下の子ども1人につき20万円加算とは別枠)。宅地売買契約後1年以内の居住開始と、5年以上の定住見込みが条件です(出典:赤磐市 定住促進奨励金交付制度 /2026年9月27日確認)。
市の制度は更新されやすく、年度途中で予算が追加されたり、逆に早期に受付終了したりする場合があります。お住まいの市の公式ページで最新の対象設備・金額・申請期限を確認するのが確実です。
国・市区町村は併用できる?
国のみらいエコ住宅2026事業は、市区町村の独自補助と原則併用できます。一方で市区町村側の補助要綱は対応が分かれます。新見市・井原市は国の補助額を控除した上で併用できると明記していますが、岡山市・倉敷市の要綱には明確な可否の記載がなく、各窓口への確認が必要です。市によって併用時の計算方法が異なるため、複数の補助を組み合わせたい場合はそれぞれの要綱を必ずご確認ください。
岡山県の日照時間・気候と太陽光発電の相性
岡山県は「晴れの国おかやま」という呼び名で知られ、太陽光発電に適した地域だとよく言われます。実際の気象データを見ると、その理由は単純な日照時間の長さだけではありません。
岡山地方気象台の観測による年間日照時間の平年値(1991〜2020年)は2,033.7時間で、全国47都道府県中15位、全国平均の1,915.9時間を上回ります(出典:岡山県公式「晴れの国(きっずぺーじ)」 )。上位県には及びませんが、全国平均を上回る水準にあります。
「晴れの国」という呼び名の一番の根拠は、日照時間そのものより降水量の少なさです。岡山県は降水量1mm未満の日が年間およそ277日と全国で最も多く、年間降水量も1,143mmと全国で2番目に少ない水準です(出典:岡山県公式 )。雨や雪で発電が止まる日が少ないことは、太陽光パネルが稼働できる日数の多さにそのままつながります。
このキャッチフレーズは1989年から使われており、晴れの日が多いことに加えて、温和な気候で自然災害が少ないという地域イメージも込められています。岡山県は中国山地と四国山地に挟まれた瀬戸内式気候の地域で、台風の直接的な影響を受けにくく、季節風による大雨・大雪も比較的少ない傾向があります。屋根への設置後、長期間安定して発電を続けやすい環境といえます。
電気料金は中国電力エナジアの供給エリアで、従量電灯Bの場合、第1段階(120kWhまで)30.06円/kWh、第2段階(120kWh超過300kWhまで)36.15円/kWh、第3段階(300kWh超過)38.02円/kWhです(出典:中国電力 )。使用量が増えるほど単価が上がる仕組みのため、電気を多く使う世帯ほど自家消費による削減効果が大きくなります。
一方で、県北部の津山市・新見市周辺は中国山地に近く、瀬戸内側の平野部と比べて冬季の積雪が多い地域です。パネルへの積雪は発電量を一時的に下げるため、雪が滑り落ちやすい設置角度にする、耐雪性能の高いパネル・架台を選ぶといった対策を施工業者と相談しておくと安心です。
太陽光との組み合わせが特に効くケース
同じ岡山県内でも、住む場所によって太陽光との相性や必要な仕様は変わります。
- 瀬戸内側の平野部(岡山市・倉敷市など):積雪を前提にした架台・角度の制約が少なく、年間を通じて安定した発電が見込めます
- 海に面した地域(倉敷市・玉野市・備前市など):潮風が当たる立地かどうかで機器の仕様が変わることがあるため、耐塩害対応が必要かを施工業者に確認しましょう
- 県北の山間部(津山市・新見市など):冬季の積雪で発電が落ちる日がある一方、両市とも太陽光の補助制度があり、設備費用の一部を市の補助で埋められます
太陽光発電の容量・パネル選びのポイント(岡山県事情)

岡山県内で使える補助は、市ごとに単価と上限が決まっています。そのため「何kW載せるか」「どんな構成にするか」の判断も、住んでいる市の要綱に引っ張られます。
- 補助が頭打ちになる容量:岡山市は3万円/kW・上限15万円なので5kW、津山市は2万円/kW・上限10万円なので5kWで上限に届きます。倉敷市(2万円/kW・4kW分まで)、井原市(3万円/kW・上限12万円)、新見市(市内業者2.5万円/kW・上限10万円)は4kWで頭打ちです。これを超える容量にしても市の補助額は増えないため、増えた発電量が追加費用に見合うかで判断しましょう。
- 制度上の容量制限:新見市は1kW以上10kW未満の設備が対象で、岡山市もモジュールかパワコンの出力、またはFITの最大受電力のいずれかが10kW未満であることを要件にしています。屋根が広く大容量を検討する場合は、制度の枠から外れないか事前に確かめます。
- 売電するかどうかで構成が変わる:津山市は発電量の30%以上を敷地内で自家消費することが要件で、FIT・FIP制度による売電ができません。新見市も自家消費されることが要件です。この2市で補助を使うなら、屋根に載る最大容量を狙うより、日中に使い切れる量から逆算して容量を決めるほうが要件に沿います。
- 既築か新築かで使える制度が変わる:岡山市・倉敷市の補助は既築住宅への設置が前提で、新築工事に併せた設置は対象外です。新築で太陽光を入れる場合、市の補助ではなく国のみらいエコ住宅2026事業が主な選択肢になります。
- 立地に合わせた仕様:県北部は耐雪性能と設置角度、海沿いは耐塩害仕様の要否が機種選びの分かれ目になります。加えて岡山県は降水量が少ないぶん雨で汚れが流れにくい面もあるため、砂塵・花粉の付着には定期清掃で対応します。
- 保証の内容:新見市の補助では蓄電池に「保証期間10年以上」という要件があり、機器の保証年数がそのまま補助の可否に関わります。太陽光側も出力保証・製品保証・自然災害補償の範囲は機種で差が出るため、見積もり時に書面で比べましょう。
- 屋根の状態:岡山市・倉敷市のように既築住宅が対象の補助を使う場合、屋根は新品ではありません。築年数が経っていると葺き替え・補強が先に必要になることもあるため、設置前の屋根診断を業者に依頼しましょう。
蓄電池・V2H・HEMSとのセット導入で補助はどう変わる?
岡山県内では、太陽光と一緒に入れる設備にも市の補助が用意されています。ただし対象に含まれる機器の範囲は市ごとに違います。
- 蓄電池:岡山市(1.5万円/kWh・上限20万円、太陽光との紐付け必須)、倉敷市(1kWhあたり1万円・上限6万円、太陽光と別枠)など、市によって補助額・条件が異なります。笠岡市・備前市のように、太陽光本体には補助がないものの蓄電池だけが対象になる市もあります。
- V2H:EVに貯めた電気を家庭側でも使えるようにする設備です。岡山市の住宅用スマートエネルギー導入促進補助事業では、太陽光・蓄電池と並んでV2Hも対象機器に入っています。EVの保有・購入予定があるなら、太陽光と同じ年度の申請でまとめて検討する価値があります。
- HEMS:電気の使用量を見える化して制御する機器です。岡山市では対象機器に含まれており、国のみらいエコ住宅2026事業でもGX志向型住宅の要件の一部になっています。
国のDR家庭用蓄電池事業は令和7年度補正の受付が終わっているため、岡山県内で今すぐ使える蓄電池の補助は市の制度が中心です。卒FIT後は売電単価が下がるので、余った電気を蓄電池に貯めて自家消費へ回す構成のほうが手元に残ります。津山市・新見市のように自家消費が要件の補助を使う場合は、蓄電池やオール電化と組み合わせると要件を満たしやすくなります。同時に入れるか後付けにするかは、電気の使い方と市の補助枠の残り具合で判断しましょう。
FIT売電 vs 自家消費:岡山県ならどちらが得?
岡山県で太陽光を入れると、電気は中国電力エナジアのエリアで売り買いすることになります。住宅用(10kW未満)のFIT買取期間は10年間で、2026年度の単価は初期4年が24円/kWh、5〜10年目が8.3円/kWhです(出典:資源エネルギー庁 )。一方、家庭が買う電気は従量電灯Bの第2段階(120〜300kWh)で36.15円/kWh。5年目以降は、売る電気より買う電気のほうが4倍以上高くなる計算です。
なお、津山市はFIT・FIP制度による売電を認めておらず、新見市も自家消費されることを要件にしています。この2市の補助を使うかどうかで、売電と自家消費のバランスは変わります。
5kWシステムでの年間試算(目安)
年間発電量を5kW×1,150kWh/kW=5,750kWhと置き、買う電気は中国電力エナジア従量電灯Bの第2段階36.15円/kWhで計算します(岡山県の日照条件を踏まえた目安値で、実際は屋根の向き・設置角度・機種で動きます)。
- 1〜4年目:発電量の7割にあたる4,025kWhを売ると、4,025×24円=約9.7万円。残り1,725kWhを自宅で使えば、買う電気を約6.2万円減らせます。合わせて年およそ15.9万円です。
- 5〜10年目:売電単価が8.3円に下がるため、自家消費を5割まで引き上げる想定にします。売電は2,875kWh×8.3円=約2.4万円、買う電気の削減が2,875kWh×36.15円=約10.4万円で、年およそ12.8万円になります。
- 11年目以降:FIT期間が終わり、電力会社が個別に設定する卒FIT後の買取か、自家消費が中心になります。蓄電池があれば夜間の消費にも回せます。
同じ5,750kWhでも、5年目からは売るより自宅で使うほうが手元に残る金額が大きくなります。初期4年で売電収入を取り、そこから自家消費比率を上げていく順番が岡山県内でも基本形です。
岡山県で自家消費が特に効く家庭
岡山県は晴天日が多く発電量が読みやすい地域ですが、そのうえで次のような家庭は削減額がさらに伸びます。
- 電気の使用量が多い世帯:中国電力エナジアの従量電灯Bは300kWh超の第3段階が38.02円/kWhで、使うほど単価が上がります。減らせる電気の単価が高いぶん、自家消費の効果も大きくなります
- オール電化住宅:給湯・調理・冷房を昼間の発電で賄えると、買う電気そのものを減らせます
- EV・PHEVを保有:昼間に充電すれば、ガソリン代も夜間の充電代も置き換えられます
- 津山市・新見市で補助を使う世帯:自家消費が補助の要件なので、初めから自家消費中心の設計になります
日中に家に人がいない世帯は、初期4年の高単価売電で回収を進めておき、5年目が近づいた時点で蓄電池の後付けを検討する順番でも構いません。岡山県内でも、住んでいる市の補助要件と家族の生活時間で最適な組み方は変わります。
岡山県の導入費用と補助後シミュレーション

設置費用の全国平均は、2025年設置分・住宅用(10kW未満)で29.0万円/kW(既築30.1万円/kW、新築28.9万円/kW)でした(出典:経済産業省 調達価格等算定委員会 第102回 資料1)。既築の住宅に5kWを載せると約151万円が出発点です。岡山県内はここから市の補助を差し引くことになり、住んでいる市で実質負担が次のように分かれます。
| ケース | 実質負担 |
|---|---|
| 既存住宅・岡山市・太陽光5kW単体 | 導入費用:151万円 岡山市補助:3万円×5kW=15万円(上限15万円にちょうど到達) 実質約136万円 |
| 既存住宅・岡山市・太陽光5kW+蓄電池8kWhセット | 導入費用:太陽光151万円に蓄電池8kWh(100万円と想定)を足して251万円 岡山市補助(太陽光):15万円(上限到達) 岡山市補助(蓄電池):1.5万円×8kWh=12万円 実質約224万円(251万円-15万円-12万円) |
| 既存住宅・倉敷市・太陽光5kW単体 | 導入費用:151万円 倉敷市補助:2万円×4kW(上限)=8万円 実質約143万円 |
| 既存住宅・津山市・太陽光5kW単体 (FIT売電不可・自家消費要件) | 導入費用:151万円 津山市補助:2万円×5kW=10万円(上限10万円にちょうど到達) 実質約141万円 |
| 既存住宅・井原市・太陽光5kW単体 | 導入費用:151万円 井原市補助:3万円×5kW=15万円→上限12万円のため12万円 実質約139万円 |
| 既存住宅・新見市 (市内業者契約)・太陽光5kW単体 | 導入費用:151万円 新見市補助:2.5万円×5kW=12.5万円→上限10万円のため10万円 実質約141万円 |
太陽光本体への補助がない市(笠岡市・備前市など)では、この段階の実質負担は151万円のままです。赤磐市は一般の住宅向けの補助はありませんが、市の分譲宅地を購入して定住する場合は定住促進奨励金の加算20万円が使えます。その場合は国のセット型支援や、蓄電池側の補助を組み合わせる形になります。ここに並べた金額は、機種・設置条件・申請時点の予算状況で動きます。お住まいの市の補助を織り込んだ見積もりを、施工業者に出してもらいましょう。
太陽光発電補助金の申請から受給までの流れ
- 業者・機種選び:岡山県内の補助は市ごとに対象機器も必要書類も違います。お住まいの市の要綱に沿って手続きできる業者を選びましょう。新見市のように市内業者に依頼すると補助額が上がる市もあります。
- 補助金の交付申請:玉野市・備前市のように事前申込が必須の市もあれば、岡山市・倉敷市・津山市・井原市・新見市のように設置後の事後申請が基本の市もあります。契約前に業者と申請スケジュールを確認しましょう。
- 設置工事:事前申請制の玉野市・備前市では、交付決定を待ってから着工します。工事はパネルとパワコンの設置に加え、送配電事業者との系統連系までが一続きです。
- 完了報告・受給:工事が終わったら完了報告書と写真・領収書などの証拠書類を提出し、審査を経て補助金が振り込まれます。事後申請の市は申請そのものにも期限があり、倉敷市・新見市は90日以内、井原市は3か月以内、岡山市は令和9年3月10日の消印有効です。
FIT売電をするなら、これと並行してFIT設備認定(経済産業省への申請)と電力会社との売電契約が必要になります。津山市はFIT・FIP制度による売電を認めていないため、この補助を使うならFIT設備認定の手続き自体が不要です。新見市は自家消費されることを要件としていますが、余剰分の売電まで一律に認めないかは公式に明記されていません。自己判断で進めると補助を受けられない可能性があるため、売電を考えているなら申請前に市の窓口へご確認ください。
申請で失敗しないための注意点
- 申請の順番を間違えない:玉野市・備前市は着工前・契約前の事前申込が必須です。事後申請の市(岡山市・倉敷市・津山市・井原市・新見市)でも、設置完了日や引渡日に条件があるため、契約前に業者とスケジュールを確認しましょう。
- 登録業者・対象機器の確認:井原市はリース・PPAでの導入が対象外、新見市は市内業者と市外業者で補助額が変わるなど、市区町村の補助では要件が細かく決まっています。
- 会員登録が必要な市もある:岡山市の補助は「あっ晴れ岡山エコクラブ」への入会が申請条件です。市によって手続きの前提が異なるため、要綱を早めに確認しましょう。
- 予算枯渇による早期終了:玉野市の太陽光補助は既に予算残額が0円になっています。備前市の補助(蓄電池等)も令和8年度は受付を終了しています。市区町村の補助は先着順が多く、予算に達した時点で締め切られるため、検討を始めたら早めに動くのが安全です。
- FIT・自家消費の要件確認:津山市はFIT・FIP制度による売電ができません。新見市も自家消費が要件です。売電収入を見込んでいるなら、補助を使わない設計と数字で比べたうえで決めましょう。
- 必要書類の抜けに注意:井原市は系統連系の接続契約が分かる書類の提出が必須です。屋根や機器の型番が分かる写真など、市ごとに指定が細かいため、着工前に必要書類の一覧を業者と共有しておきましょう。
太陽光発電導入のメリット・デメリット

メリット
- 電気代の削減:自宅で使った分は電力会社から買わずに済みます。5kWの試算では、5〜10年目でも年10万円前後の購入電気を減らせる計算です。
- 売電収入:FITで10年間、余った電気を決まった単価で買い取ってもらえます。2026年度は初期4年が24円/kWhです。
- 災害時の非常用電源:停電したときはパワコンを自立運転モードに切り替えると、日中の発電分を家庭内で使えます。蓄電池を併設すれば夜間もしのげます。
- 晴天日の多さ:岡山県の年間日照時間は2,033.7時間で全国平均を上回り、雨の日も少ないため、発電できる日数を確保しやすい環境です。
デメリット・注意点
- 初期費用:既築5kWで約151万円が目安です(経産省2025年統計)。岡山県内の市の補助は上限8万〜15万円で、費用の一部をまかなう水準にとどまります。
- 積雪による発電量低下:津山市・新見市など県北部では、冬季にパネルへ雪が積もると発電量が一時的に下がります。
- メンテナンス:パワコンには製品寿命があり、システムを使い続ける間に一度は交換が必要になります。パネルも経年で発電効率が少しずつ下がるため、交換・点検の費用は導入時から見込んでおきましょう。
- 売電単価の低下:2026年度のFIT単価は5年目以降8.3円/kWhまで下がります。10年で卒FITを迎えた後は、自家消費へ切り替える前提で考えます。
よくある質問(FAQ)

岡山県で使える国の補助はある?太陽光だけではもらえないの?
太陽光発電システム単体に対する国の補助は2014年に終わっており、現在はありません。使えるのは「みらいエコ住宅2026事業」のように、太陽光を要件のひとつに含む住宅単位の制度です。岡山県は全域が温暖地区分のため、GX志向型住宅なら1戸110万円が上限の基準になります。
岡山県には太陽光の補助はある?
岡山県として個人住宅向けの太陽光発電・蓄電池への直接補助金はありません。県公式ページにも「県から設置される方への補助金の交付は行っておりません」と明記されています。実際の補助金は岡山市・倉敷市・津山市・井原市・新見市など、市町村ごとに設けられています。
市によって補助額はどれくらい違う?
同じ岡山県内でも市によって大きく異なります。太陽光5kWを既存住宅に設置する場合、市補助だけで比べると岡山市・井原市は上限15万円・12万円が目安です。一方で笠岡市・備前市のように太陽光本体が補助対象外の市もあり、その場合は国の制度と蓄電池側の補助が中心になります。お住まいの市の制度は必ず確認しましょう。
太陽光単体でも補助は使える?蓄電池がないと対象外になる?
岡山市・倉敷市・津山市・井原市・新見市は太陽光単体でも申請できます(岡山市の蓄電池側の補助だけは太陽光との紐付けが必須です)。一方で笠岡市・備前市は太陽光そのものが補助対象外で、蓄電池だけが対象になります。総社市は太陽光を含む複数の設備をセットで導入することが条件です。お住まいの市がどちらのタイプかを最初に確認しましょう。
申請は工事の前?後?
市によって違うので注意が必要です。玉野市・備前市は着工前・契約前の事前申込が必須です。一方、岡山市・倉敷市・津山市・井原市・新見市は設置後の事後申請が基本で、いずれも申請の期限が決まっています。順番や期限を外すと補助が受けられなくなるので、契約前に業者と申請スケジュールを詰めておきましょう。
新築で建てる場合も市の補助は使える?
岡山市・倉敷市は新築工事に併せた設置が対象外で、既築住宅への設置が前提になっています。新築で太陽光を入れるなら、国のみらいエコ住宅2026事業(GX志向型住宅など)が主な選択肢です。他市の扱いは要綱ごとに異なるため、着工前に窓口でご確認ください。
中古住宅を買って太陽光を載せる場合は対象?
既存住宅への後付けは補助の対象になり、工事の発注者が申請します。ただし岡山市には、同じ住宅で過去に同種の機器の補助を受けている場合は対象外という条件があります。中古住宅では前の所有者が使っている可能性もあるため、購入前に市へ確認しておくと安心です。
賃貸住宅に住んでいても岡山県内の補助は使える?
入居者自身は申請できません。オーナーが工事の発注者として申請する形になります。集合住宅は屋根の面積や建物構造の制約もあるため、事前に業者と設置可否から相談しましょう。
補助金はいつもらえる?
工事が終わってから完了報告と審査を経て交付されます。交付までの期間は市や申請の時期によって変わりますが、数か月かかることが多いです。岡山市のように申請の受付期間が年度で区切られている市もあるため、契約時に業者へ入金時期の目安を聞いておきましょう。
まとめ|岡山県は市町村の補助を活用してお得に導入できる
岡山県で太陽光発電を導入する場合、県独自の直接補助はないものの、岡山市・倉敷市・津山市・井原市・新見市など複数の市が太陽光単体で使える補助を用意しています。一方で笠岡市・備前市のように太陽光本体は対象外で蓄電池のみ補助がある市、総社市のように複数設備のセット導入が条件の市、赤磐市のように市の分譲宅地の購入者に限って加算が出る市もあり、住んでいる市によって使える制度がまったく異なります。
岡山県は降水量1mm未満の日が年間およそ277日と全国で最も多く、雨や雪で発電が止まる日が少ない地域です。瀬戸内式気候で台風・大雪の影響を受けにくいことも、長期間安定して稼働しやすい理由になります。県北部の津山市・新見市周辺は冬季の積雪対策が要るものの、両市とも太陽光の補助を実施しています。2026年度のFIT単価は初期4年24円/kWh・5〜10年目8.3円/kWhの二段階で、中国電力エナジアで買う電気は36円台です。5年目からは売るより自宅で使うほうが得になります。
補助金はどれも予算上限・先着順で、玉野市の太陽光補助や備前市の補助のように既に受付を終了している制度も出ています。岡山県内は市ごとに金額も要件も申請の順番も違うため、お住まいの市の要綱を確認したうえで複数社の見積もりを比べるのが近道です。市の補助と国のセット型(みらいエコ住宅2026)のどちらを軸にするかで、実質負担は数十万円単位で変わります。
監修:えねこ編集部
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