【2026年(令和8年)】群馬県の太陽光発電補助金はいくら?金額・条件・申請方法を解説

最終確認日:2026年8月19日
※国の制度=住宅省エネ2026キャンペーン公式に準拠/群馬県・市区町村の独自補助は各公式で確認
この記事の要約
群馬県は年間の日照時間が全国でも上位で、冬場は「からっ風」と呼ばれる乾いた季節風の影響で晴天が続きやすく、太陽光発電と相性の良い地域です。群馬県は家庭向けに太陽光発電・蓄電池の独自補助金を実施していますが、令和8年度分の交付申請受付は抽選方式で既に終了しています。一方、前橋市・高崎市・太田市・伊勢崎市・安中市など県内の主要市では独自の補助が実施されており、住んでいる市によって申請条件や実質負担が大きく変わります。この記事では、国のセット型支援と群馬県・市区町村の補助状況、費用シミュレーション、申請の流れまでをまとめて解説します。
群馬県でもらえる太陽光発電の補助金はいくら?【結論】
群馬県で太陽光発電を導入する場合、補助金は「国+群馬県+市区町村」の3層で考えます。この3層で群馬県を見ると、次のようになります。
| 区分 | 補助の目安 | 出典 |
| 国(みらいエコ住宅2026等) | 太陽光単体の補助はなし。GX志向型住宅で最大110万円/戸(寒冷地は125万円/戸)などのセット型 | 住宅省エネ2026キャンペーン【公式】 |
| 群馬県(独自補助) | 太陽光:7万円/世帯(一律、FIT・FIP不参加かつ自家消費30%以上が条件)。蓄電池:補助対象経費の3分の1。※令和8年度分は抽選方式で申請受付を終了(6月29日〜7月20日、抽選結果は7月31日公表) | 【交付申請受付を終了しました】令和8年度の個人住宅・事業者向け再エネ導入支援補助制度について – 群馬県ホームページ(グリーンイノベーション推進課) |
| 市区町村(独自補助) | 市により異なる。前橋市は定額30,000円、高崎市は1kWあたり8,000円(上限40,000円、FIT必須)、太田市はデジタル金券で5万円相当〜、伊勢崎市は上限5万円相当(ISECAポイント)、安中市は1kWあたり10,000円(上限50,000円)など | 各市公式(後述) |
太陽光単体でも、蓄電池を同時に導入すれば市区町村の補助額が上乗せされる自治体が複数あります。前橋市は太陽光30,000円に加え蓄電池で最大50,000円、安中市は居住誘導区域内であれば太陽光・蓄電池ともに補助額が加算され実質2倍になります。太陽光単体で申請するか、蓄電池とセットで申請するかで実質負担が変わるため、後述の市区町村ごとの条件を確認しておきましょう。
群馬県は日照時間の多さで知られる地域で、県内には太陽光発電の独自補助を実施する市が複数あります。まずは国の位置づけから見ていきます。
国の制度:太陽光発電に直接補助はある?【全国共通】
太陽光発電の補助金を国レベルで探すと、まず知っておきたい前提があります。それは、住宅用太陽光発電への単体の国補助は現在ないということです。かつて実施されていた住宅用太陽光発電導入支援補助金は2014年(平成25年度)で終了しています。
ただし、太陽光発電を含む省エネ住宅・脱炭素設備をセットで導入する場合は、国が支援する制度がいくつかあります。太陽光発電の設置費用を直接下げる制度ではなく、太陽光を含む住宅要件を満たすと補助が出る、太陽光と一緒に蓄電池を入れると蓄電池側で補助が出るといった形です。順に見ていきます。
みらいエコ住宅2026事業(住宅省エネキャンペーン)
みらいエコ住宅2026事業は、国土交通省・環境省・経済産業省の3省連携で実施される「住宅省エネ2026キャンペーン」の柱です。省エネ性能の高い新築住宅の購入や既存住宅の省エネリフォームを対象に、住宅単位で補助金が支給されます。太陽光は「GX志向型住宅」の要件のひとつになっており、住宅全体で高い省エネ性能を満たすことで補助を受けられます。
新築住宅の主な補助上限額は次のとおりです。
- GX志向型住宅:1戸あたり110万円(温暖地5〜8地域)/125万円(寒冷地1〜4地域)※全世帯が対象
- 長期優良住宅:1戸あたり75万円(温暖地)/80万円(寒冷地)※若者夫婦世帯・子育て世帯限定
- ZEH水準住宅:1戸あたり35万円(温暖地)/40万円(寒冷地)※若者夫婦世帯・子育て世帯限定
群馬県内は平野部と山間部で地域区分が異なる場合があるため、温暖地・寒冷地どちらの上限額が適用されるかは、国土交通省が定める地域区分表で所在地を確認しましょう。太陽光を新築とセットで入れる家庭は、この住宅認定を狙う価値があります。
出典:みらいエコ住宅2026事業【公式】 / 住宅省エネ2026キャンペーン【公式】
では、太陽光と組み合わせて使える別の国支援も見ていきます。
DR家庭用蓄電池事業(令和7年度補正・SII)
DR家庭用蓄電池事業は、経済産業省の予算でSII(一般社団法人 環境共創イニシアチブ)が運営する、家庭用蓄電池への補助制度です。太陽光と組み合わせた自家消費・DR(需要側の電力調整)に活用できる蓄電池を対象に、1申請あたり最大60万円が補助されます(出典:令和7年度補正 DR家庭用蓄電池事業【公式】)。
ただし、令和7年度補正は2026年5月29日に交付申請額が予算に達したため、公募は既に終了しています(公式に「公募の再開を行う予定はありません」と明記)。令和8年度補正での再開があるかは、経産省・SII公式で最新情報の確認が必要です。太陽光と蓄電池を同時に検討している家庭は、次年度事業の情報が出た段階で早めに動きましょう。
FIT・FIP制度と自家消費への移行
太陽光発電で発電した電気は、FIT(固定価格買取制度)またはFIP制度で電力会社に売電できます。住宅用(10kW未満)はFITが基本で、期間は10年間です。
2026年度から住宅用10kW未満のFIT買取単価には初期投資支援スキームが導入され、次のような二段階の単価になります(出典:FIT・FIP制度|なっとく!再生可能エネルギー)。
- 導入から1〜4年目:24円/kWh
- 5〜10年目:8.3円/kWh
初期の4年間は買取単価を高めに設定し、投資回収を早めるのが狙いです。5年目以降は市場価格に近い水準まで下がるため、この時点から自家消費に切り替える設計が経済的に有利になります。
群馬県で太陽光を検討する場合、この売電単価の設計に加えて、後述する群馬県の独自補助がFIT・FIPに参加しないことを条件にしている点も判断材料になります。自家消費を軸にするか売電を軸にするかは、後半の「FIT売電 vs 自家消費」で詳しく見ていきます。
税制優遇(住宅ローン減税・固定資産税減額)
太陽光発電への直接の税優遇ではありませんが、太陽光を要件に含む認定住宅(長期優良住宅・低炭素住宅・ZEH水準)では、住宅ローン減税の借入限度額が引き上げられ、新築住宅の固定資産税減額の期間が延長されます(出典:住宅:住宅ローン減税 – 国土交通)。新築で太陽光を検討する場合、住宅認定と組み合わせて総合的な負担軽減を計算するのが得策です。
国と自治体の補助金は併用できる?
国のみらいエコ住宅2026事業は、都道府県・市区町村の独自補助と原則併用できます。ただし群馬県の独自補助(太陽光発電設備等導入支援事業費補助金・住宅用蓄電池導入支援事業費補助金)は環境省の交付金を財源としているため、同一の設備に対して国の補助金と併用することはできません(出典:【交付申請受付を終了しました】令和8年度の個人住宅・事業者向け再エネ導入支援補助制度について – 群馬県ホームページ(グリーンイノベーション推進課))。市区町村の補助については、その財源が国の交付金かどうかで扱いが変わるため、複数の補助を重ねたい場合は契約前に必ず各要綱をご確認ください。
出典:住宅省エネ2026キャンペーン【公式】 / みらいエコ住宅2026事業【公式 / 令和7年度補正 DR家庭用蓄電池事業【公式】
群馬県・市区町村の独自補助金
群馬県は、家庭の太陽光発電に対する独自補助を実施している自治体です。ただし県の補助は申請期間が短く抽選方式のため、実際にどれだけ活用できるかは市区町村の補助と合わせて確認する必要があります。
群馬県の独自補助
群馬県の「太陽光発電設備等導入支援事業費補助金」は、既存住宅への太陽光発電、または太陽光発電と蓄電池の同時導入を対象にした補助制度です。個人が導入する場合の主な条件と補助額は次のとおりです。
- 対象設備の共通条件:再エネ特措法に基づくFIT制度・FIP制度による売電を行わないこと。
- 太陽光発電の条件:発電出力1kW以上10kW未満で、発電される電力の30%以上を敷地内の住宅で自家消費すること。
- 補助額:太陽光発電=7万円/世帯(一律)、蓄電池=補助対象経費の3分の1。
- 交付申請受付期間:令和8年6月29日9時〜7月20日17時。書類不備がない申請をすべて抽選対象とし、予算の範囲内で当選者を決定する方式です(先着順ではありません)。
- 令和8年度は個人からの申請が217件(予算枠は130件程度)に達し、令和8年7月31日に抽選結果が公表されています。
群馬県はもう一つ、既に太陽光発電を導入済みの住宅を対象にした「住宅用蓄電池導入支援事業費補助金」も実施しています。こちらは令和8年4月29日以前に太陽光発電を系統連系開始した住宅が対象で、補助額は補助対象経費の3分の1と蓄電容量×14.1万円/kWh×3分の1のいずれか低い額です。交付申請受付期間は太陽光と同じ令和8年6月29日〜7月20日で、申請件数348件(予算枠は400件程度)に対し、同じく7月31日に抽選結果が公表されています。
いずれの補助金も令和8年度分は交付申請の受付を既に終了しています。この記事を読んでいる時点で今すぐ申請できるわけではない点にご注意ください。例年6月下旬から7月中旬にかけて短期間・抽選方式で実施される制度で、次年度の実施有無・詳細は例年6月頃に群馬県公式ページで公表される見込みです。
出典:【交付申請受付を終了しました】令和8年度の個人住宅・事業者向け再エネ導入支援補助制度について – 群馬県ホームページ(グリーンイノベーション推進課)
主要市区町村の補助額一覧(令和8年度の実施状況)
群馬県内の市でも、県とは別に独自の補助を設けているところが複数あります。太陽光発電は屋根の面積・向き・築年数が要る戸建て向けの設備のため、戸建てが多い市ほど活用しやすく、補助の有無や金額も市ごとに異なります。人口の多い主要市を個別に確認した結果、次の5市で太陽光発電単体への補助を実施しています。
| 市 | 太陽光発電の補助 | 補足条件 | 出典 |
| 前橋市 | 定額30,000円/出典:前橋市公式 | 制度名は「家庭用ゼロカーボン推進補助事業」。FIT(固定価格買取制度)の適用有無は不問で、出力1kW以上10kW未満が対象です。設置後の事後申請で、受付は令和8年6月1日〜令和9年3月20日(先着順)。設置業者は市内事業者に限られます | 【受付中】令和8年度前橋市家庭用ゼロカーボン推進補助事業/前橋市 |
| 高崎市 | 1kWあたり8,000円、上限40,000円/出典:高崎市公式 | 制度名は「住宅用太陽光発電システム導入補助制度」。FIT認定(再生可能エネルギー発電事業計画の認定)と余剰買取契約が必須で、群馬県の補助(自家消費が条件)とは逆の要件です。系統連系後3か月以内の事後申請で、受付は令和8年7月1日〜令和9年3月31日(予算900万円・先着順) | 令和8年度住宅用太陽光発電システム導入補助制度 – 高崎市公式ホームページ(環境政策課) |
| 太田市 | 2kW以上7kW未満は5万円相当、7kW以上は7万円相当(太田市デジタル金券)/出典:太田市公式 | 制度名は「住宅用再エネ機器導入報奨金」。現金でなく市のデジタル金券「OTACO」で支給されます。事後申請で、受付は令和8年4月1日〜令和9年3月31日。既存の太陽光があれば蓄電池単体(一律5万円相当)でも申請できます | 令和8年度住宅用再エネ機器導入報奨金の申請を受け付けています – 太田市ホームページ(脱炭素推進室) |
| 伊勢崎市 | 導入経費の実費、上限50,000円/出典:伊勢崎市公式 | 制度名は「家庭用脱炭素化設備導入補助金」。現金でなく「ISECAポイント」で交付されます。事業完了後90日以内の事後申請で、令和8年度予算は2,500万円(先着順) | 家庭用脱炭素化設備導入補助金 – 伊勢崎市 |
| 安中市 | 1kWあたり10,000円、上限50,000円/出典:安中市公式 | 制度名は「住宅用再生可能エネルギーシステム設置補助金」。居住誘導区域内の住宅に設置すると同額が加算され、実質2倍になります。支払完了後90日以内の事後申請で、受付は令和8年4月1日〜令和9年3月31日(先着順) | 住宅用再生可能エネルギーシステム設置補助金 – 安中市 |
詳しくは各自治体のホームページをご確認ください。上記以外の主要市では、次のような状況です。
- 桐生市:太陽光発電単体の補助制度はなく、家庭向けは蓄電池のみが対象です。蓄電池は1kWhあたり1万円(上限5万円)で、地域通貨「桐ペイポイント」により交付されます。令和8年度は7月8日に予算の上限へ到達し、受付を終了しています(出典:蓄電池設備設置補助(令和8年度環境都市推進補助金) – 桐生市)。
- 渋川市:太陽光発電単体は補助対象外で、定置用リチウムイオン蓄電池またはV2Hと同時に設置し、常時接続することが条件です。条件を満たせば太陽光30,000円・蓄電池50,000円・V2H100,000円(いずれも一律定額)の補助を受けられます。申請は窓口のみで、郵送は受け付けていません(出典:渋川市住宅用温暖化対策設備等導入補助金 | 渋川市公式ホームページ)。
- 館林市:住宅用太陽光発電システム設置補助金は平成29年度をもって廃止されています。現行の「脱炭素ライフスタイル推進補助金」は、太陽光と同時設置・常時接続する蓄電池(1kWhあたり1万円・上限5万円)やV2H(定額5万円)等のみが対象です。補助金は現金でなく「ぽんちゃんPay」で交付されます(出典:蓄電池等の購入に補助金を交付します|館林市)。
- 藤岡市:太陽光発電単体は補助対象外で、リチウムイオン蓄電池との同時設置が要綱上の条件です。同時設置なら太陽光は1kWあたり2万円(上限8万円)、蓄電池は1kWhあたり2万円(上限10万円)を受けられます。蓄電池のみの設置は単体でも対象(1kWhあたり1万円・上限5万円)です。工事着手前の事前申請が必須です(出典:令和8年度住宅用再生可能エネルギー設備等設置費補助金について/藤岡市)。
市の制度は更新されやすく、年度途中で予算が追加されたり、逆に早期に受付終了したりする場合があります。お住まいの市の公式ページで最新の対象設備・金額・申請期限を確認するのが確実です。
国・群馬県・市区町村は併用できる?
国のみらいエコ住宅2026事業は、県・市区町村の独自補助と原則併用できます。一方で群馬県の補助は、環境省の交付金を財源とする国の補助事業とは併用できません。
市区町村の補助との組み合わせで特に注意したいのは、高崎市のケースです。高崎市の補助はFIT認定と余剰買取契約を必須条件としていますが、群馬県の補助はFIT・FIPに参加しないことを必須条件としています。同じ太陽光発電設備でこの2つの要件を同時に満たすことはできないため、高崎市で市の補助を受ける場合、群馬県の補助は対象外になると考えられます。前橋市のようにFITの適用有無を問わない市であれば、自家消費で申請することで群馬県の要件とは矛盾しませんが、市の要綱に県補助との併用可否そのものの明記はなく、契約前に窓口で確認しておきましょう。
群馬県の日照時間・気候と太陽光発電の相性
群馬県は関東平野の北西端に位置し、内陸性の気候が特徴です。前橋地方気象台で観測された年間日照時間の平年値(1991〜2020年)は2,153.7時間で、関東の中でも高い水準にあります(出典:気象庁|過去の気象データ検索)。冬は「からっ風」と呼ばれる乾いた北西の季節風が吹き、晴天が続きやすい気候として知られています。
平地部にあたる前橋の年間降雪の深さ合計の平年値は19cm、最深積雪の平年値は26.1cmとごくわずかで、太陽光パネルへの積雪の影響は限定的です。一方、北部の山間部は事情が異なります。みなかみ町の最深積雪の平年値は155cm、草津町は99cmに達し、平地部とは全く違う気候です。みなかみ・草津などの山間部で太陽光発電を検討する場合は、積雪に強い設置角度や融雪対策を施工業者と相談しましょう。
電力供給は、東京電力エナジーパートナーの供給区域に含まれます。従量電灯Bの電力量料金の単価は、第1段階(120kWhまで)29.80円、第2段階(120〜300kWh)36.40円、第3段階(300kWh超)40.49円(いずれも税込、2024年4月1日改定、2026年時点で継続適用)です。(出典:従量電灯B・C|電気料金プラン|東京電力エナジーパートナー株式会社)電気代が高止まりする局面では、自家消費比率を上げる太陽光の効果が家計に直結します。
群馬県は一戸建ての割合が73.5%(589,200戸)、持ち家住宅率は71.1%(570,200戸)です(令和5年住宅・土地統計調査、出典:群馬県|令和5年住宅・土地統計調査)。戸建て住宅の割合が高く、屋根面積を確保しやすい家庭が多い地域です。
太陽光との組み合わせが特に効くケース
- オール電化住宅:昼間の電気を自家消費で賄えるため、電気代削減の効果が大きくなります
- EV・PHEVを保有:昼間充電で走行コストを下げられます(V2Hを併設すれば災害時にも活用できます)
- 在宅時間が長い:在宅ワーク・共働きでない世帯は自家消費比率を上げやすくなります
- 前橋市・高崎市・太田市など平野部:積雪の影響が少なく、年間を通じて安定した発電量を見込めます
太陽光発電の容量・パネル選びのポイント(群馬県事情)
太陽光を活かすには、屋根に合った容量と、家庭に合った機種を選ぶことが大切です。
- 容量の目安:3〜4人世帯なら4〜5kW前後、屋根面積が広ければ6〜7kW以上も選択肢に入ります。
- パネル種別:現在の主流は単結晶シリコンです。屋根の形状や日射条件に応じて、変換効率・保証期間・価格のバランスで選びます。
- 積雪地域での留意点:みなかみ町・片品村・草津町など北部の山間部では、積雪でパネルが覆われると発電量が落ちます。積雪が滑り落ちやすい設置角度や、耐雪性能を確認した施工が重要です。
- 平野部での留意点:前橋市・高崎市・太田市・伊勢崎市など積雪の少ない地域では、日照時間の長さを活かせる方位・角度の設計を優先しましょう。
- 保証・メーカー:出力保証(25年前後)・製品保証(10〜15年)・自然災害補償の内容を比較しましょう。
- 屋根の適合性:築年数が古い屋根は葺き替え・補強が必要になる場合があります。施工前の屋根診断が重要です。
蓄電池・V2H・HEMSとのセット導入で補助はどう変わる?
太陽光と組み合わせる蓄電池・V2H・HEMSには、それぞれ補助制度があります。
群馬県の住宅用蓄電池導入支援事業費補助金は、既に太陽光を導入済みの住宅への蓄電池追加を対象にした制度です(補助対象経費の3分の1等)。ただし令和8年度分は太陽光の補助と同時期に受付を終了しているため、これから検討する場合は次年度以降の実施を県公式ページで確認しましょう。
市区町村ではむしろ、蓄電池とのセット導入を主軸にした制度が目立ちます。渋川市・藤岡市・館林市は太陽光単体では補助が出ず、蓄電池やV2Hと同時に導入することで補助対象になります。一方、前橋市のように蓄電池を単体でも申請できる市もあり、太陽光を先に導入した家庭が後から蓄電池を追加する場合の選択肢になります。
交付方法にも地域差があります。伊勢崎市は「ISECAポイント」、桐生市は「桐ペイポイント」、館林市は「ぽんちゃんPay」という地域のプリペイド・ポイント型の仕組みで補助金を交付します。これらの市では、補助金が現金振込ではなく地域のポイント・電子マネーとして受け取る形になる点を理解しておきましょう。
V2H(EVと家庭の電気を相互に融通する設備)は、渋川市・館林市など複数の市が補助対象に含めています。太陽光導入時にEVの保有・購入予定がある場合は、お住まいの市の要綱を確認しましょう。HEMS(エネルギー使用量を可視化・制御するシステム)は、国のみらいエコ住宅事業ではGX志向型住宅の要件の一部になっています。
国のDR家庭用蓄電池事業は令和7年度補正が受付終了のため、令和8年度動向を注視しましょう。卒FIT後(10年経過後)は売電単価が大きく下がるため、蓄電池で余剰電力を貯めて自家消費に回す構成が経済的に有利になります。
FIT売電 vs 自家消費:群馬県ならどちらが得?
住宅用太陽光(10kW未満)のFIT買取期間は10年間で、2026年度からは初期4年間24円/kWh・5〜10年目8.3円/kWhの二段階単価になります(出典:FIT・FIP制度|なっとく!再生可能エネルギー)。
群馬県で太陽光を検討する場合、この売電単価の話に加えて、補助金の設計自体がFITか自家消費かを左右する点に注意が必要です。群馬県の独自補助(太陽光7万円/世帯)はFIT・FIPに参加しないことが必須条件で、自家消費30%以上を求めています。高崎市の補助はこれと反対に、FIT認定と余剰買取契約が必須です。どちらの補助を軸にするかで、太陽光の使い方の方針そのものが変わってきます。
- 自家消費を軸にする場合:群馬県の補助(次年度以降の実施が前提)や、前橋市・太田市・伊勢崎市・安中市など、FITの有無を問わない、または自家消費を前提にした市の補助と組み合わせやすくなります。
- 売電を軸にする場合:高崎市のようにFIT認定を条件にした市の補助が候補になります。10年間の売電収入で初期費用を回収し、卒FIT後に自家消費へ切り替える設計です。
5kWシステムでの年間試算(目安)
年間発電量を5kW×1,100kWh/kW=5,500kWhと仮定した場合(群馬県の日照条件を踏まえた目安値、購入電気単価は税込30円/kWh想定。あくまで概算試算・個別条件で変動します)、次のような傾向になります。
- 1〜4年目(高単価売電期):発電量の7割を売電(3,850kWh)とすると、3,850×24円=約9.2万円/年の売電収入。自家消費分(1,650kWh)で購入電気を約5.0万円/年削減。合計メリット約14.2万円/年になります。
- 5〜10年目(低単価売電期):売電単価が8.3円/kWhに下がるため、自家消費比率を上げる方針に切り替えます。自家消費比率を5割まで上げると、売電(2,750kWh×8.3円=約2.3万円)+購入電気削減(2,750kWh×30円=約8.3万円)=合計メリット約10.6万円/年です。
- 11年目以降(卒FIT):市場価格の売電(8〜10円/kWh前後)または自家消費が中心になります。蓄電池を併設していれば夜間消費にも回せます。
10年間トータルで見ると、初期4年で高単価売電を取り、5年目以降は自家消費比率を高めていく設計が経済合理的です。群馬県の補助を使いたい場合は、この設計自体をFIT非参加・自家消費型に切り替える必要がある点を踏まえて検討しましょう。
群馬県の導入費用と補助後シミュレーション
太陽光発電の導入費用は、2025年設置分・住宅用(10kW未満)の全国平均で29.0万円/kW(既築30.1万円/kW、新築28.9万円/kW)です(出典:令和7年度以降の調達価格等に関する意見(案)|第102回 調達価格等算定委員会)。5kW導入の場合、平均で約145万円(新築)〜約151万円(既築)が目安です。実勢価格は施工店・機種で変動するため、最終的な見積もりは複数社の相見積で確認しましょう。蓄電池は容量や機種で価格差が大きく、ここでは目安として100万円前後を想定します。ここに市区町村の補助を充てると、実質負担は次のように下がります。
| ケース | 導入費用 | 市補助 | 実質負担 |
| 太田市(太陽光5kW単体) | 約151万円 | デジタル金券(OTACO)5万円相当 | 約146万円相当 |
| 高崎市(FIT太陽光5kW単体) | 約151万円 | 8,000円×5kW=4万円 | 約147万円 |
| 前橋市(太陽光5kW+蓄電池5kWh) | 太陽光151万円+蓄電池100万円=251万円 | 太陽光3万円+蓄電池5万円(上限)=8万円 | 約243万円 |
| 伊勢崎市(太陽光5kW+蓄電池5kWh) | 太陽光151万円+蓄電池100万円=251万円 | 太陽光5万円+蓄電池5万円(ISECAポイント上限)=10万円 | 約241万円相当 |
| 安中市・居住誘導区域内(太陽光5kW+蓄電池5kWh) | 太陽光151万円+蓄電池100万円=251万円 | 太陽光10万円(加算後)+蓄電池10万円(加算後)=20万円 | 約231万円 |
| 渋川市(太陽光3kW+蓄電池セット) | 太陽光約90万円+蓄電池100万円=190万円 | 太陽光3万円+蓄電池5万円=8万円 | 約182万円 |
※安中市が居住誘導区域外の場合は加算がないため、実質約241万円(太陽光5万円+蓄電池5万円の合計10万円分の補助)になります。
補助の有無・金額で、同じ容量でも実質負担が数十万円単位で変わるケースがあります。なお、群馬県の太陽光発電設備等導入支援事業費補助金(個人7万円/世帯)は令和8年度分の受付を終了しているため、上記のシミュレーションには含めていません。次年度以降に同様の制度が実施される場合は、市区町村の補助に加えてさらに上乗せできる可能性があります。お住まいの市の制度は必ず確認しましょう。正確な金額は、機種・設置条件・申請時の予算状況・各自治体の補助額で変わります。最終的な見積もりは施工業者に依頼し、補助を含めたシミュレーションを出してもらいましょう。
太陽光発電補助金の申請から受給までの流れ
- 業者・機種選び:国のみらいエコ住宅、市区町村の補助のいずれにも対応できる業者を選びます。
- 補助金の交付申請:藤岡市のように契約前・着工前の事前申請が必須な市もあれば、前橋市・高崎市・太田市・伊勢崎市・安中市のように設置後の事後申請の市もあります。群馬県の補助は毎年6月下旬〜7月中旬の抽選方式で、契約前に受付期間を確認しておく必要があります。
- 設置工事:交付決定後(事前申請制の場合)に着工します。パネル設置・パワコン設置・系統連系工事を行います。
- 完了報告・受給:工事完了後、完了報告書と証拠書類(写真・領収書等)を提出し、審査を経て補助金が交付されます。伊勢崎市・桐生市・館林市は現金でなく地域のポイント・電子マネーでの交付です。
FIT売電を行う場合は、これと並行してFIT設備認定(経産省への申請)と電力会社との売電契約の手続きが必要です。
申請で失敗しないための注意点
- 申請の順番を間違えない:藤岡市(太陽光単体)は着工前・契約前の事前申込が必須です。事後申請の市(前橋市・高崎市・太田市・伊勢崎市・安中市)でも、系統連系日や支払完了日から一定期間内という申請期限があるため、契約前に業者とスケジュールを確認しましょう。
- FIT要件の確認:高崎市の補助はFIT認定が必須で、群馬県の補助はFIT・FIPに参加しないことが必須です。両方を同時に満たすことはできないため、どちらを軸にするか先に決めておきましょう。
- 予算枯渇・抽選による早期終了:群馬県の補助は抽選方式で令和8年度分は既に終了しています。市区町村の補助も先着順が多く、桐生市のように予算到達で早期終了した例もあります。検討を始めたら早めに動くのが安全です。
- 交付方法の確認:伊勢崎市・桐生市・館林市・太田市は現金でなく地域のポイントやデジタル金券での交付です。現金給付を前提に資金計画を立てないよう注意しましょう。
- 必要書類・写真の不備に注意:設置前の屋根の写真、施工中の写真、機器の型番写真など、指定書類が細かく決まっています。
太陽光発電導入のメリット・デメリット
メリット
- 電気代の削減:自家消費で購入電気を減らせます。電気料金が高止まりする局面では効果を実感しやすくなります。
- 売電収入:FITで10年間、余剰電力を固定価格で売電できます。
- 災害時の非常用電源:停電時にパワコンの自立運転モードに切り替えれば、日中の発電分を家庭内で使えます。蓄電池を併設すればさらに安心です。
- 日照時間の多さ:群馬県は日照時間が全国でも多い地域で、冬場も「からっ風」による晴天が続きやすく、発電量を確保しやすい環境です。
デメリット・注意点
- 初期費用:5kWで平均約145万円(新築)〜約151万円(既築)が目安(経産省2025年統計)。補助でカバーできる範囲には限りがあります。
- 積雪地域の対策:みなかみ町・草津町など北部の山間部では積雪への対策が必要です。
- メンテナンス:パワコンの寿命(10〜15年)で交換が必要です。パネルは20〜25年前後で徐々に発電効率が下がります。
- 売電単価の低下:FIT単価は年々下落しており、卒FIT後は自家消費への切り替えが前提となります。
よくある質問(FAQ)
太陽光発電に国からの補助金はもう出ないの?
住宅用太陽光発電システム単体への国補助は2014年で終了しました。ただし、太陽光を要件に含む「みらいエコ住宅2026事業(GX志向型住宅等)」など、間接的に太陽光導入を後押しする国の制度があります。詳細は本文の該当セクションをご確認ください。
群馬県の太陽光補助金はもう申し込めない?
太陽光発電設備等導入支援事業費補助金・住宅用蓄電池導入支援事業費補助金は、令和8年度分の交付申請受付を終了しています(受付期間:令和8年6月29日〜7月20日、抽選結果は7月31日に公表済み)。次年度の実施有無・詳細は、例年6月下旬頃に群馬県公式ページで公表される見込みです。
群馬県の補助金はFIT売電をしていても使える?
使えません。群馬県の太陽光発電設備等導入支援事業費補助金は、FIT(固定価格買取制度)またはFIP制度による売電を行わないことが必須条件です。個人の場合は発電電力の30%以上を自家消費することも求められます。
高崎市の補助金と群馬県の補助金は両方使える?
高崎市の補助金はFIT認定と余剰買取契約が必須条件で、群馬県の補助金はFIT・FIPに参加しないことが条件です。同じ太陽光発電設備で両方の要件を満たすことはできないため、どちらか一方を選ぶことになります。
住んでいる市に太陽光の補助がない場合はどうする?
桐生市・渋川市・館林市・藤岡市のように、太陽光発電単体の補助がない、または蓄電池等との同時設置が条件になっている市があります。この場合も国のみらいエコ住宅2026事業や、蓄電池・V2Hとのセット導入で使える補助が残っていることがあるため、まずはお住まいの自治体の公式ページで最新の制度を確認しましょう。
補助金が現金でなくポイントで交付される市があるって本当?
本当です。伊勢崎市は「ISECAポイント」、桐生市は「桐ペイポイント」、館林市は「ぽんちゃんPay」という地域のプリペイド・ポイント型の仕組みで補助金を交付します。太田市もデジタル金券「OTACO」での支給です。現金振込ではない点を理解して申請しましょう。
北部の山間部(みなかみ町・草津町等)でも太陽光発電は導入できる?
導入は可能ですが、平地部(前橋等)に比べて積雪が非常に多い地域です。気象庁の平年値では、みなかみの最深積雪は155cm、草津は99cmに達し、前橋(26.1cm)とは大きく異なります。積雪に強い設置角度や融雪対策を施工業者と相談しましょう。
賃貸住宅でも太陽光の補助は使える?
賃貸住宅にお住まいの入居者自身は申請できません。ただし、オーナーが既存住宅のリフォームとして太陽光を発注する場合は、工事発注者として対象になります。集合住宅への設置は建物構造上の制約もあるため、事前に業者と検討しましょう。
中古住宅でも対象?
対象です。既存住宅への後付け(リフォーム)で太陽光を設置する場合、工事発注者として市区町村の補助を申請できます。国のみらいエコ住宅2026事業は主に新築向けですが、リフォーム支援の枠もあります。
補助金はいつもらえる?
工事完了後に完了報告・審査を経て交付されます。交付までの期間は制度・業者により異なりますが、数か月かかるのが一般的です。契約時に業者へ目安を確認しましょう。
まとめ|群馬県は自治体の補助を組み合わせてお得に導入できる
群馬県で太陽光発電を導入する場合、県独自の太陽光発電設備等導入支援事業費補助金(7万円/世帯)は抽選方式で令和8年度分の受付を終了していますが、前橋市(定額30,000円)・高崎市(8,000円/kW・上限40,000円)・太田市(デジタル金券5万円相当〜)・伊勢崎市(上限5万円相当)・安中市(1万円/kW・上限5万円)など、市区町村独自の補助は住んでいる市によって条件・金額が大きく異なります。桐生市・渋川市・館林市・藤岡市のように太陽光単体では補助が出ない、または蓄電池等との同時設置が条件になっている市もあるため、お住まいの市の制度は必ず確認しましょう。
群馬県は年間日照時間が全国でも多く、冬場の「からっ風」で晴天が続きやすい、太陽光発電と相性の良い地域です。一戸建て住宅の割合も高く、屋根面積を確保しやすい家庭が多い一方、みなかみ町・草津町など北部の山間部は積雪対策が欠かせません。FIT買取単価は2026年度から初期4年24円/kWh・5〜10年目8.3円/kWhの二段階になり、高崎市のようにFIT認定を条件にした補助を使うか、群馬県や自家消費前提の市の補助を使うかで、太陽光の使い方の方針自体が変わってきます。
補助金はどれも予算上限・抽選・先着順で、群馬県の太陽光補助のように短期間で受付が終了する制度も既に出ています。検討を始めたら早めに登録業者へ相談し、複数の見積もりを比べるのが近道です。市区町村の補助をどう組み合わせるかで、実質負担は数十万円単位で変わります。
監修:えねこ編集部
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