【2026年(令和8年)】埼玉県の太陽光発電補助金はいくら?金額・条件・申請方法を解説

補助金

最終確認日:2026年8月22日

※国の制度=住宅省エネ2026キャンペーン公式に準拠/埼玉県・市区町村の独自補助は各公式で確認

この記事の要約 

埼玉県は年間の日照時間が全国でも上位で、太陽光発電と相性の良い地域です。埼玉県は家庭向けに太陽光発電・蓄電池の独自補助を実施していますが、太陽光発電単体(蓄電池の同時設置が条件)の補助は令和8年度分の予算に達し、受付を終了しています。一方、蓄電池単体の補助は継続中です。加えて、川口市・川越市・越谷市・春日部市など県内の主要市では独自の補助が実施されており、住んでいる市によって実質負担が大きく変わります。この記事では、国のセット型支援と埼玉県・市区町村の補助状況、費用シミュレーション、申請の流れまでをまとめて解説します。

埼玉県でもらえる太陽光発電の補助金はいくら?【結論】

埼玉県で太陽光発電を導入する場合、補助金は「国+埼玉県+市区町村」の3層で考えます。この3層で埼玉県を見ると、次のようになります。

区分補助の目安出典
国(みらいエコ住宅2026等)太陽光単体の補助はなし。GX志向型住宅で最大110万円/戸などのセット型住宅省エネ2026キャンペーン
埼玉県(独自補助)太陽光発電:7万円/kW(上限35万円、蓄電池同時設置が条件)※令和8年度分は予算到達により受付終了(確認日時点)/蓄電池:10万円/件(受付中)/エネファーム:5万円/件(受付中)家庭における省エネ・再エネ活用設備導入補助金
市区町村(独自補助)市により異なる。春日部市は太陽光9万円/kW(重点区域・上限45万円)、所沢市は非FIT太陽光10万円/kW(上限50万円)など。さいたま市には市独自の直接補助はなし各市公式(後述)

埼玉県は快晴日数の多さで知られる地域で、県内には太陽光発電の独自補助を実施する市が複数あります。まずは国の位置づけから見ていきます。

国の制度:太陽光発電に直接補助はある?【全国共通】

太陽光発電の補助金を国レベルで探すと、まず知っておきたい前提があります。それは、住宅用太陽光発電への「単体の国補助」は現在ありません。かつて実施されていた住宅用太陽光発電導入支援補助金は2014年(平成25年度)で終了しています。

ただし、太陽光発電を含む省エネ住宅・脱炭素設備をセットで導入する場合は、国が支援する制度がいくつかあります。太陽光発電の設置費用を直接下げる制度ではなく、「太陽光を含む住宅要件を満たすと補助が出る」「太陽光と一緒に蓄電池を入れると蓄電池側で補助が出る」といった形です。順に見ていきます。

みらいエコ住宅2026事業(住宅省エネキャンペーン)

みらいエコ住宅2026事業は、国土交通省・環境省・経済産業省の3省連携で実施される「住宅省エネ2026キャンペーン」の柱です。省エネ性能の高い新築住宅の購入や既存住宅の省エネリフォームを対象に、住宅単位で補助金が支給されます。太陽光は「GX志向型住宅」の要件のひとつになっており、住宅全体で高い省エネ性能を満たすことで補助が受けられます。

新築住宅の主な補助上限額は次のとおりです。

  • GX志向型住宅:1戸あたり110万円(温暖地5〜8地域)/125万円(寒冷地1〜4地域)※全世帯が対象
  • 長期優良住宅:1戸あたり75万円(温暖地)/80万円(寒冷地)※若者夫婦世帯・子育て世帯限定
  • ZEH水準住宅:1戸あたり35万円(温暖地)/40万円(寒冷地)※若者夫婦世帯・子育て世帯限定

埼玉県は全域が温暖地区分に含まれるため、GX志向型住宅なら上限110万円が基準になります。太陽光を新築とセットで入れる家庭は、この住宅認定を狙う価値があります。

出典:みらいエコ住宅2026事業住宅省エネ2026キャンペーン

では、太陽光と組み合わせて使える別の国支援も見ていきます。

DR家庭用蓄電池事業(令和7年度補正・SII)

DR家庭用蓄電池事業は、経済産業省の予算でSII(一般社団法人 環境共創イニシアチブ)が運営する、家庭用蓄電池への補助制度です。太陽光と組み合わせた自家消費・DR(需要側の電力調整)に活用できる蓄電池を対象に、1申請あたり最大60万円が補助されます(出典:令和7年度補正 DR家庭用蓄電池事業)。

ただし、令和7年度補正は2026年5月29日に交付申請額が予算に達したため、公募は既に終了しています(公式に「公募の再開を行う予定はありません」と明記)。令和8年度補正での再開があるかは、経産省・SII公式で最新情報の確認が必要です。太陽光と蓄電池を同時に検討している家庭は、次年度事業の情報が出た段階で早めに動きましょう。

FIT・FIP制度と自家消費への移行

太陽光発電で発電した電気は、FIT(固定価格買取制度)またはFIP制度で電力会社に売電できます。住宅用(10kW未満)はFITが基本で、期間は10年間です。

2026年度から住宅用10kW未満のFIT買取単価には初期投資支援スキームが導入され、次のような二段階の単価になります(出典:FIT・FIP制度|なっとく!再生可能エネルギー)。

  • 導入から1〜4年目:24円/kWh
  • 5〜10年目:8.3円/kWh

初期の4年間は買取単価を高めに設定し、投資回収を早めるのが狙いです。5年目以降は市場価格に近い水準まで下がるため、この時点から自家消費に切り替える設計が経済的に有利になります。

近年は「4年間で高単価売電をしっかり取り、5〜10年目は自家消費比率を高める」「10年経過後(卒FIT)は蓄電池・EV充電で自家消費に完全移行」という3段階の設計が主流です。蓄電池を併設して昼間の余剰電力を貯める、オール電化やV2H(EV連携)で家庭内消費を増やすことで、電気代削減の効果を長く得られます。

税制優遇(住宅ローン減税・固定資産税減額)

太陽光発電への直接の税優遇ではありませんが、太陽光を要件に含む認定住宅(長期優良住宅・低炭素住宅・ZEH水準)では、住宅ローン減税の借入限度額が引き上げられ、新築住宅の固定資産税減額の期間が延長されます(出典:住宅:住宅ローン減税 – 国土交通省)。新築で太陽光を検討する場合、住宅認定と組み合わせて総合的な負担軽減を計算するのが得です。

国と自治体の補助金は併用できる?

国のみらいエコ住宅2026事業は、都道府県・市区町村の独自補助と原則併用できます(自治体により例外あり)。ただし埼玉県の独自補助は、補助対象設備を同じにする国の補助事業、および国庫支出金を財源とする市区町村の補助事業との併用ができないと定められています(出典:家庭における省エネ・再エネ活用設備導入補助金)。市区町村補助の原資が国の交付金かどうかは制度ごとに異なるため、複数の補助を重ねたい場合は契約前に必ずご確認ください。

出典:みらいエコ住宅2026事業 / 住宅省エネ2026キャンペーン / 令和7年度補正 DR家庭用蓄電池事業

埼玉県・市区町村の独自補助金

埼玉県は、家庭の太陽光発電に対する独自補助を実施している自治体です。ただし太陽光単体への補助は予算の状況により受付が終了することがあり、実際にどれだけ活用できるかは市区町村の補助と合わせて確認する必要があります。

埼玉県の独自補助

埼玉県の「令和8年度 家庭における省エネ・再エネ活用設備導入補助金」は、既存住宅への太陽光発電・太陽熱・蓄電池・エネファームの設置を対象にした補助制度です。太陽光発電と対象設備ごとの内容は次のとおりです。

  • 太陽光発電設備:7万円/kW(上限35万円)。蓄電池の同時設置が必須条件で、発電量の30パーセント以上を自家消費することが要件です。令和8年度分は補助金申請額が予算額に達したため、2026年5月27日に受付を終了しています)。
  • 太陽熱利用システム(強制循環型):補助対象経費の3分の2(上限20万円)。太陽光発電と同時期に受付終了しています。
  • 蓄電池:10万円/件。受付は継続中です。
  • エネファーム(家庭用燃料電池):5万円/件。受付は継続中です。

受付期間は令和8年5月18日から令和9年1月29日まで(先着順)で、契約日は令和8年4月1日以降、FIT認定を受けていないことが条件です。太陽光発電そのものの県補助は今回の申請枠では利用できなくなっているため、これから太陽光を検討する場合は市区町村の補助と国の制度を中心に組み立てることになります。令和9年度の枠が新設された場合は、県公式ページで最新情報をご確認ください。

出典:家庭における省エネ・再エネ活用設備導入補助金住宅用太陽光発電総合案内

主要市区町村の補助額一覧(令和8年度の実施状況)

埼玉県内の市でも、県とは別に独自の補助を設けているところが複数あります。太陽光発電は屋根の面積・向き・築年数が要る戸建て向けの設備のため、戸建てが多い市ほど活用しやすく、補助の有無や金額も市ごとに異なります。人口の多い主要市を個別に確認した結果、次の5市で補助を実施しています。

太陽光発電の補助補足条件出典
川口市設置費の1/2、上限16万円(市内業者利用時)/上限8万円(市外業者利用時)。蓄電池も同額の上限で別枠あり/出典:川口市公式制度名は「地球温暖化対策活動支援金」。システムの引渡日が令和8年3月1日以降であることが条件の事後申請(引渡後に申請)。受付は令和8年5月11日から予算到達まで、または令和9年3月15日まで地球温暖化対策活動支援金
川越市太陽光3万円(定額)。蓄電池またはV2Hの同時設置が必須/出典:川越市公式制度名は「住宅用脱炭素化設備等導入奨励金」。蓄電池も別枠で3万円(定額、4kWh以上・太陽光との連系必須)。既存住宅のみが対象(新築は対象外)。前期(令和8年9月1日〜9月24日)・後期(令和9年1月予定)の年2回受付、工事完了後の事後申請令和8年度川越市住宅用脱炭素化設備等導入奨励金(前期)の御案内
所沢市FIT認定ありの太陽光は3万円/kW・上限15万円。非FIT(自家消費のみ)の太陽光は10万円/kW・上限50万円ですが、非FIT太陽光は2026年7月15日時点で予算額に達したため受付終了です。FIT認定ありの太陽光は引き続き受け付けています。制度名は「所沢市スマートハウス化推進補助金」。非FIT太陽光は契約前かつ工事着工前の事前申請、FIT太陽光は設置後の事後申請。三世代同居等の要件を満たすと補助額が最大33%加算令和8年度【家庭用】創エネ・蓄エネ「所沢市スマートハウス化推進補助金」のご案内
越谷市2万円/kW、上限8万円。蓄電池は一律5万円/出典:越谷市公式制度名は「家庭用ゼロカーボン推進補助金」。交付決定を受けてから購入・着手する事前申請制。前期(令和8年5月21日〜6月5日・受付終了)・後期(令和8年10月5日〜10月16日)。予算超過時は抽選【抽選結果掲載】令和8年度越谷市ゼロカーボン推進補助金について【前期受付終了】
春日部市重点区域9万円/kW(上限45万円)/重点区域以外7万円/kW(上限35万円)/出典:春日部市公式制度名は「個人住宅における太陽光発電設備・蓄電池設置補助金」。蓄電池は太陽光(FIT・FIP認定なし)との一体導入が条件で、重点区域4万円/kWh(上限24万円)・重点区域以外4万円/kWh(上限20万円)。着工前の事前申請(市長が定める日から12月28日まで)。リース・PPAは対象外令和8年度春日部市個人住宅における太陽光発電設備・蓄電池設置補助金について

詳しくは各自治体のホームページをご確認ください。上記以外の主要市では、次のような状況です。

  • 上尾市:「再エネ・省エネ対策推進奨励金」として、太陽光1kWあたり2万円(上限9万円)、蓄電池は太陽光パネル設置を条件に一律5万円の補助を実施しています。購入・設置後に申請する制度で、令和9年3月31日までに申請手続きを完了する必要があります。(出典:令和8年度上尾市再エネ・省エネ対策推進奨励金)。
  • 草加市:「地球温暖化防止活動補助金」として、太陽光発電システム(1kW以上10kW未満)に一律5万円、蓄電池にも一律5万円の補助を実施しています。購入・契約前かつ工事着手前までの事前申請が必要で、受付は令和8年4月1日から12月28日まで、予算は1,000万円です(出典:〖申込受付〗令和8年度草加市地球温暖化防止活動補助金)。
  • さいたま市:住宅用太陽光発電・蓄電池への市独自の直接補助制度はなく、今後の実施予定もないと市が明記しています。代わりに、太陽光発電・蓄電池をスケールメリットでお得に購入できる共同購入事業「みんなのおうちに太陽光」を実施しています。新築のZEH住宅には別枠の「省エネ・断熱住宅普及促進補助金」があります(出典:住宅用太陽光発電設備の設置を検討している方・設置している方へ)。

市の制度は更新されやすく、年度途中で予算が追加されたり、逆に早期に受付終了したりする場合があります。お住まいの市の公式ページで最新の対象設備・金額・申請期限を確認するのが確実です。

国・埼玉県・市区町村は併用できる?

国のみらいエコ住宅2026事業は、県・市区町村の独自補助と原則併用できます。一方で埼玉県の補助は、国庫補助を財源とする市区町村の補助事業とは併用できないと定められています。春日部市の補助金交付要綱では、埼玉県の補助を受ける場合はその分を補助対象経費から差し引く扱いが定められており、市によって併用時の計算方法が異なります。県・市・国を組み合わせたい場合は、それぞれの要綱で併用条件を必ずご確認ください。

埼玉県の日照時間・気候と太陽光発電の相性

埼玉県は関東内陸に位置し、夏は高温、冬は乾燥した晴天が続く気候です。県内の熊谷地方気象台で観測された年間日照時間の平年値(1991〜2020年)は2,106.6時間で、全国的にも高い水準にあります(出典:気象庁|過去の気象データ検索)。埼玉県は快晴日数の多さでも知られており、太陽光発電が発電量を確保しやすい地域といえます。

電気料金は東京電力エナジーパートナーの供給エリアで、従量電灯Bの第2段階(120〜300kWh)は税込36円台まで上昇しています。電気代の高止まりが続く局面では、自家消費比率を上げる太陽光の効果が家計に直結します。

埼玉県は総住宅数・総世帯数が全国5位と多く、空き家率は9.3%で全国で最も低い水準です(令和5年住宅・土地統計調査、出典:令和7年度以降の調達価格等に関する意見(案)|第102回 調達価格等算定委員)。都心への通勤圏として戸建て住宅が多いベッドタウンが県内各地に広がっており、屋根を活かした太陽光発電の導入需要が安定している地域です。

熊谷市は2018年7月に国内観測史上最高の41.1度を記録するなど、夏の高温で知られています。夏場の高温はパネルの変換効率をわずかに下げる一方、快晴日数の多さと日照時間の長さが発電量を後押しするため、年間でみれば埼玉県は太陽光発電と相性の良い地域です。

太陽光との組み合わせが特に効くケース

  • オール電化住宅:昼間の電気を自家消費で賄えるため、電気代削減の効果が大きくなります
  • EV・PHEVを保有:昼間充電で走行コストを下げられます(V2Hを併設すれば災害時にも活用できます)
  • 在宅時間が長い:在宅ワーク・共働きでない世帯は自家消費比率を上げやすくなります
  • 熊谷市・行田市など内陸の高温地域:夏の冷房需要が大きく、日中の自家消費メリットが出やすくなります

太陽光発電の容量・パネル選びのポイント(埼玉県事情)

太陽光を活かすには、屋根に合った容量と、家庭に合った機種を選ぶことが大切です。

  • 容量の目安:3〜4人世帯なら4〜5kW前後、屋根面積が広ければ6〜7kW以上も選択肢に入ります。
  • パネル種別:現在の主流は単結晶シリコンです。屋根の形状や日射条件に応じて、変換効率・保証期間・価格のバランスで選びます。
  • 高温地域での留意点:熊谷市・行田市・鴻巣市など夏の高温が続く地域では、パネルの温度特性(高温時の出力低下率)が小さい機種を選ぶと、真夏の発電効率を確保しやすくなります。
  • 保証・メーカー:出力保証(25年前後)・製品保証(10〜15年)・自然災害補償の内容を比較しましょう。
  • 屋根の適合性:築年数が古い屋根は葺き替え・補強が必要になる場合があります。施工前の屋根診断が重要です。

蓄電池・V2H・HEMSとのセット導入で補助はどう変わる?

太陽光と組み合わせる蓄電池・V2H・HEMSには、それぞれ補助制度があります。

  • 蓄電池:埼玉県の補助(10万円/件)は受付中で、太陽光と同時に検討する家庭が使いやすい制度です。春日部市(重点区域4万円/kWh・上限24万円)、越谷市(一律5万円)、川口市(設置費の1/2・上限16万円)など、市によって蓄電池単独の補助額も異なります。
  • V2H:EVと家庭の電気を相互に融通する設備です。市区町村によってはV2Hも補助対象に含めているため、太陽光導入時にEVの保有・購入予定がある場合はお住まいの市の要綱を確認しましょう。
  • HEMS:エネルギー使用量を可視化・制御するシステムです。国のみらいエコ住宅事業ではGX志向型住宅の要件の一部になっています。

国のDR家庭用蓄電池事業は令和7年度補正が受付終了のため、令和8年度動向を要ウォッチです。卒FIT後(10年経過後)は売電単価が大きく下がるため、蓄電池で余剰電力を貯めて自家消費に回す構成が経済的に有利になります。太陽光導入時に蓄電池を同時に入れるか、後付けするかは、電気の使い方と補助枠の状況で判断しましょう。

FIT売電 vs 自家消費:埼玉県ならどちらが得?

住宅用太陽光(10kW未満)のFIT買取期間は10年間で、2026年度からは初期4年間24円/kWh・5〜10年目8.3円/kWhの二段階単価になります(出典:FIT・FIP制度|なっとく!再生可能エネルギー)。一方、家庭の電力量料金は東京電力エナジーパートナー管内で従量電灯Bの第2段階(120〜300kWh)で税込36円台の水準にあり、電力単価は買取単価より家庭の購入電気単価のほうが高いのが実情です。

5kWシステムでの年間試算(目安)

年間発電量を5kW×1,150kWh/kW=5,750kWhと仮定した場合(埼玉県の日照条件を踏まえた目安値、購入電気単価は税込30円/kWh想定。あくまで概算試算・個別条件で変動します)、次のような傾向になります。

  • 1〜4年目(高単価売電期):発電量の7割を売電(4,025kWh)とすると、4,025×24円=約9.7万円/年の売電収入。自家消費分(1,725kWh)で購入電気を約5.2万円/年削減。合計メリット約14.9万円/年になります。
  • 5〜10年目(低単価売電期):売電単価が8.3円/kWhに下がるため、自家消費比率を上げる方針に切り替えます。自家消費比率を5割まで上げると、売電(2,875kWh×8.3円=約2.4万円)+購入電気削減(2,875kWh×30円=約8.6万円)=合計メリット約11.0万円/年です。
  • 11年目以降(卒FIT):市場価格の売電(8〜10円/kWh前後)または自家消費が中心になります。蓄電池を併設していれば夜間消費にも回せます。

10年間トータルで見ると、初期4年で高単価売電を取り、5年目以降は自家消費比率を高めていく設計が経済合理的です。

埼玉県で自家消費が特に効く家庭

埼玉県は電気料金が高止まりする局面で、次のような家庭は自家消費のメリットが出やすくなります。

  • オール電化住宅:昼間の電気を給湯・調理・冷房で回せます
  • EV・PHEVを保有:昼間充電で走行コストを大幅に下げられます
  • 在宅時間が長い:在宅ワーク・シニア世帯は日中の電力消費が多くなります
  • 内陸の高温地域に居住:熊谷市・行田市など夏の冷房需要が大きい地域は日中の自家消費メリットが出やすくなります

一方で、日中不在の共働き世帯や、家族構成が変わる予定のある家庭は、初期4年間の高単価売電で回収し、5年目以降に蓄電池を後付けで検討するのも選択肢です。家族構成・在宅時間・EVの有無で、どちらが得かは変わります。

埼玉県の導入費用と補助後シミュレーション

太陽光発電の導入費用は、2025年設置分・住宅用(10kW未満)の全国平均で29.0万円/kW(既築30.1万円/kW、新築28.9万円/kW)です(出典:令和7年度以降の調達価格等に関する意見(案)|第102回 調達価格等算定委員会)。5kW導入の場合、平均で約145万円(新築)〜約151万円(既築)が目安です。実勢価格は施工店・機種で変動するため、最終的な見積もりは複数社の相見積で確認しましょう。ここに市区町村の補助を充てると、実質負担は次のように下がります。

ケース導入費用市区町村補助実質負担
春日部市(太陽光5kW+蓄電池8kWh・重点区域)251万円太陽光45万円+蓄電池24万円=69万円約182万円
春日部市(太陽光5kW・重点区域以外)151万円35万円約116万円
川口市(太陽光5kW+蓄電池)251万円太陽光16万円+蓄電池16万円=32万円約219万円
所沢市(非FIT太陽光5kW)151万円2026年7月15日時点で受付終了約151万円(参考値)
越谷市(太陽光5kW+蓄電池)251万円太陽光上限8万円+蓄電池5万円=13万円約238万円
さいたま市(太陽光5kW)151万円市独自の直接補助なし約151万円(参考値)

補助の有無・金額で、同じ5kWでも実質負担が100万円以上変わるケースがあります。お住まいの市の制度は必ず確認しましょう。正確な金額は、機種・設置条件・申請時の予算状況・各自治体の補助額で変わります。最終的な見積もりは施工業者に依頼し、補助を含めたシミュレーションを出してもらいましょう。

太陽光発電補助金の申請から受給までの流れ

  1. 業者・機種選び:国のみらいエコ住宅、県・市区町村の補助のいずれにも対応できる業者を選びます。
  2. 補助金の交付申請:春日部市・越谷市・所沢市(非FIT)など事前申込が必須の市が多く、契約前に業者と申請スケジュールを確認します。川口市・上尾市のように設置後の事後申請の市もあります。
  3. 設置工事:交付決定後(事前申請制の場合)に着工します。パネル設置・パワコン設置・系統連系工事を行います。
  4. 完了報告・受給:工事完了後、完了報告書と証拠書類(写真・領収書等)を提出し、審査を経て補助金が交付されます。

FIT売電を行う場合は、これと並行してFIT設備認定(経産省への申請)と電力会社との売電契約の手続きが必要です。

申請で失敗しないための注意点

  • 申請の順番を間違えない:春日部市・越谷市・所沢市(非FIT太陽光)は着工前・契約前の事前申込が必須です。事後申請の市(川口市・川越市・上尾市・草加市)でも、引渡日や設置完了日に条件があるため、契約前に業者とスケジュールを確認しましょう。
  • 登録業者・対象機種の確認:市区町村の補助では、リース・PPAが対象外、未使用品限定など要件が細かく決まっています。
  • 予算枯渇による早期終了:埼玉県の太陽光補助(蓄電池同時設置)は令和8年度分が既に受付終了しており、市区町村の補助も先着順が多く、予算に達した時点で締め切られます。検討を始めたら早めに動くのが安全です。
  • 市の重点区域・条件の確認:春日部市は区域によって補助額が変わり、越谷市・上尾市は市内業者契約で補助額が上乗せされるなど、市ごとに条件が異なります。
  • 必要書類・写真の不備に注意:設置前の屋根の写真、施工中の写真、機器の型番写真など、指定書類が細かく決まっています。

太陽光発電導入のメリット・デメリット

メリット

  • 電気代の削減:自家消費で購入電気を減らせます。電気料金が高止まりする局面では効果を実感しやすくなります。
  • 売電収入:FITで10年間、余剰電力を固定価格で売電できます。
  • 災害時の非常用電源:停電時にパワコンの自立運転モードに切り替えれば、日中の発電分を家庭内で使えます。蓄電池を併設すればさらに安心です。
  • 快晴日数の多さ:埼玉県は日照時間・快晴日数が全国でも多い地域で、発電量を確保しやすい環境です。

デメリット・注意点

  • 初期費用:5kWで平均約145万円(新築)〜約151万円(既築)が目安(経産省2025年統計)。補助でカバーできる範囲には限りがあります。
  • 夏の高温による効率低下:熊谷市・行田市など内陸の高温地域では、真夏にパネルの変換効率がわずかに下がることがあります。
  • メンテナンス:パワコンの寿命(10〜15年)で交換が必要です。パネルは20〜25年前後で徐々に発電効率が下がります。
  • 売電単価の低下:FIT単価は年々下落しており、卒FIT後は自家消費への切り替えが前提となります。

よくある質問(FAQ)

太陽光発電に国からの補助金はもう出ないの? 

住宅用太陽光発電システム単体への国補助は2014年で終了しました。ただし、太陽光を要件に含む「みらいエコ住宅2026事業(GX志向型住宅等)」など、間接的に太陽光導入を後押しする国の制度があります。詳細は本文の該当セクションをご確認ください。

埼玉県の太陽光補助はもう終わっているの? 

太陽光発電単体(蓄電池の同時設置が条件)への県補助は、令和8年度分の予算に達したため2026年5月27日に受付を終了しています。一方で蓄電池単体(10万円/件)とエネファーム(5万円/件)の補助は受付が継続中です。太陽光の新規枠が公開された場合は、埼玉県公式ページで最新の受付状況をご確認ください。

さいたま市に住んでいるが、太陽光の補助はある?

さいたま市には住宅用太陽光発電・蓄電池への市独自の直接補助制度はありません。代わりに、太陽光発電・蓄電池をお得に購入できる共同購入事業「みんなのおうちに太陽光」が実施されています。新築でZEH住宅を検討する場合は、別枠の補助制度が使える可能性があります。

市によって補助額はどれくらい違う? 

同じ埼玉県内でも市によって大きく異なります。太陽光5kWを既存住宅に設置する場合、市補助だけで比べると春日部市は重点区域で最大45万円、所沢市は非FIT太陽光で最大50万円が目安です。一方でさいたま市のように市補助の対象外の市もあり、その場合は県・国の制度が中心になります。お住まいの市の制度は必ず確認しましょう。

申請は工事の前?後? 

市によって違うので注意が必要です。春日部市・越谷市・所沢市(非FIT太陽光)は着工前・契約前の事前申込が必須で、越谷市は交付決定後に購入・着手することが条件です。一方、川口市・川越市・上尾市・草加市は設置後の事後申請が基本です。順番を間違えると補助を受けられなくなるため、契約前に業者と申請スケジュールを詰めておきましょう。

賃貸住宅でも太陽光の補助は使える? 

賃貸住宅にお住まいの入居者自身は申請できません。ただし、オーナーが既存住宅のリフォームとして太陽光を発注する場合は、工事発注者として対象になります。集合住宅への設置は建物構造上の制約もあるため、事前に業者と検討しましょう。

中古住宅でも対象? 

対象です。既存住宅への後付け(リフォーム)で太陽光を設置する場合、工事発注者として市区町村の補助を申請できます。国のみらいエコ住宅2026事業は主に新築向けですが、リフォーム支援の枠もあります。

補助金はいつもらえる? 

工事完了後に完了報告・審査を経て交付されます。交付までの期間は制度・業者により異なりますが、数か月かかるのが一般的です。契約時に業者へ目安を確認しましょう。

まとめ|埼玉県は県・市町村の補助を組み合わせてお得に導入できる

埼玉県で太陽光発電を導入する場合、国の直接補助はないものの、埼玉県独自の蓄電池補助(10万円/件)は受付が継続しており、太陽光単体の県補助は令和8年度分が予算到達で受付終了しています。市区町村では春日部市(重点区域9万円/kW・上限45万円)、川口市・越谷市・川越市など、住んでいる市によって補助額が大きく異なります。一方でさいたま市のように市独自の直接補助がない市もあるため、お住まいの市の制度は必ず確認しましょう。

埼玉県は年間日照時間・快晴日数が全国でも多く、太陽光発電と相性の良い地域です。夏の高温が続く熊谷市周辺では発電効率がわずかに下がる場面もありますが、年間でみれば安定した発電量を見込めます。FIT買取単価は2026年度から初期4年24円/kWh・5〜10年目8.3円/kWhの二段階になり、初期4年は売電で早期回収、5年目以降は自家消費比率を高めていく設計が経済合理的です。

補助金はどれも予算上限・先着順で、埼玉県の太陽光補助のように年度途中で受付終了する制度も既に出ています。検討を始めたら早めに登録業者へ相談し、複数の見積もりを比べるのが近道です。県補助・市補助・国のセット型(みらいエコ住宅2026)のうちどれを組み合わせるかで、実質負担は数十万円単位で変わります。

監修:えねこ編集部

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