【2026年(令和8年)】東京都の太陽光発電補助金はいくら?金額・条件・申請方法を解説

補助金

最終確認日:2026/08/22

この記事の要約 電気代の高騰と2025年4月からの新築住宅太陽光義務化を受けて、東京都で太陽光発電を導入する家庭が増えています。太陽光発電は国の単体補助こそありませんが、東京都では新築向けの「東京ゼロエミ住宅普及促進事業」、既存住宅向けの「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」、そして区市町村の独自補助が重なり、全国でも屈指の手厚さです。この記事では、国のセット型支援と東京都の独自補助、区市町村の補助、費用シミュレーション、申請の流れまでをまとめて解説します。

東京都でもらえる太陽光発電の補助金はいくら?【結論】

東京都で太陽光発電を導入する場合、補助金は次の3段階で考えます。

区分補助の目安出典
国(みらいエコ住宅2026等)太陽光単体の補助はなし。GX志向型住宅で最大125万円/戸などのセット型住宅省エネ2026キャンペーン公式
東京都(新築)東京ゼロエミ住宅:太陽光13万円/kW(オール電化・3.6kWまで/上限39万円)/蓄電池10万円/kWh(上限120万円/戸)クール・ネット東京令和8年度 東京ゼロエミ住宅普及促進事業
東京都(既存住宅)家庭における太陽光発電導入促進事業
新築の場合:3.6kW以下12万円/kW・上限36万円/
3.6kW超は10万円/kW(50kW未満)
既存住宅の場合:太陽光3.75kW以下15万円/kW・上限45万円/3.75kW超は12万円/kW(50kW未満)
クール・ネット東京 令和8年度 家庭における太陽光発電導入促進事業
区市町村(独自補助)区により異なる(葛飾区6万円/kW・上限30万円/杉並区4万円/kW・上限12万円/練馬区定額8万円 が代表例。太陽光が対象外の区もある)葛飾区公式 令和8年度 《個人住宅用》かつしかエコ助成金のご案内
杉並区 再生可能エネルギー等の導入助成及び断熱改修等省エネルギー対策助成 手続き案内
練馬区 カーボンニュートラル化設備設置補助金
クール・ネット東京 区市町村の補助金等情報

東京都は環境・省エネ支援が全国でも手厚く、太陽光は都・区市町村の独自補助が重なる構造になっています。まずは国の位置づけから見ていきます。

国の制度:太陽光発電に直接補助はある?【全国共通】

太陽光発電の補助金を国レベルで探すと、まず知っておきたい前提があります。それは、住宅用太陽光発電への「単体の国補助」は現在ありません。かつて実施されていた住宅用太陽光発電導入支援補助金は2014年(平成25年度)で終了しています。

ただし、太陽光発電を含む省エネ住宅・脱炭素設備をセットで導入する場合は、国が支援する制度がいくつかあります。太陽光発電の設置費用を直接下げる制度ではなく、「太陽光を含む住宅要件を満たすと補助が出る」「太陽光と一緒に蓄電池を入れると蓄電池側で補助が出る」といった形です。順に見ていきます。

みらいエコ住宅2026事業(住宅省エネキャンペーン)

みらいエコ住宅2026事業は、国土交通省・環境省・経済産業省の3省連携で実施される「住宅省エネ2026キャンペーン」の柱です。省エネ性能の高い新築住宅の購入や既存住宅の省エネリフォームを対象に、住宅単位で補助金が支給されます。太陽光は「GX志向型住宅」の要件のひとつになっており、住宅全体で高い省エネ性能を満たすことで補助が受けられます。

新築住宅の主な補助上限額は次のとおりです。

  • GX志向型住宅:1戸あたり最大110万円(寒冷地は125万円)
  • 長期優良住宅:1戸あたり最大80万円(若者夫婦世帯・子育て世帯限定)
  • ZEH水準住宅:1戸あたり最大40万円(若者夫婦世帯・子育て世帯限定)

GX志向型住宅は、断熱等級6以上・一次エネルギー消費量の削減率が再エネ除きで35%以上・再エネ含めて原則100%以上を満たす最高レベルの省エネ住宅です。太陽光発電の設置とHEMS(高度エネルギーマネジメント)の導入が前提となるため、太陽光を新築とセットで入れる家庭に向いた制度です。

出典1:みらいエコ住宅2026事業【公式】 

出典2:住宅省エネ2026キャンペーン【公式】 

では、太陽光と組み合わせて使える別の国支援も見ていきます。

DR家庭用蓄電池事業(令和7年度補正・SII)

DR家庭用蓄電池事業は、経済産業省の予算でSII(一般社団法人 環境共創イニシアチブ)が運営する、家庭用蓄電池への補助制度です。太陽光と組み合わせた自家消費・DR(需要側の電力調整)に活用できる蓄電池を対象に、1申請あたり最大60万円が補助されます。

出典:DR家庭用蓄電池事業

ただし、令和7年度補正は2026年5月29日に交付申請額が予算に達したため、公募は既に終了しています(公式に「公募の再開を行う予定はありません」と明記)。令和8年度補正での再開があるかは、経産省・SII公式で最新情報の確認が必要です。太陽光と蓄電池を同時に検討している家庭は、次年度事業の情報が出た段階で早めに動きましょう。

FIT・FIP制度と自家消費への移行

太陽光発電で発電した電気は、FIT(固定価格買取制度)またはFIP制度で電力会社に売電できます。住宅用(10kW未満)はFITが基本で、期間は10年間です。

2026年度から住宅用10kW未満のFIT買取単価には初期投資支援スキームが導入され、次のような二段階の単価になります。

  • 導入から1〜4年目:24円/kWh
  • 5〜10年目:8.3円/kWh

出典:資源エネルギー庁 買取価格・期間等(2026年度以降)

初期の4年間は買取単価を高めに設定し、投資回収を早めるのが狙いです。5年目以降は市場価格に近い水準まで下がるため、この時点から自家消費に切り替える設計が経済的に有利になります。

近年は「4年間で高単価売電をしっかり取り、5〜10年目は自家消費比率を高める」「10年経過後(卒FIT)は蓄電池・EV充電で自家消費に完全移行」という3段階の設計が主流です。蓄電池を併設して昼間の余剰電力を貯める・オール電化やV2H(EV連携)で家庭内消費を増やすことで、電気代削減の効果を長く得られます。

税制優遇(住宅ローン減税・固定資産税減額)

太陽光発電への直接の税優遇ではありませんが、太陽光を要件に含む認定住宅(長期優良住宅・低炭素住宅・ZEH水準)では、住宅ローンの減税や借入限度額が引き上げられ、新築住宅の固定資産税減額の期間が延長されます。

出典:国土交通省 住宅ローン減税

新築で太陽光を検討する場合、住宅認定と組み合わせて総合的な負担軽減を計算するのが得です。

国と自治体の補助金は併用できる?

国のみらいエコ住宅2026事業は、都道府県・市区町村の独自補助と原則併用できます(自治体により例外あり)。東京都なら「国+東京都+区市町村」の3段で重ねられることがあり、併用条件を満たせるかで負担額が変わります。ただし、東京都の「東京ゼロエミ住宅普及促進事業」は、国のZEH化支援事業など特定の国庫補助とは併給できません。契約前に併用ルールを必ずご確認ください。

東京都の新築住宅太陽光設置義務化(2025年4月施行)

東京都では、2025年(令和7年)4月から改正環境確保条例に基づく新築住宅への太陽光発電設備等の設置義務化が始まっています。国に先駆けての制度で、東京都独自の脱炭素施策です。

義務化の対象・対象外

義務化の対象は、施主・購入者ではなく大手住宅供給事業者です。具体的な要件は次のとおりです。

  • 義務がかかる事業者:都内で年間に供給する延床面積の合計が2万㎡以上のハウスメーカー等(対象事業者は約50社と想定)
  • 対象となる建物:対象事業者が新築する延床面積2,000㎡未満の中小規模の建物(住宅を含む)
  • 義務内容:断熱・省エネ性能の確保、太陽光発電設備等の設置、電気自動車充電設備等の設置

このため、注文住宅を大手ハウスメーカーに依頼する場合や、対象事業者の分譲住宅・建売住宅を購入する場合には、太陽光発電が最初から設置された住宅が標準になります。中小工務店で建てる場合や、既存住宅のリフォームは義務化の対象外です。

施主・購入者側の負担はどうなる?

義務化はあくまで供給側(事業者側)にかかるもので、施主・購入者に太陽光の設置費用が丸ごと転嫁されるわけではありません。東京都は、対象事業者側の負担を軽減するため東京ゼロエミ住宅普及促進事業をはじめとする補助制度を拡充しており、太陽光1kWあたり最大13万円の補助が事業者経由で施主にも還元される仕組みです。

出典:クール・ネット東京 令和8年度 東京ゼロエミ住宅普及促進事業

施主として気を付けたいのは、次の3点です。

  • 対象事業者かどうか:契約前にハウスメーカーへ確認しましょう。対象事業者の場合は太陽光の設置プランが標準で組み込まれています。
  • 補助金の申請主体:東京ゼロエミ住宅補助は建築主が申請するため、事業者と申請スケジュールを共有します。
  • 拒否できるか:都の公式資料では、日射条件や屋根形状で設置が困難な場合の除外規定があります。設置容量の下限もあるため、屋根形状によっては最小構成での搭載になります。

新築で東京都内に家を建てる方は、この義務化とセットで東京都補助を活用できるかを、契約前にメーカーと確認するのが得です。

東京都・区市町村の独自補助金

東京都は、家庭の脱炭素・省エネを促す独自支援を全国でも手厚く展開しています。太陽光発電は都独自の補助と区市町村の補助が重なる構造で、条件を満たせば実質負担を大きく下げられます。

東京都の独自補助(新築・既存で分けて確認)

東京都の太陽光関連補助は、新築住宅向けと既存住宅向けで別建てになっています。

① 東京ゼロエミ住宅普及促進事業(新築住宅向け) 都内の新築住宅で「東京ゼロエミ住宅」として設計確認・認証を受けた建物に、太陽光と蓄電池の補助が支給されます。

  • 太陽光補助(オール電化住宅):3.6kWまで13万円/kW(上限39万円)、3.6kW超は11万円/kW
  • 太陽光補助(非オール電化):3.6kWまで12万円/kW(上限36万円)、3.6kW超は10万円/kW
  • 機能性PV上乗せ:kWあたり1万〜10万円のいずれか(性能に応じて加算)
  • 蓄電池補助:10万円/kWh(上限120万円/戸)
  • 対象:新築住宅の建築主のみ(既存住宅への設置は対象外)
  • 対象期間:令和8年4月1日〜令和9年3月31日
  • 出典:クール・ネット東京 令和8年度 東京ゼロエミ住宅普及促進事業

② 家庭における太陽光発電導入促進事業(新築・既存の両方が対象) ゼロエミ住宅の認証を受けていない住宅でも使える、太陽光発電そのものへの補助です。既存住宅への後付けのほうが単価が高く設定されています。

  • 既存住宅:3.75kW以下は15万円/kW(上限45万円)、3.75kW超は12万円/kW
  • 新築住宅:3.6kW以下は12万円/kW(上限36万円)、3.6kW超は10万円/kW
  • 架台設置・防水工事の上乗せ補助あり
  • 申請:事前申込が令和8年5月29日開始、交付申請兼実績報告は令和8年6月30日〜令和11年3月30日

出典:クール・ネット東京 令和8年度 家庭における太陽光発電導入促進事業

新築でゼロエミ住宅の認証を取る場合は①、認証を取らない新築や既存住宅への後付けは②、という使い分けになります。既存住宅は②の単価(3.75kW以下で15万円/kW)が最も手厚く、5kWなら都補助だけで約60万円になります。

③ 家庭のゼロエミッション行動推進事業(東京ゼロエミポイント) 高効率家電(給湯器・エアコン・冷蔵庫・LED照明器具)への買替えを対象とするポイント制度で、太陽光そのものは対象外ですが、太陽光と一緒に導入するエコキュート等の給湯器で使えます。

出典:クール・ネット東京 東京ゼロエミポイント(家庭のゼロエミッション行動推進事業)

国のみらいエコ住宅2026事業とは原則併用できますが、都・公社の同種の助成金どうしは重複できません。申請の順番・期間も含め、契約前に必ず最新の要件を確認しましょう。

主要区市町村の補助(令和8年度の実施状況)

東京都内の区でも、都とは別に独自の補助を設けている場合があります。太陽光発電は屋根の面積・向き・築年数が要る戸建て向けの設備のため、戸建てが多い区ほど活用しやすく、補助の有無や金額も区ごとに異なります。ただし東京都は都補助自体が全国屈指の手厚さのため、令和8年度時点では区独自補助を実施している区は限定的です。実際に補助が確認できた主な区は次のとおりです。

太陽光発電の補助補足条件出典
葛飾区6万円/kW(上限30万円)/蓄電池は対象経費の1/4(上限20万円)/太陽光・蓄電池を併設すると一律5万円を加算
出典:クール・ネット東京 令和8年度 《個人住宅用》かつしかエコ助成金のご案内
制度名は「かつしかエコ助成金(個人住宅用)」。着工の4週間前までに事前申込が必須(交付内定通知まで3〜4週間)/令和8年4月1日〜令和9年3月31日消印有効クール・ネット東京 令和8年度 《個人住宅用》かつしかエコ助成金のご案内
杉並区4万円/kW(上限12万円)/蓄電池は定額5万円
出典:杉並区公式 杉並区再生可能エネルギー等の導入助成及び断熱改修等省エネルギー対策助成手続き案内
制度名は「エコ住宅促進助成(再生可能エネルギー等の導入助成)」。工事・支払い完了後の事後申請/令和8年4月10日〜令和9年2月26日必着・予算到達で終了/東京都・国の補助と併用可杉並区公式 杉並区再生可能エネルギー等の導入助成及び断熱改修等省エネルギー対策助成手続き案内
練馬区定額8万円
出典:令和8年度 練馬区カーボンニュートラル化設備設置補助金のご案内
制度名は「カーボンニュートラル化設備設置補助金」。既存住宅のみ(新築は対象外)/設置完了後の事後申請/令和8年4月15日〜令和9年3月31日必着/国の住宅省エネ2026キャンペーン・都の断熱太陽光住宅事業と併用可と区が明記令和8年度 練馬区カーボンニュートラル化設備設置補助金のご案内
江戸川区太陽光単独の区補助は令和7年度で終了。再エネ100%電力への切替(2万円)等と組み合わせて最大4万円
出典:江戸川区公式 「再エネ電力切替補助金」
太陽光や蓄電池を設置するだけでは区の補助対象にならず、電力契約の切替までセットで検討する必要があります江戸川区公式 「再エネ電力切替補助金」

詳しくは各自治体のホームページをご確認ください。上記以外の区では、次のような状況です。

  • 世田谷区:令和8年度の「エコ住宅補助金」は窓の断熱改修・高断熱ドア・高断熱浴槽・屋根の高反射改修が対象で(最大20万円)、太陽光パネル・定置型蓄電池はいずれも補助対象外と区が明記しています。太陽光は都補助+国補助の併用で導入負担を下げる形になります。
  • 大田区:区独自の太陽光・蓄電池補助は令和8年度時点で確認できません。都の家庭における太陽光発電導入促進事業等を活用します。
  • 板橋区:太陽光・蓄電池への区独自補助は令和2年度で終了しています。ただし令和8年度から「いたばし環境アクションポイント事業」をリニューアルし、太陽光パネル設置者に「いたばしPayポイント」を付与する方針が区の施政方針で示されています。現金の補助金ではなくポイント付与のため、内容は区の公式発表でご確認ください。

区の制度は更新されやすく、年度途中で追加募集や新設が行われる場合もあります。お住まいの区の公式ページで最新の対象機器・金額・申請期限を確認するのが確実です。

国・東京都・区市町村は併用できる?

国のみらいエコ住宅2026事業は、東京都・区市町村の独自補助と原則併用できます。ただし東京都の東京ゼロエミ住宅普及促進事業は、国のZEH化支援事業など一部の国庫補助と併給できません。区市町村補助は都補助と重複可のケースが多いものの、事前申込順や併用制限がある制度もあります。3段すべてを受け取るには、それぞれの条件を同時に満たす必要があります。契約前に各制度の要件を必ずご確認ください。

東京都の日照時間・気候と太陽光発電の相性

東京都は世帯数が全国で最も多く、集合住宅と戸建てが混在する地域です。年間日照時間はおおむね1,900〜2,000時間で(東京の平年値は約1,927時間)、全国平均並みか少し多めの水準にあります。

出典:気象庁 東京平年値 

太陽光発電の年間発電量は、1kWあたり年間1,000〜1,200kWh程度が目安で、平均的な日照条件で運用できます。

電気料金は東京電力エナジーパートナーの供給エリアで、従量電灯Bの第2段階(120〜300kWh)は税込36円台まで上昇していま。

出典:東京電力エナジーパートナー 料金単価表-電灯 

電気代の高止まりが続く局面では、自家消費比率を上げる太陽光の効果が家計に直結します。

多摩地域の一部(青梅・八王子・奥多摩など)は冬季の冷え込みが強く、山間部では積雪もあります。パネルの積雪対策・凍結対策は施工業者と相談しましょう。

太陽光との組み合わせが特に効くケース

  • オール電化住宅:昼間の電気を自家消費で賄えるため、電気代削減の効果が大きい
  • EV・PHEVを保有:昼間充電で走行コストを下げられる(V2Hを併設すれば災害時にも活用可)
  • 在宅時間が長い:在宅ワーク・共働きでない世帯は自家消費比率を上げやすい

太陽光発電の容量・パネル選びのポイント(東京都事情)

太陽光を活かすには、屋根に合った容量と、家庭に合った機種を選ぶことが大切です。

  • 容量の目安:3〜4人世帯なら4〜5kW前後、屋根面積が広ければ6〜7kW以上も選択肢に入ります。
  • パネル種別:現在の主流は単結晶シリコン。屋根の形状や日射条件に応じて、変換効率・保証期間・価格のバランスで選びます。
  • 機能性PV:意匠性・防眩性・軽量など特殊な機能を持つパネルは、東京都のゼロエミ住宅補助で上乗せ対象になります。

出典:クール・ネット東京 令和8年度 東京ゼロエミ住宅普及促進事業

  • 保証・メーカー:出力保証(25年前後)・製品保証(10〜15年)・自然災害補償の内容を比較しましょう。都心の集合住宅・沿岸部(湾岸エリア)では塩害対応も検討します。
  • 屋根の適合性:築年数が古い屋根は葺き替え・補強が必要になる場合があります。施工前の屋根診断が重要です。

蓄電池・V2H・HEMSとのセット導入で補助はどう変わる?

太陽光と組み合わせる蓄電池・V2H・HEMSには、それぞれ補助制度があります。

  • 蓄電池:東京ゼロエミ住宅(新築)で10万円/kWh・上限120万円/戸。

出典クール・ネット東京令和8年度 東京ゼロエミ住宅普及促進事業

既存住宅でも都の断熱・太陽光住宅事業や区市町村補助の対象になることがあります。国のDR家庭用蓄電池事業は令和7年度補正が受付終了のため、令和8年度動向を要ウォッチです。

  • V2H:EVと家庭の電気を相互に融通する設備。東京都は令和8年度 戸建住宅におけるV2H普及促進事業(クール・ネット東京)で、V2H機器費等の1/2・上限50万円を助成します。太陽光発電を設置済みで、かつ電気自動車等を所有している場合は10/10(実質全額)・上限100万円まで助成されます。対象は都内の戸建住宅(登記事項の種類に「居宅」を含む)で、令和8年4月1日〜令和10年9月29日設置分・受付は令和9年3月31日17時までです。国のCEV補助(V2Hの機器補助)との併用が前提の制度で、都・公社の同種助成との重複は不可

出典:クール・ネット東京 令和8年度 戸建住宅におけるV2H普及促進事業

区独自のV2H補助は区によって扱いが異なるため、お住まいの区の公式ページで確認したうえで、都補助と組み合わせられるかを検討しましょう。

  • HEMS:エネルギー使用量を可視化・制御するシステム。ゼロエミ住宅等の要件の一部になっています。

卒FIT後(10年経過後)は売電単価が大きく下がるため、蓄電池で余剰電力を貯めて自家消費に回す構成が経済的に有利になります。太陽光導入時に蓄電池を同時に入れるか、後付けするかは、電気の使い方と補助枠の状況で判断します。

FIT売電 vs 自家消費:東京都ならどちらが得?

住宅用太陽光(10kW未満)のFIT買取期間は10年間で、2026年度からは初期4年間24円/kWh・5〜10年目8.3円/kWhの二段階単価になります。

出典:資源エネルギー庁 買取価格・期間等(2026年度以降)

一方、家庭の電力量料金は東京電力エナジーパートナー管内で従量電灯Bの第2段階(120〜300kWh)で税込36円台の水準にあり、電力単価は買取単価より家庭の購入電気単価のほうが高いのが実情です。

5kWシステムでの年間試算(目安)

年間発電量を5kW×1,100kWh/kW=5,500kWhと仮定した場合、東京都内での試算目安は次のとおりです(あくまで概算試算・個別条件で変動/購入電気単価は税込30円/kWh想定:契約プランや燃調・再エネ賦課金で実際の単価は上下します)。

  • 1〜4年目(高単価売電期):発電量の7割を売電(3,850kWh)→ 3,850×24円=約9.2万円/年の売電収入。自家消費分(1,650kWh)で購入電気を約5.0万円/年削減。合計メリット約14.2万円/年。
  • 5〜10年目(低単価売電期):売電単価が8.3円/kWhに下がるため、自家消費比率を上げる方針に切り替え。仮に自家消費比率を5割まで上げると、売電(2,750kWh×8.3円=約2.3万円)+購入電気削減(2,750kWh×30円=約8.3万円)=合計メリット約10.6万円/年。
  • 11年目以降(卒FIT):市場価格の売電(8〜10円/kWh前後)または自家消費が中心。蓄電池を併設していれば夜間消費にも回せます。

10年間トータルで見ると、初期4年で高単価売電を取り、5年目以降は自家消費比率を高めていく設計が経済合理的です。

東京都で自家消費が特に効く家庭

東京都は電気料金が高止まりする局面で、次のような家庭は自家消費のメリットが出やすくなります。

  • オール電化住宅:昼間の電気を給湯・調理・冷房で回せる
  • EV・PHEVを保有:昼間充電で走行コストを大幅に下げられる
  • 在宅時間が長い:在宅ワーク・シニア世帯は日中の電力消費が多い
  • 蓄電池併設:昼間の余剰を夜間消費に回せるため、自家消費比率が7〜8割まで上がる

一方で、日中不在の共働き世帯や、家族構成が変わる予定のある家庭は、初期4年間の高単価売電で回収し、5年目以降に蓄電池を後付けで検討するのも選択肢です。家族構成・在宅時間・EVの有無で、どちらが得かは変わります。

東京都の導入費用と補助後シミュレーション

太陽光発電の導入費用は、2025年設置分・住宅用(10kW未満)の全国平均で29.0万円/kW(既築30.1万円/kW、新築28.9万円/kW)です。

出典:経済産業省 調達価格等算定委員会 第102回 資料1

5kW導入の場合、平均で約145万円(新築)〜約151万円(既築)が目安で、都心の集合住宅・沿岸部の塩害対応など東京特有の設置条件で上振れることがあります。ここに東京都の補助を充てると、実質負担は次のように下がります。

ケース実質負担
新築・東京ゼロエミ住宅・オール電化5kW単体導入費用:175万円−都補助(東京ゼロエミ住宅)46.8万円(13万円×3.6kW+15.4万円11万円×1.4kW)=実質約113万円
機能性PV上乗せを使う場合:さらに最大10万円/kW(合計最大50万円)が上乗せされ、約63万円まで下がる可能性
新築・東京ゼロエミ住宅・オール電化5kW+蓄電池8kWh導入費用:太陽光175万円+蓄電池100万円=合計275万円
275万円−都補助(太陽光)約62万円−都補助(蓄電池)80万円(10万円×8kWh)=
実質約133万円(275万円 − 142万円)
新築・杉並区に建てる場合(都+区)導入費用:太陽光5kW=175万円
175万円−都補助(東京ゼロエミ住宅)約62万円−杉並区補助12万円(補助額上限)=実質約101万円(175万円 − 62万円 − 12万円)
既存住宅・葛飾区に住んでいる場合
(都+区・区補助が最も手厚いパターン)
導入費用:太陽光5kW=175万円
175万円−都補助(家庭における太陽光発電導入促進事業)約71万円(3.75kW×15万円/kW+1.25kW×12万円/kW)−葛飾区補助30万円(6万円/kW×5kW)=実質約74万円(175万円 − 71万円 − 30万円)
蓄電池を併設すれば、都の蓄電池補助に加えて区の蓄電池補助(対象経費の1/4・上限20万円)と併設加算5万円がさらに乗ります
既存住宅・練馬区に住んでいる場合(都+区)導入費用:太陽光5kW=175万円
175万円−都補助(家庭における太陽光発電導入促進事業)約71万円−練馬区補助:補助対象経費の1/2・上限8万円=実質約96万円(175万円 − 71万円 − 8万円)
既存住宅・都補助のみ
(大田区・板橋区・世田谷区など)
導入費用:太陽光5kW=175万円
175万円−都補助(既存住宅向け)約71万円(3.75kW×15万円+1.25kW×12万円)=実質約104万円(175万円 − 71万円)

区独自補助の有無で、同じ5kWでも実質負担が30万円ほど変わります。お住まいの区の制度は必ず確認しましょう。

正確な金額は、機種・設置条件・申請時の予算状況・各自治体の補助額で変わります。最終的な見積もりは施工業者に依頼し、補助を含めたシミュレーションを出してもらいましょう。

太陽光発電補助金の申請から受給までの流れ

  1. 業者・機種選び:都のゼロエミ住宅認証、国のみらいエコ住宅、区市町村補助のいずれにも対応できる業者を選びます。
  2. 補助金の交付申請:都のゼロエミ住宅は設計確認書の交付日から90日以内かつ令和9年3月31日までに申請。区市町村補助は着工前の事前申込が必須のところが多いです。

出典:クール・ネット東京令和8年度 東京ゼロエミ住宅普及促進事業

  1. 設置工事:交付決定後に着工。パネル設置・パワコン設置・系統連系工事を行います。
  2. 完了報告・受給:工事完了後、完了報告書と証拠書類(写真・領収書等)を提出し、審査を経て補助金が交付されます。

FIT売電を行う場合は、これと並行してFIT設備認定(経産省への申請)と電力会社との売電契約の手続きが必要です。

申請で失敗しないための注意点

  • 申請の順番を間違えない:東京都のゼロエミ住宅は設計確認書の交付から90日以内、区市町村は着工前の事前申込が必須のケースが多いため、契約前に業者と申請スケジュールを確認します。
  • 登録業者・対象機種の確認:都・区市町村の補助では、事前登録された業者・対象機種が要件になることがあります。
  • 予算枯渇による早期終了:先着順のため、検討を始めたら早めに動きます。DR家庭用蓄電池事業のように予想より早く枠が埋まる制度もあります。
  • 必要書類・写真の不備に注意:設置前の屋根の写真、施工中の写真、機器の型番写真など、指定書類が細かく決まっています。

太陽光発電導入のメリット・デメリット

メリット

  • 電気代の削減:自家消費で購入電気を減らせます。電気料金が高止まりする東京では効果を実感しやすいです。
  • 売電収入:FITで10年間、余剰電力を固定価格で売電できます。
  • 災害時の非常用電源:停電時にパワコンの自立運転モードで日中の発電分を家庭内で使えます。
  • 東京都の「新築太陽光義務化」への対応:2025年4月から大手ハウスメーカーが供給する新築戸建てに太陽光設置が義務化されており、東京都は補助でその負担を軽減する制度を整えています。

デメリット・注意点

  • 初期費用:5kWで平均約145万円(新築)〜約151万円(既築)が目安(経産省2025年統計)。都心・沿岸部の条件で上振れることがあります。補助でカバーできる範囲には限りがあります。
  • メンテナンス:パワコンは10〜15年で交換が必要。パネルは20〜25年で徐々に発電効率が下がります。
  • 屋根への影響:設置工法や屋根材によっては、雨漏りリスクや屋根改修時の再設置費が発生します。
  • 売電単価の低下:FIT単価は年々下落しており、卒FIT後は自家消費への切り替えが前提となります。

よくある質問(FAQ)

東京都の補助は国と一緒に使える?

原則併用できますが、制度ごとの条件・申請順を満たす必要があります。国のみらいエコ住宅2026事業と東京都・区市町村の補助は原則併用可ですが、東京都の東京ゼロエミ住宅普及促進事業は、国のZEH化支援事業など特定の国庫補助と併給できません。契約前に各制度の要件をご確認ください。

マンション(集合住宅)でも補助は使える?

集合住宅は屋上・共用部・住戸ベランダなど設置場所が限られ、管理組合の合意も必要です。分譲・賃貸マンション向けの太陽光補助として、東京都は「東京都既存マンション省エネ・再エネ促進事業」(補助率10/10・上限37万円/棟)を実施していましたが、新規申請は令和7年度(令和8年3月31日)で受付終了し、令和8年度は既決定案件の実績報告のみ対象です。

出典:クール・ネット東京 東京都既存マンション省エネ・再エネ促進事業

令和8年度以降の分譲マンション向け新規補助については、東京都・お住まいの区の最新情報を管理組合単位でご確認ください。

賃貸でも補助金は使える?

入居者自身は申請できません。オーナーが既存住宅のリフォームとして太陽光を発注する場合は、工事発注者として対象になります。

東京都の新築太陽光義務化とは?

2025年4月から、東京都内で年間2万平方メートル以上の住宅を供給する大手ハウスメーカー(対象事業者・約50社)に、延床2,000㎡未満の中小規模の新築建物に対する太陽光発電設備等の設置が義務付けられました。施主・購入者に義務が課されるわけではなく、対象事業者が設置対応します。東京ゼロエミ住宅補助は、この義務化対応の家計負担を軽減する目的も持ちます。

中小工務店に新築を依頼する場合、太陽光義務化の対象になる?

対象になりません。義務化の対象は、都内で年間2万㎡以上を供給する大手事業者に限られます。中小工務店に建築を依頼する場合や、既存住宅のリフォームで太陽光を後付けする場合は義務化の対象外です。ただし、東京都のゼロエミ住宅補助や既存住宅向けの補助は、対象事業者かどうかに関わらず要件を満たせば利用できます。

対象事業者に依頼したら太陽光の設置を拒否できる?

都の公式資料では、日射条件・屋根形状・立地条件で設置が困難な場合の除外規定があります。施主の意向だけで自由に拒否できるものではありませんが、屋根が小さい・北向きで日射がほとんど取れないなど、物理的に発電量が確保できない住宅は例外扱いになります。詳細は依頼予定のハウスメーカーに事前確認しましょう。

区によって補助はどれくらい違う?

同じ都内でも区ごとに大きく異なります。5kWの太陽光を既存住宅に設置する場合、区補助だけで比べると葛飾区は30万円(6万円/kW・上限30万円)、杉並区は12万円(4万円/kW・上限12万円)、練馬区は8万円(対象経費の1/2・上限8万円)です。一方で世田谷区・大田区のように太陽光が区補助の対象外の区もあり、その場合は都と国の制度が中心になります。都補助(既存住宅で3.75kW以下15万円/kW・上限45万円)はどの区でも共通で使えるため、区補助の有無で実質負担が30万円ほど変わる計算です。

申請は工事の前?後?

区によって違うので注意が必要です。葛飾区は着工の4週間前までに事前申込が必須で、交付内定通知が出るまで3〜4週間かかります。一方、杉並区と練馬区は工事・支払いが完了してからの事後申請です。東京都の家庭における太陽光発電導入促進事業も事前申込制なので、契約前に業者と申請スケジュールを詰めておきましょう。順番を間違えると補助を受けられなくなります。

卒FIT後はどうなる?

FIT買取期間(10年)が終わると、売電単価は市場価格に近い水準まで下がります。蓄電池を追加して自家消費比率を上げるか、新電力会社の卒FIT買取メニューを比較して有利な契約に切り替えるのが一般的です。

補助金はいつもらえる?

工事完了後に完了報告・審査を経て交付されます。交付までの期間は数か月かかるのが一般的です。契約時に業者へ目安を確認しましょう。

まとめ|東京都は国+都+区市町村の3層でお得に導入できる

東京都で太陽光発電を導入する場合、国の直接補助はないものの、新築なら東京ゼロエミ住宅(太陽光13万円/kW+蓄電池10万円/kWh)、既存住宅なら家庭における太陽光発電導入促進事業(3.75kW以下で15万円/kW・上限45万円)と、都独自の手厚い補助が使えます。区市町村補助は葛飾区(6万円/kW・上限30万円)や杉並区(4万円/kW・上限12万円)、練馬区(1/2・上限8万円)など区によって差があり、都補助と重ねられれば実質負担をさらに下げられます。一方で世田谷区・大田区のように太陽光が区補助の対象外の区もあるため、お住まいの区の制度は必ず確認しましょう。

2025年4月から始まった新築住宅太陽光義務化は、大手ハウスメーカーが対象事業者となる仕組みで、施主・購入者に直接の義務はかかりません。都の補助が事業者経由で施主にも還元されるため、都内で新築を検討する家庭は、対象事業者かどうか・補助の申請スケジュールを契約前に確認するのが得です。

FIT買取単価は2026年度から初期4年24円/kWh・5〜10年目8.3円/kWhの二段階になり、初期4年は売電で早期回収、5年目以降は自家消費比率を高めていく設計が経済合理的です。電気料金が高止まりする東京では、オール電化・EV充電・在宅時間の長い家庭ほど、太陽光+蓄電池の自家消費で電気代削減効果を長く得られます。

補助金はどれも予算上限・先着順で、DR家庭用蓄電池事業のように年度途中で受付終了する制度も出ています。検討を始めたら早めに登録業者へ相談し、複数の見積もりを比べるのが近道です。都補助・区補助・国のセット型(みらいエコ住宅2026)のうちどれを組み合わせるかで、実質負担は数十万円単位で変わります。

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