【2026年(令和8年)】岡山県の蓄電池補助金を完全解説|市町村別の金額と国の補助金との併用方法

岡山県では、蓄電池の導入に使える都道府県レベルの補助金制度はありません。かわりに、市町村ごとに独自の補助金制度があり、たとえば県内で補助額が高い瀬戸内市では、蓄電池だけで上限31万円の補助金が用意されています。国の「DR家庭用蓄電池事業」(上限60万円)も本来は併用できますが、2026年5月29日時点で予算上限に達し、新規受付は終了している状況です。
この記事では、岡山県内の市町村ごとの蓄電池補助金額や、国の補助金との併用方法、申請手順や注意点まで、最新情報をもとにわかりやすく解説します。これから岡山県で蓄電池の導入を検討している方は、参考にしてください。
結論|岡山県は「市町村+国」の補助金の組み合わせが基本

2026年度の岡山県の蓄電池補助金は、お住まいの市町村の補助金が基本です。国の「DR家庭用蓄電池事業」(上限60万円)も組み合わせられれば大きな補助が期待できますが、2026年5月29日時点で予算上限に達し、新規の申し込みは終了しています。
そのため、現時点では市町村の補助金を軸に検討するのが現実的です。県として統一された補助金はなく、市町村ごとに金額や条件が異なる点にも注意が必要です。
市町村+国の補助金でどのくらいもらえる?
市町村の補助金だけでも、自治体によってはまとまった金額になります。たとえば瀬戸内市では、蓄電池の設置費用(税抜)の3分の1、上限31万円が補助されます。
本来であれば、ここに国の「DR家庭用蓄電池事業」(上限60万円)を組み合わせると、単純計算で最大91万円程度の補助が見込める仕組みでした。しかし、2026年度のDR補助金は2026年5月29日時点で予算上限に達しており、現在は新規の申し込みができません。次回の公募時期は2026年7月時点で未発表のため、当面は市町村の補助金を中心に検討するのが現実的です。
満額受給できるケースは限られる
市町村の補助金を満額受け取るには、いくつかの条件を満たす必要があります。たとえば瀬戸内市の場合、蓄電池単体では対象外で、太陽光発電設備とあわせて導入するのが条件です。また、多くの自治体で先着順による受付となっており、予算に達し次第終了する点にも注意が必要です。
実際の受給額は、設置する容量や費用、申請のタイミングによって変わるため、正確な金額は施工業者に確認するのをおすすめします。
出典:【手続方法】住宅用脱炭素推進設備導入補助金について|瀬戸内市公式サイト
岡山県に県一律の補助金がない理由
岡山県では、個人が直接申請できる都道府県レベルの蓄電池補助金は用意されていません。岡山県は、家庭への省エネ・蓄エネ設備の導入を促進する事業を行う市町村に対して補助金を交付する形をとっており、県民の申請窓口はあくまで各市町村です。
つまり、県が間接的に市町村の補助金制度を支えている一方で、住民が実際に申請する窓口や金額、条件は市町村ごとに異なります。そのため、蓄電池の補助金を探す際は、まずお住まいの市町村の制度を確認するのが基本になります。
出典:家庭でできる地球温暖化防止のとりくみ(ゼロカーボンアクション30など)|岡山県公式サイト
市町村ごとの蓄電池補助金一覧

岡山県内では、多くの市町村が独自に蓄電池の補助金制度を設けています。ただし、補助金額や対象条件は自治体によって大きく異なり、なかには制度自体がない自治体もあるため注意が必要です。ここでは、県内の主要な市町村の補助金額を紹介します。
市町村別補助金一覧(早見表)
岡山県内の主要市町村における、太陽光発電設備・蓄電池の補助金額は以下の通りです。自治体によって受付状況が異なるため、あわせて確認しておきましょう。
| 自治体 | 太陽光発電 | 蓄電池 | 受付状況(2026年7月時点) |
| 岡山市 | 3万円/kW(上限15万円) | 1.5万円/kWh(上限20万円) | 受付中(〜2027年3月10日) |
| 瀬戸内市 | 10.5万円/kW(上限63万円) | 設置費の1/3(上限31万円)※ | 受付中 |
| 備前市 | 記載なし | 補助対象経費の1/2(上限20万円) | 受付終了(予算100%到達) |
| 玉野市 | 2万円/kW(上限10万円) | 1万円/kWh(上限10万円) | 受付中(〜2027年1月31日) |
| 倉敷市 | 2万円/kW(上限4kWまで) | 1万円/kWh(上限6万円) | 受付中(〜2027年3月31日) |
| 津山市 | 2万円/kW(上限10万円) | 補助対象経費の1/10(上限10万円) | 2026年8月3日受付開始 |
※ 瀬戸内市の蓄電池は、太陽光発電設備の附帯設備として申請・整備することが条件です。
同じ岡山県内でも自治体によって金額や受付状況は大きく異なります。備前市のようにすでに受付が終了している自治体もあれば、津山市のようにこれから受付が始まる自治体もあるため、お住まいの市町村の最新の受付状況を早めに確認しておきましょう。
出典:令和8年度 岡山市住宅用スマートエネルギー導入促進補助事業のご案内|岡山市公式サイト
出典:【手続方法】住宅用脱炭素推進設備導入補助金について|瀬戸内市公式サイト
出典:【受付終了】備前市ゼロ・カーボンシティ促進補助金について|備前市公式サイト
出典:令和8年度玉野市脱炭素推進補助金の募集|玉野市公式サイト
岡山市
岡山市は、県内で人口・世帯数が最も多い都市であり、独自の「住宅用スマートエネルギー導入促進補助事業」を実施しています。2026年度は太陽光発電設備・蓄電池ともに補助率と上限額が引き上げられ、県内でも手厚い制度のひとつです。ここでは、補助額の計算方法から対象条件、注意点まで詳しく解説します。
出典:令和8年度 岡山市住宅用スマートエネルギー導入促進補助事業のご案内|岡山市公式サイト
補助額の計算方法
岡山市の補助額は、設備の種類ごとに次の計算式で算出されます。
- 太陽光発電設備:システム出力1kWあたり3万円(上限15万円)
- 蓄電池:蓄電容量1kWhあたり1.5万円(上限20万円)
たとえば、5kWの太陽光発電設備を導入する場合は、3万円×5kW=15万円となり、上限額に達します。蓄電池は、10kWhの製品であれば1.5万円×10kWh=15万円が補助額の目安です。
なお、蓄電池は太陽光発電設備との常時接続が条件のひとつとなっているため、蓄電池単体での導入では補助を受けられません。導入を検討する際は、太陽光発電設備とあわせて計画を立てましょう。
対象機器・対象期間・補助要件
岡山市の補助金は、太陽光発電設備・蓄電池のほか、太陽熱利用システムやエネファーム、窓断熱、V2H、HEMSなど幅広い機器が対象です。
対象期間は、補助対象機器の導入日(保証開始日など)、または補助対象機器付き建売住宅の引き渡し日が、2026年3月1日から2027年2月28日までの間であることが条件です。受付期間は2026年5月1日から2027年3月10日までで、申請は消印日の早い順に受け付けられ、予算額に達した時点で終了します。
主な補助要件としては、補助対象機器が未使用品であること、市税を完納していることなどが挙げられます。また、太陽光発電設備・蓄電池の申請には、「あっ晴れ岡山エコクラブ」への入会が必要です。
対象外となるケース
岡山市の補助金では、以下のようなケースは対象外となります。
- 市税を完納していない場合
- 同一の住宅において、同じ種類の補助対象機器についてすでに岡山市から補助金を受けたことがある場合
- 別荘など、申請者が居住していない住宅に設置する場合
- 太陽光発電設備を敷地内の倉庫や車庫など、人が居住していない建物に設置し、発電した電力を居住する住宅で使用していない場合
- 虚偽の内容で補助金を申請した場合
なお、同じ種類の補助対象機器に関する申請は、一住宅につき一回限りです。導入を検討する際は、事前にこれらの条件に当てはまらないか確認しておくと安心です。
申請・問い合わせ先
岡山市の補助金申請書類は、岡山市役所分庁舎6階の岡山市ゼロカーボン推進課へ郵送で提出します。申請は、機器を導入した後に行う必要があり、事前申請はできません。書類に不備があると受け付けられないため、必要書類は事前によく確認しておきましょう。
不明な点があれば、以下の窓口に問い合わせできます。
- 岡山市ゼロカーボン推進課
- 電話:086-803-1282
- メール:sumaene@city.okayama.jp
瀬戸内市
瀬戸内市は、県内でも補助額が高い自治体のひとつです。太陽光発電設備は1kWあたり10.5万円(上限6kW相当63万円)、蓄電池は設置費用(税抜)の3分の1(上限31万円)が補助されます。
ただし、蓄電池は、太陽光発電設備の附帯設備として申請・整備するのが条件です。2026年7月時点では、太陽光発電設備・蓄電池ともに受付が続いています(高効率給湯機器は予算到達により受付終了)。申請は先着順で、予算額に達し次第終了するため、早めの検討がおすすめです。
出典:【手続方法】住宅用脱炭素推進設備導入補助金について|瀬戸内市公式サイト
備前市
備前市は、2026年度の補助対象機器として「軽EV」「リチウムイオン蓄電池」「高効率給湯器設備」の3つを実施しています。蓄電池は、補助対象経費の2分の1(上限20万円)が補助されます。
なお、2026年度の補助対象機器一覧には太陽光発電システムの記載がなく、蓄電池は容量1kW以上で太陽光発電システム等と接続し、発電した電力を充放電できるのが条件です。2026年7月10日時点で、予算に対する申請額の割合が100%に達しており、すでに受付を終了しています。
出典:【受付終了】備前市ゼロ・カーボンシティ促進補助金について|備前市公式サイト
玉野市
玉野市は「玉野市脱炭素推進補助金」の2026年度分の受付を行なっています。太陽光発電設備は1kWあたり2万円(上限10万円)、蓄電池は1kWhあたり1万円(上限10万円)が補助されます。
交付申請期間は2026年6月1日から2027年1月31日までで、先着順の受付です。約8ヵ月間と比較的長めの受付期間が設けられていますが、予算に達した時点で終了となるため注意が必要です。予算の残額は玉野市公式サイトで随時確認できるため、申請前にチェックしておくと安心です。
出典:令和8年度玉野市脱炭素推進補助金の募集|玉野市公式サイト
倉敷市
倉敷市は「倉敷市創エネ・脱炭素住宅促進補助金」により、太陽光発電設備・蓄電池を対象とした補助を実施しています。太陽光発電設備は1kWあたり2万円(上限4kWまで)、蓄電池は1kWhあたり1万円(上限6万円)が補助されます。
受付期間は2026年4月1日から2027年3月31日までで、太陽光発電設備は200件、蓄電池は500件の予定件数が設けられており、いずれも先着順です。予定件数に達すると受付が終了するため、早めの申請がおすすめです。
津山市
津山市は「津山市スマートエネルギー導入補助金」として、太陽光発電設備・定置用リチウムイオン蓄電池・エコキュートなどを対象に補助を実施しています。太陽光発電設備は1kWあたり2万円(上限10万円)、蓄電池は補助対象経費から国等補助金を除いた額の10分の1(上限10万円)が補助されます。
2026年度分の受付期間は2026年8月3日から2027年2月1日までで、予算額は1,540万円です。先着順で受け付けられ、予算額に達し次第終了するため、受付開始後は早めの申請がおすすめです。
その他市町村
ここまで紹介した6市以外にも、岡山県内では笠岡市・井原市・高梁市・新見市など、独自の補助金制度を設けている市町村があります。一方で、自治体によっては制度自体を設けていない場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
補助金額や受付状況は自治体ごとに異なり、年度によって内容が変わるケースもあります。お住まいの市町村に制度があるかどうかは、各市町村の公式サイトや、環境課・脱炭素推進課などの窓口で確認するのが確実です。
国のDR補助金|市町村補助金と併用で上乗せ可能

国の「DR家庭用蓄電池事業」は、市町村の補助金と併用できる制度として実施されてきました。ただし、2026年度分は2026年5月29日時点で予算上限に達しており、現在は新規の申し込みを受け付けていません。次回の公募時期は2026年7月時点で未発表です。ここでは、制度の仕組みや条件について解説します。
DR補助金の計算方法
DR補助金の金額は、以下の3つの計算方法のうち、最も低い金額が採用されます。
- 蓄電池の初期実効容量×3.45万円/kWh(評価基準を満たす場合は上乗せあり)
- 設備費と工事費の合計金額×3/10
- 1申請あたりの上限60万円
たとえば、初期実効容量8kWhの蓄電池を導入する場合、8kWh×3.45万円=約27.6万円が基準額の目安です。ただし、これらの制度は現在、2026年度分の新規申込が終了しているため、実際に活用できるのは次回公募が始まってからとなります。
DR補助金の申請条件
DR補助金を受けるには、以下の条件を満たす必要があります。
- 新規で導入する蓄電システムが、SIIに事前登録された機器であること
- 蓄電池アグリゲーターとのDR契約、または小売電気事業者が提供するDRメニューへの加入のいずれかを行うこと
- DR契約またはDRメニューへの加入を、少なくとも2028年3月31日まで継続すること
- 蓄電システムの購入価格(設備費・工事費の合計)が、目標価格(2025年度は12.5万円/kWh)以下であること
申請は、蓄電システムの販売事業者(共同実施事業者)とともに行う仕組みになっている点も特徴です。
市町村補助金との併用条件
DR補助金と他制度との併用可否をまとめると、以下の通りです。
| 併用先 | 可否 | 補足 |
| 他の国庫補助金 | 不可 | 国の他の補助金との重複は認められません |
| 市町村の補助金・助成金 | 要確認 | 一律には決まっておらず、当該市町村への確認が必要です |
| 税制優遇 | 要確認 | 各税制の担当窓口への確認が必要です |
制度によって扱いが異なるため、申請前によく確認しておくのが大切です。市町村の補助金と組み合わせたい場合は、事前にお住まいの市町村へ確認しておきましょう。
容量・自治体別の補助金シミュレーション

ここでは、岡山市・瀬戸内市・倉敷市で蓄電池を導入した場合の補助金額を、実際の制度をもとに試算します。同じ容量の蓄電池を導入しても、自治体によって受け取れる補助金額には差があります。お住まいの地域に近いケースを参考にしてみてください。
岡山市で導入する場合
岡山市で、太陽光発電設備5kWと蓄電池10kWhを導入するケースを試算すると、以下のようになります。
| 設備 | 計算式 | 補助額 |
| 太陽光発電設備(5kW) | 3万円×5kW | 15万円(上限額) |
| 蓄電池(10kWh) | 1.5万円×10kWh | 15万円 |
| 合計 | 30万円 | |
合計すると、太陽光発電設備と蓄電池をあわせて30万円の補助が見込める計算です。ただし、実際の金額は設置費用や機器の仕様によって変動するため、正確な金額は施工業者の見積もりで確認しましょう。
瀬戸内市で導入する場合
瀬戸内市で、太陽光発電設備5kWと蓄電池10kWhを導入するケースを試算すると、以下のようになります。
| 設備 | 計算式 | 補助額 |
| 太陽光発電設備(5kW) | 10.5万円×5kW | 52.5万円 |
| 蓄電池(設置費用150万円と仮定) | 150万円×1/3=50万円※上限適用 | 31万円 |
| 合計 | 約83.5万円 | |
合計すると、太陽光発電設備と蓄電池をあわせて約83.5万円の補助が見込める計算です。ただし、蓄電池の金額は設置費用によって変動するため、あくまで目安としてご参照ください。
倉敷市で導入する場合(または蓄電池単体設置)
倉敷市で、太陽光発電設備4kWと蓄電池10kWhを導入するケースを試算すると、以下のようになります。
| 設備 | 計算式 | 補助額 |
| 太陽光発電設備(4kW) | 2万円×4kW | 8万円(上限額) |
| 蓄電池(10kWh) | 1万円×10kWh=10万円※上限適用 | 6万円 |
| 合計 | 14万円 | |
瀬戸内市や岡山市と比べると補助額は控えめですが、予定件数(太陽光発電設備200件・蓄電池500件)が設けられているため、先着順とはいえ比較的申し込みやすい制度といえます。この点は他の自治体と同様、早めの申請がおすすめです。
蓄電池補助金の申請手順|申請から入金までの完全ガイド

蓄電池の補助金は、市町村ごとに細かい手続きが異なりますが、大まかな流れは共通しています。ここでは、岡山市の制度を例に、申請から入金までの流れをステップごとに解説します。
ステップ1:機器の導入・必要書類の準備
岡山市の補助金は、契約や事前申込を挟まず、まず機器を導入(契約・設置完了)するところから始まります。太陽光発電設備や蓄電池を導入したら、あわせて以下の書類を準備しましょう。
- 契約書・見積書・注文書の写し
- 領収書の写し
- 保証書の写し(保証開始日が記載されたもの)
- 設置状況を示す写真・配置図
- 滞納無証明書(市税の滞納がないのを証明する書類)
- 補助対象機器が導入された住宅の位置図
これらに加え、太陽光発電設備は出力対比表、蓄電池は電力受給契約の案内書など、機器ごとに追加で必要な書類があります。また、太陽光発電設備・蓄電池の場合は「あっ晴れ岡山エコクラブ」への入会も必要です。書類に不備があると受け付けてもらえないため、事前によく確認しておきましょう。
ステップ2:申請書兼実績報告書の提出
必要書類がそろったら「補助金交付申請書兼実績報告書」とあわせて岡山市ゼロカーボン推進課へ郵送で提出します。この書類は、交付申請と実績報告を兼ねているため、機器の導入後に一度提出すれば手続きが完了する仕組みです。
提出先には、簡易書留など配送状況が確認できる方法を使うとよいでしょう。申請は消印日を基準に早いものから受け付けられ、申請額が予算額に達した時点で受付が終了する点にも注意が必要です。書類に不備があると受け付けられないため、提出前によく確認しておきましょう。
ステップ3:審査・交付決定・入金
申請書類を提出すると、岡山市による審査が行われます。内容に不備がなければ、4週間程度で補助金交付決定および確定通知書が届く仕組みです。
その後、補助金交付請求書を提出すると、1ヵ月程度で指定した口座に補助金が振り込まれます。審査から入金まで合計で2ヵ月前後かかる点を見込んでおくと、資金計画が立てやすくなります。
補助金申請で失敗しないための注意点|よくあるミスと対策

岡山県内の蓄電池補助金は、自治体によって条件や受付状況が異なるため、申請の際にはいくつか注意しておきたいポイントがあります。ここでは、よくある失敗パターンとその対策をまとめます。
契約前の事前申込を忘れない
補助金の申請タイミングは、自治体によって大きく異なります。たとえば瀬戸内市では、工事の契約前に交付申請を行ない、交付決定を受けてから契約・着工するのが必須です。交付決定前に契約や工事をしてしまうと、補助対象外になってしまいます。
一方、岡山市のように、機器の導入後に申請する仕組みの自治体もあります。「先に契約してから補助金を調べよう」と考えている方は注意が必要です。導入を検討し始めた段階で、お住まいの自治体の申請タイミングを確認しておくのが大切です。
対象機器と価格要件を確認する
岡山市や津山市などでは、対象となる蓄電池が限定されています。たとえば津山市では、一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)が実施する「戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業」に登録された機器であるのが条件のひとつです。
また、国のDR補助金では、蓄電システムの価格が目標価格(2025年度は12.5万円/kWh)を超えると、補助金の対象外となります。すべての機器が補助対象になるわけではないため、導入を検討する際は、施工業者に対象機器や価格の条件を確認しておくと安心です。
予算消化による早期終了リスク
蓄電池の補助金は、多くの制度で先着順による受付となっており、予算に達した時点で受付期間内でも終了してしまいます。
実際に、国のDR補助金は2026年3月24日に公募が始まりましたが、わずか2ヵ月ほどで予算上限に達し、2026年5月29日に受付を終了しました。また、備前市の補助金も、2026年7月10日時点で予算消化率が100%に達し、受付を終了しています。
このように、想定より早く予算がなくなるケースは十分に考えられます。導入を検討し始めたら、できるだけ早めに動くのが大切です。
市内業者との契約条件(自治体による)
自治体によっては、施工を依頼する業者が「市内業者」である点を条件としている場合があります。たとえば津山市では、申請者の要件のひとつとして「市内業者と契約、または施工により機器を設置した方」であると定められています。
一方、今回確認した岡山市・瀬戸内市・玉野市・倉敷市・備前市では、このような市内業者に関する条件は見当たりませんでした。ただし、自治体によって細かいルールが異なる可能性があるため、契約前に施工業者や自治体の窓口へ確認しておくと安心です。
蓄電池導入のメリット

蓄電池には、補助金以外にもさまざまなメリットがあります。太陽光発電と組み合わせると、日々の暮らしはもちろん、もしものときの備えにもつながります。ここでは、電気代の削減効果や災害時の備え、卒FIT後の活用方法について解説します。
電気代削減効果
太陽光発電と蓄電池を組み合わせると、昼間に発電した電気を蓄電池にため、夜間や電気を多く使う時間帯に活用できます。その結果、電力会社から購入する電気の量を減らせる可能性があります。
近年は燃料費調整額や再生可能エネルギー賦課金の上昇により、電気料金が高止まりする傾向が続いている状況です。そのため、発電した電気を売電せず家庭内で使う「自家消費」を増やすのは、電気代の負担を軽減する効果的な手段のひとつといえます。ただし、削減効果は電気の使用状況や設置する設備の容量によって変わるため、導入前にシミュレーションを行っておくと安心です。
災害時の安心
蓄電池の大きな魅力のひとつが、停電時に非常用電源として活用できる点です。台風や大雨、地震などによる停電が発生しても、蓄電池に電気がためてあれば、照明や冷蔵庫、スマートフォンの充電など、生活に必要な家電を一定時間使い続けられます。
特に200V対応の蓄電池であれば、エアコンやIHクッキングヒーター、エコキュートなどの200V家電も使用できるため、災害時の安心感がより高まります。太陽光発電と組み合わせておけば、停電が長引いた場合でも、日中の発電分を蓄電池にためて夜間に使う対応も可能です。
卒FIT後の自家消費メリット
太陽光発電のFIT(固定価格買取制度)による買取期間が終了することを「卒FIT」と呼びます。買取期間(住宅用は10年間)が終わると、それ以降の売電単価は大幅に下がるのが一般的です。
卒FIT後は、電気を売るよりも、蓄電池にためて自家消費した方が経済的なメリットが大きくなるケースが多くあります。そのため、卒FITのタイミングは、蓄電池導入を検討する好機のひとつといえます。すでに太陽光発電を設置している家庭にとっても、蓄電池の追加導入は検討する価値のある選択肢です。
よくある質問(FAQ)

ここでは、岡山県の蓄電池補助金についてよくある質問にお答えします。申請前の疑問解消にお役立てください。
岡山県に住んでいれば誰でも補助金を受け取れる?
いいえ、岡山県に住んでいるだけでは補助金を受け取れません。蓄電池の補助金は、都道府県ではなく市町村が独自に実施しているため、お住まいの市町村に制度があるかどうかが前提になります。
また、市町村に制度があっても、市税を完納していることや、対象機器を導入していることなど、いくつかの条件を満たす必要があります。予算に達すると受付が終了する制度も多いため、早めに確認しておきましょう。
賃貸住宅でも対象になる?
岡山市の場合、補助対象機器を設置する土地・建物が、申請者本人や同居家族、リースの借受人以外の名義である場合は、所有者の承諾書が必要です。賃貸住宅などで建物の名義が異なる場合も、承諾書の提出が必要になると考えられます。
他の市町村についても、所有者の同意や承諾に関する条件が定められている場合があるため、賃貸住宅にお住まいの場合は、建物の所有者や管理会社に相談したうえで、お住まいの市町村へ確認しておくと安心です。
補助金は先着順?
はい、岡山県内の多くの補助金制度は先着順で受け付けられています。申請額の合計が予算額に達した時点で、受付期間内であっても終了する仕組みです。
たとえば国のDR補助金は、2026年3月24日の公募開始からわずか2ヵ月ほどで受付を終了しました。備前市の補助金も、2026年7月10日時点ですでに予算消化率が100%に達しています。「まだ大丈夫だろう」と後回しにしていると、気付いたときには受付が終了している恐れがあるため、検討を始めたら早めに動くのが大切です。
太陽光発電がなくても蓄電池の補助金は使える?
自治体によって異なりますが、蓄電池単体では補助対象にならないケースが多いようです。
- 岡山市では、蓄電池は太陽光発電設備と併せて導入する場合、またはすでに太陽光発電設備を設置している住宅への導入に限られます
- 瀬戸内市では、蓄電池は太陽光発電設備の附帯設備として申請・整備するのが条件です
- 備前市では、蓄電池は容量1kW以上で、太陽光発電システム等と接続し、発電した電力を充放電できるものであるのが条件です
いずれの自治体も、蓄電池だけを導入して補助金を受けるのは難しいのが実情です。太陽光発電設備とあわせて導入を検討するか、すでに太陽光発電を設置済みの場合は、設置状況を踏まえて申請条件を確認しておきましょう。
市町村によって補助金がない場合はどうすればいい?
これまで確認した6市(岡山市・瀬戸内市・備前市・玉野市・倉敷市・津山市)以外にも、笠岡市・井原市・高梁市・新見市など、独自の補助金制度を設けている市町村があります。一方で、赤磐市のように、市独自の補助金が見当たらない自治体もあります。
お住まいの市町村に補助金がない場合は、まず国のDR補助金の公募再開状況を確認しましょう。あわせて、隣接する自治体で似たような制度がないか、施工業者に相談してみるのもひとつの方法です。
岡山市と他市町村の補助金は同時に申請できる?
いいえ、複数の市町村の補助金を同時に申請するのはできません。多くの制度では、補助対象機器を設置する住宅が「市内にあること」が条件となっているため、岡山市の補助金と、たとえば倉敷市の補助金を同時に受け取るのはできません。
補助金を申請できるのは、あくまでお住まいの市町村が実施している制度のみです。一方で、市町村の補助金と、国のDR補助金(公募再開後)の併用については、市町村ごとの確認が必要です。国の公募要領にも「地方自治体が実施する補助金や助成金との併用については、当該地方自治体に確認すること」と明記されています。
まとめ|岡山県は市町村ごとの補助金を賢く併用するのがカギ

岡山県には都道府県レベルの統一補助金はなく、蓄電池の補助金は市町村ごとに金額や条件が異なります。瀬戸内市のように補助額が手厚い自治体もあれば、備前市や津山市のように受付状況が刻々と変わる自治体もあります。
国のDR補助金は、2026年7月時点で新規受付を終了している状況です。ただし、市町村の補助金だけでも十分な支援を受けられる可能性があるため、まずはお住まいの自治体の制度を確認してみましょう。予算に達し次第終了する制度が多いため、導入を検討し始めたら、早めに動くのをおすすめします。
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