【2026年(令和8年)】千代田区の太陽光発電補助金はいくら?金額・条件・申請方法を解説

千代田区には、太陽光発電・蓄電池・エネファームを対象にした区独自の助成があり、金額は工事費を含む対象経費(税抜)の20パーセントです。V2Hは1台50万円、EV充電設備は1台30万円、窓の断熱改修はサイズと性能に応じた定額と、家庭が使える入口が10カテゴリのうち8つに広がっています。ただし主力の省エネルギー改修等助成は2026年10月7日時点で今年度の受付を一旦終了しており、ここを知らずに工事を進めると受け取れません。この記事では、区の制度と東京都の助成を10カテゴリの早見表で整理し、集合住宅で使える制度・使えない制度、申請の向きと期限まで一次情報にあたって解説します。最終確認日は2026年10月7日です。
千代田区の補助金はどれが使える?【早見表】
家庭向けの設備10カテゴリについて、千代田区と東京都のどちらから補助が出るのかを一覧にしました。2026年10月7日時点の情報です。
| カテゴリ | 千代田区 | 東京都 |
|---|---|---|
| 太陽光発電 | ○ 対象経費(税抜)の20パーセント。住宅区分は太陽光・蓄電池・エネファーム・窓・給湯器・LED照明の6項目で上限合計100万円を共有。2026年10月7日時点で今年度の受付は一旦終了 | ○ 既存住宅15万円/kW(上限45万円)。3kWで上限に到達 |
| 蓄電池 | ○ 対象経費(税抜)の20パーセント。上限100万円は太陽光・エネファーム・窓・給湯器・LED照明との合計 | ○ 10万円/kWh(DR実証に参加しない場合は上限120万円/戸)。太陽光が無い場合は都指定の再エネ電力メニューの契約が必要 |
| V2H | ○ 1台あたり最大50万円。複数台でも合計50万円。設置してから申請する事後申請 | △ 戸建住宅限定。集合住宅は対象外 |
| エコキュート・高効率給湯器 | △ 潜熱回収型ガス給湯器(エコジョーズ)が1台3万円。従来型からの交換のみ。エコキュートなど電気式ヒートポンプ給湯器は区の対象機器に掲載を確認できず | △ 太陽光連携・再エネ電力契約・DR実証参加のいずれかが条件 |
| エネファーム | ○ 対象経費(税抜)の20パーセント。上限100万円は他の住宅向け機器との合計 | ○ 戸建7万円/台・集合住宅12万円/台 |
| 窓・ドアの断熱改修 | △ 窓のみ。内窓設置は1か所4,000〜32,000円、外窓交換は15,000〜66,000円の定額。単板ガラス窓からの改修で、部屋の全ての窓を替えることが条件。玄関ドアは対象を確認できず | △ 住宅を所有する人と管理組合のみ。賃借人は対象外 |
| EV充電設備 | ○ 普通充電設備・充電用コンセントが1台最大30万円、急速充電設備が最大50万円。複数台でも合計50万円。事後申請 | △ 戸建て・既存住宅限定。事後申請 |
| HEMS | 確認できず(BEMSは事業所ビル区分にのみ掲載があり、住宅向けの掲載を確認できず) | △ 単体のメニューは確認できず。蓄電池や給湯器を新設するときのIoT機器加算として支援されます |
| 太陽熱利用 | 確認できず | △ 自然循環型(太陽熱温水器)は対象外 |
| 遮熱塗装・屋上緑化 | ○ 高反射率塗料・熱交換塗料(屋上・壁面)が対象経費の50パーセント・上限50万円。屋上等緑化と敷地内緑化は50パーセント・上限200万円、壁面緑化は上限50万円 | 確認できず |
「確認できず」は、区の公式ページで制度の掲載を確認できなかったという意味で、実施していないと区が明記しているわけではありません。千代田区は環境部門の補助・助成の一覧8ページと、区例規集の要綱編に載る助成要綱120件を確認しています。該当する設備を検討中の方は、契約の前に窓口へご確認ください。
このほか区では、家庭用生ごみ処理機の購入費助成(購入金額の3分の2・限度額3万円、1世帯1台)や、防犯機器の購入設置費用に対する補助金(2分の1・上限1万円)もあります。詳しくは千代田区の公式ページをご確認ください。
区と都を合わせた目安です。既存の戸建てに太陽光3kWなら、東京都から45万円、千代田区から工事費の20パーセントで約17万円が出て、合計は60万円台に届きます。V2Hはもっと差が開きます。東京都のV2Hは戸建住宅限定ですが、区の助成は集合住宅の共用部でも使えるため、マンションでは区の50万円が受け取れる唯一の枠です。
東京都の補助金:区市町村に関係なく使える【全都共通】
東京都には、住んでいる区市町村に関わらず使える助成制度があります。太陽光・蓄電池・V2H・窓の断熱改修・給湯器は、「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」という1つの事業のメニューとしてまとめられており、申請先は区市町村ではなく東京都(クール・ネット東京)です。住民が直接申請できます。
| 設備 | 東京都の助成額(令和8年度) |
|---|---|
| 太陽光発電 | 既存住宅 15万円/kW(3.75kW以下・上限45万円。3.75kW超は12万円/kW)/新築 12万円/kW(3.6kW以下・上限36万円。3.6kW超は10万円/kW) |
| 蓄電池 | 10万円/kWh(DR実証に参加しない場合は上限120万円/戸。参加すればこの上限は外れ、たとえば15kWhで160万円。助成対象経費が上限)。令和8年10月1日以降の事前申込は、SIIの令和8年度登録済製品一覧に登録された機器のみが対象 |
| V2H | 機器費等の1/2(上限50万円)。太陽光・EV/PHV・V2Hが揃うと10/10(上限100万円) |
| 窓・ドアの断熱改修 | サイズと性能に応じた定額(上限200万円/戸、断熱防犯窓は300万円/戸) |
| エコキュート・ハイブリッド給湯器 | 5〜14万円/台(太陽光連携・再エネ電力契約・DR実証参加のいずれかが条件) |
| エネファーム | 戸建7万円/台・集合住宅12万円/台(別事業) |
出典:災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業|クール・ネット東京
申し込みは契約の前に行います。太陽光・蓄電池・V2H・窓・給湯器は事前申込制で、受付通知が届く前に契約すると対象外になります。ただし東京都のEV充電設備だけは事後申請で、ここだけ逆です。
年間施工実績1,000件のえねこなら、この複雑な補助金申請を行政書士が無料で代行します。まずはご自宅が補助金の要件に当てはまっているか、無料相談でご確認ください。
令和8年度から現金払いは対象外です。実績報告のときに、振込明細やクレジットカードの利用明細など金融機関発行の証明書が必要です。
太陽光の単価は既存住宅のほうが高く、既存15万円/kWに対して新築は12万円/kW(3.6kW以下の場合)です。新築の設置義務化とは別の話なので混同しないようご注意ください。
区市町村の補助と東京都の補助は重ねて使えます。ただし東京都・国・他の地方公共団体の補助額の合計が、助成対象経費を超えることはできません。詳しくは東京都の補助金まるわかりでまとめています。
千代田区の独自補助
千代田区の家庭向けの助成は、環境まちづくり部環境政策課が所管する制度に集約されています。区の例規集まちづくり編には一般の住宅リフォーム助成が置かれておらず、窓・給湯器・照明といったリフォーム工事の省エネ部分は、環境部門の省エネルギー改修等助成が受け皿になる構造です。
千代田区で家庭が使える4つの制度
| 制度 | 対象になる設備 | 助成額・上限(税抜) | 主な要件・誰が申請できるか |
|---|---|---|---|
| 省エネルギー改修等助成制度(住宅) | 太陽光、蓄電池、エネファーム、窓断熱対策、高効率ガス給湯器、LED照明 | 太陽光・蓄電池・エネファームは対象経費の20パーセント。LED照明は50パーセント。窓はサイズと性能に応じた定額。高効率ガス給湯器は1台3万円。6項目を合わせて上限合計100万円 | 区内の既存建物の所有者、または所有者の承諾を得ている居住者。マンション専有部を含みます。新築は対象外。同一年度に同一の建築物で1回まで |
| 省エネルギー改修等助成制度(マンション共用部) | 太陽光、蓄電池、空調、LED照明 | 太陽光・蓄電池・空調は20パーセント、LED照明は50パーセント。上限は総戸数で3段階(100戸以下150万円/101〜200戸300万円/201戸以上450万円) | 区内の既存マンションの管理者または管理組合等。総会の議決書が必要。共用部でも住居用途に使う部分は対象外 |
| クリーンエネルギー自動車充電設備等導入費助成制度 | V2H、普通充電設備、充電用コンセント、充電用コンセントスタンド、急速充電設備 | V2Hと急速充電設備が1台最大50万円、普通充電設備と充電用コンセントが1台最大30万円。複数台でも上限合計50万円 | 区内の新築または既存の住宅の所有者・居住者、事業所、マンションの管理者・管理組合等。駐車場が区内にあること。リース機器は対象外 |
| ヒートアイランド対策助成制度 | 高反射率塗料・熱交換塗料(屋上・壁面)、屋上等緑化、敷地内緑化、壁面緑化、日射調整フィルム、菜園、レインガーデン ほか | いずれも対象経費の50パーセント。上限は屋上等緑化・敷地内緑化・菜園が200万円、壁面緑化と高反射率塗料が50万円、日射調整フィルムが30万円 | 区内の建物等の所有者、または所有者の承諾を得ている借主。新築で緑化を行う場合は敷地面積1,000平方メートル未満の建物 |
| 再生可能エネルギー100パーセント電力切替え促進事業費助成金 | 電力契約の切替(設備の設置ではありません) | 20,000円 | 区内で居住する住宅の居住者。賃貸にお住まいの方も対象です。切替日から1年以内。一世帯につき1回限り |
申請が工事の前か後かは制度ごとに違います。一覧は後半の「制度ごとの申請の向き」の表にまとめました。出典は区の各制度ページ、令和8年度の各パンフレット、区例規集の交付要綱です(2026年10月7日取得)。
制度をまたいで効く共通ルール
- ちよエコ宣言が全制度の必須条件です。個人は「ちよエコヒーロー宣言」、管理組合や法人は「ちよエコ未来企業宣言/ちよエコ未来事業者宣言」を先に登録し、登録完了が分かる画面などを申請書に添えます。宣言が無いと、他の要件をすべて満たしていても申請が通りません
- 固定資産税・住民税等の滞納があると対象外です。前年度の納税証明書の写しを添付します
- 受付はいずれも先着順で、予算がなくなった時点で終了します
- 助成を受けた機器には5年間の維持管理義務があります。5年以内に処分するときは事前に区の承認が必要で、残りの月数分を月割りで返還します
- 助成金は申請者ご本人の口座へ振り込まれます。請求書の口座名義も領収書の宛名も申請者名義でそろえます
- 申請の手続きは、機器を販売する施工業者などに代行させられます(省エネルギー改修等助成の要綱第8条、充電設備の要綱第9条)。交付申請から完了報告・請求・実績報告まで任せられます
- 対象経費に消費税は含みません。既存機器の処分費・搬入費・諸経費も外れ、購入時に付いたポイントは円換算した分が差し引かれます
- FIT・FIPの認定について、区の要綱には要否の記載が見当たりませんでした。不要と明記されているわけでもないため、断定は避けます
太陽光・蓄電池・エネファームは「工事費の20パーセント」。上限100万円は6項目の食い合いです
千代田区の太陽光発電システムへの助成は、機器本体・モジュール・パワーコンディショナー・接続箱と工事費を合わせた対象経費(税抜)の20パーセントです。kW単価ではないので、屋根が大きくて工事費がかさむほど助成額も増えます。要綱の別表1は太陽光・蓄電池・エネファームのいずれにも「新設又は改修を行うこと」と書いており、既存設備の入れ替えでなくても構いません。太陽光のモジュールは電気安全環境研究所のJETPVm認証、蓄電システムは環境共創イニシアチブが補助対象機器として指定しているものが条件です。
注意したいのは上限額の性格です。住宅区分の上限合計100万円は、太陽光・蓄電池・エネファーム・窓断熱・高効率ガス給湯器・LED照明の6項目をすべて足した金額にかかります。太陽光と窓の改修を同じ年にまとめて発注すると、片方が上限を先に食う形です。さらに要綱第3条は「同一年度内に同一建築物を対象とした助成を受けていない」者に限ると定めており、区のページも申請は同一年度1回と明記しています。年度内に小分けにして2回申請する組み方はできません。
窓の断熱改修は令和8年度から金額の出し方が変わりました
窓断熱対策は、令和7年度まで対象経費の20パーセントでしたが、令和8年度からサイズと性能に応じた定額の単価に切り替わりました。「20パーセント」と書かれたままの二次情報が残っているので、金額を計算するときは新しい単価表をご覧ください。
| 工事方法 | 1か所あたりの助成単価 |
|---|---|
| 内窓設置(既存窓の内側に新しい内窓を入れる) | 4,000円〜32,000円。熱貫流率1.1以下・面積2.8平方メートル以上が最高額 |
| 外窓交換(はつり工法・カバー工法) | 15,000円〜66,000円 |
| ガラス交換(既存サッシを残してガラスだけ交換) | 1枚1,000円〜22,000円 |
単板ガラスの窓からの改修であること、そして部屋単位で全ての窓を替えることが条件で、1部屋のうち1か所だけ内窓を入れる工事は対象になりません。対象の製品は、環境省の断熱リフォーム支援事業・先進的窓リノベ事業・子育てグリーン住宅支援事業のいずれかで補助対象製品として登録されている窓とガラスに限られます。マンションで窓が共用部にあたる場合は管理組合等の承諾が必要です。
V2HとEV充電設備は、東京都で対象外になる集合住宅でも使えます
千代田区のクリーンエネルギー自動車充電設備等導入費助成は、対象者に「区内の新築又は既存マンションの管理者又は管理組合等」を含めています。要綱第2条は、管理者も管理組合法人も置かれていないマンションでは建築主を管理組合等とみなすとまで書いており、新築マンションでの設置を想定した作りです。東京都のV2Hは「戸建住宅におけるV2H普及促進事業」という事業名のとおり戸建限定、東京都のEV充電設備も既存の戸建住宅限定なので、集合住宅では区の助成が唯一の枠になります。
一方で、区の助成には都条例がらみの除外があります。令和7年4月1日以降に建築確認済証が発行された新築建築物のうち、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例で充電設備の設置が義務づけられた分は対象外で、義務の基準数を超えて設置する分だけが助成されます。申請書に建築計画概要書の写しか台帳記載事項証明の写しを添えるのは、この判定のためです。なお申請者の自社製品や関係する者から調達した充電設備も対象外になります。
屋上緑化と遮熱塗装は50パーセント。在来種を選ぶと2割増しになります
屋根や外壁の遮熱、屋上・壁面の緑化は、省エネルギー改修等助成ではなくヒートアイランド対策助成の枠です。高反射率塗料と熱交換塗料は対象経費の50パーセント・上限50万円で、第三者機関が測った日射反射率(近赤外線領域)が50パーセント以上であることが条件になります。窓ガラスの日射調整フィルムも50パーセント・上限30万円で対象です。
千代田区らしい規定が在来種の割増です。屋上等緑化・敷地内緑化・壁面緑化・レインガーデンで、区画ごとに植える植物すべてを「千代田区在来種植栽選定の手引き」に載る在来種にすると、その区画の助成額と限度額がどちらも20パーセント割増になります。上限まで一緒に上がるので、上限に届く規模の緑化ほど効き方が大きくなります。手引きは環境政策課の窓口で閲覧できます。
新築で緑化助成を使うときは、敷地面積1,000平方メートル未満の建物が対象です。新築・既築を問わず敷地面積250平方メートル以上で千代田区緑化推進要綱の計画書提出の対象になっている建物では、要綱が定める基準を超える部分だけが助成対象になります。義務で植える分は助成されない、という切り分けです。
事業所ビル向けのメニューを家庭向けと読み違えないこと
省エネルギー改修等助成のパンフレットは、住宅・マンション共用部・事業所ビルの3区分を1枚の表に並べています。事業所ビル区分は上限200万円と金額が大きく、エネルギー管理システム(BEMS)・高効率型変圧器・人感センサーといった住宅区分にない機器も対象ですが、申請できるのは中小企業者等に限られ、原則としてクール・ネット東京の省エネルギー診断を受けていることが要件です。ご自宅の設備を検討している方は住宅区分とマンション共用部の行だけを見ます。早見表で家庭向けのHEMSを「確認できず」としたのも同じ理由で、エネルギー管理システムが載るのは事業所ビル区分だけでした。
もう1つ、集合住宅にお住まいの方が引っかかりやすい要件があります。省エネルギー改修等助成の要綱第3条第2項は、共同所有者や管理組合の構成員のいずれにも大企業者が含まれていないことを求めています。住戸とテナントが同じ建物に入り、区分所有者に大企業が含まれるマンションでは、管理組合として共用部を申請しようとした段階でここに当たる可能性があります。総会にかける前に、区分所有者の顔ぶれを窓口へご相談ください。
千代田区で太陽光・蓄電池を入れるときの注意点
千代田区の要綱は、集合住宅を前提に書かれています。省エネルギー改修等助成の要綱第2条は「住宅」の定義にマンション専有部を明記して含め、別表2でマンション共用部を独立させて上限額を総戸数で3段階に分けています。ここを踏まえた実務上の注意点を挙げます。
1. 専有部・共用部・賃貸で、申請できる人と上限額が変わります
| 立場 | 使える区の制度と上限額 |
|---|---|
| 分譲マンションの区分所有者(専有部) | 省エネルギー改修等助成の住宅区分。窓断熱・高効率ガス給湯器・LED照明が中心で、上限は6項目の合計100万円 |
| 管理組合(共用部) | 省エネルギー改修等助成のマンション共用部区分。太陽光・蓄電池・空調・LED照明が対象で、上限は100戸以下150万円/101〜200戸300万円/201戸以上450万円 |
| 賃貸にお住まいの方 | 省エネルギー改修等助成は所有者の承諾があれば居住者でも申請できます。充電設備の助成も居住者が対象で、電力切替の20,000円は居住者本人が申請します |
共用部に太陽光や蓄電池を入れるときは、総会の議決書の写しが申請書類に加わります。理事会の合意だけでは足りず、総会の日程が申請時期を決めるので、管理会社との段取りを先に組みましょう。窓の改修が共用部にかかる場合も管理組合等の承諾が必要です。
2. 区の助成は既存建物が対象。ただし充電設備だけは新築でも使えます
省エネルギー改修等助成は要綱第3条第1号が対象者を「既存の住宅の所有者又は居住者」と定めているため、新築の計画では使えません。新築で太陽光を載せる場合、区からの上乗せはなく東京都の新築向け12万円/kW(上限36万円)だけになります。一方、クリーンエネルギー自動車充電設備等導入費助成は新築・既存のどちらも対象です。同じ環境政策課の中で新築の扱いが逆になっているので、新築の計画では制度ごとに確認します。
3. 予算は年度の途中で尽きます。今年度はすでに受付が止まりました
省エネルギー改修等助成は先着順で、区は2026年10月7日時点で「予算額に達したため、今年度分の申請の受け付けを一旦終了しています」と告知しています。今後の取り扱いは検討中とされ、詳細が決まればページで案内される予定です。要綱上の受付期間は当該年度の4月から2月15日までですが、期限が残っていることと申請できることは別だと分かります。次年度を狙うなら、4月の受付開始に間に合うよう年明けから見積りを整えます。充電設備とヒートアイランド対策の助成には、同じ日の時点で受付終了の告知が出ていません。
4. 受け取って終わりではありません。1年後に使用量の実績報告があります
省エネルギー改修等助成は、要綱第1条が「効果検証を行う者に対して」助成すると書いているとおり、効果の報告までが制度に組み込まれています。要綱第14条により、助成額の確定通知を受けてから1年が経過する日の属する年度の3月末日までに、工事完了日の前後1年間の電気またはガスの使用量を記した実績報告書を提出します。検針票やマイページの記録は後から集められないので、工事の前に1年分を控えておきましょう。
5. 蓄電池を単体で入れるなら、厳しいのは都の側の条件です
千代田区は、環境共創イニシアチブの指定機器であれば蓄電池だけの設置でも対象にします。一方の東京都は、太陽光が無い住宅で蓄電池だけを入れる場合、別表で定める再生可能エネルギー電力メニューの契約と、その電力が住宅へ供給されていることを求めます。既設への増設なら単価が6万円/kWh・DR実証に参加しない場合は上限72万円/戸に変わり、太陽光が設置済みであることが必須です。金額の大きい都の要件から先に確認します。
都と区は併用できる?申請の順番は?
千代田区は4制度すべてで、国や東京都の補助金との併用を認めています。ただし「そのまま足せる」わけではなく、合計が工事費を超えた分は区の助成額が削られる仕組みです。
| カテゴリ | 東京都 | 千代田区 | 併用 |
|---|---|---|---|
| 太陽光発電 | ○ | ○ | 可。合計が対象経費(税抜)を超えると区の額が削られます |
| 蓄電池 | ○ | ○ | 同上 |
| エネファーム | ○ | ○ | 同上 |
| 窓の断熱改修 | ○ | △(窓のみ) | 可。都と区で対象製品の登録先が違うため、両方の要件を満たす製品を選びます |
| V2H | △(戸建限定) | ○ | 可。戸建てなら両方、集合住宅は区のみ |
| EV充電設備 | △(既存戸建限定) | ○ | 可。国・都の交付額が確定してから区へ申請します |
| 遮熱塗装・屋上緑化 | 確認できず | ○ | 区の助成のみ |
減額の仕組みは要綱にあります。省エネルギー改修等助成の要綱第6条第2項は、区以外から受けた助成金の額と区の算定額の合計が助成対象経費に現に要した額を上回る場合、対象額から区以外の助成金を差し引いた額を区の助成額とすると定めています。充電設備の要綱第7条も同じ考え方で、工事費(税抜)を超えて補助は出ないと読み替えられます。太陽光は都が45万円・区が工事費の20パーセントなので通常は削られませんが、蓄電池のように都の単価が大きい設備では合計が工事費に迫ることがあります。
順番が要綱で決まっている制度もあります。充電設備とV2Hでは、国または東京都の助成を併用する場合、その交付額が確定して通知を受けた後でなければ区へ申請できません。確定通知の写しが申請書類に含まれるためです。事業完了日の翌日から1年以内という区の期限は動かないので、国・都の審査が長引くと区の期限が先に来る可能性があります。
制度ごとの申請の向き
同じ工事でも、制度によって申請の向きが逆になります。
| 制度 | 申請の向き | 受付期間・期限 |
|---|---|---|
| 東京都の太陽光・蓄電池・V2H・窓ドア・給湯器・太陽熱・エネファーム | 契約前に事前申込。受付通知が届く前に契約すると対象外 | 事前申込は令和8年5月29日開始/交付申請兼実績報告は令和8年6月30日〜令和11年3月30日 |
| 東京都の戸建住宅向けEV充電設備 | 設置後の事後申請 | 令和9年3月31日まで |
| 千代田区の省エネルギー改修等助成 | 事前申請(交付決定通知を受けてから工事開始) | 令和8年4月〜令和9年2月15日。2026年10月7日時点で今年度分は受付を一旦終了 |
| 千代田区のヒートアイランド対策助成 | 事前相談+事前申請(施工前) | 令和9年2月15日まで。完了報告は令和9年3月15日まで |
| 千代田区のクリーンエネルギー自動車充電設備等導入費助成 | 事後申請(設置と支払いが済んでから) | 令和9年2月26日まで。事業完了日の翌日から1年以内 |
| 千代田区の再生可能エネルギー100パーセント電力切替え促進 | 事後申請(切替後) | 令和8年4月1日〜令和9年3月31日必着。切替日から1年以内 |
出典:千代田区の各制度ページと交付要綱、クール・ネット東京(2026年10月7日取得)
太陽光や窓の工事では、都も区も契約・着工の前に手続きを済ませます。区の交付決定通知が届く前に工事を始めると、それだけで対象外です。逆にV2HとEV充電設備は都も区も事後申請なので先に設置して構いません。太陽光とV2Hを同時に入れる計画なら、太陽光は工事の前、V2Hは工事の後という順番になります。
千代田区での導入費用と補助後シミュレーション
千代田区の助成は補助率型なので、工事費が決まらないと金額が出ません。既存の戸建てに後付けするケースで、2025年に設置された10kW未満の住宅用太陽光の全国平均 29.0万円/kW(経済産業省 調達価格等算定委員会 第102回 資料1)を工事費の目安に置いて計算します。蓄電池は出典のある費用相場を持っていないため、本体価格は書かず助成額の考え方だけを示します。
| ケース | 工事費(税抜)の目安 | 東京都から出る額 | 千代田区から出る額 | 残る自己負担 |
|---|---|---|---|---|
| 太陽光3kW | 約87万円(29.0万円/kW × 3kW) | 45万円(15万円/kW × 3kW で上限に到達) | 約17.4万円(87万円の20パーセント) | 約24.6万円 |
| 太陽光4kW | 約116万円(29.0万円/kW × 4kW) | 48万円(3.75kWを超えるため12万円/kW × 4kW) | 約23.2万円(116万円の20パーセント) | 約44.8万円 |
| 太陽光4kW+蓄電池7kWh | 太陽光は約116万円。蓄電池は見積りで確認 | 118万円(太陽光48万円+蓄電池70万円) | 太陽光23.2万円+蓄電池の工事費の20パーセント。住宅区分の上限合計100万円まで | 蓄電池の価格次第 |
東京都の助成は3kWで上限の45万円に届きます。3.0kWから3.75kWまでは何kW載せても45万円のまま増えないので、屋根に余裕がある住宅では3.75kWをまたいで4kW以上にしたほうが得です。千代田区の20パーセントは工事費に連動するため、容量を増やすと区の側は素直に増えます。蓄電池を足すときは、都と区の合計が工事費を超えないかを見ます。合計が対象経費を上回った分だけ区の助成が削られるので、見積りが想定より安く収まったときも区の額を確認しましょう。
発電した電気を家で使えば、そのぶん電力会社から買わずに済みます。東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bは、120kWhから300kWhまでの第2段階が1kWhあたり36円40銭です(2026年10月7日時点の料金単価表)。日中の在宅が少ない世帯を想定して月150kWhを自家消費に回せた場合、買電の減少は月におよそ5,460円、年間では約6万5千円です。自家消費に回せる量は生活時間帯・容量・季節で動くので、あくまで前提付きの数字で、この単価には燃料費調整額と再エネ賦課金を含んでいません。回収年数の目安は、東京都の公式Q&Aが「4kWの太陽光パネルを設置した場合、初期費用117万円が13年程度(現行の補助金を活用した場合8年)で回収可能」としています。
申請から受給までの流れ
東京都と千代田区は申請先も向きも違うため、1件の工事で並行して進めます。太陽光に区の省エネルギー改修等助成を使う場合の順番です。
| 順 | やること | 誰に | いつまで |
|---|---|---|---|
| 1 | ちよエコヒーロー宣言に登録する | 千代田区 | 区への申請より前 |
| 2 | 認証用のメールアドレスを登録し、事前申込を出す | 東京都(クール・ネット東京) | 契約を結ぶ前。令和8年5月29日から受付 |
| 3 | 事前相談のうえ、交付申請書・見積書・内訳書・図面・現況写真・納税証明書の写しを提出する | 千代田区 | 着工前。工事予定日の2〜3週間前が目安 |
| 4 | 事前申込の受付通知(都)と交付決定通知(区)を受け取る | 双方から届きます | 区の審査は2〜3週間程度 |
| 5 | 工事の契約を結んで着工し、完了までに全額を支払う(現金の受け渡しは都の助成の対象外) | 施工事業者 | 4の通知を受け取った日以降 |
| 6 | 工事完了報告書と領収書・納品書・工事写真を提出する | 千代田区 | 交付決定のあった年度の令和9年3月15日まで |
| 7 | 交付申請兼実績報告を出す | 東京都 | 事前申込の受付日から1年以内、かつ令和11年3月30日まで |
| 8 | 助成金交付請求書を提出し、入金を受ける | 千代田区 | 当該年度の3月末日まで。請求から振込まで1か月程度 |
| 9 | 工事前後1年間の電気・ガスの使用量を記した実績報告書を提出する | 千代田区 | 使用量の記録が終わる年度の3月末日まで |
区への提出は窓口持参が原則で、必要に応じて郵送も認められます。出張所では受け付けておらず、来庁には事前の予約が必要です。
申請で失敗しないための注意点
ここでは、前掲の共通ルールに書いていない失権のパターンだけを挙げます。
- 契約や着工を先に進める:都の住宅系メニューは契約前の事前申込、区の省エネルギー改修等助成とヒートアイランド対策助成は着工前の申請です。通知を待たずに動くと両方を同時に失います
- 充電設備だけ向きが逆だと気づかない:区の充電設備・V2Hは設置と支払いが済んでからの事後申請で、国・都を併用するならその確定通知を受けてから区へ出します
- 上限100万円を機器ごとの枠だと思う:住宅区分は太陽光・蓄電池・エネファーム・窓・給湯器・LED照明の合計にかかります。申請も同一年度に1回だけです
- 支払いを分割にする:一括払いが原則です。工事完了までに全額が支払われる割賦なら認められます
- 現金で支払う:都は令和8年度から金融機関が発行した証明書等を求めており、現金の受け渡しは対象になりません
- ゼロエミ住宅との排他関係を見落とす:東京ゼロエミ住宅普及促進事業と家庭における太陽光発電導入促進事業は都の側で併給できないため、新築は設計の初期段階で比べます
よくある質問(FAQ)
エコキュートに交換したいのですが、千代田区の助成は出ますか。
区の対象機器一覧に載っている給湯器は「高効率ガス給湯器(潜熱回収型)」だけで、1台3万円の定額です。従来型のガス給湯器からの交換であることが条件で、熱効率はおおむね95パーセントが目安とされています。エコキュートのような電気式ヒートポンプ給湯器は、区の一覧に掲載を確認できませんでした。実施しないと明記されているわけではないので、交換を予定している方は機種を決める前に窓口へご確認ください。東京都の側にはエコキュートのメニューがあり、太陽光連携なら14万円/台、再エネ電力契約なら5万円/台、DR実証参加なら8万円/台です。
マンションの共用部に太陽光を載せたいのですが、上限はいくらですか。
総戸数で3段階に分かれます。100戸以下は150万円、101戸から200戸までは300万円、201戸以上は450万円で、太陽光・蓄電池・空調・LED照明を合わせた合計額の上限です。申請するのは管理者または管理組合等で、総会の議決書の写しを添えます。共用部でも住居用途に使う部分は対象から外れます。なお要綱は、共同所有者や管理組合の構成員に大企業者が含まれていないことも求めているので、テナントが入る建物では事前に窓口へご相談ください。
区内の業者に頼むと助成額は増えますか。
施工業者の所在地で助成額が上がる加算は、区の4制度のいずれの要綱にも見当たりませんでした。ただし2つ条件があります。1つは、助成対象者が自分で取り付けたものは対象外で、改修は施工業者が行う必要があること。もう1つは、充電設備の助成で、申請者の自社製品や関係する者から調達した機器が対象外になることです。なお申請の手続きそのものは、要綱の代行規定により機器を販売する業者などに任せられます。
今年度の受付が終わったと聞きました。工事を進めても大丈夫ですか。
省エネルギー改修等助成については、区が予算額に達したとして今年度分の申請の受け付けを一旦終了しています(2026年10月7日時点)。今後の取り扱いは検討中で、決まりしだい区のページで案内されます。この制度は交付決定の通知を受けてから工事を始める決まりなので、受付が止まっている間に着工すると、仮に受付が再開しても対象になりません。東京都の助成は別枠で受付が続いており、こちらは契約前の事前申込が要件です。充電設備とヒートアイランド対策の助成も、同じ日の時点で受付終了の告知は出ていません。
まとめ|千代田区は区と東京都の補助でここまで下がる
千代田区は、太陽光・蓄電池・エネファームに対象経費の20パーセント、V2Hに1台50万円、窓の断熱改修にサイズと性能に応じた定額を出しています。既存の戸建てに太陽光3kWを載せるなら、工事費の目安87万円に対して東京都から45万円、区から約17万円で、自己負担はおよそ25万円です。集合住宅では、東京都が対象外とするV2Hを区の助成で拾えるほか、管理組合が共用部の太陽光・蓄電池に最大450万円の枠を使えます。
- ちよエコ宣言の登録が全制度の前提です。見積りの段階で済ませます
- 省エネルギー改修等助成は住宅区分の上限合計100万円を6項目で共有し、申請は同一年度に1回だけです。工事の組み方で受け取れる額が変わります
- 申請の向きが制度ごとに逆です。太陽光と窓は着工前、V2HとEV充電設備は設置後で、国・都を併用するなら確定通知が出てから区へ申請します
ここまでの数字は、いずれも2026年10月7日に確認したものです。省エネルギー改修等助成は同じ日の時点で今年度の受付が止まっているため、契約の前に千代田区とクール・ネット東京の公式ページで最新の状況をご確認ください。
補助金の申請、代行します(無料)
千代田区で受け取れる額は、制度の中身よりも「順番と時期」で決まります。2026年10月7日時点の制度で、既存の戸建てに太陽光3kWなら東京都の助成は45万円、4kWなら48万円、蓄電池は10万円/kWhでDR実証に参加しない場合は上限120万円/戸です。ここに千代田区の20パーセントが乗りますが、区の助成は交付決定の通知を受けてから工事を始めることが条件で、しかも先着順の予算が今年度はすでに一度尽きています。金額は容量・住宅の種別・新築か既存かで変わり、都と区と国の合計が工事費(税抜)を超える分は減額されます。
えねこは、太陽光発電・蓄電池の導入をご検討中の方に、補助金の申請代行を無料でご提供しています。千代田区の要綱は交付申請から完了報告・請求・実績報告までを施工業者に代行させられると定めているので、行政書士が無償で引き受ければ、お客様に書類を作っていただく場面はほとんどありません。年間施工実績1,000件で培った知見をもとに、ご自宅の屋根に現実的に載る容量と、都の事前申込・区の交付決定・工事契約を並べる順番をご提案します。分譲マンションの場合は、総会の議決が必要な範囲と、区分所有者の構成に関する要件もあわせて整理します。
ご相談は無料です。詳しくはえねこ公式サイトをご覧ください。
出典リンク
本記事は、千代田区および東京都(公益財団法人東京都環境公社/クール・ネット東京)が公表する令和8年度の交付要綱・パンフレット・制度ページをもとに作成しています。補助制度は年度や予算の状況で変わるため、申請の前に各実施機関の最新の案内をご確認ください。
主な出典
- 補助・助成(環境)|千代田区
- 令和8年度千代田区省エネルギー改修等助成制度|千代田区
- 令和8年度 千代田区省エネルギー改修等助成制度のご案内(パンフレット)
- 住宅向け窓断熱対策 助成内容のご案内
- 令和8年度ヒートアイランド対策助成|千代田区
- 令和8年度千代田区クリーンエネルギー自動車充電設備等導入費助成制度|千代田区
- 令和8年度再生可能エネルギー100%電力切替え促進事業費助成金|千代田区
- 千代田区低炭素建築物助成制度
- 例規集(千代田区省エネルギー改修等助成金交付要綱、千代田区クリーンエネルギー自動車充電設備等導入費助成金交付要綱、千代田区ヒートアイランド対策助成金交付要綱 ほか)|千代田区
- 家庭用生ごみ処理機購入助成制度のご案内|千代田区
- 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業|クール・ネット東京
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