【2026年(令和8年)】日野市の太陽光発電補助金はいくら?金額・条件・申請方法を解説

日野市には住宅向けの補助金がいくつもありますが、太陽光発電と蓄電池の設備そのものに出る市の補助はありません。そのぶん金額の主役は、住んでいる区市町村を問わず使える東京都の助成です。いっぽう市の側には、太陽光を載せる前提で行う耐震改修に上限30万円という他ではあまり見ない仕組みがあり、断熱改修や省エネ家電の買換えにも補助が出ます。この記事では家庭向けの設備10カテゴリを一覧に整理し、市の制度を要綱の原文から読み解いて、都との組み合わせ方まで解説します。最終確認日は2026年10月7日です。
日野市の補助金はどれが使える?【早見表】
はじめに、家庭向けの設備10カテゴリを一覧にしました。2026年10月7日時点の情報です。
| カテゴリ | 日野市 | 東京都 |
|---|---|---|
| 太陽光発電 | △ パネル本体への補助は確認できず。昭和56年5月31日以前に着工した木造戸建で、太陽光を載せる前提の設計にした耐震改修に上限30万円(耐震改修助成への加算) | ○ 既存住宅15万円/kW(3kWで上限45万円に到達)/新築12万円/kW |
| 蓄電池 | 確認できず(市の補助金案内は国と東京都の制度の紹介のみ) | ○ 10万円/kWh(DR実証に参加しない場合は上限120万円/戸)。太陽光が無い場合は都指定の再エネ電力メニューの契約が必要 |
| V2H | 確認できず(市の要綱集に掲載なし) | △ 戸建住宅限定。集合住宅は対象外 |
| エコキュート・高効率給湯器 | 確認できず(市の要綱集に掲載なし) | △ 太陽光連携・再エネ電力契約・DR実証参加のいずれかが条件 |
| エネファーム | 確認できず(市の要綱集に掲載なし) | ○ 戸建7万円/台・集合住宅12万円/台 |
| 窓・ドアの断熱改修 | 実施なし 市の断熱改修補助は要綱の定義が窓と扉を除いており、天井・床・壁・屋根裏への断熱材が対象 | △ サイズと性能に応じた定額(上限200万円/戸)。所有する人のみで賃借人は不可 |
| EV充電設備 | 確認できず(家庭向けの助成を確認できず) | △ 戸建・既存住宅限定。事後申請 |
| HEMS | 確認できず(市の要綱集に掲載なし) | △ 単体の助成は確認できず。蓄電池や給湯器と入れるときのIoT機器加算のみ |
| 太陽熱利用 | 確認できず(市の要綱集に掲載なし) | △ 1/2(上限55万円/戸)。自然循環型は対象外 |
| 遮熱塗装・屋上緑化 | 確認できず(市の緑化補助は登録した樹木・樹林の維持管理が対象で、屋上緑化や遮熱塗装への補助は確認できず(断熱改修補助も外壁塗装と屋根の葺き替えを対象から外しています)) | 確認できず |
「確認できず」は、市の公式ページで制度の掲載を確認できなかったという意味で、実施していないと市が明記しているわけではありません。この判定は、日野市例規集の要綱集の目次を部局をまたいで通読して該当する要綱が1本も無いことを確かめ、あわせて市の「環境省・東京都などの補助金情報」ページが国と東京都の制度の紹介だけで組まれていることを確認したものです。
市の欄で唯一の△は太陽光発電で、金額の出どころが他の自治体と違います。市の断熱改修補助も10カテゴリのどこにも収まらない形で存在し、令和8年7月16日に予算上限へ達して受付が終わっています。どちらも次の項で取り上げます。
このほか市では、住宅の防犯対策(防犯カメラや補助錠など、費用の1/2・上限10,000円)や、生ごみ処理機器の購入(購入額の1/2・上限10,000円)といった住宅設備以外の補助もあります。詳しくは日野市の公式ページをご確認ください。
市と都を合わせた目安を先に出します。既存の戸建てに太陽光3kWを載せる場合、東京都から45万円が出て、市からの上乗せはありません。ただし昭和56年5月以前に着工した木造の家で耐震補強と太陽光をまとめて計画するなら、市の耐震改修助成が市内の業者に頼んだ場合で上限115万円、そこへ上限30万円の加算が乗ります。日野市は「発電する設備は東京都、家の躯体は市」という分担で読むと分かりやすい市です。
東京都の補助金:区市町村に関係なく使える【全都共通】
東京都には、住んでいる区市町村に関わらず使える助成制度があります。太陽光・蓄電池・V2H・窓の断熱改修・給湯器は、「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」という1つの事業のメニューとしてまとめられており、申請先は区市町村ではなく東京都(クール・ネット東京)です。住民が直接申請できます。
| 設備 | 東京都の助成額(令和8年度) |
|---|---|
| 太陽光発電 | 既存住宅 15万円/kW(3.75kW以下・上限45万円。3.75kW超は12万円/kW)/新築 12万円/kW(3.6kW以下・上限36万円。3.6kW超は10万円/kW) |
| 蓄電池 | 10万円/kWh(DR実証に参加しない場合は上限120万円/戸。参加すればこの上限は外れ、たとえば15kWhで160万円。助成対象経費が上限)。令和8年10月1日以降の事前申込は、SIIの令和8年度登録済製品一覧に登録された機器のみが対象 |
| V2H | 機器費等の1/2(上限50万円)。太陽光・EV/PHV・V2Hが揃うと10/10(上限100万円) |
| 窓・ドアの断熱改修 | サイズと性能に応じた定額(上限200万円/戸、断熱防犯窓は300万円/戸) |
| エコキュート・ハイブリッド給湯器 | 5〜14万円/台(太陽光連携・再エネ電力契約・DR実証参加のいずれかが条件) |
| エネファーム | 戸建7万円/台・集合住宅12万円/台(別事業) |
出典:災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業|クール・ネット東京
申し込みは契約の前に行います。太陽光・蓄電池・V2H・窓・給湯器は事前申込制で、受付通知が届く前に契約すると対象外になります。ただし東京都のEV充電設備だけは事後申請で、ここだけ逆です。
年間施工実績1,000件のえねこなら、この複雑な補助金申請を行政書士が無料で代行します。まずはご自宅が補助金の要件に当てはまっているか、無料相談でご確認ください。
令和8年度から現金払いは対象外です。実績報告のときに、振込明細やクレジットカードの利用明細など金融機関発行の証明書が必要です。
太陽光の単価は既存住宅のほうが高く、既存15万円/kWに対して新築は12万円/kW(3.6kW以下の場合)です。新築の設置義務化とは別の話なので混同しないようご注意ください。
区市町村の補助と東京都の補助は重ねて使えます。ただし東京都・国・他の地方公共団体の補助額の合計が、助成対象経費を超えることはできません。詳しくは東京都の補助金まるわかりでまとめています。
日野市の独自補助
では、市から出るものを制度ごとに見ていきます。日野市の家庭向けの制度は、まちづくり部が所管する住宅の改修補助と、環境共生部が所管する省エネ・再エネの2系統です。太陽光と蓄電池の設備費を直接支援するメニューはありません。
住宅耐震化及び住宅ストック改修補助金:5つの事業が1本の要綱に束ねられています
所管はまちづくり部都市計画課住宅政策係です。「リフォームの補助金」を探して日野市にたどり着いた場合、実務上ここが本体になります。要綱は令和8年6月19日施行で、令和8年4月1日から適用されています。
| 事業 | 補助率 | 上限額 | 対象住宅 | 対象工事費の下限 |
|---|---|---|---|---|
| 木造住宅耐震診断 | 2/3以内 | 8万8,000円 | 昭和56年5月31日以前に着工した木造戸建。平成12年5月31日までに着工した在来軸組工法も対象 | 2万円以上 |
| 木造住宅耐震改修工事 | 4/5以内 | 95万円(市内事業者の施工なら115万円) | 昭和56年5月31日以前に着工した木造戸建。建て替えも対象 | 10万円以上 |
| 太陽光発電システム付属耐震改修 | 3/5以内 | 30万円 | 上記の耐震改修を行う建物。建て替えは対象外 | 市の案内は300万円超、要綱は250万円超 |
| 住宅バリアフリー化改修工事 | 1/10以内 | 20万円 | 築1年以上の住宅。集合住宅は専有部分のみ | 10万円以上 |
| 木造住宅断熱改修工事 | 1/6以内 | 20万円 | 築1年以上の木造戸建 | 10万円以上 |
出典は同補助金の交付要綱と市の案内ページで、2026年10月7日に取得しました。工事費はいずれも消費税を含む額で判定されます。
上限額の食い合いにご注意ください。耐震改修とバリアフリーと断熱をまとめて行う場合、補助金の合計は115万円が限度で、耐震改修を市内事業者が施工する場合だけ135万円まで伸びます。市外の業者で3つを積み上げると95万円+20万円+20万円で135万円ですが、合計上限が115万円なので20万円が消えます。世帯に障害者手帳や要介護認定を持つ方が居住している場合は別表で増額され、合計上限も市外業者186万3,000円、市内業者196万2,000円まで上がります。
太陽光を載せる前提の耐震改修に、上限30万円の加算があります
太陽光に関わるのはここだけです。要綱は、太陽光発電システム(2kW以上/棟)の設置を想定した設計で、設置後も上部構造評点1.0以上を満たす設計が行われている耐震改修工事を対象としています。市の案内ページでも「2に対する加算」と明記されていて、耐震改修助成の代わりではなく上乗せです。出るのはパネルや設置工事ではなく、屋根に重さが加わっても倒れない設計にするための躯体側の費用に対してです。
金額の判定には注意点があります。市の案内ページは対象工事費を「300万円を超えるもの」と書いていますが、要綱第6条は「250万円を超えるもの。ただし令和6年4月1日から令和8年3月31日までの間に着手するものについては、300万円を超えるもの」と定めており、令和8年4月以降の着手は本則で読むと250万円超が対象です。金額に直接効くので、計画の段階で市へお問い合わせください。なお要綱のただし書は合計上限115万円(市内事業者135万円)の対象として耐震改修・バリアフリー・断熱の3つを挙げるだけで、この加算の名前は挙がっていません。合計いくらまで出るかもあわせて確認しておくと安全です。
断熱改修は窓ではなく壁の断熱材が対象で、今年度は受付が終わっています
日野市の断熱改修補助は、居室や玄関、便所、浴室、廊下などに面する天井・床・壁・屋根裏の内部へ断熱材を充填する工事が対象です。要件は、対象になる部屋の壁のうち外気に接する壁を全部まとめて施工することと、断熱材が断熱等性能等級4に相当する性能を持つことの2つです。この「外気に接する壁」の範囲から窓と扉が除かれているため、内窓の設置やガラス交換、玄関ドアの交換は市の対象になりません。外壁塗装と屋根の葺き替えも対象外だと市が明記しています。窓とドアは東京都の助成が単体で使えるので、市が壁の断熱材、都が窓とドアと役割が分かれていると考えると整理しやすくなります。
そのうえで、令和8年度については重要な事実があります。バリアフリー改修工事と断熱改修工事の補助金は、交付申請額が予算上限に達したため受付が終了しました(市の表記は令和8年7月16日現在。2026年10月7日に確認)。耐震診断・耐震改修・加算には終了の告知が出ていません。
省エネ家電買換え促進補助金:エアコンと冷蔵庫で最大4万円
環境共生部環境政策課が所管するメニューです。買換えでエアコンまたは冷蔵庫を設置した場合に、本体費用(税抜)の4分の1で上限20,000円が出ます。対象はエアコンなら目標年度2027年度で多段階評価点が★3.0以上のもの(冷房能力3.6kW以上なら★2.0以上でも可)、冷蔵庫は目標年度2021年度の省エネ基準達成率100パーセント以上、つまり省エネ性マークがグリーンのものです。
見落としやすいのが回数の数え方です。市の案内ページは「同一年度内に本人又は同一世帯で生活する者が当該補助を受けていない」と1行だけ書いていますが、要綱は1つの住宅に対してエアコン1台と冷蔵庫1台のそれぞれを補助対象と定め、対象外になる条件も機器ごとに別に置いています。両方を買い換えれば合計で最大4万円になる読み方です。両方申請するつもりなら窓口で確認しておきましょう。
購入先の縛りもあります。市内の店舗で購入し、自分が住む市内の住宅に設置することが要件で、市外の量販店やインターネット通販は対象外です。購入の対象期間は令和8年4月1日から令和9年1月31日までで、年度末の3月までではありません。申請は令和8年6月1日から令和9年2月26日必着です(要綱の条文は2月28日までですが、市の案内が2月26日必着なので早いほうに合わせます)。
予算は総額2,000万円で、市が残額を公表しています。申請額595万8,000円で消化率29.79パーセント、残額1,404万2,000円です(市の表記は2026年8月17日現在。市は毎週火曜日に更新しています)。なおエアコンには低所得世帯向けの購入費助成が別にあり、こちらは購入前の事前申請です。同じ機器なのに向きが逆になるので、該当する場合は買う前にご確認ください。
実質再エネ電力等切替支援金:一律2万円、交付予定は25件
電力の契約を実質再エネ100パーセントのプランへ切り替えた市民に、一律20,000円を交付する制度です。設備ではなく電力契約に紐づくので、太陽光や蓄電池の工事とは独立して使えます。要綱は令和8年5月18日制定で、令和12年3月31日までの期限付きです。対象は、再生可能エネルギー由来で電力量の100パーセントに環境価値が証されるプランと、化石燃料以外のエネルギー源による発電でFIT非化石証書等により環境価値が証されるプランです。市は該当する小売電気事業者を紹介するページを持っていますが、掲載外の事業者でも要件を満たせば対象になるとしています。
要件で効くのは4点です。令和8年4月1日以後に切り替え、切替日から1か月以上経ってから申請すること。同じ地点で実質再エネ電力等ではないプランから切り替えていること(引っ越して新規に契約した形は合いません)。申請者と振込口座の名義が電力契約者と同一であること。そして回数で、市の案内ページは過去の受給に加えて「交付を受けたことがある者と同じ住宅に住んでいないこと」まで求めています。要綱の条文は「本要綱に基づく助成を受けていないこと」だけなので、市の案内のほうが厳しい書き方です。厳しいほうで見ておくと落ちません。
予算は500,000円で、交付予定件数は25件です。受付は令和8年6月1日から令和9年2月26日までですが、予算に達すると期間内でも終了します。なお東京都の蓄電池の助成は、太陽光が無い住宅では都が定める再生可能エネルギー電力メニューの契約を求めます。この支援金の対象プランがその要件を満たすかは、市と都の公式資料を照らし合わせても確認できませんでした。両方を狙う場合は、契約の前にそれぞれの窓口へご確認ください。
3つの制度に共通するルール
制度ごとに散らばっている条件を、まとめて並べます。申請の向きと期限は制度ごとに違うので、後半の一覧表にまとめました。
- 予算残:省エネ家電は残額1,404万2,000円(2026年8月17日現在)。バリアフリーと断熱は令和8年7月16日現在で受付終了。電力切替は交付予定25件で残数の公表はありません
- 先着か抽選か:省エネ家電と電力切替はどちらも申請日順で、同じ日に複数の申請が重なって予算を超える見込みのときだけ抽選です
- 申請回数:住宅の改修補助は住宅1棟につき1回で、年度が変わっても復活しません。省エネ家電は機器ごとに世帯単位、電力切替は住宅単位で1回です
- 名義:省エネ家電は申請者名・口座名義・領収書名義・保証書名義・家電リサイクル券の排出者を同一人にそろえます。電力切替は申請者と口座名義が電力契約者と同一であることが要件です
- 受取方法:いずれも申請者名義の口座への振込です。ただし住宅の改修補助には委任払い制度があり、事業者と合意して委任状を出すと補助金を差し引いた差額だけを事業者へ支払う形にできます
- 市税:住宅の改修補助は申請日に市税の滞納がないことが条件です。市の貸付の返済の滞納も見られます
- 書類の保管:3制度いずれも、会計年度の終了後5年間の保管義務があります
市内事業者の扱いは「上限額が2段階になる」型です
耐震改修助成は、市内事業者が施工する場合の上限が115万円、市外事業者なら95万円です。加算でも必須要件でもなく、上限だけが20万円動きます。ここでいう事業者は、申請するご本人ではなく実際に工事をする施工業者のことです。ただし要綱には市内事業者の定義がなく、本社が市内にあることか、支店や営業所でもよいのか、書類の記載住所で判定するのかは読み取れません。市の案内ページでも確認できませんでした。20万円が動く条件なので、業者を決める前に判定の基準を市へ確認しておきましょう。市は耐震診断について市内の診断業者一覧を公表しているので、探すときの手がかりになります。なお省エネ家電のほうは形が違って、市内の店舗で購入することが必須要件です。施工業者ではなく販売店で切る形なので、市外やインターネットで安く買うと対象から外れます。
補助金以外に市が持っている仕組み
みどりの保護育成に関する補助金は、市に登録した樹木・樹林・草花の群生地の剪定、下草刈り、間伐を対象に、費用の2分の1で1件10万円(樹木1本あたり5万円)までを補助します。着手前の事前申請で、一度受けると翌年度の初日から3年を経過するまで再申請できません。屋上緑化や壁面緑化への補助ではないので、屋根の使い方の選択肢としては数えられません。雨水浸透施設のほうは補助金ではなく、市が費用を負担して設置し完成後に所有者へ無償譲渡する形です(平成12年に補助金交付要綱が廃止されました)。屋根の使い方に関わるので、次の注意点で取り上げます。
太陽光と蓄電池については、市は共同購入の「みんなのおうちに太陽光」と初期費用ゼロの設置という都の仕組みを案内しています。どちらも値引きやリースの形なので、補助金の一覧に混ぜて金額を足すことはできません。
二次情報に高額な数字が残っている点にも触れておきます。日野市例規集には平成21年制定の太陽光パネル設置経費補助要綱があり、設置費用のうち2,300,000円を限度に補助すると定めています。ただしこれはエコひいきな住宅事業の「3大特典」の1つで、対象敷地が別表で16区画に限定され、対象は当該敷地に住宅を建築する事業者です。一般の市民が今から申し込める制度ではないため、本記事はこの230万円を使える補助として扱っていません。
日野市で太陽光・蓄電池を入れるときの注意点
日野市は多摩川と浅川が合流する低地と、台地や丘陵の斜面が同じ市域に収まっている土地です。市の制度もその地形を前提に組まれています。契約や見積りに進む前に、この市で押さえておきたい論点を4つ挙げます。
1. 旧耐震の木造なら、太陽光より先に耐震の設計が決まります
日野市が太陽光を載せる前提の耐震改修に加算を用意しているということは、旧耐震の木造住宅の屋根にパネルを載せると上部構造評点が下がりうるという前提を、市が制度で認めているということです。パネルと架台の重さは屋根の上に増えるので、耐震診断の結果が1.0未満の家では、パネルを載せたあとも1.0以上になる設計にしないと補強の意味が薄れます。
順番としては、耐震診断を先に受け、補強案を作る段階で「ここに何kW載せる」を伝えます。パネルを載せてから耐震改修をすると、加算の要件である「太陽光の設置を想定した設計」に当てはまるかが怪しくなり、足場も二度組むことになります。
2. 屋根に降った雨水の行き先まで、市が気にする市です
雨水浸透施設設置事業の要綱は、湧水を「ハケ下等に湧き出た地下浸透水及び伏流水」と定義し、公共水域の流水の浄化に関する条例の一環として健全な水循環の保全と回復を掲げています。そして市民に対して、戸建住宅や集合住宅の屋根に降った雨水を対象とした浸透施設を設置するよう求めています。日野市で屋根は、発電する場所であるだけでなく雨水を地下へ返す入口として扱われています。
太陽光の工事で雨どいや軒先の取り回しを変えるなら、浸透桝の機能を落とさない形にする必要があります。屋根の工事を頼むときは、雨水の経路の扱いまで見積りに含めてもらいましょう。
3. 丘陵地と法面では、そもそも浸透施設を置けない区域があります
同じ要綱の第7条は、宅地造成等規制法に係る区域、急傾斜地および法面の安全性が損なわれる区域、自然環境を害するおそれがある区域には浸透施設を設置できないと定めています。市内全域を対象としながら例外を3つ置いているのは、そうした土地が現にあるからです。斜面地や擁壁の上に建つ家では、太陽光の工事にも制約が出ます。足場を組める幅、パネルを運び上げる経路、クレーンを据える場所の有無で工事費が変わるので、見積りの段階で屋根の形と搬入経路を見てもらってから容量を決めるのが確実です。
4. 市の住宅改修補助は、住宅1棟につき生涯1回だけです
ここが日野市でいちばん損をしやすいところです。住宅耐震化及び住宅ストック改修補助金は、対象になる住宅1棟につき1回で、過去に同様の補助を市から受けていると使えません。年度が変わっても復活しないので、耐震改修・バリアフリー・断熱・加算を別々の年に少しずつ申請する形が取れません。しかも令和8年度はバリアフリーと断熱の受付が7月16日で終わっています。断熱も入れて1回で使い切る形は今年度は作れないので、耐震と加算だけで申請するか来年度に組み直すかの二択です。1回しか使えない枠をどこで切るかは、工事の順番より前に決めておく話です。
都と市は併用できる?申請の順番は?
結論から言うと、日野市の補助と東京都の助成は重ねて使えます。市の住宅改修補助の要綱には、国や東京都から補助を受ける場合に対象経費や補助額を差し引く規定が見当たりませんでした(消費税の仕入控除税額を減額する規定だけです)。省エネ家電の要綱も、対象経費から除くのはポイント割引と消費税に相当する部分だけです。控除の規定を確認できなかった、という書き方にとどめますが、都から出た分だけ市の額が削られる仕組みは条文から読み取れません。東京都の側には、都の助成額と国・他の地方公共団体の補助額の合計が助成対象経費を超えられないという枠があります。なお市の案内ページには、グリーン住宅ポイント制度との併用はできないと書かれています。
つまずきやすいのは金額ではなく順番です。日野市は、同じ市の中で申請の向きが3通りに分かれます。
| 制度 | 申請の向き | 誰が申請できるか | 期限 |
|---|---|---|---|
| 東京都(太陽光・蓄電池・V2H・窓・給湯器) | 事前申込。受付通知が届いてから契約します | 住宅の所有者など。窓・ドアは所有する人のみで賃借人は不可 | 交付申請は事前申込の受付日から1年以内と令和11年3月30日の早い日 |
| 東京都(EV充電設備) | 事後申請 | 戸建・既存住宅の所有者 | 事業の要領で確認します |
| 日野市 住宅耐震化及び住宅ストック改修補助金 | 事前申請。交付決定通知を受けてから契約します | 対象住宅の所有者で、工事後にその住宅に住む人 | 年度の12月28日まで(バリアフリー・断熱は令和8年7月16日現在で受付終了) |
| 日野市 省エネ家電買換え促進補助金 | 事後申請。購入して設置してから申請します | 市内に住所がある個人。世帯の誰でも可だが名義をそろえます | 令和9年2月26日必着 |
| 日野市 低所得世帯向けエアコン購入費助成 | 事前申請。購入前に申請します | 該当する世帯 | 市の案内で確認します |
| 日野市 実質再エネ電力等切替支援金 | 事後申請。切替日から1か月以上経ってから | 電力契約者本人。口座名義も契約者と同一 | 令和9年2月26日 |
| 日野市 みどりの保護育成に関する補助金 | 事前申請。着手前に申請します | 市に登録した樹木・樹林等の所有者 | 年度内に完了する事業 |
太陽光と耐震改修をまとめて頼む場合の並びは、都の事前申込を出して受付通知を待ち、それと並行して市へ交付申請を出し、市の交付決定通知が届いてから契約する流れです。都の通知の前に契約すると都の助成が消え、市の交付決定の前に契約すると市の補助が消えます。どちらも「通知が来る前に印鑑を押さない」の一点に集約されます。
順番の組み方は、契約前にすべて決めておくほど受け取れる額が増えます。えねこは行政書士が申請を無償で代行しているので、どの制度をどう並べるかの設計から任せていただけます。詳しくはえねこ公式サイトをご覧ください。
日野市での導入費用と補助後シミュレーション
日野市らしいケースを3つ並べます。太陽光の工事費には、2025年に設置された10kW未満の住宅用太陽光の全国平均29.0万円/kW を置きました(出典は経済産業省 調達価格等算定委員会 第102回 資料1です)。屋根の形や機器で上下するため、規模感をつかむ数字としてご覧ください。
| 項目 | 太陽光3kW | 太陽光4kW | 旧耐震木造の耐震改修+太陽光3kW |
|---|---|---|---|
| 工事費用の目安 | 約87万円 | 約116万円 | 耐震改修300万円+太陽光約87万円 |
| 東京都の助成 | 45万円(上限に到達) | 48万円(3.75kW超で単価が12万円/kWに下がる) | 太陽光に45万円 |
| 日野市の補助 | 0円 | 0円 | 耐震改修に115万円(市内事業者・上限)+加算30万円 |
| 自己負担の目安 | 約42万円 | 約68万円 | 約197万円(耐震補強を含む) |
太陽光だけを入れる場合、市の上乗せがないので東京都の上限に届く容量まで載せるかが効きます。上限45万円には3kWちょうどで到達するので、丘陵地の狭い屋根でも都の助成は取り切れます。3.0kWから3.75kWの間は何kW載せても45万円で頭打ちになり、3.75kWを超えると単価が12万円/kWに切り替わって4kWで48万円と再び増えます。
3つ目が日野市の特徴です。耐震改修に300万円かかる場合、市の助成は費用の5分の4以内で市内事業者なら上限115万円に達し、そこへ太陽光を想定した設計にすることで上限30万円の加算が乗ります。加算の対象になる工事費の下限は市の案内と要綱で食い違っているので、実際の判定は市へご確認ください。
蓄電池は容量と機種で本体価格が大きく動くため、ここでは受け取れる額だけを並べます。太陽光3kWと蓄電池7kWhを同時に入れる場合、東京都は太陽光45万円に蓄電池70万円(10万円/kWh。DR実証に参加しない場合は1戸あたり上限120万円)を加えて115万円です。市からの上乗せはありません。助成の合計が助成対象経費を上回る分は減額されます。
電気代はどれだけ下がるか
補助金が下げるのは初期費用です。毎月の効果は、発電した電気を自宅で使った分だけ買う電気が減ることで出ます。日野市は東京電力エナジーパートナーの管内で、従量電灯Bの第2段階(月120kWhを超えて300kWhまで)の電力量料金は1kWhあたり36円40銭です(料金単価表を2026年10月7日に確認しました)。3kWの設備で発電した電気のうち月120kWhを自宅で使い切れたとすると、減る買電は月に約4,370円、年間で約5万2千円です。日中の在宅時間と季節で自家消費できる量は動くため、前提を置いた目安になります。
なおこの単価には燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金が含まれていないので、請求額の減りは上の計算より大きくなります。ご自宅の実勢に近い単価は、検針票の請求額を使用電力量で割ると出ます。
申請から受給までの流れ
旧耐震の木造住宅で、耐震改修と太陽光をまとめて行う場合を例に、東京都と日野市の手続きの並びを表にします。
| 順 | やること | 誰に | いつまで・目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 耐震診断を受け、上部構造評点と補強案を出してもらう | 診断機関 | 診断への補助も市から出ます(2/3以内・上限8万8,000円) |
| 2 | 太陽光を何kW載せるかを決め、それを織り込んだ補強案にする | 施工業者・設計者 | 加算の要件になります |
| 3 | 認証用のメールアドレスを登録し、契約より先に事前申込を出す | 東京都(クール・ネット東京) | 令和8年度は令和8年5月29日に受付開始 |
| 4 | 見積書・図面・写真・納税証明書をそろえて交付申請を出す | 日野市 | 年度の12月28日まで |
| 5 | 東京都の受付通知と日野市の交付決定通知を受け取ってから契約し、施工する | 施工業者 | 申請した年度内に完了させます |
| 6 | 設置前・工事中・完了後の写真を、申請時と同じ番号で残してもらう | 施工業者 | 足場を外す前に撮ります |
| 7 | 完了報告書を出す | 日野市 | 完了後すみやかに |
| 8 | 交付申請兼実績報告を出す | 東京都 | 事前申込の受付日から1年後と令和11年3月30日の早いほう |
| 9 | 交付額確定通知を受け、請求書を出して振込を受ける | ― | 委任払いなら工事代金から差し引かれます |
市へ出す書類は、建物の登記事項証明書または固定資産評価証明書、見積書、世帯全員の納税証明書、耐震診断結果の写し、施工箇所の図面と写真、太陽光パネル設置予定確認書などです。見積書と図面と写真は同じ番号で対応させる決まりなので、業者に先に伝えておきましょう。
申請で失敗しないための注意点
受け取れるはずの助成を落としやすい箇所を、都と市に分けて挙げます。
東京都の助成で気をつけること
- 現金で支払うと対象外です。実績報告に金融機関が発行した証明書を添える必要があります
- 設置の契約にキャッシュバック(商品券や還元ポイントを含みます)が付いていると、その分は助成対象経費から差し引かれます
- 新築で東京ゼロエミ住宅普及促進事業を使うと、家庭における太陽光発電導入促進事業は重ねて受けられません
- 2025年4月からの新築住宅への太陽光の設置基準は、都内で年間合計2万平方メートル以上を供給する大手住宅メーカー約50社にかかる義務です。家を建てる側・買う側に設置義務はありません
日野市の補助で気をつけること
- 住宅改修補助はいずれも交付決定通知が届く前に契約すると受けられません。相見積りを取る段階と契約する段階を分けて進めます
- バリアフリー改修と断熱改修は2社以上の見積書が必要です(令和8年度は7月16日現在で受付終了)
- 住宅1棟につき1回だけで、年度が変わっても復活しません。どの工事で使うかを先に決めます
- 申請日に市税の滞納があると対象外です
- 省エネ家電は市内の店舗で購入したものだけが対象で、申請者名・口座名義・領収書名義・保証書名義・家電リサイクル券の排出者を同一人にそろえます
- 省エネ家電の対象になる購入は令和9年1月31日まで、申請は令和9年2月26日必着です。年度末までではありません
- 実質再エネ電力等切替支援金は交付予定25件です。予算に達すると期間内でも受付が終わります
よくある質問(FAQ)
日野市に太陽光の補助金は本当にありませんか。
パネルと設置工事に対する市の補助は確認できませんでした。市の補助金案内ページは国と東京都の制度の紹介だけで構成されており、例規集の要綱集を部局横断で読んでも家庭向けの太陽光設備の補助は見当たりません。使えるのは、旧耐震の木造住宅の耐震改修に付く上限30万円の加算です。パネル代そのものは東京都の助成で、既存住宅なら15万円/kW(上限45万円)です。
新築でも日野市の補助を受けられますか。
住宅耐震化及び住宅ストック改修補助金は、耐震関係が昭和56年5月31日以前の着工、バリアフリーと断熱が築1年以上経過した住宅を対象にしているため、新築では使えません。省エネ家電と実質再エネ電力等切替支援金は築年数を問わないので、新築でも要件を満たせば申請できます。新築で太陽光を載せる場合は東京都の助成が入口になり、単価は12万円/kW(3.6kW以下・上限36万円)で既存住宅より低くなります。
マンションや賃貸住宅に住んでいる場合はどうなりますか。
市のバリアフリー改修は集合住宅の専有部分が対象になりますが、耐震改修と断熱改修は木造の一戸建てに限られます。省エネ家電と電力切替は住宅の種別を問いません。東京都は太陽光・蓄電池・窓のメニューで管理組合が申請できる一方、V2Hは戸建住宅に限られ、窓・ドアの断熱改修は所有する人が要件なので賃借人は使えません。なお市の要綱は補助対象者を所有者と定め、工事後にその住宅に自ら住むことを求めています。案内ページは対象建築物に賃貸住宅を含むと書いているので、貸家で使えるかは窓口でご確認ください。
FIT認定は必要ですか。売電しない設計でも助成は受けられますか。
日野市の太陽光付属耐震改修の要綱には、FIT・FIPに関する記載がありません。要件は太陽光発電システムを2kW以上載せる想定の設計であることと、設置後も上部構造評点1.0以上を満たすことです。東京都についても、太陽光の手引きや蓄電池・V2Hの要綱にFIT・FIPの記載を確認できませんでした。「不要」と書かれているわけでもないので、設計が固まる前に窓口へお問い合わせください。
まとめ|日野市は市と東京都の補助でここまで下がる
日野市には太陽光と蓄電池の設備補助がなく、その部分は東京都の助成が主役になります。既存の戸建てに太陽光3kWを載せるなら、設置費用の目安87万円に対して東京都から45万円で、自己負担は約42万円です。市の側は、旧耐震の木造住宅の耐震改修に上限115万円(市内事業者の場合)と、太陽光を載せる前提の設計に上限30万円の加算を用意しています。省エネ家電の買換えでエアコンと冷蔵庫が各2万円、電力契約の切替で2万円も加わります。
押さえておきたいのは次の3点です。
- 市の住宅改修補助は住宅1棟につき生涯1回で、年度が変わっても復活しません。バリアフリーと断熱は令和8年7月16日現在で受付が終わっているため、令和8年度は耐震と加算で使うか来年度まで待つかの判断になります
- 東京都は契約より前の事前申込、市の住宅改修補助は交付決定通知より前の申請、省エネ家電と電力切替は買ったあと切り替えたあとです。通知が届く前に契約しないことが共通の分かれ目です
- 旧耐震の木造なら、太陽光の容量を先に決めて耐震の補強案に織り込みます。順番が逆になると加算の要件から外れます
ここに挙げた数字は、すべて2026年10月7日に確認したものです。着工の前には、日野市とクール・ネット東京の公式ページで最新の内容をご確認ください。
補助金の申請、代行します(無料)
日野市は、制度の数は多くないのに申請の向きが3通りに分かれる市です。東京都の事前申込を出す前に契約すると太陽光の助成が消え、市の交付決定通知が届く前に契約すると耐震と加算が消えます。省エネ家電と電力切替は逆に、買ってから切り替えてからの申請です。しかも市の住宅改修補助は住宅1棟に1回しか使えないので、どの工事でその1回を使うかを工事の前に決めておく必要があります。
えねこは、太陽光発電と蓄電池の導入をお考えの方に、補助金申請代行を無料でご用意しています。行政書士が手続きを代行しますので、書式をそろえたり写真を撮り直したりする手間がかかりません。年間施工実績1,000件で積み上げた知見から、丘陵地の屋根に現実的に載る容量と、市と都のどの制度をどの順番で使うと有利かまで合わせてご提案します。
2026年10月7日時点の制度で、既存の戸建てに太陽光3kWを設置した場合、東京都から45万円が目安です。市からの上乗せはありませんが、昭和56年5月以前に着工した木造住宅で耐震改修を同時に行うなら、市から上限115万円と加算30万円が加わります。金額は容量・住宅の種別・工事の内容で変わり、助成の合計が助成対象経費を超える分は減額されます。まずは屋根と設備の現況を見せていただき、受け取れる金額の見通しをお伝えします。
ご相談は無料です。詳しくはえねこ公式サイトをご覧ください。
出典リンク
本記事は、日野市および東京都(東京都環境公社/クール・ネット東京)が公表する令和8年度の制度資料をもとに作成しています。補助制度の内容は、年度の切り替わりや予算の消化状況で変わります。申請に進む前に、各実施機関が出している最新の案内を必ずご確認ください。
主な出典
- 住宅の耐震化・バリアフリー化・断熱改修の補助金|日野市
- 交付要綱(例規集)|日野市
- 省エネ家電買換え促進補助金|日野市
- 交付要綱(例規集)|日野市
- 実質再エネ電力等切替支援金|日野市
- 交付要綱(例規集)|日野市
- 環境省・東京都などの補助金情報|日野市
- 雨水浸透施設設置事業に関する要綱
- みどりの保護育成に関する補助金交付要綱
- 住宅防犯対策補助金交付要綱
- 生ごみ処理機器等購入費補助金交付要綱
- エコひいきな住宅事業実施要綱
- 太陽光パネルのモニター制度に伴う太陽光パネル設置経費補助要綱
- 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業|クール・ネット東京
- 調達価格等算定委員会(第102回)配布資料1|経済産業省
- 料金単価表|東京電力エナジーパートナー
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