【2026年(令和8年)】足立区の太陽光発電補助金はいくら?金額・条件・申請方法を解説

補助金

足立区には、太陽光発電と蓄電池を対象にした区独自の補助金があります。太陽光は1kWあたり6万円(区内の事業者から購入した場合は7万2千円)、蓄電池は一律5万円(同6万円)で、これに住んでいる区市町村を問わず使える東京都の助成が重なります。この記事では、足立区の制度と東京都の制度をそれぞれ整理したうえで、両方を使ったときに自己負担がいくらまで下がるのかを、一次情報にあたって解説します。最終確認日は2026年10月7日です。

足立区の補助金はどれが使える?【早見表】

まず、家庭向けの設備10カテゴリについて、足立区と東京都のどちらから補助が出るのかを一覧にしました。

2026年10月7日時点の情報です。

カテゴリ足立区東京都
太陽光発電○ 6万円/kW・上限24万円(区内事業者なら7万2千円/kW・上限28万8千円)○
蓄電池○ 一律5万円(区内事業者なら6万円)△ 太陽光が無い場合は都指定の再エネ電力メニューの契約が必要
V2H確認できず△ 戸建住宅限定。集合住宅は対象外
エコキュート・高効率給湯器確認できず△ 太陽光連携・再エネ電力契約・DR実証参加のいずれかが条件
エネファーム○ 5万円○
窓・ドアの断熱改修△ 省エネリフォーム補助金の枠内。対象経費の3分の1・上限5万円で、着工前の申請が必要△ 住宅を所有する人のみ。賃借人は対象外
EV充電設備△ 2万5千円。東京都の同種の助成との併用は不可△ 戸建て・既存住宅限定。事後申請
HEMS確認できず△ 単体の助成は確認できず。蓄電池・給湯器と同時のIoT機器加算のみ
太陽熱利用確認できず△ 自然循環型(太陽熱温水器)は対象外
遮熱塗装・屋上緑化○ 遮熱塗装は省エネリフォーム補助金、屋上・壁面緑化は緑化工事の助成(限度額30万円)確認できず

表の「確認できず」は、区の公式ページで制度の掲載を確認できなかったという意味で、実施していないと区が明記しているわけではありません。2026年10月7日時点の確認です(足立区は補助金一覧と受付状況一覧、東京都はクール・ネット東京の助成金一覧で確認しました)。導入予定の設備がここに含まれる場合は、着工前に窓口へご確認ください。

このほか区では電動自転車・防犯カメラなどの補助もあります。詳しくは足立区の公式ページをご確認ください。

区と都を合わせた目安として、既存の戸建てに太陽光4kWを載せた場合、東京都から48万円、足立区から24万円(区内事業者なら28万8千円)で、合計72万円から76万8千円になります。蓄電池も同時に入れると、ここに都の10万円/kWhと区の5万円(同6万円)が上乗せされます。金額の内訳は後半のシミュレーションで詳しく見ていきます。

東京都の補助金:区市町村に関係なく使える【全都共通】

東京都には、住んでいる区市町村に関わらず使える助成制度があります。太陽光・蓄電池・V2H・窓の断熱改修・給湯器は「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」という1つの事業のメニューにまとめられており、申請先は区市町村ではなく東京都(クール・ネット東京)です。住民が直接申請できます。

設備東京都の助成額(令和8年度)
太陽光発電既存住宅 15万円/kW(3.75kW以下・上限45万円。3.75kW超は12万円/kW)/新築 12万円/kW(3.6kW以下・上限36万円。3.6kW超は10万円/kW)
蓄電池10万円/kWh(DR実証に参加しない場合は上限120万円/戸。参加すればこの上限は外れ、たとえば15kWhで160万円。助成対象経費が上限)。令和8年10月1日以降の事前申込は、SIIの令和8年度登録済製品一覧に登録された機器のみが対象
V2H機器費等の1/2(上限50万円)。太陽光・EV/PHV・V2Hが揃うと10/10(上限100万円)
窓・ドアの断熱改修サイズと性能に応じた定額(上限200万円/戸、断熱防犯窓は300万円/戸)
エコキュート・ハイブリッド給湯器5〜14万円/台(太陽光連携・再エネ電力契約・DR実証参加のいずれかが条件)
エネファーム戸建7万円/台・集合住宅12万円/台(別事業)

出典:災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業|クール・ネット東京

押さえておきたい点が3つあります。

  1. 申し込みは契約前です。太陽光・蓄電池・V2H・窓・給湯器はいずれも事前申込制で、事前申込の受付通知が届く前に工事の契約をすると対象外になります。EV充電設備だけは事後申請で、ここだけ扱いが逆です。
  2. 令和8年度から現金払いは対象外です。実績報告のときに金融機関発行の証明書(振込明細やクレジットカードの利用明細など)の提出が必要になりました。
  3. 既存住宅のほうが太陽光の単価は高くなっています。既存15万円/kWに対して新築は12万円/kW(3.6kW以下の場合)です。新築の設置義務化とは別の話なので、混同しないようご注意ください。

区市町村の補助と東京都の補助は重ねて使えます。ただし合計額が工事費を超えることはできません。詳しくは東京都の補助金まるわかりでまとめています。

足立区の独自補助

足立区の制度は、所管も受付期間も申請の向きも制度ごとに分かれています。まず全体を一覧にします。

制度(対象設備)補助額受付期間(令和8年度)主な要件・対象
太陽光発電システム及び蓄電池設置費補助金(太陽光)6万円/kW・上限24万円(区内事業者なら7万2千円/kW・上限28万8千円)4期制(1期4/13〜6/30、2期7/1〜9/30、3期10/1〜12/28、4期令和9年1/4〜2/26)。先着順で各期の予算に達し次第終了余剰電力の買取りにかかる電力受給契約が必須。新築・既存とも可。モジュールはJETまたはIECEE-PV-FCS加盟認証機関の認証品(有効期限内)
同(蓄電池)一律5万円(区内事業者なら6万円)同上環境共創イニシアチブ(SII)が戸建住宅ZEH化等支援事業の対象機器として登録したもの。2台目以降の増設は対象外
家庭用燃料電池システム(エネファーム)設置費補助金5万円(区内事業者の加算なし)4/13〜令和9年2/26区内に住民登録があり、自ら居住する住宅(住民登録地と同一)に新品を設置。燃料電池普及促進協会(FCA)の機器登録リスト掲載機種
省エネリフォーム補助金(窓まわり・断熱材・遮熱塗装・節水型トイレ)対象経費(消費税を除く)の3分の1・上限5万円。6種類の工事の合計に対する1つの枠4/13〜令和9年1/29(工事完了は令和9年2/28、報告は3/31まで)着工前の申請(着工予定日の5開庁日前まで)。区内の自ら居住する既存住宅。対象経費が税抜5万円以上。遮熱塗装は戸建てのみ
戸建住宅向け電気自動車等用充電設備設置費補助金2万5千円4/13〜令和9年2/26区内に住民登録があり、自ら居住する戸建住宅に新品を設置。次世代自動車振興センターの認定設備。東京都環境公社の助成を含む他団体との併用は不可
ZEH・東京ゼロエミ住宅補助金国または都の補助事業の住宅部分に係る交付額の3分の1・上限30万円4/13〜令和9年2/26戸建住宅限定。国または都の補助が前提の上乗せ。申請は国・都の交付確定日の翌日から12か月以内
「みどりを増やす」工事費助成(屋上・壁面緑化)接道部緑化、建築物上緑化でそれぞれ交付限度額30万円申請した年度の3/31まで着工(塀の撤去を含む)2週間前までの事前申請。みどり部門の所管で、環境部門の補助金一覧には掲載されていません

出典:足立区の各制度ページおよび足立区太陽光発電システム及び蓄電池設置費補助金交付要綱(2026年10月7日取得)。金額はいずれも1,000円未満切捨てです。

制度をまたいで共通する点は次のとおりです。

  • 申請の向きは制度ごとに違います。太陽光・蓄電池・エネファーム・EV充電設備・ZEHは設置後、省エネリフォームと緑化は着工前です。東京都と合わせた一覧は後半の表にまとめました
  • 予算の残額は、どの制度も公表を確認できませんでした。区の受付状況一覧では、令和8年8月17日現在の表示でエネファームと省エネリフォームが「残りわずか」となっていました。最新の表示は区のページでご確認ください
  • 補助対象経費は本体費用と設置に要する経費で、消費税は除きます。自分で工事をした場合の工事費は対象外です
  • 補助金は申請者の口座に振り込まれます(交付決定後に交付請求書兼口座振替依頼書を提出)
  • 交付を受けた日が属する年度の翌年度4月1日から5年以内に設備を処分する場合は、事前に承認申請が必要です

太陽光発電:4kWで頭打ち、契約先で2割変わります

令和8年度から、それまで別々だった太陽光と蓄電池が1つの補助金に統合されました。区の公式ページに「太陽光・蓄電池それぞれ個別の申請も可能です。」と記載があるとおり、太陽光だけ、蓄電池だけでも申請できます。

補助額は、どこの業者に工事を頼むかで変わります。ここでいう「区内事業者」とは、申請するご本人のことではなく、太陽光を販売して工事をする施工業者のことです。要綱の定義は「足立区内に本店、支店、営業所等を有し、当該営業所等において機器等の販売及び工事の契約締結を行う事業者」で、判定されるのは契約書に記載される営業所の所在地です。本社が区外の会社でも、足立区内の営業所と契約すれば単価と上限が2割上がります。同じ工事で受け取れる額が変わるので、見積りの段階で「契約先の営業所が足立区内にあるか」を確認しておきましょう。

上限24万円を6万円/kWで割ると4.0kW、区内事業者の28万8千円を7万2千円/kWで割っても4.0kWなので、区の補助は4kWで頭打ちです(東京都の助成は増え続けます)。

売電契約の要否は、東京都と大きく違うところです。区の要綱は交付対象者の要件として「電力会社と余剰電力の買取りにかかる電力受給契約を締結していること」と定め、太陽光発電システムの定義も「低圧配電線と逆潮流有りで連系したシステム」としています。全量を自家消費して系統に流さない構成を選ぶと、区の補助は受けられない可能性があります。東京都の要綱にFIT・FIPや売電に関する記載は確認できませんでした。逆潮流なしの設計を提案されたときは、契約前に区の窓口へご確認ください。

申請は設置後です。「機器等の支払いが完了した日(ローンによる支払いの場合は、ローンの契約日)から12か月を経過していないこと」が要件で、東京都が契約前の事前申込を求めているのと向きが正反対です。区は「受付期間に関わらず、各期の予算に達し次第終了します。各期数日で終了する場合もございます。」と案内しており、要綱では先着順、受付終了日に申請が重なった場合は抽選で順位を付けます。第2期(7月1日〜9月30日)は終了しており、2026年10月7日時点は第3期(10月1日〜12月28日)の受付期間です。期の初日に間に合うよう、書類は前もって揃えておきましょう。

対象は未使用の機器の新規購入・設置です。モジュールやパワーコンディショナーの買替え、蓄電池の2台目以降の増設は対象外で、既設のパワーコンディショナーの交換だけでは受けられません(東京都には更新のメニューがあります)。対象者は個人のほか、集合住宅の所有者、分譲マンションの管理者も含まれます。

蓄電池:容量に関係なく一律5万円

蓄電池は太陽光と同じ補助金の中にありますが、金額の決まり方が違います。要綱の定めは容量に比例しない定額で、区内事業者から購入した場合は6万円です。東京都は10万円/kWhでDR実証に参加しない場合の上限は120万円/戸なので金額の主役は都で、区の5万円は上乗せです。書類はほぼ同じなので、太陽光と一緒に申請するのが効率的です。

既設の蓄電池への2台目の増設は区の対象外です。東京都には蓄電ユニット増設のメニュー(6万円/kWh・DR実証に参加しない場合は上限72万円/戸)がありますが、太陽光が設置済みであることが必須で、新設とは条件が違います。

省エネリフォーム補助金:6種類の工事が上限5万円を分け合います

足立区には窓専用の補助金がなく、ガラス交換・窓交換・内窓の新設(熱貫流率2.33以下の製品へ)、断熱材(熱伝導率0.041以下。吹込みはR値2.7以上)、遮熱塗装(日射反射率50%以上の塗料)、節水型トイレ(洗浄水量4.6リットル以下へ)の6種類が1つの枠に入っています。

見落としやすいのが上限の扱いです。補助額は対象経費(消費税を除く)の3分の1で上限5万円ですが、この5万円は6種類の合計に対する1つの枠です。窓と断熱材と遮熱塗装を同時に行っても、区から出るのは合わせて5万円までで、工事ごとに5万円ずつ出るわけではありません。

もう一つは申請の向きです。この制度だけは事前申請で、着工予定日の5開庁日前までに書類を提出します。太陽光と同じ感覚で工事を終えてから申請すると受けられません。集合住宅は一戸単位で対応し、遮熱塗装だけは戸建て住宅であることが条件です。

なお、区が列挙する対象工事にドアの交換は含まれていません。東京都の制度はドアも対象なので、玄関ドアの断熱化は都のメニューを軸に考えることになります。

EV充電設備:区と東京都のどちらか一方です

区の補助額は2万5千円の定額ですが、この制度には他の補助金には無い制約があります。区の公式ページには「【注意】公益財団法人東京都環境公社の『戸建住宅向け充電設備導入促進事業助成金』を含む他団体との併用は不可」と明記されています。東京都の助成は通信機能付きの普通充電設備で機器費の10割・上限30万円/基なので、金額だけを見れば都のほうが有利になる場面が多くなります。両方申請できると思い込まないようご注意ください。なお、区のこのページにV2H(充放電設備)の記載はありません。

ZEH・東京ゼロエミ住宅:上乗せ型なので単独では使えません

戸建てを新しく建てる方には、国または東京都の補助の住宅部分に係る交付額の3分の1(上限30万円)が上乗せされます。国・都の補助が前提なので、区の制度だけを単独では使えません。

注意が必要なのは東京都側の制約です。東京都の「東京ゼロエミ住宅普及促進事業」と「家庭における太陽光発電導入促進事業」は併給できません。新築でゼロエミ住宅の認証を取る場合、太陽光の助成はゼロエミ住宅の枠内の上乗せになり、太陽光の単独メニューは使えません。どちらのルートで進めるかで総額が変わるので、設計の初期段階で比較しておきましょう。

区の補助を確認できなかった4カテゴリ

V2H、エコキュート・高効率給湯器、HEMS、太陽熱利用は、区の補助金一覧と受付状況一覧(令和8年8月17日現在)のいずれにも掲載を確認できませんでした。区が実施しないと明記しているわけではなく、掲載が無いという事実の確認です。これらの設備は東京都の制度が主役になります。

カテゴリ東京都の制度
V2H戸建住宅におけるV2H普及促進事業。機器費等の1/2・上限50万円。太陽光・EV/PHV・V2Hの3点が揃えば10割・上限100万円。戸建限定で集合住宅は対象外
エコキュート・高効率給湯器熱と電気の有効利用促進事業。5〜14万円/台(太陽光連携・再エネ電力契約・DR実証参加のいずれかが条件)
HEMS単体の助成は確認できず。蓄電池や給湯器を新設してDR実証に参加する場合の、IoT機器の加算という形の支援
太陽熱利用熱と電気の有効利用促進事業。1/2・上限55万円/戸。自然循環型の太陽熱温水器は対象外

足立区で太陽光・蓄電池を入れるときの注意点

足立区の補助制度は、戸建てを前提に組み立てられています。遮熱塗装は「戸建て住宅であること」、充電設備の制度名は「戸建住宅向け」、ZEHの上乗せは「戸建住宅に限る」。複数のメニューを戸建て限定で用意しているのは、区内に戸建ての実需が厚いことの裏づけです。そのうえで、見積りを取るときに確認しておきたいことが4つあります。

1. 築年数の古い木造住宅は、屋根の状態を先に見る

足立区は、旧耐震基準(昭和56年5月以前)の木造住宅に対する耐震診断・耐震改修の助成を今も続けており、新耐震基準の木造住宅向けの助成も別にあります。区が助成を続けている以上、対象になる住宅は区内に相応にあります。

太陽光パネルと架台は屋根に重量を加えます。築年数が古い住宅では、屋根材や下地の劣化、構造の余力を先に確認しないと、載せてから雨漏りや補修工事が発生することがあります。屋根の葺き替えを予定しているなら太陽光と同時に施工すれば足場代が一度で済むので、屋根の現況調査をしてくれる事業者かどうかを見積りの段階で見ておきましょう。

2. 木造住宅密集地域では、屋根面積と足場の条件を早めに確認する

足立区は東京都と連携して、木造住宅が密集する区中南部の一帯を不燃化特区(不燃化推進特定整備地区)に指定し、老朽建築物の解体・建替えへの助成を行っています。制度は令和12年度まで延伸されています。

こうした地域では隣家との距離が近く、足場を組むスペースや資材の搬入経路が制約になり、屋根面積も限られるため、載せられる容量が想定より小さくなることがあります。この点は次の容量の決め方に直結します。

3. 容量は3kWと4kWで区切りが変わる

上限に届く容量が区と都で違います。東京都(既存住宅)は15万円/kWで上限45万円なので3.0kWで上限に到達し、3.75kWを超えると単価が12万円/kWに切り替わってまた増えていきます。足立区は6万円/kWで上限24万円なので4.0kWで頭打ちです。

屋根が小さくて3kW程度しか載らない場合でも、東京都の助成は上限の45万円に届きます。「小さいから補助が少ない」わけではない点は、狭小地の戸建てにとって大きな意味があります。4kWを超える容量にする場合は、区の補助が増えないぶん東京都の助成と発電量そのもので判断することになります。

4. 全量自家消費の提案には注意する

足立区の補助は余剰電力の買取りにかかる電力受給契約を締結していることが要件で、要綱の定義も逆潮流ありの連系を前提にしています。売電せずに全量を自家消費する構成や系統に流さない設計を提案された場合、区の補助が受けられない可能性があります。東京都の要綱には見当たらない足立区固有の条件なので、契約前に確認しておきましょう。

都と区は併用できる?申請の順番は?

太陽光・蓄電池・エネファーム・省エネリフォームは、東京都と足立区の併用ができます。EV充電設備だけは併用できません。

足立区の交付要綱には、他の団体の補助金と区の交付額の合計が補助対象経費を上回る場合はその上回った額を減額する、という規定があります。東京都側も「都の助成金額 + 国及び他の地方公共団体の重複する補助金の額 ≦ 助成対象経費」という上限を置いています。両方から受け取れますが、合計が工事費を超える分は削られ、実費を超えて補助が出ることはありません。

そして足立区で最もつまずきやすいのが、申請のタイミングが制度ごとに逆になる点です。併用の可否と申請の向きを一覧にします。

制度申請の向き併用
東京都の太陽光・蓄電池・V2H・窓・給湯器契約前に事前申込。受付通知が届く前に契約すると対象外区と併用可(合計が対象経費を超えない範囲)
東京都のEV充電設備設置後の事後申請区の同種の補助とは併用不可
足立区の太陽光・蓄電池設置後申請(支払完了から12か月以内)都と併用可(同上)
足立区のエネファーム設置後申請(購入から12か月以内)都と併用可(同上)
足立区の省エネリフォーム事前申請(着工予定日の5開庁日前まで)都と併用可(同上)
足立区のEV充電設備設置後申請(支払完了から12か月以内)都の助成を含む他団体との併用は不可
足立区のZEH・東京ゼロエミ住宅国・都の交付確定から12か月以内国または都の補助が前提の上乗せ
足立区の緑化工事の助成事前申請(着工2週間前まで)―

出典:足立区各制度ページおよび交付要綱、クール・ネット東京(いずれも2026年10月7日取得)

太陽光と窓の断熱を同時に工事する場合、順序は次のようになります。

  1. 東京都のクール・ネット東京へ事前申込(太陽光・蓄電池・窓)
  2. 足立区へ省エネリフォーム補助金を申請(着工予定日の5開庁日前まで)
  3. 東京都から事前申込の受付通知を受け取る
  4. 工事の契約を締結する
  5. 工事・支払い
  6. 東京都へ交付申請兼実績報告/足立区へ太陽光・蓄電池の補助金を申請

3が終わる前に4へ進むと東京都の助成が受けられません。逆に、足立区の太陽光を工事前に申請しようとしても受け付けられません。同じ工事の中で、事前と事後が混在します。

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足立区での導入費用と補助後シミュレーション

いま住んでいる戸建てに太陽光を設置する場合で試算します。設置費用は2025年に設置された10kW未満の住宅用太陽光の全国平均29.0万円/kW(経済産業省 調達価格等算定委員会 第102回 資料1)を使いました。実際の金額は屋根の形状・工法・機器で変わるので目安です。蓄電池は本体価格の相場に出典のある数字が無いため、補助額のみを示します。

項目ケース1:太陽光3kWケース2:太陽光4kWケース3:太陽光4kW+蓄電池7kWh
設置費用の目安約87万円約116万円約116万円+蓄電池(見積りで確認)
東京都の助成(太陽光)45万円(15万円/kW×3kW=上限に到達)48万円(3.75kW超のため12万円/kW×4kW)48万円
東京都の助成(蓄電池)――70万円(10万円/kWh×7kWh。DR実証に参加しない場合は上限120万円/戸)
足立区の補助18万円(区内事業者なら21万6千円)24万円(同28万8千円。上限に到達)太陽光24万円+蓄電池5万円=29万円(同34万8千円)
補助の合計63万円(同66万6千円)72万円(同76万8千円)147万円(同152万8千円)
自己負担の目安約24万円(同約20万4千円)約44万円(同約39万2千円)蓄電池の見積り次第

補助の合計が工事費(消費税を除く)を上回る分は減額されるため、実際の交付額は見積りの内訳次第で変わります。

表を見比べると、東京都の助成が3kWで上限45万円に届くため、3kWのほうが自己負担額は小さくなります。ただし発電量は4kWのほうが多く、初期費用を抑えたいのか発電量を優先するのかで選ぶ容量は変わります。

回収年数について、東京都の公式Q&Aは「4kWの太陽光パネルを設置した場合、初期費用117万円が13年程度(現行の補助金を活用した場合8年)で回収可能」としています。

補助金で下がるのは初期費用だけで、設置後は買う電気そのものが減ります。東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bは、月に120kWhを超えて300kWhまでの部分が1kWhあたり36円40銭です(料金単価表を2026年10月7日に確認しました)。発電した電気のうち家の中で使えた分にこの単価がかかると考えると、月に120kWhを自家消費できた場合は月あたり約4,370円、1年で約5万2千円ぶん買電が減る計算になります。日中の在宅時間や季節で自家消費できる量は動くので、幅を持って見てください。

この36円40銭には燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金が含まれていません。実際に払っている1kWhあたりの金額はこれより高いため、削減額も上の計算より大きくなります。手元の検針票で、請求額を使用電力量で割ってみると、ご自宅の実際の単価がわかります。

申請から受給までの流れ

東京都と足立区は申請先も順番も違うので、1つの表に並べます。太陽光・蓄電池を都と区の両方に申請する場合の流れです。

順やること誰にいつまで
1認証用メールアドレスの登録と事前申込東京都(クール・ネット東京)工事の契約を結ぶ前
2事前申込の受付通知(メール)を受け取る―通知の日以降に契約する
3契約・工事・支払い(現金払いは対象外)施工業者―
4交付申請兼実績報告東京都事前申込の受付日から1年以内、かつ令和11年3月30日のいずれか早い日
5交付決定通知ののち振込東京都通知からおおむね1か月後
6交付申請書と対象機器等概要説明書の提出足立区受付期間内(各期の期間内・支払完了から12か月以内)
7交付決定通知ののち交付請求書兼口座振替依頼書を提出足立区決定通知の案内に従う

東京都の令和8年度の受付は、事前申込が令和8年5月29日から、交付申請兼実績報告が令和8年6月30日から始まっています。

足立区への主な添付書類は、モジュールの公称最大出力が分かる書類、配置図と平面図または立面図、電力受給契約を確認できる書類、蓄電池のSII登録型番、契約書の写し、領収書と内訳、設置状況と型番が確認できるカラー写真です。他団体の補助金を受けている場合はそれが分かる書類も添えます。様式とチェックリストは区の制度ページからダウンロードできます。詳しくは足立区の公式ページをご確認ください。

申請で失敗しないための注意点

取りこぼしが起きやすいところを挙げます。

  • 事前と事後を取り違える:東京都は契約前の事前申込が必須(受付通知の前に契約すると対象外)、足立区の太陽光・蓄電池は設置後申請、省エネリフォームは着工前申請です。着工日を決める前に全部の期限を書き出しておきましょう
  • 区の受付期間を過ぎる:太陽光・蓄電池は4期制で、各期の予算に達した時点で終了します。工事後に書類を集め始めると期をまたぎます
  • 区内事業者かどうかを確認しないまま契約する:契約先の営業所が足立区内にあるかで、太陽光の単価と上限が2割変わります
  • 全量自家消費の構成にしてしまう:区は余剰電力の買取りにかかる電力受給契約を要件にしているため、売電しない設計では補助を受けられない可能性があります
  • 現金で支払う:東京都は令和8年度から、実績報告時に金融機関発行の証明書等(ローン契約明細書、口座振込の明細、ネットバンキングの振込履歴、クレジットカードの利用明細など)の提出を求めており、現金の受け渡しによる支払いは対象外です
  • キャッシュバックの申告を忘れる:東京都の太陽光では、契約時のキャッシュバック(商品券や還元ポイントを含む)の額は助成対象経費から除かれ、申告せずに申請した人は申請者となれないと定められています
  • パワーコンディショナーの交換を新設と同じだと考える:区の補助は新規設置が対象で、東京都には更新のメニュー(1/2・上限10万円/台)があります
  • 新築でゼロエミ住宅を選ぶときの排他関係を見落とす:東京都のゼロエミ住宅と太陽光の単独メニューは併給できず、選ぶルートで総額が変わります
  • 省エネリフォームの上限を工事ごとに見積もる:窓・断熱材・遮熱塗装・節水トイレを何種類組み合わせても、区から出るのは合計5万円までです
  • 新築の設置義務を自分にかかるものと考える:東京都が2025年4月から義務づけたのは大手住宅メーカー約50社(都内で年間合計2万平方メートル以上を供給)の供給住宅全体での基準達成で、家を建てる方・買う方に設置義務はありません(東京都の公式Q&A)

よくある質問(FAQ)

足立区と東京都の両方から補助を受けられますか。

太陽光発電・蓄電池・エネファーム・窓まわりの断熱については、両方から受けられます。ただし合計額が補助対象経費を上回る場合、上回った分は減額されます。EV充電設備だけは、区が東京都の同種の助成を含む他団体との併用を不可としています。

蓄電池だけを設置しても補助を受けられますか。

足立区は太陽光と蓄電池をそれぞれ個別に申請できるので、蓄電池だけでも申請できます。東京都は、太陽光が無い場合は都が定める再生可能エネルギー電力メニューを契約し、その電力が住宅に供給されていることが条件です。なお、既設の蓄電池に増設する形は足立区の対象外で、東京都の増設メニューは太陽光の設置済みが必須です。

新築や賃貸、マンションでも使えますか。

足立区の太陽光・蓄電池は交付要綱に新築・既存の限定が無く、提出書類の規定にも新築の建物に設置した場合の記載があるため、新築でも申請できると読めます。ただし東京都側は新築の単価が12万円/kW(3.6kW以下・上限36万円)で既存住宅より低く、東京ゼロエミ住宅の認証を取る場合は太陽光の単独メニューが使えません。集合住宅については、区の対象者に集合住宅の所有者と分譲マンションの管理者が含まれ、東京都も蓄電池・窓・太陽光で管理組合が申請できます。V2Hだけは都・区ともに戸建て向けです。賃貸にお住まいの場合、自己所有でない建物に設置するには建物所有者の承諾書が必要で、東京都の窓・ドアの断熱改修は「所有する」ことが要件なので賃借人は申請できません(賃貸住宅にはオーナー向けの別事業があります)。

FIT認定は必要ですか。

足立区は「電力会社と余剰電力の買取りにかかる電力受給契約」の締結を要件としており、逆潮流ありの連系を前提にしています。東京都については、太陽光の手引きや蓄電池・V2Hの要綱にFIT・FIPの認定に関する記載を確認できませんでした。「不要と明記されている」わけでもないため、断定は避けます。設計が固まる前に、それぞれの窓口にご確認ください。なお足立区は予算の残額を公表していないため、申請前に区の受付状況一覧で最新の状況をご確認ください(2026年10月7日時点では太陽光・蓄電池が第3期の受付期間中です)。

まとめ|足立区は区と東京都の補助でここまで下がる

足立区は太陽光をkW単価制(6万円/kW、区内事業者なら7万2千円/kW)で補助し、蓄電池・エネファーム・窓まわりの断熱・遮熱塗装・EV充電設備・緑化・ZEHの上乗せまで入口を複数持っています。V2H・給湯器・HEMS・太陽熱は区の制度を確認できませんでしたが、東京都の制度でカバーできます。

既存の戸建てに太陽光4kWを載せる場合、設置費用の目安116万円に対して東京都から48万円、足立区から24万円(区内事業者なら28万8千円)で、自己負担は約44万円(同約39万2千円)です。3kWしか載らない場合でも東京都の助成は上限の45万円に届き、区の18万円と合わせて自己負担は約24万円まで下がります。

押さえておきたいのは次の3点です。

  1. 東京都は契約前の事前申込、足立区の太陽光・蓄電池は設置後申請。同じ工事の中で申請の向きが逆になります
  2. 足立区の受付は4期制で、各期の予算に達した時点で終了します(区は「各期数日で終了する場合もございます」と案内)
  3. 区内事業者から購入すると、太陽光の単価と上限が2割上がります

数字はいずれも2026年10月7日時点で確認したものです。着工前には必ず足立区とクール・ネット東京の公式ページで最新の内容をご確認ください。

補助金の申請、代行します(無料)

足立区に補助制度があっても、東京都の事前申込を先に済ませておかないと、区の補助だけで終わってしまいます。逆に区の省エネリフォームは着工前の申請が必要で、順番を間違えると受け取れる金額が変わります。制度ごとに向きが違う申請を、工事のスケジュールに合わせて組み立てるのは簡単ではありません。

えねこでは、太陽光発電・蓄電池の導入をご検討中の方に、補助金申請代行を無料でご提供しています。行政書士が無償で代行しますので、書類の作成や提出のためにお時間を割いていただく必要はありません。年間施工実績1,000件で培った知見をもとに、ご自宅の屋根で現実的に載る容量と、区と都のどちらの制度をどの順番で使うのが有利かをご提案します。

2026年10月7日時点の制度で、既存の戸建てに太陽光4kWを設置した場合、東京都から48万円、足立区から24万円(区内事業者との契約なら28万8千円)が目安です。金額は容量・住宅の種別・契約先によって変わり、補助の合計が工事費を超える分は減額されます。まずは現況を見せていただいたうえで、受け取れる金額の見通しをお伝えします。

ご相談は無料です。詳しくはえねこ公式サイトをご覧ください。

出典リンク

本記事は、足立区および東京都(公益財団法人東京都環境公社/クール・ネット東京)が公表する令和8年度の交付要綱・制度ページをもとに作成しています。補助制度は年度・予算の状況によって変更されます。申請の前には必ず各実施機関の最新情報をご確認ください。

主な出典

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