【2026年(令和8年)】大田区の太陽光発電補助金はいくら?金額・条件・申請方法を解説

補助金

大田区が区民向けに用意している住宅設備の補助は、住宅リフォーム助成事業とエネファーム設置助成の2本です。太陽光発電と蓄電池に専用のメニューはありませんが、どちらもリフォーム助成の対象工事に入っているため、工事費の10パーセント(上限20万円)が区から出ます。金額の主役は住んでいる区市町村を問わず使える東京都の助成で、区の分はその上に重ねる位置づけです。この記事では、家庭向けの設備10カテゴリについて大田区と東京都のどちらから助成が出るのかを一覧に整理したうえで、誰が申請者になれるのか、どの順番で動けば取りこぼさないのかまで、区の一次資料にあたって解説します。最終確認日は2026年10月7日です。

大田区の補助金はどれが使える?【早見表】

家庭向けの設備10カテゴリを一覧にしました。2026年10月7日時点の情報です。

カテゴリ大田区東京都
太陽光発電△ 専用メニューは無く、住宅リフォーム助成事業の対象工事として拾う形。工事費の10パーセント・上限20万円を他の工事と分け合う○ 既存住宅15万円/kW(3kWで上限45万円に到達)
蓄電池△ 同じくリフォーム助成の対象工事。ただし一覧の表記は太陽光への追加で、蓄電池だけで申請できるかは確認できず○ 10万円/kWh(DR実証に参加しない場合は上限120万円/戸)。太陽光が無い場合は都指定の再エネ電力メニューの契約が必要
V2H確認できず(区の家庭向け補助制度の一覧に掲載なし)△ 戸建住宅限定。集合住宅は対象外
エコキュート・高効率給湯器△ リフォーム助成の対象工事。エコキュート・おひさまエコキュート・エコジョーズが対象で、同じ20万円の枠を分け合う△ 太陽光連携・再エネ電力契約・DR実証参加のいずれかが条件
エネファーム○ 新規設置20万円・更新設置10万円の定額。申請ではなく購入時の値引きで受け取る○ 戸建7万円/台・集合住宅12万円/台
窓・ドアの断熱改修△ 窓はリフォーム助成の対象工事。高断熱ドアは対象工事一覧に記載を確認できず△ 住宅を所有する人のみ。賃借人は対象外
EV充電設備確認できず(区の家庭向け補助制度の一覧に掲載なし)△ 戸建て・既存住宅限定。事後申請
HEMS確認できず(区の家庭向け補助制度の一覧に掲載なし)△ 単体の助成は確認できず。IoT機器加算のみ
太陽熱利用確認できず(区の家庭向け補助制度の一覧に掲載なし)△ 1/2(上限55万円/戸)。自然循環型は対象外
遮熱塗装・屋上緑化○ 屋上緑化・壁面緑化は対象経費の2分の1(1平方メートルあたり2万円まで・総額50万円まで)。屋根の塗装はリフォーム助成の対象工事で、遮熱塗料に限る条件はなし確認できず

「確認できず」は、区の公式ページで制度の掲載を確認できなかったという意味で、実施していないと区が明記しているわけではありません。大田区には「この設備は補助対象外です」と名指しした一覧が無く、家庭向けの補助制度をまとめたページに掲載が無い状態です。東京都の欄は、クール・ネット東京が公表している令和8年度の助成金一覧から引いています。

△について2点だけ補足します。リフォーム助成の上限20万円は、太陽光・蓄電池・給湯器・窓・屋根の塗装などで共有します。太陽光で20万円、窓でさらに20万円という積み上げにはなりません。もう1つは金額の決まり方が制度ごとに違う点で、リフォーム助成は工事費に対する割合、エネファームは定額、屋上緑化は面積単価と割合の両方で決まります。

このほか区では、住まいの防犯対策(防犯カメラや窓の面格子など、購入・設置費用の4分の3で上限3万円・1世帯1回限り)や生垣の造成といった住宅設備以外の補助もあります。詳しくは大田区の公式ページをご確認ください。

区と都を合わせた目安です。既存の戸建てに太陽光3kWなら、東京都から45万円と区から工事費の10パーセントにあたる約8万7千円で、合わせて約53万7千円。エネファームを新しく入れるなら区の20万円と都の7万円で27万円です。発電や蓄電は都が主役で区が1割を足し、エネファームだけは区のほうが大きい組み立てになります。

東京都の補助金:区市町村に関係なく使える【全都共通】

東京都には、住んでいる区市町村に関わらず使える助成制度があります。太陽光・蓄電池・V2H・窓の断熱改修・給湯器は、「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」という1つの事業のメニューとしてまとめられており、申請先は区市町村ではなく東京都(クール・ネット東京)です。住民が直接申請できます。

設備東京都の助成額(令和8年度)
太陽光発電既存住宅 15万円/kW(3.75kW以下・上限45万円。3.75kW超は12万円/kW)/新築 12万円/kW(3.6kW以下・上限36万円。3.6kW超は10万円/kW)
蓄電池10万円/kWh(DR実証に参加しない場合は上限120万円/戸。参加すればこの上限は外れ、たとえば15kWhで160万円。助成対象経費が上限)。令和8年10月1日以降の事前申込は、SIIの令和8年度登録済製品一覧に登録された機器のみが対象
V2H機器費等の1/2(上限50万円)。太陽光・EV/PHV・V2Hが揃うと10/10(上限100万円)
窓・ドアの断熱改修サイズと性能に応じた定額(上限200万円/戸、断熱防犯窓は300万円/戸)
エコキュート・ハイブリッド給湯器5〜14万円/台(太陽光連携・再エネ電力契約・DR実証参加のいずれかが条件)
エネファーム戸建7万円/台・集合住宅12万円/台(別事業)

出典:災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業|クール・ネット東京

申し込みは契約の前に行います。太陽光・蓄電池・V2H・窓・給湯器は事前申込制で、受付通知が届く前に契約すると対象外になります。ただし東京都のEV充電設備だけは事後申請で、ここだけ逆です。

年間施工実績1,000件のえねこなら、この複雑な補助金申請を行政書士が無料で代行します。まずはご自宅が補助金の要件に当てはまっているか、無料相談でご確認ください。

令和8年度から現金払いは対象外です。実績報告のときに、振込明細やクレジットカードの利用明細など金融機関発行の証明書が必要です。

太陽光の単価は既存住宅のほうが高く、既存15万円/kWに対して新築は12万円/kW(3.6kW以下の場合)です。新築の設置義務化とは別の話なので混同しないようご注意ください。

区市町村の補助と東京都の補助は重ねて使えます。ただし東京都・国・他の地方公共団体の補助額の合計が、助成対象経費を超えることはできません。詳しくは東京都の補助金まるわかりでまとめています。

大田区の独自補助

では、区から出るものを見ていきます。大田区はカテゴリごとに補助金があるのではなく、1つの制度が複数のカテゴリをまたぐ形なので、制度の側から並べます。

区民向けの制度を1つの表にまとめました

制度助成額受付期間主な要件・対象
住宅リフォーム助成事業 A区分助成対象額の10パーセント・上限20万円(区の他の助成制度や保険給付と併せて申請する場合は5パーセント・上限10万円)事前申込は令和8年4月1日〜令和9年1月29日、本申請は令和9年3月19日午後5時まで自分が所有して現に住んでいる個人住宅。太陽光・蓄電池・給湯器・断熱改修・屋根や外壁の塗装・節水型トイレ・バリアフリー化などが対象工事
住宅リフォーム助成事業 B区分同じく10パーセント・上限20万円同上テレワークや子育てに対応した空間への改修、転落防止柵、宅配ボックス、モニター付きインターホンなど。A区分とは別枠で申請できる
家庭用燃料電池(エネファーム)設置助成新規設置20万円・更新設置10万円の定額令和8年4月1日〜令和9年3月31日。年間予算2,250万円が無くなり次第終了区民が区内の住宅に設置すること。燃料電池普及促進協会が登録している機器またはそれと同等のもの
屋上緑化・壁面緑化助成対象経費の2分の1。ただし1平方メートルあたり2万円が上限で、総額は50万円まで公式ページで受付期間の記載を確認できず。着工の1か月前までに事前相談区内の住居または住居併用の建築物で、昭和56年6月1日以降に建築確認を受けたもの。植栽基盤または補助資材が1平方メートル以上

このほかに生垣造成助成制度があり、ブロック塀などを撤去して生垣をつくる場合は1メートルにつき16,000円以内、新たに造成する場合は1メートルにつき10,000円以内で、50メートルまでが対象です。

申請の向きは制度ごとに違います。どこまで工事の前に動くかが揃っていないので、一覧は記事の後半にまとめました。

各制度に共通するルール

  • 受取方法は制度ごとに違います。リフォーム助成は申請者が指定した口座に振り込まれ、助成決定から振込までおおむね3週間です。エネファームは購入時の値引きで、現金が手元に入る形ではありません。屋上緑化は工事完了後に完了届と請求書を出してから交付されます
  • 予算の残りは公表されていません。リフォーム助成のパンフレットは「助成金額が予算上限額に達した時点で、受付終了となります」とだけ書いており、エネファームも「予算リアフリー化などが対象工事
  • 対象になるのは自分が所有して現に住んでいる住宅です。用途が居宅であることが必要で、事務所・店舗・工場・賃貸用住宅の工事、新築・建替え・全面改築・増築は対象外です
  • 区内に主たる事業所を置く中小事業者と契約することが、リフォーム助成の必須条件です。加算ではないので、満たさないと申請そのものができません
  • リフォーム助成は回数が決まっています。A区分とB区分でそれぞれ1回に限りなので、過去に受けていると同じ区分では使えません
  • 国や東京都の助成との併願は可能だと、区がパンフレットに明記しています

太陽光と蓄電池は「標準工事費」ではなく工事費の10パーセントです

いちばん誤解が起きやすいところから説明します。区の対象工事一覧には、太陽光発電システムの設置が500,000円/kW、蓄電池システムの追加が100,000円/kWhと書かれています。この数字は助成額ではありません。助成金額を算定するために区が定めた標準工事費です。

助成対象額は、標準工事費を合算した額と、見積書の総工事費用(対象工事以外の費用も含めた税抜の全額)の低いほうです。そこに10パーセントを掛けた額が助成額で、上限は20万円になります。

太陽光の標準工事費500,000円/kWは実際の工事費よりかなり高く置かれているため、実務ではほぼ見積書の総額のほうが低くなります。区の助成額は工事の総額の10パーセントと考えておけば大きく外れません。太陽光3kWで工事費が約87万円なら約8万7千円、4kWで約116万円なら約11万6千円です。上限の20万円に届くのは、総額が200万円(税抜)に達したときです。

蓄電池には注意が必要です。対象工事一覧の表記が「太陽光発電システムの設置」の下に「↳蓄電池システム追加」と置かれているため、蓄電池だけを入れる工事が対象になるかは公式の一覧から読み取れませんでした。太陽光と同時なら対象です。単独設置を考えている場合は、事前申込の前に区の住宅・空家相談窓口へご確認ください。

機器そのものにも条件があります。太陽光のモジュールは、電気安全環境研究所(JET)のJETPVm認証のモジュール認証か、国際電気標準会議のIECEE-PV-FCS制度に加盟する認証機関の認証を受けている必要があります。蓄電池は、国のZEH化等支援事業の補助対象機器として環境共創イニシアチブに登録されているものに限られます。見積りの段階で型番の登録状況を業者に確認しておきましょう。

なお、区の要綱と対象工事一覧に、FIT認定やFIP認定、売電の有無に関する条件は見当たりませんでした。「不要」と書かれているわけでもないため、断定はできません。売電しない設計を考えている場合は窓口にお問い合わせください。

給湯器・窓・屋根は同じ20万円の枠を分け合います

リフォーム助成の対象工事一覧には、ほかにも住宅設備が並んでいます。金額はすべて標準工事費で、助成額ではありません。

対象工事標準工事費
エコキュート(自然冷媒ヒートポンプ給湯器)397,000円/機
おひさまエコキュート(太陽光発電利用型給湯器)500,000円/機
エコジョーズ(潜熱回収型ガス給湯器)276,000円/機
窓の断熱改修(窓枠サイズ1.6平方メートル以上)147,000円/箇所
窓の断熱改修(窓枠サイズ1.6平方メートル未満)61,000円/箇所
壁の断熱12,000円/平方メートル
天井および屋根裏の断熱6,000円/平方メートル
高断熱浴槽への改修1,208,000円/箇所
屋根の塗装7,000円/平方メートル
屋根のカバー工法等19,000円/平方メートル

出典は大田区住宅リフォーム助成事業のご案内(令和8年度)の助成対象工事一覧で、2026年10月7日に取得しました。

ここで効いてくるのが上限20万円の共有です。太陽光を載せて給湯器をエコキュートに替え、窓も2か所直す工事をしても、A区分から出るのは合わせて20万円までで、設備ごとに積み上がる形ではありません。工事の総額が200万円(税抜)を超えるなら、どの設備を組み合わせても区の助成は20万円で頭打ちです。

屋根の塗装は、遮熱塗料に限るという条件が対象工事一覧に見当たりませんでした。遮熱塗料にするかどうかは、助成の可否ではなく屋根の温度を下げたいかどうかで決めることになります。

高断熱ドアは、対象工事一覧に該当する項目を確認できませんでした。玄関ドアの項目はありますが、内容はドアロック防犯工事です。ドアの断熱を考えている場合は、東京都の窓・ドアの断熱改修が入口になります。

エネファームは申請ではなく、購入時の値引きで受け取ります

区の制度で1つだけ性格が違うのが、家庭用燃料電池(エネファーム)によるCO2削減事業です。金額は新規設置20万円・更新設置10万円の定額で、区の住宅設備向けの補助では最も大きい額です。

受け取り方が独特です。区の環境計画課が運営するLINEアカウント「おおた環境なび」を友だち追加してクーポンを取得し、指定販売店に提示すると、その場で値引きされます。交付申請書を出して口座に振り込まれる形ではないので、いったん全額を払って後から戻ってくる資金繰りにはなりません。

その代わり、購入後に続く手続きがあります。区の事業への登録(無料)が必要で、登録後は年に1回、区から届く連絡に合わせて発電量の実績を報告します。エネファーム本体のメニュー画面を撮影してLINEで送る形です。区は他の補助金とも併用できるとちらしに明記しています。

要は、購入前にクーポンを取得することと、指定販売店で買うことの2点です。区が名簿を掲載しているので、契約先を決める前に取扱事業者に入っているかを確かめておきましょう。名簿は画像で掲載されており、区内事業者に限るかどうかの記載は確認できませんでした。

屋上緑化と生垣は、みどりの部門が別に扱っています

屋上緑化・壁面緑化助成と生垣造成助成は、環境政策担当のみどり推進・自然が所管する制度で、リフォーム助成とは窓口も申請の流れも別です。

屋上緑化・壁面緑化の助成額は対象経費の2分の1です。ただし屋上緑化は植栽基盤、壁面緑化は補助資材等の面積1平方メートルあたり2万円が上限で、総額は50万円までとなります。単価と割合の両方で縛られるため、面積を広げれば比例して増えるわけではありません。対象は区内の住居または住居併用の建築物で、昭和56年6月1日以降に建築確認を受けたものに限られます。植栽基盤や補助資材が1平方メートル以上あること、自動潅水設備と排水設備を設けること、法令等で求められていない部分への施工であることも条件です。

申請の向きが特に厳しいのもここです。着工前に事前協議を行い、着工日までに助成申請書を出す必要があり、着工してからでは受け付けられません。着工の1か月前までに相談するよう区が案内しているので、屋根や屋上を使う計画は早めに動き出すことになります。

大田区で太陽光・蓄電池を入れるときの注意点

大田区の制度を読むと、この区がどんな住まいを想定しているかが見えてきます。店舗や事業所と一体になった住宅の按分方法にパンフレットが1節を割いていること、分譲マンションの管理組合が申請できる工事を限定していること、不燃化特区を3地区抱えていることです。契約に進む前の論点を4つ挙げます。

1. 区の助成は、区内に本社がある中小事業者と契約しないと使えません

ここでいう区内事業者は、申請するご本人のことではなく、太陽光を販売して工事をする施工業者のことです。大田区内に主たる事業所、つまり本社を置く中小事業者と一社だけで契約し、見積書・請求書・領収書のすべてをその一社が発行することが条件になります。他の市区町村に本社がある会社の区内支店が施工した場合は対象外で、区内に本社がある会社でも区外の支店に頼めば対象外です。

加算ではなく必須要件なので、満たさないと申請ができません。東京都の助成にこの条件は無いため、都の45万円だけなら業者の所在地は関係ありません。区の10パーセントを取りにいくなら、業者を決める時点で助成の可否が決まります。

2. 店舗や工場と一緒になった住宅は、助成の対象が按分されます

大田区のパンフレットには、店舗・事業所・共同住宅と一体になった住宅や二世帯住宅の扱いが独立した節として書かれています。原則はフロアごとの輪切りで按分し、1階が店舗で2階が住居なら、外壁を塗装しても住居部分の2分の1だけが対象という考え方です。屋根に太陽光を載せる場合も、居住部分の割合で対象額が変わる可能性があります。1階に作業場や店舗があるお住まいでは、事前申込の前に立面図と平面図を用意し、按分の考え方を窓口で確認しておきましょう。東京都の助成に按分の規定は見当たらないため、都と区で対象額が食い違うことがあります。

3. 分譲マンションでは、屋根に載せる工事に区の助成が使えません

区のリフォーム助成でマンションが対象になるのは、専有部分(専用使用部分を含みます)の改修工事です。管理組合の理事長が申請できるのは、アスベスト除去工事、固定式宅配ボックスの設置、共用部照明のLED化の3つだけです。屋上や外壁は共用部分なので、管理組合として太陽光を載せても区の助成は使えません。

東京都のほうは、太陽光・蓄電池・窓のメニューで管理組合が申請できます。ただしV2Hは戸建住宅限定で、集合住宅は対象外だと都が明記しています。分譲マンションで検討するなら都と国を見に行くのが実際的で、専有部分の窓や給湯器の工事なら区のリフォーム助成も使えます。

4. 木造住宅密集地域では、屋根の工事と足場を先に考えます

大田区は不燃化特区を3地区抱えています。西糀谷・東蒲田・大森中にまたがる大森中地区、羽田二・三・六丁目地区、特定整備路線である補助29号線の沿道地区です。羽田の地区について区は、幅4メートル未満の道路や行き止まりの道路が多く、木造建築物の割合が高いと説明しています。道が狭いと足場の設置と資材の搬入に手間がかかるため、足場のかかる工事はまとめたほうが総額は下がります。区のリフォーム助成は足場の設置も工事に含めるので、足場が立った時点で事前申込が間に合わなくなる点にもご注意ください。

築年数も関係します。区の木造住宅の耐震診断・改修の助成は、平成12年6月の建築基準法改正より前に建てられた建築物が対象です。この年代の住宅は屋根が瓦のことが多く、パネルの重さを載せる前に葺き替えや軽量化が要る場面が出てきます。屋根の軽量化はリフォーム助成の対象工事にも入っているので、耐震の助成と合わせてどう組むかを設計の段階で相談しておきましょう。

都と区は併用できる?申請の順番は?

結論から言うと、大田区の助成と東京都の助成は重ねて使えます。区はリフォーム助成のパンフレットで「国や都の助成と併願は可能です」と明記し、エネファーム助成のちらしにも「他の補助金とも併用できます」と書いています。東京都は、都の助成額と国および他の地方公共団体の補助額の合計が助成対象経費を超えない範囲で併用を認めています。区の条件は、他の助成制度等を併用した場合に助成額以上の自己負担額が発生する工事であることです。太陽光3kWで工事費が約87万円なら、都の45万円を引いても約42万円残るので満たします。

助成率が下がるケースもあります。区の他の助成制度や保険給付制度と併せて申請すると、10パーセントではなく5パーセント・上限10万円です。ただしここでいう他の制度は、介護保険の住宅改修費、高齢者自立支援住宅改修助成、重度身体障害者等住宅改造助成の3つだとパンフレットが定義しており、東京都や国の補助を併用しても5パーセントには下がりません。

設備併用の可否
太陽光発電・蓄電池できます。都の助成に区のリフォーム助成の10パーセントが重なります
エコキュート等の給湯器できます。ただし都は太陽光連携・再エネ電力契約・DR実証参加のいずれかが条件です
エネファーム・窓の断熱改修できます。エネファームは区が他の補助金との併用を明記しています
屋根の塗装・軽量化区のみです。都に遮熱塗装の助成は確認できませんでした
屋上緑化・壁面緑化区のみです。法令等で求められている部分の緑化は対象外です

出典:大田区住宅リフォーム助成事業のご案内、大田区屋上緑化等助成要綱、クール・ネット東京の案内(2026年10月7日取得)

制度ごとの申請の向き【ここが最大の落とし穴】

つまずきやすいのは金額ではなく順番です。

制度申請の向き期限
東京都(太陽光・蓄電池・V2H・窓・給湯器)事前申込。受付通知が届いてから契約します交付申請は事前申込の受付日から1年以内と令和11年3月30日の早い日
東京都(EV充電設備)事後申請事業の要領で確認します
大田区 住宅リフォーム助成工事開始前の事前申込(仮申請)。足場の設置も工事に含まれます事前申込は令和9年1月29日まで、本申請は令和9年3月19日午後5時まで
大田区 エネファーム助成購入前。LINEでクーポンを取得し、指定販売店に提示します令和9年3月31日まで。予算が無くなり次第終了
大田区 屋上緑化・壁面緑化助成(生垣造成助成も同じ)着工前。1か月前までに事前協議し、着工日までに申請書を出します完了後に速やかに完了届

東京都は契約より前、区のリフォーム助成は工事の開始より前です。都の事前申込を出して受付通知を待ち、通知が届いてから契約し、工事を始める前に区の仮申請を出す流れになります。落とし穴は足場で、区は足場の設置も工事に含めるとパンフレットに書いています。屋根の塗装と太陽光をまとめる工事では、足場が立つ前に仮申請を受け付けてもらっておく必要があります。

都の通知待ちと区の仮申請、それに足場の日程まで一度に見ながら段取りを組むのは、ご自身だけでは負担の大きい作業です。えねこは行政書士が申請を無償で代行しているので、大田区と東京都のどちらを先に出すかという設計の段階からお任せいただけます。詳しくはえねこ公式サイトをご覧ください。

大田区での導入費用と補助後シミュレーション

大田区でよくある3つの組み合わせで金額を並べます。太陽光の工事費は1kWあたり29.0万円で置きました。2025年に設置された10kW未満の住宅用太陽光の全国平均で、出典は経済産業省 調達価格等算定委員会 第102回 資料1です。実際の金額は屋根の形と機器で上下し、区の助成対象額は税抜で計算します。

項目太陽光3kW太陽光4kW+蓄電池7kWhエネファーム新規設置
工事費用の目安29.0万円/kW × 3kW = 約87万円太陽光は約116万円。蓄電池は見積りで確認見積りで確認
東京都の助成45万円(3kWで上限に到達)太陽光48万円(3.75kW超で単価が12万円/kW)+蓄電池70万円 = 118万円戸建7万円/台
大田区の助成工事費の10パーセント = 約8万7千円工事の総額が200万円(税抜)を超えれば上限の20万円20万円(購入時の値引き)
合計約53万7千円約138万円27万円
自己負担の目安約33万3千円太陽光と蓄電池の工事費の合計から138万円を引いた額機器と工事費から27万円を引いた額

3kWのケースで効いているのは東京都です。既存住宅の単価は15万円/kWで、3kWちょうどで上限の45万円に届くため、屋根が狭くて3kWしか載らないお住まいでも満額です。区の助成は工事費の1割なので、容量ではなく工事の総額が上がるほど増えます。

4kWと蓄電池のケースでは、区の上限20万円に届く可能性が出てきます。太陽光と蓄電池をまとめると工事の総額が200万円(税抜)を超えることが多く、そこから先は20万円で頭打ちです。A区分は1回しか使えないので、太陽光・蓄電池・給湯器・窓を1回の工事にまとめるほど有利になります。蓄電池は容量とメーカーで本体価格の幅が大きいため、ここでは助成額だけを示しました。東京都は10万円/kWhでDR実証に参加しない場合は1戸あたり120万円が上限なので、7kWhなら70万円です。

エネファームは区の助成が主役になる唯一の組み合わせです。区の20万円は購入時に値引きされ、都の7万円は交付申請を経て振り込まれます。受け取り方も時期も違うので、資金の準備は区の値引きを差し引いた金額で考えておきましょう。

電気代はどれだけ下がるか

補助で下がるのは初期費用で、設置してからの効果は買う電気が減ることから出ます。区内は東京電力エナジーパートナーの管内で、従量電灯Bの第2段階、月120kWhを超えて300kWhまでの部分は1kWhあたり36円40銭です(料金単価表を2026年10月7日に確認しました)。発電した電気のうち月170kWhを家の中で使えたとすると、月あたり約6,190円、1年で約7万4千円ぶん買電が減る計算になります。自家消費できる量は在宅時間や季節で動くので、前提を置いた目安です。

ここで使った36円40銭には、燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金が入っていません。請求額はその2つを足した金額なので、実際に減る額は上の計算より大きくなります。

申請から受給までの流れ

太陽光と屋根の塗装を1回の工事でまとめる場合を例に、都と区の手続きの並びを表にします。

順やること誰にいつまで・目安
1認証用のメールアドレスを登録し、契約より先に事前申込を出す東京都(クール・ネット東京)令和8年度は令和8年5月29日に受付開始
2事前申込の受付通知がメールで届くのを待つ―通知の前に契約すると都の助成は対象外です
3区内に本社がある中小事業者1社と契約する施工業者区の助成を使う場合の必須条件です
4見積書と工事前の写真をそろえ、事前申込(仮申請)を窓口へ出す大田区足場を組む前。令和9年1月29日まで
5区から受付票と本申請用の書類が届く―届いてから工事を始めます
6工事を行い、工事中と工事後の写真を撮影日入りで残してもらう。工事費を支払い、請求書と領収書を受け取る施工業者写真は足場を外す前。現金払いは都の助成の対象外です
7助成申請(本申請)と交付請求書、口座振替依頼書を出す大田区工事完了後1か月以内が目安。令和9年3月19日まで
8交付申請兼実績報告を出す東京都事前申込の受付日から1年後と令和11年3月30日の早いほう
9助成決定通知が届き、指定した口座に振り込まれる―区は本申請から助成決定まで1か月程度、決定から振込までおおむね3週間

区へ出す書類は、事前申込書、工事見積書の写し、建物の所有者が分かる書類(固定資産税の納税通知書と課税明細書、土地・家屋名寄帳、登記事項証明書のいずれか)、工事前の写真です。本申請では請求書と領収書の写し、工事の前・中・後の写真が加わります。申請は原則として窓口です。

申請で失敗しないための注意点

手続きの途中で助成を落としやすい箇所を、都と区に分けて並べます。

東京都の助成で気をつけること

  • 現金で支払うと対象外です。実績報告に金融機関が発行した証明書を添える必要があります
  • 設置の契約にキャッシュバック(商品券や還元ポイントも含みます)が付いていると、その分は助成対象経費から差し引かれます
  • 新築で東京ゼロエミ住宅普及促進事業を使うと、家庭における太陽光発電導入促進事業は重ねて受けられません
  • 2025年4月からの新築住宅への太陽光の設置基準は、都内で年間合計2万平方メートル以上を供給する大手住宅メーカー約50社にかかる義務です。家を建てる側・買う側に設置義務はありません

大田区の助成で気をつけること

  • 工事開始前の事前申込が必須です。足場の設置も工事に含まれるため、足場が立ってからでは間に合いません
  • 事前申込のあとの追加工事は原則として認められません。見積書に無い工事は対象外なので、内容を固めてから申請します
  • 契約は1社に限られます。太陽光は業者A、屋根の塗装は業者B、という分け方をすると区の助成が使えません
  • 令和8年1月1日から本申請の日まで、区に住民票があって対象の住宅に住み続けていることが必要です。中学生以下のお子さんがいる世帯は住所要件が緩和されます
  • 特別区民税・都民税等の滞納がないことが条件です
  • 予算上限額に達した時点で受付は終了します。残額は公表されていないので、年度の後半に動くほど不確実になります

よくある質問(FAQ)

大田区に太陽光発電の補助金はありますか。まとめサイトで「無い」と書かれているのを見ました。

太陽光専用のメニューはありませんが、住宅リフォーム助成事業の対象工事に太陽光発電システムの設置が入っているので、工事費の10パーセント(上限20万円)が区から出ます。「区の補助は無い」と書いている情報は、専用メニューが無いことだけを見ている可能性があります。逆に「最大20万円」とだけ書いている情報にもご注意ください。20万円は上限で、実際は工事の総額が200万円(税抜)に達して初めて届く額です。

賃貸住宅に住んでいます。個人として区の補助を使えますか。

太陽光や給湯器のような脱炭素の区分では使えません。区のリフォーム助成で賃借人が申請できるのは、住まいの質の向上工事(手すりの設置やバリアフリー化など)に限られており、太陽光・蓄電池・断熱改修はその区分に入っていないためです。所有している賃貸用アパートの改修も対象外です。東京都の窓・ドアの断熱改修も住宅を所有する人が要件なので、賃貸にお住まいの場合は、まずオーナーにご相談いただく形になります。

FIT認定や売電は必要ですか。

大田区の対象工事一覧と要綱に、FIT認定・FIP認定や売電の有無に関する条件は見当たりませんでした。求められているのはモジュールの認証(JETPVm認証など)で、蓄電池は環境共創イニシアチブへの登録です。東京都についても、太陽光の手引きや蓄電池・V2Hの要綱にFIT・FIPの記載を確認できませんでした。「不要」と明記されているわけでもないので、売電しない設計を考えている場合は事前に窓口へお問い合わせください。

まとめ|大田区は区と東京都の補助でここまで下がる

大田区の住宅設備向けの補助は、住宅リフォーム助成事業とエネファーム設置助成の2本です。太陽光と蓄電池はリフォーム助成の対象工事として工事費の10パーセント(上限20万円)が出て、金額の主役は東京都になります。既存の戸建てに太陽光3kWなら、設置費用の目安87万円に対して都から45万円、区から約8万7千円で、自己負担は約33万3千円です。エネファームだけは区の20万円が都の7万円を上回ります。

押さえておきたいのは次の3点です。

  1. 区の上限20万円は太陽光・蓄電池・給湯器・窓・屋根の塗装で共有し、A区分は1回しか使えません。1回の工事にまとめるほど有利です
  2. 区内に本社がある中小事業者1社との契約が必須条件です。支店では対象にならず、業者を決めた時点で助成の可否が決まります
  3. 東京都は契約前の事前申込、区のリフォーム助成は工事開始前の事前申込で、足場の設置も工事に含まれます。エネファームは購入前にLINEでクーポンを取ります

ここに挙げた数字は、すべて2026年10月7日に確認したものです。着工の前に、大田区とクール・ネット東京の公式ページで最新の内容をご確認ください。

補助金の申請、代行します(無料)

大田区は、制度の数が少ないぶん順番と組み合わせで金額が変わる区です。東京都の事前申込を済ませる前に契約すると助成が消えます。区のリフォーム助成は足場が立つ前に仮申請が要り、A区分は1回しか使えないので、太陽光・蓄電池・給湯器・窓をどこまで同じ工事にまとめるかで受け取れる額が変わります。エネファームは購入前にクーポンを取っておかないと、あとから20万円を請求できません。

えねこは、太陽光発電と蓄電池の導入をお考えの方に、補助金申請代行を無料でご用意しています。行政書士が無料で代行しますので、申請様式の読み込みや添付写真の準備にお時間を取らせません。年間施工実績1,000件で積み上げた知見から、屋根に現実的に載る容量と、区と都のどの制度をどの順番で使うと有利かまで合わせてご提案します。

2026年10月7日時点の制度で、既存の戸建てに太陽光3kWを設置した場合、東京都から45万円、大田区から工事費の10パーセントにあたる約8万7千円が目安です。金額は容量と住宅の種別、工事の中身で変わります。助成の合計が助成対象経費を超えた分は減額されます。まずは屋根と設備の現況を見せていただき、そのうえで受け取れる金額の見通しをお伝えします。

ご相談は無料です。詳しくはえねこ公式サイトをご覧ください。

出典リンク

本記事は、大田区および東京都(公益財団法人東京都環境公社/クール・ネット東京)が公表する令和8年度の制度資料をもとに作成しています。補助制度の内容は、年度の切り替わりや予算の消化状況で変わります。申請に進む前に、各実施機関が出している最新の案内を必ずご確認ください。

主な出典

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